
【2026年最新版】監理責任者講習・申請取次行政書士・外部監査人講習を徹底解説|育成就労制度に向けた準備と要件
育成就労制度の監理支援機関・外部監査人に関するご相談は、行政書士法人塩永事務所へ
2027年4月1日から、外国人技能実習制度に代わる新たな制度として「育成就労制度」が施行されます。
育成就労制度では、監理支援機関の許可要件や監査体制が見直され、監理支援責任者や外部監査人には、制度に関する知識と適切な業務遂行能力が求められます。
そのため、監理団体、登録支援機関、行政書士、社会保険労務士、弁護士、外国人材の受入れ企業などにとって、関係する講習の受講や資格要件を正しく理解しておくことが重要です。
行政書士法人塩永事務所では、育成就労制度に関する法令・運用要領を確認しながら、監理支援機関の許可申請、外部監査人に関するご相談、外国人材の受入れに伴う各種手続きについて、実務に即したサポートを行っています。
本記事では、特に混同されやすい次の3つについて詳しく解説します。
- 監理責任者講習(監理責任者等講習)
- 申請取次行政書士
- 育成就労制度の外部監査人に必要な講習・要件
※本記事は2026年10月時点で公表されている制度資料を踏まえた解説です。講習の実施状況、受講証明書の有効性、経過措置、申請要件については、申請時点の最新の法令・運用要領・外国人技能実習機構(OTIT)の案内をご確認ください。
1.育成就労制度と監理支援機関の関係
育成就労制度は、外国人が日本で就労しながら技能を修得し、特定技能制度への移行も見据えて人材育成を進めるための制度です。
制度の施行日は2027年4月1日です。また、監理支援機関の許可については、施行日前申請が2026年4月15日から受け付けられています。
育成就労制度において、監理型育成就労を行う場合、監理支援機関は主務大臣の許可を受け、受入れ企業に対する監理・指導、育成就労外国人の保護・支援などを担います。
技能実習制度における監理団体が、従来の許可だけで自動的に監理支援機関になれるわけではありません。育成就労制度に対応するためには、新たに監理支援機関の許可を受ける必要があります。
また、監理支援機関には外部監査人の設置が求められます。そのため、監理支援機関の許可申請を準備する際は、組織体制や財務状況だけでなく、監理支援責任者や外部監査人の選任・講習受講状況についても確認しなければなりません。
2.監理責任者講習とは
2-1.監理責任者講習の目的
監理責任者講習は、技能実習制度において監理団体の監理責任者などに求められる知識を習得するための講習です。
技能実習制度では、監理責任者は、監理団体の監理事業を適切に運営するために重要な役割を担ってきました。
具体的には、監理団体の業務運営、技能実習に関する法令の遵守、実習実施者への監査・指導、技能実習生の保護などに関する知識が必要になります。
監理責任者等講習を修了していることは、制度の仕組みや監理業務について理解していることを示す一つの資料になります。
2-2.育成就労制度でも講習は必要か
育成就労制度では、監理支援機関の「監理支援責任者」について、主務大臣が適当と認める機関が実施する養成講習を受講した者を選任する仕組みが設けられています。
さらに、選任後も原則として3年ごとに講習を受講することが求められます。
ここで注意したいのは、技能実習制度の「監理責任者」と、育成就労制度の「監理支援責任者」は、制度上の位置付けが異なるという点です。
名称が似ていても、技能実習制度の講習を修了していれば、育成就労制度に関するあらゆる要件が自動的に満たされるわけではありません。
ただし、育成就労制度の運用要領では、制度施行前に技能実習制度における養成講習を受講した場合の経過措置が示されています。実際に選任する際は、受講日、講習の種類、受講証明書、選任時点の経過措置を確認することが重要です。
2-3.監理責任者講習を受講する際の確認事項
監理責任者等講習を受講済みの方や、これから受講を予定している方は、次の点を確認しておきましょう。
- 講習の正式名称
- 受講年月日
- 講習を実施した機関
- 受講証明書の有無
- 監理支援責任者として選任する予定があるか
- 外部監査人としての選任も検討しているか
- 施行前に受講した講習に関する経過措置が適用されるか
特に、外部監査人としての選任も検討している場合は、監理支援責任者に必要な講習と、外部監査人に必要な講習の要件を区別して確認する必要があります。
3.外部監査人とは何か
3-1.外部監査人の役割
育成就労制度では、監理支援機関に外部監査人を設置することが許可要件の一つとされています。
外部監査人は、監理支援機関の内部の役職員とは異なる立場から、監理支援機関が行う監査その他の業務の遂行状況を確認し、適正な運営を確保するための役割を担います。
単に書類を確認するだけではなく、監理支援機関の業務が法令や運用要領に沿って適切に行われているかを、独立した立場から確認することが重要です。
3-2.外部監査人に求められる主な要件
外部監査人となるには、講習の受講だけでなく、複数の要件を満たす必要があります。
主な確認事項は次のとおりです。
- 法令で求められる養成講習を受講していること
- 弁護士、社会保険労務士、行政書士その他育成就労制度に関する知見を有する者であること
- 監理支援機関が監理支援を行う育成就労実施者と密接な関係を有しないこと
- 外部監査人としての独立性・外部性が確保されていること
- 法令上の欠格事由に該当しないこと
- 所定の就任承諾書・誓約書などを提出できること
行政書士法人、弁護士法人、社会保険労務士法人などの法人も、法令上の要件を満たせば外部監査人となることができます。
ただし、専門資格を持っていることだけで外部監査人になれるわけではありません。講習、独立性、欠格事由などの要件を併せて満たす必要があります。
3-3.外部監査人の独立性が重要な理由
外部監査人は、監査対象となる育成就労実施者との間に、監査の公正性を損なうような関係があってはなりません。
例えば、監査対象企業との雇用関係、一定の顧問契約や継続的な業務関係などについては、密接な関係や独立性の判断に影響する可能性があります。
そのため、外部監査人を選任する際には、資格や講習の受講履歴だけでなく、監査対象となる企業との関係も確認することが重要です。
また、外部監査人の氏名や所在地などについて、外国人技能実習機構のウェブサイトで公表されることへの同意が必要とされる点にも留意してください。
4.外部監査人の講習とは
4-1.外部監査人には講習の受講が必要
育成就労制度の外部監査人については、主務大臣が告示で定める講習を受講していることが要件とされています。
外国人技能実習機構が公表している運用要領では、外部監査人は、申請時点で過去3年以内に受講した講習の受講証明書を提出する取扱いが示されています。
したがって、外部監査人を選任する予定がある場合は、講習を受講した時期と証明書の有効性を申請前に確認する必要があります。
4-2.施行前に受講した監理責任者等講習は有効か
ここは、実務上特に重要なポイントです。
外国人技能実習機構が公表する監理支援機関許可申請に関するQ&Aでは、育成就労制度の施行前に技能実習制度における「監理責任者等講習」を受講した者についても、外部監査人に選任できる旨の経過措置が示されています。
ただし、過去に講習を受講していれば、受講時期を問わず無条件に認められるという意味ではありません。
申請時点で過去3年以内に受講した講習であることなど、適用される要件を満たしているか確認する必要があります。
受講証明書を紛失している場合や、講習の正式名称が分からない場合には、申請前に受講機関や関係機関へ確認することをおすすめします。
4-3.法人が外部監査人となる場合の注意点
行政書士法人、弁護士法人、社会保険労務士法人などが外部監査人となる場合、法人名義で就任するだけでは足りません。
実際に監査を担当する者が、所定の講習を受講していることなど、法令上の要件を満たす必要があります。
そのため、法人として外部監査人の業務を受任する場合には、次の事項を整理しておくことが重要です。
- 外部監査人となる法人の情報
- 実際に監査を担当する者の氏名・経歴
- 担当者の講習受講履歴と受講証明書
- 監査対象企業との関係
- 独立性を確保するための体制
- 就任承諾書・誓約書などの必要書類
- 監査実施体制と記録の作成・保存方法
外部監査人としての業務を継続的に行うためには、選任時の要件だけでなく、実際の監査業務を適切に実施できる体制も重要です。
5.申請取次行政書士とは
5-1.申請取次行政書士の役割
申請取次行政書士とは、一定の研修等を経て、出入国在留管理に関する所定の申請について、外国人本人や受入れ機関などに代わり、申請取次を行うことが認められた行政書士です。
外国人材の受入れに関する実務では、在留資格の認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請など、出入国在留管理に関係する手続きが発生します。
申請取次制度を活用することで、一定の条件のもと、外国人本人が出入国在留管理官署に出頭することなく申請を行える場合があります。
ただし、申請取次が認められる範囲は法令等で定められており、すべての行政手続きやすべての申請について自由に代理できるという意味ではありません。
5-2.申請取次行政書士であれば外部監査人になれるのか
申請取次行政書士であることだけで、外部監査人の要件を満たすわけではありません。
申請取次は、主として出入国在留管理に関する申請取次の制度です。一方、育成就労制度の外部監査人には、外部監査人に関する講習、専門性、監査対象との独立性、欠格事由など、別途の要件があります。
行政書士は、育成就労制度に関する法令上の要件を満たせば、外部監査人となり得る専門職の一つです。
そのため、申請取次行政書士が外部監査人としての業務を検討する場合には、次の点を確認する必要があります。
- 行政書士としての資格・登録状況
- 外部監査人に必要な講習の受講状況
- 受講証明書の有効性
- 監査対象企業との関係や独立性
- 欠格事由に該当しないこと
- 実際の監査を適切に実施できる体制
申請取次行政書士としての知識や経験は、外国人材の在留手続きに関する実務上の強みとなり得ますが、外部監査人の選任要件を個別に確認することが必要です。
5-3.外部監査人と在留申請業務を混同しないこと
外部監査人の業務と、在留資格に関する申請取次業務は、目的も根拠となる制度も異なります。
外部監査人は、監理支援機関の監理・監査業務などが適切に行われているかを、独立した立場から確認する役割を担います。
一方、申請取次行政書士は、所定の範囲で出入国在留管理に関する申請取次を行います。
したがって、外部監査人としての就任を検討する場合には、申請取次業務の経験だけで判断するのではなく、外部監査人としての法令上の要件と実際の業務内容を理解しておく必要があります。
6.3つの制度・要件の違い
| 項目 | 監理責任者等講習 | 申請取次行政書士 | 外部監査人に必要な講習・要件 |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 監理業務等に関する知識の習得 | 所定の在留申請等の申請取次 | 監理支援機関の業務を外部から監査 |
| 主な対象 | 技能実習制度の監理責任者等 | 申請取次を行う行政書士等 | 法令上の要件を満たす専門職等 |
| 講習・資格 | 所定の養成講習 | 申請取次に関する所定の手続・研修等 | 所定の講習、専門性、独立性など |
| これだけで外部監査人になれるか | 自動的にはなれない | 自動的にはなれない | ほかの要件も満たす必要がある |
| 主な確認事項 | 講習の種類、受講日、経過措置 | 申請取次の範囲・資格状況 | 講習受講、受講証明書、独立性、欠格事由 |
※表は制度の概要です。実際の選任可否は、最新の法令・運用要領と個別の状況に基づいて判断する必要があります。
7.外部監査人の業務内容と監査頻度
外部監査人は、講習を受講して要件を満たすだけでなく、選任後に適切な監査業務を実施する必要があります。
外国人技能実習機構の公表する育成就労制度運用要領では、外部監査人は、監理支援機関の各事業所について、監査等の業務の遂行状況を3か月に1回以上確認し、その結果を記載した書類を作成して監理支援機関に提出することが求められています。
また、監理支援機関が行う育成就労実施者への監査について、監理支援機関の各事業所につき1年に1回以上同行して確認し、その結果を記録した書類を作成・提出することも求められます。
このため、外部監査人として受任する際には、次の点をあらかじめ検討しておくことが重要です。
- 監査対象となる監理支援機関の事業所数
- 定期監査の実施スケジュール
- 監査対象となる書類・記録の確認方法
- 現地訪問や同行監査の方法
- 監査結果の報告書作成・提出体制
- 監査記録の保存と情報管理
- 監査対象との独立性を継続的に確保する方法
外部監査人は、形式的に氏名を登録するだけの立場ではありません。独立性を維持しながら、継続的に監査を実施できることが重要です。
8.監理支援機関の許可申請に向けて準備しておきたいこと
監理支援機関の許可申請では、講習受講者の確保だけでなく、組織全体の体制整備が必要です。
申請を検討している監理団体等は、次の事項を早めに整理しておきましょう。
8-1.講習・人員体制の確認
- 監理支援責任者の候補者
- 監理支援責任者の講習受講履歴
- 外部監査人の候補者
- 外部監査人の講習受講履歴と受講証明書
- 監理支援業務に従事する常勤役職員の人数
- 監理支援を行う育成就労実施者の予定数
- 育成就労外国人の受入れ予定人数
監理支援機関には、外部監査人の設置に加えて、債務超過がないこと、監理支援を行う育成就労実施者の数、常勤役職員の配置などの許可基準があります。講習だけを準備しても、組織全体の要件を満たさなければ許可を受けられない可能性があります。
8-2.必要書類の確認
申請に当たっては、申請書や事業計画書のほか、監理支援責任者や外部監査人に関する書類、役員の履歴書、組織体制に関する資料などが必要となります。
外部監査人に関しては、就任承諾書・誓約書・概要書に加え、講習の受講証明書の写しなどが求められます。
必要書類や様式は変更されることがあるため、申請時点の外国人技能実習機構の公表資料に基づいて確認することが重要です。
9.行政書士法人塩永事務所のサポート
行政書士法人塩永事務所では、外国人材の受入れや在留手続き、育成就労制度への移行準備に関するご相談を承っています。
育成就労制度への対応では、制度の概要を理解するだけでなく、監理支援機関の許可要件、講習受講状況、外部監査人の選任、申請書類の整備など、複数の事項を並行して検討する必要があります。
当事務所では、個別の状況を確認したうえで、次のような事項についてご相談に対応します。
- 育成就労制度への移行に向けた準備
- 監理支援機関の許可申請に関する相談
- 監理責任者等講習・外部監査人講習の受講状況の整理
- 外部監査人の選任要件に関する確認
- 許可申請に必要な書類や体制の整理
- 外国人材の在留資格・申請取次に関する相談
- 登録支援機関・受入れ企業等からの制度運用に関する相談
なお、外部監査人としての就任可否は、資格や講習だけでなく、監査対象との関係や独立性などを含めて個別に判断する必要があります。当事務所では、具体的な状況を確認しながら、制度上の要件に沿った準備を支援します。
10.よくある質問(FAQ)
Q1.監理責任者等講習を修了していれば、育成就労制度の外部監査人になれますか?
A.講習の受講歴は重要ですが、それだけで自動的に外部監査人になれるわけではありません。受講時期、受講証明書、専門性、監査対象との独立性、欠格事由など、ほかの要件も満たす必要があります。施行前に受講した技能実習制度の監理責任者等講習については経過措置が示されていますので、申請時点の要件を確認してください。
Q2.申請取次行政書士であれば、外部監査人の講習は不要ですか?
A.いいえ。申請取次行政書士であることだけを理由に、外部監査人に必要な講習が免除されるわけではありません。外部監査人として選任されるには、所定の講習や独立性などの要件を別途確認する必要があります。
Q3.外部監査人の講習を受講していれば、資格は必要ありませんか?
A.講習の受講だけで十分ではありません。弁護士、社会保険労務士、行政書士その他育成就労制度に関する知見を有する者であることなど、法令上の要件を満たす必要があります。
Q4.外部監査人は、監理支援機関の役職員が兼任できますか?
A.外部監査人には独立性・外部性が求められます。監理支援機関の役職員がそのまま外部監査人を兼ねることを前提にするのではなく、法令上の外部性を確保できるかを確認する必要があります。
Q5.外部監査人は、どのくらいの頻度で監査を行う必要がありますか?
A.公表されている運用要領では、監理支援機関の各事業所について、監査等の業務の遂行状況を3か月に1回以上確認することなどが求められています。また、監理支援機関による育成就労実施者への監査に、各事業所につき1年に1回以上同行して確認することも求められます。実際の業務では、最新の運用要領を確認してください。
Q6.外部監査人として就任する前に、何を確認すべきですか?
A.少なくとも、資格・専門性、講習受講履歴、受講証明書、監査対象との関係、独立性、欠格事由、監査を実施する体制を確認してください。監理支援機関の許可申請に必要な書類も、最新の様式に基づいて準備する必要があります。
11.まとめ|育成就労制度に向けて、講習と選任要件を正しく確認しましょう
育成就労制度における監理支援責任者、外部監査人、申請取次行政書士は、それぞれ異なる役割を担います。
特に、次の点が重要です。
- 監理責任者等講習の修了は、監理業務に関する知識を示すものですが、外部監査人の選任要件をすべて満たすことを意味しません。
- 申請取次行政書士であることだけで、外部監査人に必要な講習が免除されるわけではありません。
- 外部監査人には、所定の講習、専門性、独立性、欠格事由などの要件があります。
- 施行前に受講した講習については経過措置がありますが、受講日や証明書を確認する必要があります。
- 外部監査人は、就任後も定期的な監査と報告を行うため、継続的に業務を実施できる体制が重要です。
育成就労制度の施行に向けて、講習受講状況や許可申請の準備に不安がある場合は、早めに必要事項を整理することをおすすめします。
育成就労制度・監理支援機関の許可申請・外部監査人に関するご相談は、行政書士法人塩永事務所へお問い合わせください。
行政書士法人塩永事務所
所在地:熊本市中央区水前寺1-9-6
電話:096-385-9002
メール:info@shionagaoffice.jp
ウェブサイト:https://www.shionaga-office.jp/
全国対応・オンライン相談も承ります。監理支援機関の許可申請や育成就労制度への移行準備について、個別の状況を確認したうえでご案内いたします。
参考資料・公的情報
- 外国人技能実習機構「関係法令・育成就労運用要領等」
https://www.otit.go.jp/employment_for_skill_development/01/ - 外国人技能実習機構「監理支援機関許可施行日前申請」
https://www.otit.go.jp/employment_for_skill_development/03/ - 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/faq/ikusei_qa_00002.html
※制度の運用や申請書類は更新されることがあります。実際の申請・選任に当たっては、最新の法令、運用要領、関係機関の案内を必ずご確認ください。
