
【2026年最新版】こども性暴力防止法(日本版DBS)への対応を行政書士が解説|熊本の事業者向け準備・規程整備・犯罪事実確認制度
熊本県内の学校・保育施設・学習塾・スポーツクラブ・児童向けサービス事業者の皆様へ
認定経営革新等支援機関|行政書士法人塩永事務所
令和8年(2026年)12月25日、「こども性暴力防止法」が施行されます。
本法は、学校や保育所などの教育・保育施設、さらに一定の要件を満たす民間教育・保育事業者を対象として、こどもに接する業務に従事する人の性犯罪歴等を確認する仕組み(いわゆる「日本版DBS」)を設けるとともに、児童対象性暴力等を防止するための組織的な措置を求める法律です。
熊本県内でも、幼稚園、認定こども園、保育所、学校、学習塾、スポーツクラブ、音楽教室、児童向けスクールなど、こどもと接する事業を営む事業者にとって、施行に向けた準備は重要な経営課題となります。
本制度への対応は、単に従業員の犯罪歴を確認すれば完了するものではありません。事業者の区分や業務内容に応じて、対象従事者の整理、採用時の確認方法、相談窓口の設置、報告・対応ルールの策定、情報管理体制の構築、研修の実施など、組織全体でこどもの安全を守る仕組みを整備する必要があります。
行政書士法人塩永事務所では、熊本県内の事業者を対象に、こども性暴力防止法への対応に関する相談、制度の整理、各種規程・社内文書の整備支援を行っています。
認定経営革新等支援機関として培ってきた事業者支援の経験を活かし、法令対応だけでなく、事業の継続性や現場で実際に運用できる体制づくりを重視してサポートいたします。
1.こども性暴力防止法とは
こども性暴力防止法の正式名称は、**「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律」**です。
令和6年6月19日に成立し、同月26日に公布されました。施行日は令和8年12月25日です。
この法律は、教育・保育等の役務を提供する事業者に対し、教員や教育・保育等従事者による児童対象性暴力等を防止するための措置を求めるものです。
制度の大きな柱は、次のとおりです。
- 対象となる従事者について、特定性犯罪前科等の犯罪事実確認を行う仕組み
- こどもに対する性暴力等を未然に防ぐための組織的な安全確保措置
- 性暴力等の疑いを把握した場合の報告・調査・被害児童の保護
- 犯罪事実確認に関する情報の厳格な管理
- 民間教育・保育事業者について、国の認定制度を設ける仕組み
いわゆる「日本版DBS」は、英国のDBS(Disclosure and Barring Service)を参考にした制度として知られていますが、日本の制度は、法律で定められた対象事業者・対象従事者・確認対象情報・手続に従って運用されます。
一般の事業者が自由に警察の犯罪歴データベースを検索できる制度ではありません。法律に基づき、国のシステムを通じて所定の犯罪事実確認を行う仕組みです。
2.どのような事業者が対象になるのか
こども性暴力防止法では、事業者を大きく「義務対象事業者」と「認定対象事業者」に分けています。
この区分を正確に理解することが、最初の重要な作業です。
(1)義務対象事業者
法律上、こどもに対して教育・保育等を提供する一定の学校設置者等には、法定の措置を講じる義務があります。
主な対象として、次のような施設・事業者が挙げられます。
- 学校(法律上の対象となる学校)
- 幼稚園
- 認可保育所
- 認定こども園
- 児童福祉施設等のうち法律で定める施設・事業者
対象となる施設・設置者の範囲は、法律、施行令、施行規則等によって定められています。施設の名称や一般的な分類だけで判断せず、設置根拠、認可・認定の状況、事業内容を確認する必要があります。
義務対象事業者は、法律に基づく犯罪事実確認や安全確保措置等を実施しなければなりません。
(2)認定対象事業者
一方、民間の教育・保育サービス事業者については、一定の要件を満たした上で国の認定を受ける仕組みが設けられています。
対象となり得る事業の例は、次のとおりです。
- 学習塾
- スポーツクラブ・スポーツ教室
- 音楽教室・ダンス教室
- 英会話教室
- 児童向け各種スクール
- その他、法律・施行令等で定める教育・保育等の事業
ただし、これらの名称に該当する事業であれば、すべて自動的に認定対象となるわけではありません。
実際には、提供するサービスの内容、対象年齢、こどもへの役務提供の実態、従事者の業務内容、事業の運営形態などを踏まえ、法令上の対象事業に該当するかを確認する必要があります。
認定対象となる民間事業者は、国の認定を受けることで、法律に基づく犯罪事実確認制度を利用できるようになります。認定を受けるためには、犯罪事実確認だけでなく、安全確保措置や情報管理措置など、法律で定められた要件を満たさなければなりません。
重要なのは、学習塾やスポーツクラブ等の民間事業者が、すべて一律に犯罪事実確認を義務付けられるわけではないという点です。 義務対象事業者なのか、認定を申請する事業者なのかを最初に整理する必要があります。
3.犯罪事実確認(日本版DBS)の仕組み
本制度の中心となるのが、対象従事者についての犯罪事実確認です。
事業者は、法律上の要件に従い、対象となる従事者について、特定性犯罪事実該当者に該当するかどうかを確認する手続を行います。
(1)確認の対象となる情報
確認対象となるのは、法律で定められた「特定性犯罪」に関する一定の前科情報です。
あらゆる犯罪歴を確認する制度ではありません。また、事業者が独自に警察へ照会して犯罪歴を取得する制度でもありません。
対象となる犯罪の範囲、確認対象期間、確認の対象者、手続の詳細は、法律・施行令・施行規則・施行ガイドライン等に従って判断します。
(2)誰が確認対象になるのか
確認対象となるのは、単に事業所に在籍する全従業員というわけではありません。
法律上の「教員等」または「教育保育等従事者」に該当するかどうか、実際にどのような業務に従事するかなどを踏まえて判断します。
例えば、次のような業務に携わる人については、対象となる可能性があります。
- こどもに直接指導・教育を行う講師
- 保育・教育活動に従事する職員
- こどもと継続的に接する指導員
- こどもの身体に接触する指導を行う職員
- こどもに対して個別指導や支援を行う従事者
一方、事業所の事務職員、清掃担当者、送迎担当者、外部委託先の従事者などについては、業務内容やこどもとの接触状況等により判断が必要です。
職種名だけで一律に対象・対象外を決めることは適切ではありません。
事業者は、職務内容、勤務場所、こどもとの接触の程度、指揮監督関係、雇用・委託の形態などを整理し、対象従事者の範囲を明確にすることが重要です。
(3)犯罪事実確認の手続
犯罪事実確認は、法律に基づく所定のシステムを通じて実施する仕組みです。
施行後は、事業者の区分に応じて、こども家庭庁が整備する関連システムを利用して必要な手続を行います。
確認手続に当たっては、対象者本人への説明、本人確認、必要書類・情報の提出、本人の関与を伴う所定の手続などが必要となります。
事業者は、確認の目的や利用範囲を明確にし、対象従事者に制度を適切に説明しなければなりません。
なお、行政書士や一般の民間事業者が、独自に犯罪事実確認を行ったり、国のシステムに代わって犯罪事実確認書を発行したりすることはできません。
4.犯罪事実確認だけでは不十分|事業者に求められる安全確保措置
こども性暴力防止法への対応で特に重要なのは、犯罪事実確認を実施するだけでは、法律が求める安全確保体制として十分ではないという点です。
事業者には、性暴力等を未然に防止し、疑いが生じた場合に適切に対応し、こどもを保護するための組織的な仕組みが求められます。
主な準備事項は次のとおりです。
(1)児童対象性暴力等を防止するための方針・ルールの整備
事業者は、こどもに対する性暴力等を防止するため、組織としての基本方針や行動ルールを整備する必要があります。
例えば、次のような事項を検討します。
- 従事者が守るべき行動基準
- こどもと従事者が一対一になる場面の管理
- 個室・死角・更衣室等の安全管理
- 指導・相談・面談時の適切な対応
- 不適切な身体接触の防止
- SNSや個人的な連絡先交換の取扱い
- 送迎・宿泊・合宿等における安全管理
- 保護者やこどもからの相談への対応
事業の種類によって、想定されるリスクは異なります。学習塾、保育施設、スポーツクラブでは、現場の業務内容に応じたルールづくりが必要です。
(2)相談窓口の設置・周知
こども本人や保護者が、性暴力等や不適切な行為について相談しやすい環境を整備することが重要です。
相談窓口については、次の事項を明確にします。
- 相談を受け付ける担当者
- 相談先の連絡方法
- 相談内容の取扱い
- 相談者のプライバシー保護
- 相談後の対応手順
- 相談担当者が関係者である場合の別の相談先
相談窓口は、設置するだけでは十分ではありません。こどもや保護者が相談先を認識できるよう、掲示・配布資料・ウェブサイト等を通じた周知も必要です。
(3)報告ルールの策定
従事者が児童対象性暴力等や不適切な行為の疑いを把握した場合に、誰に、どのような方法で報告するのかを事前に定めます。
例えば、次の事項を規定します。
- 報告すべき事案の範囲
- 報告義務を負う従事者
- 報告先・担当責任者
- 報告方法と報告期限
- 報告内容の記録
- 報告者に対する不利益取扱いの防止
問題を把握した従事者が、上司や事業主に報告できる体制を整えることが必要です。
(4)対応ルールの策定
疑いの報告を受けた後、事業者がどのように対応するかをあらかじめ定めます。
主な検討事項は次のとおりです。
- 初動対応を行う責任者
- こどもの安全確保
- 当該従事者とこどもとの接触を防ぐ措置
- 事実確認・調査の進め方
- 関係者からの聴取方法
- 記録の作成・保存
- 保護者への説明・連絡
- 関係機関との連携
- 被害を受けたこどもへの支援
疑いの段階で、被害を受けた可能性のあるこどもを守ることが重要です。
また、事業者が独断で事実を断定したり、こどもに過度な聴取を行ったりすることは避けなければなりません。必要に応じて、警察、児童相談所、医療機関、弁護士等の専門機関と連携する体制を検討します。
5.児童対象性暴力等対処規程とは
「児童対象性暴力等対処規程」は、こどもに対する性暴力等を防止し、疑いが生じた場合に適切に対応するための組織内規程です。
ただし、この規程は、国の認定を申請する民間教育・保育等事業者に求められるものであり、義務対象事業者が同じ名称・形式の規程を作成しなければならないということではありません。
認定対象事業者は、認定申請に当たって、法令上の基準に適合する児童対象性暴力等対処規程を作成し、提出する必要があります。
規程には、例えば次の事項を盛り込みます。
- 児童対象性暴力等を防止するための基本方針
- 犯罪事実確認等を踏まえた防止措置
- 不適切な行為の範囲と対応
- 相談窓口の設置・運営
- 性暴力等の疑いがある場合の調査手順
- こどもの保護・支援の方法
- 関係機関との連携
- 従事者への研修・周知
- 規程の見直し・改善
規程は、国のひな型をそのまま使用すれば必ず適合するというものではありません。事業者の組織体制、業務内容、従事者数、こどもとの接触状況に応じて、実際に運用できる内容に整えることが重要です。
6.情報管理規程の整備|犯罪事実確認情報は厳格に管理する
こども性暴力防止法への対応で、特に慎重な取扱いが必要なのが、犯罪事実確認に関する情報です。
犯罪事実確認によって得られる情報は、従事者本人のプライバシーに関わる極めて重要な情報です。
そのため、事業者には、法律や施行規則等に従った厳格な情報管理措置が求められます。
情報管理規程に盛り込む主な事項
- 情報管理責任者の選任
- 情報を取り扱う担当者の範囲
- 閲覧権限・アクセス権限の設定
- 情報の取得・閲覧・利用目的の限定
- 情報の保管方法
- 外部への漏えい防止措置
- 情報の複製・転送・持出しの制限
- 取扱状況の記録
- 保存期間・廃棄方法
- 漏えい等が発生した場合の対応
特に、犯罪事実確認に関する情報を、採用担当者や現場責任者などが必要以上に閲覧できる状態にしてはいけません。
情報管理規程のひな型は3種類
こども家庭庁は、事業者の情報管理体制に応じて、複数の情報管理規程ひな型を公表しています。
- ひな型①:責任者1名のみがシステム上で確認し、システム外で記録・保存しない場合
- ひな型②:複数名がシステム上で確認し、システム外で記録・保存しない場合
- ひな型③:複数名が確認し、システム外でも記録・保存等を行う場合
どのひな型を選択するかは、事業者の運用体制によって異なります。
小規模事業者であっても、情報管理責任者、閲覧権限、情報の取扱方法を明確にすることが重要です。
情報漏えいに注意
犯罪事実確認に関する情報を、正当な理由なく第三者に提供したり、不適切に取り扱ったりした場合には、法律上の罰則や行政上の対応、民事上の責任等が問題となる可能性があります。
また、情報漏えいは、従事者本人の権利を侵害するだけでなく、事業者の信用にも重大な影響を与えます。
情報管理規程を作成するだけでなく、担当者への研修、アクセス制限、記録・廃棄の手順まで整備する必要があります。
7.就業規則・雇用契約・採用書類の見直し
こども性暴力防止法への対応では、既存の就業規則や採用関係書類との整合性も重要です。
特に、犯罪事実確認や安全確保措置を実施するためには、採用段階から従事者に制度の内容を適切に説明し、必要な事項を明確にしておくことが望まれます。
見直しを検討する書類
- 就業規則
- 雇用契約書
- 労働条件通知書
- 採用募集要項・求人票
- 誓約書
- 内定通知書
- 業務委託契約書
- 従事者向け服務規程
- 研修・誓約に関する書面
就業規則で検討すべき事項
- こどもの安全を守るための服務規律
- 児童対象性暴力等や不適切な行為の禁止
- 法令に基づく犯罪事実確認への対応
- 必要な情報提供・本人確認手続への協力
- 事業者が講じる安全確保措置
- 調査・確認への協力
- 懲戒事由との関係
- 個人情報・犯罪事実確認情報の取扱い
ただし、犯罪事実確認の結果だけを理由として、当然に採用拒否・内定取消し・解雇・配置転換等が認められるわけではありません。
労働契約法、労働基準法、個人情報保護法その他の関係法令を踏まえ、必要性・相当性・手続の適正さを検討する必要があります。
また、就業規則の作成・変更や労働社会保険関係の法定書類作成・提出代行等には、社会保険労務士法上の業務範囲に関する問題があります。行政書士法人塩永事務所では、制度対応に必要な規程・社内文書の整理を支援し、就業規則の具体的な作成・変更や労務判断が必要な場合には、社会保険労務士等の専門家との連携を含めて対応方針を検討します。
8.従事者への研修と保護者・こどもへの周知
制度を実効性のあるものにするには、規程を作成するだけでなく、現場の従事者が内容を理解し、日常業務で実践できることが必要です。
事業者は、法令・ガイドラインに沿って、従事者向けの研修を計画・実施する必要があります。
研修内容の例は次のとおりです。
- こどもの権利と安全確保
- 児童対象性暴力等の基本的な理解
- 不適切な行為の具体例
- こどもとの適切な接し方
- 相談・報告ルール
- 性暴力等の疑いを把握した場合の初動対応
- 個人情報・犯罪事実確認情報の管理
- こどもや保護者への対応
また、こどもや保護者に対しても、相談先や相談後の対応の流れを分かりやすく周知することが重要です。
研修や周知は、一度実施して終わりではなく、職員の入退職、業務内容の変更、制度改正等に応じて継続的に見直すことが望まれます。
9.令和8年12月25日の施行までに準備すべきこと
施行日までの期間は限られています。特に義務対象事業者は、施行時点で必要な体制が整っているよう、速やかに準備を進めることが重要です。
まず取り組むべき準備事項
第1段階:事業者区分・対象業務の確認
- 義務対象事業者に該当するか確認
- 民間事業者の場合、認定対象となる事業か確認
- 対象となる従事者・業務の整理
- 雇用・委託・派遣等の関係整理
第2段階:社内体制の整備
- 制度対応責任者の選任
- 犯罪事実確認の実施体制の検討
- 相談窓口の設置
- 情報管理担当者の選任
- 関係部署・責任者の役割分担
第3段階:規程・書類の整備
- 情報管理規程の作成
- 報告ルールの作成
- 対応ルールの作成
- 児童対象性暴力等対処規程の作成(認定対象事業者)
- 就業規則・採用関係書類の見直し
- こども・保護者向け周知資料の準備
第4段階:研修・運用準備
- 従事者向け研修の実施
- 相談窓口の周知
- 緊急時の連絡体制の整備
- 情報管理の運用確認
- 記録・保存・廃棄方法の確認
第5段階:施行後の手続・継続的な見直し
- 法律に基づくシステムの利用
- 犯罪事実確認の実施
- 認定対象事業者の場合は認定申請
- 運用状況の点検・改善
- 研修・規程の定期的な見直し
なお、民間事業者の認定申請は、法の施行日である令和8年12月25日から行うことができます。施行前に認定申請を完了できるわけではありませんので、施行前は申請に必要な体制・規程・書類の準備を進めることになります。
また、義務対象事業者については、施行後の犯罪事実確認の対象となる現職者等に関する経過措置・申請時期の取扱いも確認し、国の準備ガイドに沿って計画的に進める必要があります。
10.熊本県内の事業者が注意すべきポイント
熊本県内では、保育施設、学校、学習塾、スポーツクラブ、各種スクールなど、こどもと接する事業者がそれぞれ異なる運営形態で事業を行っています。
同じ業種であっても、従事者数、施設の規模、指導方法、雇用形態、保護者との連絡体制などは異なります。
そのため、他社の規程やインターネット上のひな型をそのまま転用するだけでは、実際の業務に適合しない可能性があります。
例えば、次のような点を個別に確認する必要があります。
- こどもと従事者が一対一になる指導があるか
- 個室や死角となる場所での業務があるか
- 送迎・合宿・宿泊を伴う活動があるか
- 外部講師や業務委託先がこどもと接するか
- アルバイト・短時間勤務者をどのように管理するか
- 相談窓口を誰が担当するか
- 事業主自身が相談対象となる場合の対応をどうするか
- 犯罪事実確認情報を誰が閲覧・管理するか
熊本県内の事業者が制度に対応する際には、法令上の要件を満たすことと、現場で実際に機能する仕組みを整えることの両方が重要です。
11.認定経営革新等支援機関・行政書士法人塩永事務所のサポート
行政書士法人塩永事務所は、熊本市を拠点に、事業者の許認可・法人運営・各種制度対応を支援しています。
当事務所は、国の認定を受けた認定経営革新等支援機関として、事業者の経営課題や制度対応を踏まえた支援を行っています。
こども性暴力防止法への対応についても、単に規程を作成するだけでなく、事業者の業務内容・組織体制・従事者の構成を確認し、継続的に運用できる体制づくりを重視します。
主な支援内容
① 法律上の対象事業者・対象従事者の整理
- 義務対象事業者・認定対象事業者の区分確認
- 事業内容と法令上の対象範囲の確認
- 対象従事者・対象業務の整理
- 雇用・委託等の関係整理
② 各種規程・社内文書の整備支援
- 情報管理規程の作成・見直し
- 報告ルールの作成
- 対応ルールの作成
- 児童対象性暴力等対処規程の作成支援(認定対象事業者)
- 相談窓口・内部管理体制に関する文書整備
- 保護者・従事者向け周知文書の作成
③ 採用・雇用関係書類の確認
- 募集要項・求人票の確認
- 誓約書・内定通知書等の確認
- 法制度と既存社内規程との整合性の確認
- 社会保険労務士等との連携による就業規則対応の検討
④ 犯罪事実確認制度の手続準備
- 制度の概要・手続の説明
- 対象者の整理
- 必要書類・社内情報の整理
- システム利用に向けた準備事項の確認
- 施行後の手続スケジュールの整理
※犯罪事実確認そのものは、法律に基づく国のシステムを通じて行われます。当事務所が独自に犯罪歴を照会したり、犯罪事実確認書を発行したりするものではありません。
⑤ 事業者の運用体制づくり
- 制度対応の社内担当者・責任者の整理
- 情報管理体制の確認
- 相談・報告・対応フローの整備
- 研修・周知計画の作成支援
- 規程の運用状況の点検・見直し
※就業規則の具体的な作成・変更、労務管理に関する専門判断、法律紛争への対応等については、社会保険労務士・弁護士等の専門家と連携して対応します。
認定経営革新等支援機関としての視点
新法への対応は、事業者にとって新たな事務負担や管理コストが発生する課題でもあります。
当事務所では、法令対応を事業運営から切り離して考えるのではなく、次のような視点も重視します。
- 既存の社内規程・業務マニュアルとの統合
- 小規模事業者でも運用可能な管理体制
- 従事者の負担を抑えた研修・周知方法
- 情報管理に必要な設備・システムの整理
- 継続的なコンプライアンス体制の構築
認定経営革新等支援機関として、事業者の実情を踏まえた実務的な制度対応をサポートいたします。
なお、認定経営革新等支援機関であることは、本法に基づく国の認定事業者であることや、犯罪事実確認を実施する権限を有することを意味するものではありません。
12.よくある質問(FAQ)
Q1.こども性暴力防止法はいつから施行されますか?
令和8年(2026年)12月25日です。施行日までに、対象事業者は自らの区分に応じて必要な準備を進める必要があります。
Q2.学習塾やスポーツクラブも対象になりますか?
一定の要件を満たす民間教育・保育等事業者は、国の認定を受けることで制度の対象となります。ただし、学習塾やスポーツクラブがすべて自動的に義務対象となるわけではありません。実際の事業内容や法令上の要件を確認する必要があります。
Q3.従業員全員の犯罪歴を確認する必要がありますか?
一律に全従業員が対象となるわけではありません。法律上の対象となる従事者・業務に該当するかを、実際の業務内容やこどもとの接触状況等に基づいて整理する必要があります。
Q4.犯罪事実確認は警察に直接問い合わせるのですか?
いいえ。事業者が警察に直接照会する仕組みではありません。法律に基づく所定のシステムを通じて手続を行います。
Q5.情報管理規程は必ず必要ですか?
犯罪事実確認に関する情報を適切に管理するため、法律・施行規則等に基づく情報管理措置が必要です。情報の閲覧者数やシステム外での記録・保存の有無等に応じて、適切な規程・管理方法を整備します。
Q6.児童対象性暴力等対処規程はすべての事業者に必要ですか?
この名称の規程は、国の認定を申請する民間教育・保育等事業者に求められるものです。義務対象事業者については、法律に基づく必要な安全確保措置を講じることが求められますが、同じ名称・形式の規程を作成する必要があるわけではありません。
Q7.就業規則も変更しなければなりませんか?
犯罪事実確認や安全確保措置を適切に実施するため、就業規則や採用関係書類の見直しが必要となる場合があります。懲戒事由、服務規律、情報管理、調査への協力等について、労働関係法令との整合性を確認することが重要です。
Q8.小規模な事業者でも対応が必要ですか?
事業規模だけで対象外になるとは限りません。まずは義務対象事業者に該当するか、認定対象となる事業かを確認してください。小規模事業者の場合も、実際の運営体制に合った情報管理や安全確保の仕組みを整えることが重要です。
Q9.施行前に民間事業者の認定を受けることはできますか?
認定申請は、法律の施行日である令和8年12月25日から行うことができます。施行前は、対象事業者の確認、規程・体制の整備、必要書類の準備などを進めておくことが重要です。
Q10.行政書士法人塩永事務所に相談できますか?
はい。熊本県内の事業者を中心に、制度の対象確認、規程・社内文書の整備、情報管理体制の整理、施行に向けた準備についてご相談いただけます。労務・法律上の専門判断が必要な場合は、社会保険労務士・弁護士等との連携も含めて対応方針をご案内します。
13.熊本でこども性暴力防止法への対応をお考えの事業者様へ
こども性暴力防止法は、こどもたちの安全と権利を守るための重要な法律です。
一方で、事業者にとっては、対象従事者の整理、犯罪事実確認の手続、情報管理規程の整備、相談・報告体制の構築、研修の実施など、幅広い準備が必要となります。
特に、複数の施設を運営している法人、職員・アルバイト・外部講師が多数在籍する事業者、学習塾・スポーツクラブなどの民間教育事業者は、早期に自社の状況を確認しておくことをお勧めします。
行政書士法人塩永事務所は、熊本の認定経営革新等支援機関として、事業者の実情に即した法令対応・規程整備・運用体制づくりを支援いたします。
「自社が対象になるのか分からない」
「何から準備すればよいか分からない」
「情報管理規程や報告ルールを整備したい」
「認定申請に向けて必要な書類を整理したい」
このようなお悩みがございましたら、お早めにご相談ください。
熊本県内の事業者様からのオンライン相談にも対応しております。
行政書士法人塩永事務所
認定経営革新等支援機関
熊本市中央区水前寺
電話:096-385-9002
メール:info@shionagaoffice.jp
熊本の事業者様のこども性暴力防止法対応を、制度の理解から規程整備・運用体制づくりまでサポートいたします。
※本記事は令和8年10月30日時点で公表されている法令・こども家庭庁資料等を基に作成しています。個別の事業者が義務対象・認定対象に該当するか、対象従事者の範囲、必要な措置や手続は、事業内容・運営形態等によって異なります。実際の対応に当たっては、最新の法令、施行規則、施行ガイドライン、Q&Aおよび所管行政機関の案内をご確認ください。
