
登録支援機関の運営を行政書士が徹底アドバイス|顧客獲得・料金設定・支援体制・法令遵守・利益を残す経営方法
登録支援機関は「登録した後」が本当のスタートです
「登録支援機関として登録されたが、なかなか企業から依頼が来ない」
「外国人を受け入れているが、支援業務に追われて利益が残らない」
「月額支援料をいくらに設定すればよいのか分からない」
「支援記録や届出をきちんと管理できているか不安」
「外国人材の紹介会社や監理団体、行政書士との業務分担が分からない」
このような悩みを抱える登録支援機関は少なくありません。
登録支援機関は、出入国在留管理庁への登録を受ければ、それだけで安定的に利益が出る事業ではありません。
むしろ重要なのは、
「登録後に、どのような顧客を獲得し、どのような支援体制を作り、どのような料金体系で、どのように継続契約につなげるか」
という経営設計です。
出入国在留管理庁によると、2026年8月20日現在、登録支援機関は全国で11,556件に達しています。競争環境を考えても、これからの登録支援機関には「登録」以上の専門性と運営力が求められます。
行政書士法人塩永事務所では、登録支援機関の運営について、行政手続・在留資格・企業支援・コンプライアンス・業務管理の観点から、実務的な運営をアドバイスしています。
1.最初に見直すべきは「誰を顧客にするか」
登録支援機関を経営する場合、最初に考えるべきなのは、
「外国人を何人支援するか」
ではありません。
先に、
「どのような企業を顧客にするか」
を決めるべきです。
例えば、
- 建設会社
- 介護事業者
- 外食企業
- 食品製造会社
- 宿泊施設
- 農業法人
- 工場
- 自動車関連企業
- ビルクリーニング事業者
などです。
さらに、
「熊本県内の建設業者に特化」
「熊本県内の介護事業者に特化」
「食品製造業に特化」
など、業種を絞ることも有効です。
2.「何でもできます」は、実は営業上弱い
登録支援機関の営業で、
「特定技能なら何でも対応できます」
という説明だけでは、他社との差別化が難しくなります。
例えば、
「熊本県内の建設会社の外国人材受入れを専門に支援します」
とした方が、対象企業にとって自社向けのサービスだと理解されやすくなります。
さらに、
- 採用前の受入れ体制確認
- 在留資格手続との連携
- 入国後の生活支援
- 定期面談
- 企業への報告
- 支援記録管理
- 更新時期の管理
まで一貫して対応できれば、単なる「外国人の生活相談窓口」ではなくなります。
3.行政書士として最初に確認するのは「コンプライアンス」
登録支援機関の運営アドバイスで、行政書士として最も重視すべきなのが、
「売上を増やす前に、制度違反を防ぐ」
ことです。
登録支援機関は、特定技能外国人への支援を適切に実施することが前提です。
1号特定技能外国人支援には、
- 事前ガイダンス
- 出入国時の送迎
- 住宅確保・生活に必要な契約支援
- 生活オリエンテーション
- 日本語学習機会の提供
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
- 転職支援
- 定期的な面談
などの支援が含まれます。
「契約書を作って、外国人に何かあったら対応する」という程度ではなく、支援計画に沿って実際に支援を実施し、その実施状況を記録できる仕組みが必要です。
4.支援業務を「属人的」にしない
登録支援機関の経営で非常に危険なのが、
「担当者しか何をやっているか分からない」
という状態です。
例えば担当者が、
「この人は来週面談」
「この会社は今月更新」
「この外国人は住居の問題がある」
「この企業にはまだ報告していない」
という情報を頭の中だけで管理している状態です。
これは人数が増えると破綻します。
そこで、
外国人ごとの管理表
- 氏名
- 国籍
- 生年月日
- 在留資格
- 在留期限
- 雇用企業
- 入国日
- 支援開始日
- 面談日
- 次回面談予定日
- 相談履歴
- 支援履歴
- 重要事項
- 更新予定
などを一元管理します。
5.「支援記録」は経営管理資料でもある
支援記録は単なる行政上の書類ではありません。
経営者にとっても、
「誰に、いつ、どのような支援をしたのか」
を把握する重要な資料です。
例えば、
「3月10日 外国人本人から給与について相談」
「3月12日 企業担当者へ確認」
「3月13日 本人へ説明」
というように記録を残しておけば、後から経緯を確認できます。
さらに、トラブル発生時の事実確認にも役立ちます。
6.2026年の制度変更にも対応する
特定技能制度は固定された制度ではありません。
2025年4月1日から、特定技能制度における各種届出の届出項目・届出頻度などが変更されました。さらに2026年4月1日から使用する定期届出様式も更新されています。
したがって、
「昔登録したときのやり方でずっと運営する」
という考え方は危険です。
行政書士として登録支援機関にアドバイスする場合には、
制度改正 → 社内手順 → 顧客への説明 → 書式変更 → システム変更
まで落とし込むことが重要です。
7.「届出管理責任者」を決める
登録支援機関の運営では、
誰が届出を管理するのか
を明確にします。
おすすめは、
メイン担当者
届出期限・書類作成・提出管理
サブ担当者
チェック・バックアップ
責任者
最終確認
という3段階です。
一人だけに任せると、その人が休職・退職したときに業務が止まります。
8.顧客企業との契約書を見直す
登録支援機関と受入れ企業との契約では、
- 支援内容
- 支援対象者
- 支援開始日
- 支援期間
- 支援委託費
- 支払方法
- 通訳費
- 交通費
- 緊急対応
- 追加業務
- 契約解除
- 個人情報
- 秘密保持
- トラブル発生時の対応
などを明確にしておくことが重要です。
特に、
「どこまでが月額料金に含まれるのか」
を明確にしてください。
9.月額料金に「何でも込み」は危険
登録支援機関でよくある問題が、
「月額3万円なので何でも対応してください」
という契約です。
例えば、
- 深夜のトラブル対応
- 遠方への緊急訪問
- 何度も発生する通訳
- 退職・転職時の追加対応
- 住居トラブル
- 病院への同行
- 行政機関への同行
などをすべて無料で対応していると、利益がなくなります。
そこで、
通常支援
と
追加業務
を明確に分けます。
10.料金設定は「外国人1人当たりの原価」から逆算する
例えば、
月額支援料を30,000円とします。
しかし、
- 担当者の人件費
- 通訳費
- 交通費
- システム費
- 電話代
- 管理費
- オフィス費
- 教育費
が1人当たり25,000円かかっていたら、ほとんど利益がありません。
したがって、
売上-直接費=粗利益
を必ず計算します。
11.「1人当たり利益」を計算する
登録支援機関の経営では、
1人当たりの月間粗利益
を把握してください。
例えば、
月額30,000円
-
直接原価15,000円
=
粗利益15,000円
とします。
100人なら、
15,000円 × 100人
=
月150万円の粗利益
です。
この数字が分かれば、
「あと50人増やしたらどうなるか」
「スタッフを1人増やしても利益が残るか」
などを判断できます。
12.「1社1人」より「1社10人」を目指す
登録支援機関の運営効率を考えると、
1社から複数人を受ける
ことが非常に重要です。
1社1人の場合、
- 契約管理
- 請求
- 企業との連絡
- 支援計画
- 担当者との打合せ
などの固定的な業務が発生します。
一方、1社10人なら、企業との連絡や管理をまとめやすくなります。
したがって営業では、
「外国人を1人採用しませんか?」
より、
「今後、外国人材を継続的に採用できる体制を作りませんか?」
という提案が重要です。
13.「ストック型ビジネス」にする
登録支援機関の最大のメリットは、
毎月の継続売上を作れること
です。
例えば、
10社 × 10人 × 月額30,000円
なら、
100人 × 30,000円
=
月300万円
の支援売上になります。
年間では、
3,600万円
です。
もちろんこれは単純な売上試算であり、ここから人件費等が発生します。
重要なのは、
新規顧客を毎月探し続けるだけではなく、既存顧客の支援人数を増やすこと
です。
14.「採用→支援→更新→追加採用」の循環を作る
理想的な顧客企業は、
一度だけ外国人を採用する会社ではありません。
例えば、
1年目:3人採用
↓
2年目:5人採用
↓
3年目:10人採用
という企業です。
この企業と長期的な関係を構築できれば、登録支援機関の売上が安定します。
したがって、
支援対象者を増やす営業
ではなく、
外国人材を継続的に採用する企業を増やす営業
が重要です。
15.人材紹介との関係を整理する
登録支援機関が外国人材の採用支援を行う場合には、業務範囲を明確にしてください。
求人者と求職者の間に立って雇用成立をあっせんする職業紹介を行う場合、職業安定法上の職業紹介事業に関する規制があります。
したがって、
登録支援機関だから職業紹介も自由にできる
わけではありません。
職業紹介を行うのであれば、必要な許可等を確認し、適法なスキームを構築する必要があります。
16.行政書士との連携を明確にする
登録支援機関が行政書士と連携する場合、
「支援業務」と「在留資格申請業務」
を明確に区別します。
例えば、
登録支援機関
- 生活支援
- 定期面談
- 相談対応
- 生活オリエンテーション
- 支援記録
- 企業との連絡
行政書士
- 在留資格認定証明書交付申請
- 在留資格変更許可申請
- 在留期間更新許可申請
- その他行政書士が受任する在留手続
という形です。
行政書士法人が登録支援機関を運営する場合には、両者の業務区分と契約関係を社内で整理しておくことが重要です。
17.行政書士法人として「受入れ企業の監査目線」を持つ
登録支援機関は外国人本人だけを見てはいけません。
受入れ企業についても、
- 雇用契約
- 労働条件
- 賃金
- 労働時間
- 社会保険
- 労働保険
- 安全衛生
- 住居
- 支援体制
- ハラスメント
- 相談体制
などを確認します。
問題があれば、
「外国人本人に説明して終わり」
ではなく、
「企業側の受入れ体制そのものを改善する」
という視点が必要です。
18.外国人本人から相談を受けたら「記録→確認→対応」
外国人から、
「給料が違う」
「休みが取れない」
「寮でトラブルがある」
「上司から怒鳴られた」
などの相談を受けた場合、
① 本人から事実を聞く
↓
② 記録する
↓
③ 企業側にも確認する
↓
④ 必要に応じて専門家につなぐ
↓
⑤ 本人へ対応結果を説明
という流れを標準化します。
感覚的に処理してはいけません。
19.「外国人本人」と「企業」の双方から信頼されることが重要
登録支援機関は、
企業のためだけの存在でもありません。
一方で、
外国人本人だけの代理人でもありません。
制度上求められる支援を適切に実施し、企業と外国人双方に対して適正な対応を行うことが重要です。
特に、
「企業からお金をもらっているから、企業の言うことを全部聞く」
という姿勢は避けるべきです。
法令・支援計画・契約内容に基づいて、公正に対応する必要があります。
20.「緊急対応」のルールを決める
登録支援機関では、夜間・休日の相談が問題になりがちです。
例えば、
「夜中に外国人から電話が来た」
「休日に病院へ同行してほしい」
「会社から今すぐ通訳してほしい」
などです。
ここで重要なのが、
緊急時対応マニュアル
です。
例えば、
レベル1
通常相談
→営業時間内対応
レベル2
重要相談
→担当者へ連絡
レベル3
緊急事態
→責任者へ連絡
レベル4
生命・身体・犯罪等
→必要に応じて警察・救急・医療機関等へ連絡
というようにルール化します。
21.通訳者を「いつでも無料」と考えない
多言語対応は登録支援機関の大きなコストになります。
そこで、
- 自社通訳
- 外部通訳
- 電話通訳
- オンライン通訳
- 翻訳システム
などを組み合わせます。
特に少人数の登録支援機関がすべての言語の専門通訳者を雇用する必要はありません。
必要な言語を分析して、
「どの言語を内製化し、どの言語を外注するか」
を決めます。
22.支援業務を「商品化」する
登録支援機関の経営では、
「外国人の面倒を見ます」
では商品になりません。
例えば、
基本支援
- 法定支援
- 定期面談
- 相談対応
- 支援記録
企業支援
- 企業担当者向け相談
- 受入れ体制整備
- 外国人雇用研修
多言語支援
- 多言語相談
- 通訳
- 翻訳
などに整理します。
ただし、法令上義務付けられている支援を「有料オプションだから実施しない」とすることはできません。
料金体系を作る場合も、必要な義務的支援が適切に実施されることが前提です。
23.営業先は「外国人本人」ではなく「企業」
登録支援機関の顧客は基本的に受入れ企業です。
したがって営業先も、
- 建設会社
- 介護施設
- 工場
- 飲食店
- ホテル
- 農業法人
などの企業になります。
特に、
「外国人を今後も採用する可能性が高い会社」
を探します。
24.熊本なら「地域×業種」で営業する
熊本の登録支援機関であれば、
熊本県全域
だけを打ち出すより、
例えば、
熊本市・菊陽町・大津町・合志市・益城町を中心に、建設・介護・食品製造・宿泊業の外国人材受入れを支援
というように、
地域+業種
で専門性を打ち出す方が営業しやすくなります。
25.「紹介して終わり」のビジネスから脱却する
外国人材を紹介して終わるビジネスでは、売上が単発になりがちです。
登録支援機関の強みは、
採用後も契約が続くこと
です。
したがって、
採用
↓
在留資格
↓
入国
↓
支援
↓
定期面談
↓
更新
↓
追加採用
という長期的な関係を作ります。
26.行政書士が登録支援機関に助言するときの「5つの視点」
行政書士法人塩永事務所では、登録支援機関の運営を考える場合、次の5つの視点が重要だと考えています。
① 法令遵守
支援計画どおりに支援できているか。
② 業務管理
誰が、いつ、何をするのか明確になっているか。
③ 収益管理
1人当たり・1社当たりの利益を把握しているか。
④ 顧客管理
継続採用する企業を増やせているか。
⑤ 人材管理
外国人本人と企業双方に対応できるスタッフ体制があるか。
この5つを定期的にチェックすることが重要です。
27.登録支援機関の「月次経営会議」を作る
登録支援機関の経営者には、毎月次の数字を確認することをおすすめします。
顧客数
何社と契約しているか。
支援人数
何人を支援しているか。
新規契約
今月何社増えたか。
解約
何社・何人減ったか。
月間支援売上
いくらか。
1人当たり売上
いくらか。
1人当たり原価
いくらか。
粗利益
いくらか。
支援未実施件数
ゼロか。
面談期限
漏れがないか。
在留期限
更新予定者を把握しているか。
届出
期限どおり処理されているか。
28.行政書士法人塩永事務所が考える「強い登録支援機関」
強い登録支援機関とは、
外国人をたくさん抱えている会社
ではありません。
本当に強い登録支援機関とは、
「企業から信頼され、外国人からも信頼され、法令遵守を徹底しながら、適正な利益を継続的に確保できる会社」
です。
そのためには、
営業力
だけでは足りません。
行政手続の知識
外国人支援の実務
企業の労務管理への理解
多言語対応
業務管理
財務管理
が必要です。
29.登録支援機関の運営を行政書士に相談するメリット
登録支援機関の運営には、
- 出入国管理制度
- 特定技能制度
- 支援計画
- 届出
- 在留資格
- 行政手続
- 企業側の受入れ体制
- 契約関係
など、多くの行政・法務分野が関係します。
行政書士は、行政手続を専門とする国家資格者です。
特に、行政書士法人が登録支援機関の運営支援を行う場合、
「登録申請だけ」ではなく「登録後の制度運用」
まで含めて検討できる点が大きなメリットです。
30.行政書士法人塩永事務所の登録支援機関運営サポート
行政書士法人塩永事務所では、熊本県を中心に、登録支援機関・特定技能外国人の受入れ企業に対して、実務的なサポートを行っています。
当事務所自身も登録支援機関として、特定技能外国人の支援に関する実務を行っています。
サポート内容としては、
登録支援機関の運営相談
- 支援体制の確認
- 支援担当者の業務整理
- 業務フローの整備
- 支援記録の管理方法
- 契約書・料金体系の検討
- 業務マニュアルの整備
特定技能制度対応
- 受入れ企業の確認
- 支援計画の確認
- 支援実施状況の確認
- 届出関係の確認
- 制度改正への対応
在留資格関係
- 在留資格認定
- 在留資格変更
- 在留期間更新
- その他在留関係手続
企業向け外国人雇用支援
- 外国人材受入れ体制の整備
- 社内ルールの整理
- 外国人雇用に関する相談
- 継続的な外国人材受入れ体制の構築
などを、案件に応じて検討します。
まとめ|登録支援機関は「登録」より「運営」が重要
登録支援機関は、登録を取得しただけでは成功しません。
重要なのは、
① 顧客を明確にする
↓
② 支援業務を標準化する
↓
③ 支援記録を徹底する
↓
④ 届出・在留期限を管理する
↓
⑤ 適正な料金を設定する
↓
⑥ 1社当たりの支援人数を増やす
↓
⑦ 継続的に外国人を採用する企業を獲得する
↓
⑧ 支援品質を維持する
という仕組みです。
2026年8月20日現在、全国の登録支援機関は11,556件です。
これからは、
「登録支援機関であること」
そのものが営業上の強みになる時代から、
「どのような外国人材支援ができる登録支援機関なのか」
が問われる時代になっていくと考えられます。
行政書士法人塩永事務所では、熊本県内の企業・登録支援機関を中心に、特定技能・登録支援機関・外国人雇用・在留資格・支援体制の整備について、行政書士の立場から実務的なアドバイスを行っています。
「登録支援機関として登録したが、運営方法が分からない」
「支援人数が増えて管理できなくなってきた」
「料金設定を見直したい」
「支援記録や届出を整理したい」
「外国人材をもっと受け入れるための事業モデルを作りたい」
「熊本で登録支援機関として営業を強化したい」
といったご相談にも対応します。
登録支援機関は、登録して終わりではありません。
適正な支援体制を構築し、企業から継続的に選ばれる仕組みを作ることが、これからの経営のポイントです。
行政書士法人塩永事務所
熊本市中央区|登録支援機関|申請取次行政書士|認定経営革新等支援機関|全国対応
特定技能・登録支援機関の運営について、制度面だけでなく、「実際にどう運営すればよいのか」まで含めてご相談ください。
