
外資系株式会社の設立と外為法対応を詳しく解説|行政書士法人塩永事務所
外国企業が日本に進出し、日本法人を設立する際には、会社法に基づく株式会社の設立手続だけでなく、外国為替及び外国貿易法(以下「外為法」といいます。)に基づく対内直接投資等の規制についても確認する必要があります。
外国法人が日本法人の株式を取得する場合、投資家の属性、対象会社の事業内容、株式の取得方法、投資の実行時期などによって、必要となる手続が異なります。一定の投資については、投資を実行する前に届出を行い、所定の待機期間や審査に関する規定を遵守しなければなりません。
そのため、会社設立の準備と外為法上の手続を別々に進めるのではなく、出資・払込み・株式取得・設立登記のスケジュールを一体的に設計することが重要です。
行政書士法人塩永事務所では、外国企業による日本進出について、出資構成や事業計画の確認、外為法上の届出・報告に関する検討、書類作成支援、関係機関への照会に向けた資料準備、司法書士等との連携などを通じて、案件に応じた実務支援を行っています。
本記事では、外資系株式会社の設立方法、外為法に基づく対内直接投資等の制度、事前届出・事後報告の確認方法、設立時の注意点、2026年の法改正と今後の対応について詳しく解説します。
1.外資系株式会社とは
「外資系株式会社」は、会社法上の独立した会社形態ではありません。一般に、外国法人や外国人などが出資し、株式を保有する日本の株式会社を指す表現です。
外国企業が日本で事業を展開する方法には、主に次の選択肢があります。
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日本に株式会社や合同会社などの日本法人を設立する
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外国会社の日本支店を設置する
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日本国内の既存企業に出資し、資本業務提携を行う
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日本国内の既存企業の株式を取得し、子会社化する
どの方法が適しているかは、事業内容、出資構成、経営管理の方法、取引先との関係、税務・会計上の方針などによって異なります。
外国法人が株式を100%保有する株式会社も設立できる
外国法人が発起人となり、日本に株式会社を設立することは可能です。会社法上の要件を満たせば、外国法人が設立時発行株式の全部を引き受け、株式の100%を保有する日本法人を設立することもできます。
ただし、次の2点は区別して考える必要があります。
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会社法上の問題: 日本法人を適法に設立できるか
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外為法上の問題: 出資や株式取得等について、事前届出・事後報告などが必要か
外国法人による100%出資が会社法上認められることは、外為法上の手続が不要であることを意味しません。出資比率だけで届出の要否を決めず、投資家の属性、事業内容、投資行為の類型等を確認する必要があります。
2.外資系株式会社の設立前に確認する事項
設立準備を始める際には、会社の基本事項に加えて、外国投資家の属性や出資の具体的な方法を整理します。これらは会社設立書類の作成だけでなく、外為法上の手続を検討するためにも重要です。
(1)外国法人・出資者の情報
まず、出資を予定している外国法人や外国人について、次の事項を確認します。
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正式名称、所在地、設立準拠法
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法人の設立・存続を確認できる資料
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代表者および出資を決定する権限を有する者
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日本法人の設立や株式引受けに関する意思決定資料
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株主構成、議決権、実質的な支配関係
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出資資金の拠出者と送金経路
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外為法上の外国投資家への該当性を判断するための情報
外国法人が出資する場合、法人の設立国や所在地だけで外為法上の取扱いが決まるわけではありません。出資者の属性、支配関係、投資の具体的な内容などを踏まえて検討します。
(2)日本法人の事業内容
外為法上の事前届出の要否を検討する際には、日本法人が実際に行う事業の内容が重要です。
主な確認事項は次のとおりです。
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定款に記載する事業目的
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実際に提供する商品・サービス
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取り扱う製品、設備、部品、技術等の内容
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製造、加工、修理、保守、検査、輸出入などの業務範囲
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主要な取引先と事業対象分野
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将来的に追加する予定の事業
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非公開の技術情報等にアクセスする可能性
定款の事業目的だけを見て、外為法上の届出要否を判断することは適切ではありません。実際の事業活動、取扱製品・技術、業務の範囲などを具体的に整理し、関係する業種区分と照合する必要があります。
(3)出資比率と株式取得の方法
出資比率だけでなく、どのような方法で株式を取得するかも重要です。
| 投資の形態 | 主な確認事項 |
|---|---|
| 外国法人が日本法人の設立時発行株式を引き受ける | 外国投資家への該当性、対象事業、設立時の投資行為 |
| 外国法人が既存の日本法人の株式を取得する | 株式取得の類型、対象会社の業種、取得割合 |
| 外国投資家が別の外国投資家から非上場会社の株式を取得する | 特定取得に関する規制の適用可能性 |
| 外国法人が間接的に日本法人の株式を取得する | 間接取得に関する規制や法改正の適用関係 |
| 既存の株主構成や出資比率を変更する | 変更内容と新たな届出・報告義務の有無 |
外為法では、株式取得以外の一定の行為が規制対象となる場合もあります。また、対象となる業種や投資家の属性によって、事前届出免除制度の利用可否なども変わります。
「外国法人が90%出資する」「100%子会社を設立する」といった出資比率だけでは、事前届出が必要かどうかは判断できません。
3.外為法に基づく対内直接投資等とは
外為法は、対外取引の自由を基本としつつ、国の安全、公の秩序、公衆の安全などを確保する観点から、一定の投資や取引について届出・報告等の制度を設けています。
外国投資家による日本企業への一定の投資等については、外為法第27条に基づく対内直接投資等の事前届出制度や、第28条に基づく特定取得の事前届出制度などが関係する場合があります。
財務省の公式案内では、制度の概要、対象業種、事前届出免除制度、届出・報告様式などが公表されています。
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財務省:対内直接投資審査制度について
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日本銀行:外為法に関する届出・報告の様式等
外為法上の検討で確認する主な項目
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出資者が外為法上の「外国投資家」に該当するか
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予定している出資・株式取得等が規制対象の投資行為に該当するか
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日本法人が営む事業が事前届出の対象業種に該当するか
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事前届出免除制度を利用できるか
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事前届出、事後報告その他の報告が必要か
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提出者、提出先、提出時期、必要書類は何か
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法令上の待機期間や審査に関する規定をどのように遵守するか
これらは個別の事実関係に基づいて確認します。外為法上の手続は、すべての外国資本による出資に一律に同じ方法で適用されるものではありません。
4.事前届出が必要かどうかを判断する手順
事前届出の要否は、外為法、関係政令・省令・告示、財務省等の公表資料に基づいて判断します。外国投資家自身が要否を確認することが基本となり、必要に応じて専門家による検討や関係機関への照会を行います。
(1)対象となる投資行為を確認する
まず、予定している行為が外為法上の対内直接投資等または特定取得などに該当するかを確認します。
新設会社の設立時に株式を引き受ける場合と、既存会社の株式を取得する場合では、具体的な事実関係や適用条文を確認する必要があります。
(2)対象会社の事業と指定業種を照合する
次に、日本法人が実際に行う事業を整理し、事前届出の対象となる指定業種に該当するかを確認します。
指定業種には、安全保障上重要な分野などが含まれます。具体的な対象範囲は関係法令・告示等によって定められており、事業の名称だけでなく、実際の業務内容や取扱製品・技術を確認する必要があります。
事業目的が広範囲にわたる場合は、設立当初に行う事業と将来の事業計画を分けて整理すると、検討すべき論点を明確にしやすくなります。
(3)事前届出免除制度の適用可能性を確認する
一定の条件を満たす外国投資家については、事前届出免除制度を利用できる場合があります。
ただし、免除制度の適用は、投資家の属性、対象業種、投資行為の類型、遵守すべき条件などによって異なります。特に、役員への就任、非公開の技術関連情報へのアクセス、対象会社の事業への関与などについて、免除条件との関係を確認する必要があります。
また、免除制度を利用した場合でも、所定の事後報告や条件遵守が必要となることがあります。
事前届出の免除は、外為法上の義務がすべてなくなることを意味するものではありません。
(4)関係機関への照会を検討する
業種区分や制度の適用関係について判断が難しい場合には、関係省庁等の公表する案内に従って確認します。
照会に向けては、次の情報を整理しておくことが有用です。
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外国投資家の名称、所在地、株主構成等
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日本法人の設立計画
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定款に記載する事業目的
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実際に提供する商品・サービス
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取り扱う設備、製品、技術等の説明
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出資比率、出資額、投資実行予定時期
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判断に迷っている業種区分や法令上の論点
照会先や回答の範囲は、確認したい事項によって異なります。関係機関への照会によって必ず個別案件の結論が得られるとは限らないため、法令・告示・公表資料の確認と併せて検討することが重要です。
5.外為法の事前届出が必要な場合の手続
事前届出が必要と判断された場合は、投資を実行する前に所定の届出を行い、法令上の待機期間や審査に関する規定を遵守しなければなりません。
(1)届出書類の作成
届出書類は、対象となる投資行為の類型に応じて、所定の様式と記入要領に従って作成します。
主に整理する情報は次のとおりです。
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外国投資家の名称、所在地その他の基本情報
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投資対象となる日本法人の情報
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投資の目的および具体的な内容
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取得予定の株式数、出資額、出資比率等
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日本法人が行う事業の具体的な内容
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対象業種との関係
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その他、該当する届出様式で求められる事項
実際に必要となる書類や記載事項は、投資行為の類型、投資家の属性、届出の種類などによって異なります。様式や記入要領を確認したうえで、必要な情報を整理します。
(2)提出先と提出方法
対内直接投資等に関する届出は、該当する手続に応じて、所定の方法により提出します。
一般的な事前届出では、日本銀行を経由して財務大臣および事業所管大臣に提出する仕組みとなっています。オンライン提出が可能な手続もあります。
ただし、提出先や提出方法は、届出の種類などによって異なる場合があります。該当する手続の最新の案内に従って進めることが必要です。
(3)待機期間と投資実行のタイミング
事前届出が必要な場合、届出受理後、原則として30日間の投資禁止期間が設けられています。ただし、法令上の要件に従って期間が短縮される場合がある一方、審査上必要な場合には延長されることもあります。現行制度では、延長期間を含めて最長5か月となる場合があります。
したがって、単純に「届出から30日経過すれば、どのような案件でも投資を実行できる」と考えるのは適切ではありません。届出の種類、受理状況、審査の進捗、投資実行に関する法令上の条件を確認する必要があります。
外国法人が日本法人を設立する場合は、特に次の点に注意します。
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設立時発行株式の引受けと外為法上の投資行為との関係
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出資金の払込みを行う時期
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株式取得などの投資実行に該当する行為の時期
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設立登記の準備と申請時期
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届出受理後の待機期間と審査状況
会社法上の設立手続と外為法上の手続では、対象となる行為や法的な効果が異なります。そのため、設立登記の日程だけを先に決めるのではなく、投資行為に該当する時点を確認したうえで、全体の工程を設計することが重要です。
6.事前届出が不要な場合も、事後報告等の確認が必要
外為法上の手続は、すべてが事前届出となるわけではありません。投資行為の類型、対象業種、外国投資家の属性などに応じて、事前届出を要しない場合や、事後報告等が必要となる場合があります。
また、事前届出免除制度を利用した場合にも、制度上の条件や報告義務が適用されることがあります。
事後報告が必要な場合は、該当する様式と記入要領を確認し、法令で定められた期限内に提出します。報告期限や記載事項は手続の種類によって異なるため、案件ごとに確認する必要があります。
外為法上の確認では、次の3点を分けて整理することが重要です。
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事前届出が必要か
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事前届出免除制度を利用できるか
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事後報告その他の義務が残っていないか
事前届出が不要という結論だけで確認を終了せず、投資実行後に必要となる手続まで確認することが大切です。
7.外資系株式会社の設立手続
外為法上の検討と並行して、日本法人の設立に必要な事項を決定し、会社法に基づく手続を進めます。
株式会社の一般的な発起設立では、基本事項の決定、定款の作成・認証、出資の履行、設立時役員の選任、設立登記などを行います。
会社設立に関する公式情報は、法務省のウェブサイトでも確認できます。
法務省:商業・法人登記に関する案内
(1)会社の基本事項を決定する
設立前に、次の事項を決定します。
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商号
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本店所在地
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事業目的
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資本金
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発行可能株式総数
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設立時発行株式数
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発起人ごとの引受株式数・出資額
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取締役、代表取締役等の役員構成
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事業年度
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公告方法
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株式譲渡制限の有無など
外国法人が発起人となる場合には、外国法人の正式名称、所在地、代表者などを、証明資料と整合するように記載する必要があります。
また、外為法上の確認に備え、事業目的だけでなく、実際の事業内容や出資の目的も具体的に整理しておくことが望まれます。
(2)外国法人に関する証明資料を準備する
外国法人が発起人となる場合、外国法人の存在、代表者、意思決定権限などを確認するための資料が必要となることがあります。
具体的な資料は、外国法人の設立国・地域、現地の法制度、設立登記の方法、署名・証明の方法などによって異なります。
例えば、次のような資料が検討対象となります。
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外国法人の登記・登録情報を証明する資料
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外国法人の代表者や署名権限を証明する資料
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日本法人の設立や株式引受けに関する決議書等
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外国法人の代表者等の署名に関する資料
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必要な日本語訳
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案件に応じた公証、認証、アポスティーユ等の証明資料
これらの資料がすべての案件で一律に必要となるわけではありません。設立国・地域の制度や日本側の手続に応じて、必要な書類と証明方法を確認します。
(3)定款を作成し、公証人の認証を受ける
株式会社を設立する場合、原則として定款を作成し、公証人による認証を受けます。
定款には、会社の目的、商号、本店所在地、設立に際して出資される財産の価額またはその最低額、発起人の氏名・名称および住所など、法律上必要な事項を定めます。
外国法人が発起人となる場合には、発起人の名称・所在地、株式引受けに関する記載などを、証明資料と整合させることが重要です。
なお、定款認証に必要な手続や資料は、発起人の構成、定款の作成方法などによって異なる場合があります。
(4)出資金を払い込む
設立時発行株式の引受けに基づき、所定の方法で出資金を払い込みます。
外国法人から出資金を送金する場合は、送金元、送金先、金額、払込日、名義などを確認し、設立登記で必要となる払込みの証明資料を準備します。
海外送金には、金融機関の審査や送金処理に時間を要する場合があります。送金予定日を設立スケジュールに反映し、必要書類や送金方法を事前に確認しておくことが望まれます。
また、外為法上の事前届出が必要となる場合には、払込みや株式取得などの投資実行時期との関係を整理し、必要な手続を適切な順序で進める必要があります。
海外送金が完了したことや、設立登記の準備が整ったことだけで、外為法上の投資実行が認められるとは限りません。
(5)設立登記を申請する
定款認証、出資の履行、設立時役員の選任など、必要な手続を終えた後、本店所在地を管轄する法務局に設立登記を申請します。
株式会社は、設立登記によって成立します。
なお、登記申請の代理は司法書士または弁護士の業務範囲に関わるため、行政書士法人塩永事務所では、必要に応じて司法書士等と連携し、書類準備や全体スケジュールの調整を支援します。
8.会社設立後に必要となる主な手続
会社設立登記が完了しても、事業開始に必要な手続がすべて終了するわけではありません。
会社の事業内容、従業員の有無、外国人役員の在留状況などに応じて、次のような手続を確認します。
| 手続の分野 | 主な確認事項 |
|---|---|
| 税務 | 法人設立に関する届出、法人税・消費税等の手続 |
| 地方税 | 都道府県・市区町村への法人設立関係の届出 |
| 社会保険 | 健康保険・厚生年金保険の適用関係 |
| 労働保険 | 従業員を雇用する場合の労災保険・雇用保険等 |
| 金融機関 | 法人口座の開設、海外送金、取引目的等の確認 |
| 許認可 | 事業開始に必要な許可・登録・届出 |
| 外為法 | 事後報告その他の報告義務の確認 |
| 在留資格 | 外国人役員・従業員の在留資格と活動内容の確認 |
| 輸出管理 | 貨物の輸出や技術提供に関する規制の確認 |
具体的な手続や期限は、会社の状況によって異なります。設立前から事業開始後までの流れを整理し、必要な届出を管理することが重要です。
特に、外国法人が日本法人の株主となることと、外国人役員が日本に在留して経営活動を行うことは、別の問題です。外国人役員が日本に滞在して経営活動を行う場合には、活動内容や在留状況に応じて、適切な在留資格の確認が必要となることがあります。
9.外為法の対内直接投資規制と輸出管理規制は別の制度
外国企業が日本で事業を開始する際には、外為法に基づく対内直接投資等の手続と、貨物・技術の輸出管理に関する規制を区別して検討する必要があります。
対内直接投資等の制度は、外国投資家による日本企業への一定の投資等を対象とするものです。
一方、輸出管理に関する制度では、貨物の輸出や技術の提供について、対象となる貨物・技術、仕向地、需要者、用途などに応じて、許可や確認が必要となる場合があります。
例えば、半導体関連設備の保守・修理、製造装置の取扱い、技術情報の提供などを行う場合には、具体的な貨物・技術と業務内容に応じて、輸出貿易管理令や外国為替令などに基づく規制を確認する必要が生じることがあります。
また、外国企業から技術情報の提供を受ける場合や、海外拠点へ技術情報を提供する場合なども、取引の内容によっては規制の検討が必要です。
外為法上の投資手続を済ませたことだけで、輸出管理や技術提供に関する規制まで満たしたことにはなりません。 それぞれの制度について、個別に適用関係を確認することが重要です。
10.2026年の外為法改正と2027年以降の対応
2026年6月5日、「外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律」が公布されました。今回の改正は、日本経済の健全な発展に寄与する外国投資を促進しながら、国の安全等を損なうおそれのある投資に適切に対応するため、対内直接投資審査制度を見直すものです。
財務省は、2026年9月にも改正法に関連する政令・省令・告示等を公表しています。施行日と全面適用の日程も示されているため、2026年中の設立準備であっても、2027年以降に投資を実行する場合には注意が必要です。
主な改正内容
改正では、主に次の事項が示されています。
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リスク軽減措置に関する届出事項の明確化: 投資に伴うリスクを低減する措置について、届出事項として明確化する。
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間接的な株式取得への対応: 日本企業の株式を保有する外国法人等を別の外国投資家が買収することなどを通じた、間接的な株式取得への規制を整備する。
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特にリスクが高い投資への対応: 一定の非居住者等の支配・影響下で行われる投資などについて、事前届出等の対象を見直す。
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指定業種以外への投資に関する措置: 一定のリスクが高い外国投資家による投資について、新たな対応措置を設ける。
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関係行政機関との連携強化: 投資審査に必要な関係行政機関への意見照会等に関する仕組みを整備する。
具体的な適用範囲は、改正法と関係政省令・告示等に基づいて確認する必要があります。
施行日と全面適用に注意
財務省の2026年9月の公表資料では、関連する政省令・告示等について、2027年1月4日および2027年2月3日の施行・全面適用が予定されています。個々の規定については、該当する法令・公表資料で適用日を確認してください。
外国企業による日本法人の設立では、準備開始時点の法令だけでなく、実際に出資・株式取得等を行う時点の法令を確認することが重要です。
特に、次のような案件では、改正前後の制度の適用関係を慎重に確認する必要があります。
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外国法人が日本法人の株式を100%保有する予定の案件
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複数の外国法人を介した出資・支配関係がある案件
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外国企業グループ内で株主構成を変更する案件
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指定業種や安全保障上重要な事業に関係する案件
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2026年中に設立準備を開始し、2027年以降に投資を実行する案件
最新情報は、財務省の公式ページで確認できます。
11.行政書士法人塩永事務所のサポート内容
行政書士法人塩永事務所では、外国企業による日本法人の設立と外為法対応について、案件の内容に応じて、次のような支援を行っています。
(1)初回相談・事実関係の整理
外国投資家の情報、出資比率、会社の事業内容、役員構成、資本金、設立予定日などを確認し、必要な手続を整理します。
外国法人の株主構成や実質的な支配関係、出資資金の拠出者などについても、外為法上の検討に必要な範囲で確認します。
(2)外為法上の手続の検討支援
投資行為の類型、投資家の属性、対象会社の事業内容、指定業種への該当性などを確認し、関係法令・告示・公表資料に照らして、事前届出や事後報告等の検討を支援します。
事前届出免除制度の適用可能性についても、制度上の要件や遵守事項を確認しながら整理します。
(3)届出・報告書類の作成支援
案件に応じて、所定の様式や記入要領、必要資料を確認し、外為法に関する届出・報告書類の作成や添付資料の整理を支援します。
必要な書類は投資行為の類型や投資家の属性等によって異なるため、個別の事情に応じて対応範囲を確認します。
(4)関係機関への照会に向けた資料準備
事業内容や対象業種の解釈などについて確認が必要な場合には、照会事項を整理し、事業計画や投資計画を説明するための資料作成を支援します。
照会先や回答の範囲は、確認事項と関係機関の案内に応じて異なります。
(5)会社設立に関する書類準備と専門家との連携
会社の基本事項、外国法人に関する証明資料、定款等の準備を支援し、必要に応じて司法書士、公証人、税理士その他の専門家と連携しながら、設立までの工程を調整します。
登記申請など他士業の業務範囲に属する手続については、適切な専門家との連携により対応します。
(6)設立後の手続に関する確認
会社設立後の事後報告、許認可、在留資格、輸出管理等について、案件に応じて必要な確認事項を整理し、関係専門家への相談や次の手続につなげます。
会社を設立することだけでなく、適法に事業を開始し、継続して運営できるよう、必要な手続を全体的に整理することを重視しています。
12.外資系株式会社の設立にかかる期間と費用
設立に必要な期間と費用は、外国法人の所在地、出資構成、事業内容、外為法上の手続、必要書類の準備状況などによって異なります。
期間に影響する主な要素
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外国法人の証明資料の取得にかかる期間
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翻訳、公証、認証等の必要性
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定款認証と設立登記の準備状況
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外為法上の事前届出の要否
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届出書類の作成や関係機関への照会の必要性
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法令上の待機期間と審査の状況
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出資金の海外送金にかかる時間
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許認可や在留資格等の追加手続の有無
事前届出が必要な案件では、法令上の待機期間だけでなく、資料準備や審査に必要な時間も見込む必要があります。
費用に影響する主な要素
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会社設立に関する書類準備
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外為法上の届出・報告書類の作成支援
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関係機関への照会に向けた資料作成
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外国語資料の翻訳
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公証・認証等にかかる費用
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司法書士等への依頼費用
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許認可や在留資格などの追加業務
会社設立にかかる登録免許税、定款認証に関する費用、専門家報酬などは、それぞれの手続や会社の条件によって異なります。
また、外為法上の事前届出が必要な場合と不要な場合では、必要な業務やスケジュールが異なります。そのため、会社設立と外為法対応を一律の料金で見積もるのではなく、必要な業務範囲を確認したうえで費用を算定することが適切です。
行政書士法人塩永事務所では、事業内容、出資構成、必要な手続を確認したうえで、対応範囲と報酬のお見積りをご案内します。
13.外資系株式会社の設立・外為法対応は行政書士法人塩永事務所へ
外国企業が日本に進出する際には、会社法上の設立手続と、外為法上の対内直接投資等に関する手続を、それぞれ適切に検討する必要があります。
出資の実行時期、届出の要否、対象業種の確認、外国法人の証明資料、海外送金、設立登記などを関連付けて整理し、適切な順序で進めることが重要です。
行政書士法人塩永事務所では、外国企業による日本進出について、事実関係の整理から外為法上の手続の検討、書類作成支援、会社設立に向けた専門家との連携まで、案件に応じてサポートします。
次のようなお悩みがある場合は、投資計画の初期段階からご相談ください。
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外国法人が日本法人の株式を100%保有する会社を設立したい
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外国企業による出資に外為法の事前届出が必要か確認したい
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事前届出と会社設立のスケジュールを整理したい
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外国法人の登記資料や決議書など、必要書類が分からない
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外国企業グループ内の出資・株式取得について相談したい
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2027年の外為法改正を踏まえて、日本進出の準備を進めたい
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日本法人の設立と許認可・在留資格等の手続をまとめて相談したい
外国企業の日本進出・外為法対応のご相談
行政書士法人塩永事務所
外資系株式会社の設立、対内直接投資等の事前届出・事後報告に関する検討、必要書類の整理、関係専門家との連携を通じて、日本進出の準備を支援します。
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会社設立に向けた書類準備
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外為法上の届出・報告に関する検討支援
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関係機関への照会に向けた資料作成
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許認可・在留資格等に関する手続の整理
必要な手続や対応範囲は、出資者の属性、事業内容、投資行為の類型等を確認したうえでご案内します。
096-385-9002
info@shionagaoffice.jp
熊本市中央区水前寺を拠点に、全国の案件についてオンライン等でご相談を承ります。
まとめ
外資系株式会社の設立では、会社法上の設立要件を満たすだけでなく、外国投資家の属性、出資方法、日本法人の事業内容などに応じて、外為法上の届出・報告義務を確認することが重要です。
特に、2026年に公布された外為法改正と2027年の施行・全面適用に向けた制度変更を踏まえ、実際に投資を実行する時点の法令を確認しながら準備を進める必要があります。
行政書士法人塩永事務所では、個別の事情に応じて必要な確認事項と手続の進め方を整理し、外国企業の日本進出を実務面からサポートします。
