
熊本県SDGs登録制度の取得手続き完全ガイド
はじめに
企業や団体の持続可能な発展への取り組みが社会的に重要視される中、熊本県は令和3年1月に「熊本県SDGs登録制度」を創設しました。この制度は、SDGsに積極的に取り組む企業等を県が登録し、後押しすることで、県内におけるSDGsの取組みの裾野を広げることを目的としています。
制度の概要と目的
制度の目的
熊本県SDGs登録制度は、熊本県内の企業等が自らの活動とSDGsとの関連性を認識し、SDGsの達成に向けた具体的な取組みを推進することにより、SDGsの普及を促進することを目的としています。
また、新たな価値の創造を促し、その取組みの「見える化」による地域の自律的好循環の形成につなげることで、熊本の特性を生かした持続可能な社会と、SDGsを原動力とした地方創生の実現を目指します。
制度の特徴
県内企業等がSDGsと事業活動との関連について「気付き」を得るとともに、具体的な取組みを進める登録制度として設計されています。登録期間は3年間で、更新が可能です。
登録の要件と対象
登録対象
- 熊本県内に事業所等を有し、県内において事業活動を行う法人
- 団体
- 個人事業主等
ただし、国及び地方公共団体は対象外となります。
登録要件
登録を受けるためには、以下の全ての要件を満たす必要があります。
基本要件
- 2030年の目指す姿や環境・社会・経済の三側面の重点的な取組みを明確に示していること
- 自らの活動とSDGsの17のゴール及び169のターゲットとの関連付けがなされていること
適格性要件
- 県税等租税公課の滞納がないこと
- 熊本県暴力団排除条例第2条に規定する暴力団、暴力団員、暴力団密接関係者でないこと
- 政党若しくは宗教団体でない者、又は特定のこれらを支援若しくは支援するおそれがない者
- その他、公序良俗に反する行為及び重大な法令違反がないこと
申請手続きの詳細
申請受付期間
新規登録(第9期)
- 令和7年(2025年)7月7日(月曜日)8時30分から8月15日(金曜日)17時15分まで
登録更新(第3期登録事業者対象)
- 令和7年(2025年)5月19日(月曜日)8時30分から6月20日(金曜日)17時15分まで
新規申請に必要な書類
1. 熊本県SDGs登録申請書(様式第1号)
- 2030年のSDGs達成に向けた経営方針と目指す姿
- SDGsに関する重点的な取組み及び指標等を記載
- 県ホームページに掲載され、対外的にPRされます
2. SDGs達成に向けた取組みチェックリスト(様式第2号)
- 基本項目25項目すべてを満たす必要があります
- チャレンジ項目は5項目以上を満たす必要があります
- 具体的な取組み内容を記載
3. その他必要書類
- 熊本県税に未納がないことの証明書(28号様式)
- 発行日から3カ月以内のもの
- 県内各広域本部、各地域振興局、自動車税事務所で取得可能
- 暴力団の排除に係る誓約書兼同意書及び役員一覧表(別紙)
更新申請に必要な書類
1. 熊本県SDGs登録申請書(様式第1号)
- 新規申請時の内容に加え、SDGsに関する重点的な取組み及び指標に係る進捗状況を記載
2. SDGs達成に向けた取組みチェックリスト(様式第2号)
- 登録時に1年以内に取り組む予定であった項目は、取組み中である必要があります
3. その他必要書類
- 熊本県税に未納がないことの証明書(28号様式)
- 暴力団の排除に係る誓約書(別紙)
- 熊本県SDGs登録制度更新時チェックシート(別紙)
申請方法
電子申請システム「Logoフォーム」を使用
- 新規申請専用:https://logoform.jp/f/My3Vp
- 更新申請専用:https://logoform.jp/f/Vfx9G
申請料 無料
登録後のメリット
対外的なPR効果
- 熊本県のホームページにて、SDGsの達成に積極的に取り組む企業として紹介
- 申請書類の内容が対外的にPRされます
オリジナルロゴマークの使用権
- 登録事業者専用のオリジナルロゴマークを名刺等に使用可能
- 事業者登録後に利用方法について別途案内
その他の支援制度
- 市町村や金融機関等による伴走支援
- 職域販売限定ECサイト「クローズドマート」の利用可能
- フードロス削減などのため、賞味期限切迫の食品や切り替え商品等を職域単位の会員限定で安価に販売
申請における注意点
書類作成時の注意事項
- 記載例やQ&Aの活用:申請書類作成時は、県が提供する記載例やQ&Aを必ず参考にしてください
- 最新様式の使用:申請書類は必ず最新版を使用してください
- 具体的な取組み内容の記載:抽象的な表現ではなく、具体的で実現可能な取組み内容を記載することが重要です
よくある申請上の課題
- SDGsとの関連付けが不明確:事業活動と17のゴールとの関連性を明確に示すことが必要
- 取組み内容が不十分:基本項目とチャレンジ項目の要件を満たしているか事前に確認
- 証明書の有効期限:納税証明書は発行日から3カ月以内のものが必要
専門家によるサポートの重要性
SDGs登録制度への申請は、単なる書類作成ではなく、企業の持続可能な経営戦略の策定そのものです。以下の点で専門家のサポートが有効です。
戦略的アプローチ
- 企業の事業活動とSDGsとの効果的な関連付け
- 実現可能で測定可能な目標設定
- 継続的な取組み体制の構築
申請書類の品質向上
- 要件を満たした適切な書類作成
- 審査に通りやすい内容の構成
- 更新時の進捗報告準備
まとめ
熊本県SDGs登録制度は、企業の持続可能な発展を支援する有効な制度です。登録により、企業のSDGsへの取組みが「見える化」され、社会的信頼の向上や新たなビジネス機会の創出につながります。
申請をご検討の企業様は、制度の要件や手続きを十分に理解し、適切な準備を行うことが重要です。複雑な申請手続きや戦略的な取組み計画の策定にお困りの際は、専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。
行政書士法人塩永事務所では、熊本県SDGs登録制度の申請支援から、企業の持続可能な経営戦略の策定まで、総合的なサポートを提供しております。お気軽にご相談ください。