
【2026年最新】告訴状の書き方・作成方法を行政書士がわかりやすく解説|行政書士法人塩永事務所
「被害に遭ったので警察に告訴したい」
「告訴状を作成したいが、何を書けばよいかわからない」
「警察に提出するための告訴状を行政書士に依頼できるの?」
このようなご相談があります。
告訴状は、犯罪の被害を受けた人などが、捜査機関に対して犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求めるために作成する重要な書類です。
行政書士は、法律で認められた範囲において、告訴状などの「権利義務に関する書類」を作成することができます。
一方で、刑事事件についての法律相談、相手方との交渉、刑事手続における代理など、弁護士法その他の法律によって制限される業務を行政書士が行うことはできません。
行政書士法人塩永事務所では、この業際を明確に区別し、行政書士として対応できる「告訴状の書類作成」を適正にサポートしています。
1.告訴状とは?
告訴状とは、犯罪の被害者などが、犯罪事実を捜査機関に申告し、犯人の処罰を求めるために提出する書面です。
単に、
「○○という被害に遭いました」
「相手を処罰してください」
と書くだけでは、十分な告訴状にならない場合があります。
重要なのは、
- いつ
- どこで
- 誰が
- 誰に対して
- 何をしたのか
- どのような被害が発生したのか
- その事実を裏付ける資料は何か
という事実関係を、第三者が読んでも分かるように整理することです。
告訴状では、感情を長く記載するよりも、犯罪事実を具体的かつ客観的に整理することが重要です。
2.告訴と告発の違い
「告訴」と「告発」は似ていますが、意味が異なります。
告訴
犯罪の被害者などが、犯罪事実を申告して犯人の処罰を求めるものです。
告発
犯罪の被害者以外の者が、犯罪事実を申告して犯人の処罰を求めるものです。
そのため、犯罪被害を受けた本人が処罰を求める場合には、一般的に「告訴」という形を検討します。
3.告訴状には何を書けばよい?
告訴状について、法律上すべての事件に共通する完全に統一された様式があるわけではありません。
実務上は、次のような事項を整理して作成します。
【告訴状の基本的な構成】
① 宛先
提出する捜査機関を記載します。
例:
「○○警察署長 殿」
などです。
事件の内容や管轄によって提出先を検討します。
② 告訴人
告訴をする本人の氏名・住所などを記載します。
法人が告訴人となる場合には、法人名、所在地、代表者などについて整理します。
③ 被告訴人
告訴の対象となる人物について記載します。
氏名や住所が分かっている場合には、その情報を記載します。
一方、犯人が分からない場合には、無理に人物を特定する必要はありません。
分かっている情報をできる限り具体的に整理します。
④ 告訴の趣旨
「何について処罰を求めているのか」を簡潔に記載します。
例えば、
「被告訴人を○○の罪により厳重に処罰されたく、告訴します。」
などの形式が考えられます。
ただし、具体的な事件では、事実関係や適用され得る犯罪類型を確認した上で記載する必要があります。
⑤ 告訴事実
告訴状の中でも特に重要な部分です。
犯罪に該当すると考える具体的な事実を記載します。
例えば、
- 犯行日時
- 犯行場所
- 行為者
- 被害者
- 犯行の具体的内容
- 被害結果
- 金銭の流れ
- メールやSNSでのやり取り
- 契約関係
- その他の関連事実
などを時系列に沿って整理します。
4.「感情」ではなく「事実」を書く
告訴状を作成する際に注意したいのが、感情的な表現です。
犯罪被害を受けた方にとっては、非常につらい経験であることがあります。
しかし、告訴状では、
「本当に許せません」
「絶対に反省していません」
「非常に悪質な人間です」
といった評価や感情だけを並べるより、
「いつ、誰が、何をしたのか」
という客観的事実を具体的に記載することが重要です。
例えば、
令和○年○月○日、被告訴人は、告訴人に対し、○○と述べ、告訴人をして○○と誤信させた。
というように、具体的な出来事を記載します。
5.時系列を整理する
複雑な事件では、時系列表を作ってから告訴状を作成すると整理しやすくなります。
例えば、
| 日付 | 出来事 | 関係者 | 証拠 |
|---|---|---|---|
| 令和8年4月1日 | 契約締結 | A・B | 契約書 |
| 令和8年4月10日 | 金銭を支払った | A・B | 振込明細 |
| 令和8年4月20日 | 相手から連絡 | A・B | LINE |
| 令和8年5月1日 | 被害発覚 | A | メール等 |
このように整理すると、告訴状本文も作成しやすくなります。
6.証拠資料を整理する
告訴状では、犯罪事実を裏付ける資料についても整理しておくことが重要です。
例えば、
- 契約書
- 領収書
- 振込明細
- 銀行取引履歴
- メール
- LINE等のメッセージ
- SMS
- 写真
- 動画
- 録音データ
- 診断書
- 見積書
- 請求書
- 内容証明郵便
- 相手方とのやり取り
- その他事件に関係する資料
などです。
重要なのは、証拠をただ大量に提出することではありません。
「どの証拠が、どの事実を証明するのか」
を整理することが大切です。
7.告訴状に証拠をどのように記載する?
例えば、
証拠資料1 契約書
令和○年○月○日に告訴人と被告訴人との間で締結された契約書。
証拠資料2 振込明細
告訴人が被告訴人に対して○○円を振り込んだことを示す資料。
証拠資料3 メッセージ履歴
被告訴人が告訴人に対して送信したメッセージ。
というように、証拠番号を付けて整理すると分かりやすくなります。
8.告訴状で重要なのは「犯罪事実」
告訴状では、単なる民事上のトラブルと犯罪行為を区別する必要があります。
例えば、
「お金を貸したのに返してくれない」
という事情だけで、直ちに詐欺罪などの犯罪が成立するとは限りません。
契約違反、債務不履行、代金未払いなど、民事上の問題である可能性もあります。
一方で、
- 最初から返す意思がなかった
- 虚偽の説明をして金銭を交付させた
- 他人の財産を故意に持ち去った
- 脅迫して金銭を要求した
などの事情が存在する場合には、刑事事件としての検討が必要になる場合があります。
したがって、
「相手が悪い=犯罪が成立する」
とは限らない点には注意が必要です。
9.告訴状の作成を行政書士に依頼できる?
ここは非常に重要なポイントです。
日本行政書士会連合会は、行政書士が作成できる「権利義務に関する書類」の例として、告訴状・告発状を明示しています。
行政書士法上、行政書士は、他人の依頼を受け、報酬を得て、官公署に提出する書類や権利義務・事実証明に関する書類を作成することを業務としています。
ただし、行政書士が行えるのは、あくまで行政書士法上認められた範囲の書類作成業務です。
行政書士法第1条の2も、他の法律によって制限されている業務は行うことができない旨を定めています。
10.行政書士ができないこと
告訴状のご相談を受ける際には、行政書士の業務範囲を明確にする必要があります。
例えば、事件の具体的な状況によっては、
- 刑事事件についての法律相談
- 犯罪成立の判断について弁護士として法的助言を行うこと
- 相手方との示談交渉
- 刑事事件について代理人として交渉すること
- 捜査機関に対して弁護士として対応すること
- 刑事裁判における弁護活動
- その他、弁護士法上の「法律事務」に該当する業務
などについては、行政書士の業務範囲を超える可能性があります。
行政書士法上も、行政書士が官公署に対して行う代理については、弁護士法第72条に規定する法律事件に関する法律事務に該当するものを除く旨が定められています。
そのため、行政書士法人塩永事務所では、告訴状の書類作成支援と、弁護士が行うべき刑事事件の法律事務を明確に区別しています。
11.行政書士法人塩永事務所がサポートできること
当事務所では、行政書士として対応できる範囲で、告訴状の作成をサポートします。
具体的には、
① 事実関係の整理
依頼者から事情を伺い、事件の経緯を時系列に整理します。
② 告訴状の構成整理
告訴人、被告訴人、犯罪事実、証拠資料など、必要な情報を整理します。
③ 書面作成
お客様から提供いただいた事実・資料に基づき、行政書士法上認められる範囲で告訴状等の書類を作成します。
④ 証拠資料の整理
契約書、メール、LINE、振込記録、写真などを整理し、告訴状との関連性が分かるように資料を整理します。
12.行政書士に相談する前に準備しておくとよいもの
ご相談の際には、次の資料をできるだけ準備しておくとスムーズです。
基本資料
- 身分関係が確認できる資料
- 相手方の氏名・住所・連絡先
- 事件の発生日
- 事件が発生した場所
- 事件の経緯をまとめたメモ
- 被害額
- 被害状況
証拠資料
- 契約書
- 領収書
- 振込明細
- メール
- LINE等
- SMS
- 写真
- 動画
- 録音
- 診断書
- 内容証明
- その他関係資料
特におすすめなのが、「いつ、誰が、何をしたのか」を時系列でまとめたメモです。
13.告訴状は「相手を困らせるための書類」ではありません
告訴状は、単なる抗議文ではありません。
また、
「相手にプレッシャーをかけたい」
「警察から相手に連絡してほしい」
「お金を返してもらいたい」
という目的だけで告訴を検討すると、民事上の問題と刑事上の問題が混同してしまうことがあります。
告訴状では、
どのような犯罪事実があったのか
を具体的に整理することが重要です。
民事上の損害賠償請求や返金交渉が必要な場合には、刑事手続とは別に検討する必要があります。
このような場合、弁護士への相談が適切なケースもあります。
14.告訴状の一般的な構成例
告訴状は、事件に応じて内容を変える必要がありますが、一般的には次のような構成で整理します。
告訴状
○○警察署長 殿
1 告訴人
住所
氏名
電話番号
2 被告訴人
住所
氏名
その他判明している事項
3 告訴の趣旨
被告訴人について、○○の犯罪事実につき捜査の上、適切な処分を求める。
4 告訴事実
いつ、どこで、誰が、誰に対して、どのような行為をしたのかを具体的に記載。
5 告訴に至る経緯
事件に至った経緯を時系列に沿って記載。
6 被害状況
金銭的被害、身体的被害、その他具体的な被害を記載。
7 証拠資料
証拠資料1 ○○
証拠資料2 ○○
証拠資料3 ○○
8 添付資料
契約書、写真、メール、振込記録等を添付。
15.告訴状は「法律上の犯罪名」だけで作らない
告訴状を作成する際、
「これは詐欺罪です」
「これは横領罪です」
「これは脅迫罪です」
と最初から犯罪名だけを決めつけるのは適切ではありません。
重要なのは、まず実際に発生した事実を正確に整理することです。
その事実をもとに、どのような法的評価が問題となるのかを検討します。
特に複雑な事件や、犯罪成立について高度な法律判断が必要となるケースでは、弁護士への相談をおすすめします。
行政書士は、行政書士法で認められた書類作成業務を適切に行い、弁護士が担当すべき法律事務については弁護士へつなぐことが重要です。
16.行政書士法人塩永事務所の「業際を守った告訴状サポート」
行政書士法人塩永事務所では、行政書士法に基づく業務範囲を遵守し、告訴状などの書類作成をサポートしています。
行政書士法は2026年1月1日から改正法が施行され、行政書士の使命・職責が明確化されるとともに、業務の制限に関する規定も改正されました。日本行政書士会連合会も、改正後の行政書士には法令・実務に精通し、公正かつ誠実に業務を行うことが求められているとしています。
当事務所では、
「行政書士ができること」
と
「弁護士に依頼すべきこと」
を明確に区別します。
告訴状そのものの書類作成について行政書士として対応できる場合には、事実関係・証拠資料を整理し、分かりやすく適切な書面にまとめます。
一方、刑事事件についての法律相談や代理・交渉等が必要な場合には、弁護士への相談をおすすめします。
17.告訴状の作成でお困りの方へ
犯罪被害に遭った場合、
「何から整理すればいいのか分からない」
という方も少なくありません。
まずは、
- 事件がいつ起きたのか
- どこで起きたのか
- 誰が関係しているのか
- 何をされたのか
- どのような被害が発生したのか
- どのような証拠があるのか
を整理してみましょう。
そのうえで、告訴状等の書類作成について行政書士のサポートが必要な場合には、ご相談ください。
事件の内容によっては行政書士の業務範囲を超える場合があります。その場合には、弁護士への相談をご案内するなど、適切な専門家につなぐことも含めて対応します。
熊本で告訴状・告発状などの書類作成をご検討の方へ
行政書士法人塩永事務所
行政書士法人塩永事務所では、告訴状・告発状など、行政書士法上作成することが認められている権利義務・事実証明に関する書類について、事実関係や資料を整理したうえで書面作成をサポートしています。
ただし、刑事事件に関する法律相談、示談交渉、刑事事件の代理・弁護活動など、行政書士の業務範囲を超える業務については取り扱うことができません。
「行政書士に相談すべきか、弁護士に相談すべきか分からない」
という段階でも、まずはご相談ください。
事案の内容を確認し、行政書士として対応できる範囲を明確にしたうえでご案内します。
行政書士法人塩永事務所
〒862-0950
熊本市中央区水前寺1-9-6
TEL:096-385-9002
E-mail:info@shionagaoffice.jp
※本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の事件について犯罪の成立や処分結果を判断するものではありません。具体的な刑事事件について法律相談、示談交渉、刑事弁護等が必要な場合は、弁護士への相談をご検討ください。
