
韓国籍離脱の方法と条件|日本国籍との重国籍・兵役・成人後の特例まで行政書士が解説
行政書士法人塩永事務所
日本と韓国の国籍を両方持っている方にとって、「韓国籍離脱」はいつか向き合う手続です。ただし、日本の役所で手続をすれば済むわけではなく、時期や性別、生活の状況によって使える手続が変わります。
この記事では、韓国籍離脱の基本、通常の申告と成人後の特例の違い、必要な準備を整理します。
韓国籍離脱とは
韓国籍離脱とは、韓国国籍を持つ重国籍者が、韓国の国籍法に基づく手続によって韓国国籍を失うことです。
次の点は、よく誤解されます。
- 日本国籍があるだけでは、韓国国籍は自動的になくなりません。
- 日本の役所で国籍選択の宣言をしても、韓国国籍の離脱にはなりません。
- 韓国側の手続が必要で、法務部長官の受理(通常の申告)または許可(特例)があった時点で、韓国国籍を喪失します。申請や申告をしただけでは喪失しません。
韓国籍離脱ができるのは誰か
韓国籍離脱の申告ができるのは、外国国籍を選択しようとする重国籍者のうち、外国に住所がある方です。日本に住んでいる方は、住所地を管轄する韓国大使館・総領事館を通じて、法務部長官に申告します。
日本で生まれて日本で育ち、日本国籍と韓国国籍を持っている方は、典型的な対象です。親の国籍の組み合わせによって取得の経緯は異なり、出生時に両方の国籍を取得したケースが多く見られます。
男性は「期限」が重要
男性の場合、兵役法に基づき、18歳になる年の1月1日に兵役準備役へ編入されます。通常の離脱申告は、この編入から3か月以内(実務上は18歳になる年の3月31日まで)に行うことが原則とされています。
この期限を過ぎると、通常の申告は制限され、兵役義務との関係を整理する必要が出てきます。「成人してしまったから無理だ」と決めつける前に、次の特例を確認してください。
期限を過ぎた方の特例(国籍法第14条の2)
2022年10月1日施行の改正国籍法で、兵役準備役への編入から3か月以内に離脱を申告できなかった重国籍者について、法務部長官の許可により離脱できる特例が設けられました。
要件
次の①②のいずれかと、③の両方を満たす必要があります。
① 外国で出生し、出生後も継続して外国に主な生活の根拠がある方。ただし、出生時に直系尊属が外国で永住目的なく滞在していた場合は除かれます。
② 6歳未満のときに外国へ移住し、その後も継続して外国に主な生活の根拠がある方。
③ 期限内に申告できなかった正当な事由がある方。
審査で見られる点
法務部長官は、次のような事項を考慮して判断します。
- 出生地と、重国籍になった経緯
- 住所地や主な居住地が外国であるか
- 韓国への入国回数、滞在の目的・期間
- 韓国国民にのみ認められる権利を行使したか
- 外国での職業選択に相当な制限や不利益があるか
- 兵役義務履行の公平性と調和するか
許可の判断には、原則として国籍審議委員会の審議が行われます。要件を満たしていても、許可が保証されるわけではありません。
手続の流れ
- 状況の確認:ご本人と父母の国籍、出生地、居住歴、韓国への渡航歴、韓国の家族関係登録の状況を確認します。
- 手続の選択:通常の申告か、特例の許可申請かを整理します。
- 書類の収集:韓国の基本証明書・家族関係証明書、日本の戸籍関係書類、居住歴や入出国歴の資料などを集めます。
- 申請書類の準備:特例の場合は、期限内に申告できなかった事情や外国での生活状況を、裏付け資料と整合する形で整理します。
- 在外公館へ提出:住所地を管轄する公館に提出します。公館から法務部長官に送付されます。
- 審査・追加資料への対応:追加資料を求められることがあります。
- 日本側の届出:離脱後は、日本の戸籍に関する届出(外国国籍喪失届など)が必要になる場合があります。期限や様式は本籍地の役所でご確認ください。
必要書類は、通常の申告か特例か、そして公館の最新の案内によって異なります。
韓国籍離脱でつまずきやすいケース
韓国側の家族関係登録が未整備、または日本の戸籍と氏名・生年月日が一致しない
追加の手続や証明資料が必要になることがあります。
母親が日本に帰化している
母親が日本に帰化しても、お子様の韓国国籍が当然に消滅するとは限りません。出生時の父母の国籍や、韓国側の登録状況を個別に確認する必要があります。
兵役関係の通知を受けたことがある、韓国に長期滞在した経験がある
離脱の可否や特例の審査に影響する可能性があります。
期限を過ぎた理由をうまく説明できない
特例では、期限内に申告できなかった正当な事由が要件の一つです。単に期限を知らなかったという説明だけでは、不十分とされる可能性があります。
費用の目安(税込)
| 業務内容 | 報酬の目安 |
|---|---|
| 初回相談・基本的な制度説明 | 11,000円〜22,000円 |
| 特例該当性の調査・方針の検討 | 33,000円〜55,000円 |
| 特例申請サポート(1人分) | 165,000円〜220,000円 |
| 2人分を同時に依頼する場合 | 275,000円〜330,000円 |
- 上記は目安で、確定見積もりではありません。
- 公館の手数料、証明書の取得費、翻訳費、郵送費は別途必要になる場合があります。
- 許可を保証するものではありません。
当事務所のサポート内容
- 韓国籍離脱に関する初回相談
- 通常の申告と特例の制度整理
- 出生時の国籍・家族関係、居住歴の確認
- 必要書類の確認と収集の支援
- 期限内に申告できなかった事情の整理と、理由書の作成支援
申請は申請者ご本人が韓国公館に対して行います。韓国法に関する最終的な判断と許可の可否は、韓国の関係機関が行います。案件によっては、韓国公館や韓国の専門家への確認をおすすめします。
よくある質問
Q1.韓国籍離脱は、日本の役所で手続できますか。
いいえ。韓国側の手続が必要です。日本の役所で行えるのは、日本国籍に関する国籍選択の宣言や、離脱後の戸籍の届出です。
Q2.成人していても、韓国籍離脱はできますか。
通常の申告ができるか、特例の許可申請の対象になるかによって異なります。条文上、年齢そのものが要件ではありませんが、出生・居住の状況や正当な事由などの要件を満たす必要があります。
Q3.兵役を終えていない男性は離脱できませんか。
一律にできないわけではありません。申告の時期や特例の要件との関係で判断が分かれるため、個別の確認が必要です。
Q4.手続にはどのくらいかかりますか。
書類の収集状況や韓国側の審査状況によって異なり、一律にはお答えできません。特例は個別審査のため、特に時間がかかる場合があります。
韓国籍離脱のご相談は、行政書士法人塩永事務所へ
「自分は通常の申告ができるのか」「成人しているが特例の対象になるか」「母が帰化している場合はどうなるか」など、個別の事情を伺ったうえで、必要な手続・書類・費用の目安をご案内します。
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※本記事は一般的な制度の説明であり、個別案件の許可を保証するものではありません。実際の申請にあたっては、最新の韓国法令と管轄公館の案内をご確認ください。
