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一般貨物自動車運送事業の許可申請手続き:2026年最新ガイド
一般貨物自動車運送事業(トラック運送事業)を営むには、貨物自動車運送事業法に基づく国土交通大臣の許可が必要です。許可権限は地方運輸局長に委任されており、申請は営業所の所在地を管轄する運輸支局等に提出します。
本記事では、令和7年4月1日施行の改正貨物自動車運送事業法(改正トラック法)を踏まえ、新規に一般貨物自動車運送事業の経営許可を取得するための要件、申請書類、審査の流れ、許可後の義務を解説します。
1. 一般貨物自動車運送事業とは
一般貨物自動車運送事業とは、緑ナンバーの事業用貨物自動車を用い、荷主からの委託を受けて貨物を有償で運送する事業です。一般の貨物輸送のほか、引越し、冷蔵・冷凍輸送、特定の荷主向け輸送など、業態に応じた許可区分の検討が必要です。
一方、軽自動車による「貨物軽自動車運送事業」は、一般貨物自動車運送事業とは異なる制度であり、本記事の許可要件は原則として適用されません。また、自分の貨物のみを運送する自家用運送(黒ナンバー)は、有償で他人の貨物を運送する事業に該当しないため、本許可の対象外です。
2. 申請の全体像
申請先は、営業所を設置する都道府県を管轄する運輸支局等です。申請書の受理後、法令試験の受験、補正、審査を経て許可の可否が決定します。
標準処理期間は、一般貨物自動車運送事業の場合、申請書受理から許可まで原則3~5か月です。ただし、書類補正、法令試験の未合格、施設・資金関係の確認が必要な場合は、さらに時間を要します。
手続きの流れ
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事業計画、営業所・車庫、車両、資金計画の検討
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営業所・車庫の確保および適合性の確認
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申請書類の作成・提出
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法令試験の受験・合格
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運輸支局等による審査・補正対応
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経営許可の取得
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車両確保、運行管理者・整備管理者の選任、事業用自動車への登録
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運輸開始および運輸開始届の提出
許可を受けた事業者は、許可から1年以内に事業を開始しなければなりません。また、運輸開始後は30日以内に運輸開始届を提出する必要があります。
3. 許可の主な要件
一般貨物自動車運送事業の許可は、貨物自動車運送事業法第6条の許可基準と、各地方運輸局が公示する処理方針(公示基準)に適合することが求められます。
3.1 車両要件
営業所ごとに、事業用自動車を種別ごとに5両以上確保する必要があります。けん引車と被けん引車を組み合わせる場合は、1組を1両として算定します。
車両は、申請時点で必ずしもすべてを保有している必要はありませんが、リース契約書、売買契約書、使用貸借契約書などにより、許可時までに確実に使用権原を確保できることを示す必要があります。事業用自動車としては、貨物運送に適合する車両を緑ナンバーで登録・使用します。
3.2 人的要件
運行管理体制としては、運行管理者資格者証を有する者の中から、運行管理者または運行管理補助者を選任しなければなりません。
一般的な目安は次のとおりです。
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事業用自動車が5両以上30両以下:運行管理者1名
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30両を超える場合:30両ごとに運行管理者を1名増員
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車両台数や運行形態によっては、運行管理補助者の配置も検討
また、事業用自動車の整備体制を確保するため、整備管理者を確保する必要があります。整備管理者は、自動車整備士資格または整備に関する実務経験等を有する者から選任するのが原則です。
さらに、申請者および役員については、貨物自動車運送事業法第5条の欠格事由に該当しないことが求められます。暴力団関係者であること、破産手続開始の決定を受けて復権を得ないこと、運送事業に関する許可取消し後一定期間を経過していないこと等が該当し得るため、事前に精査が必要です。
3.3 施設要件
営業所は、事業を遂行するための事務所機能を有し、都市計画法、建築基準法等の関係法令に適合している必要があります。建物の所有権または賃借権等の使用権原を証できることも重要です。
車庫は、原則として営業所に併設します。やむを得ず離れて設置する場合は、営業所との距離について各運輸局の公示基準に適合しなければなりません。地域により基準が異なるため、事前に管轄運輸支局等へ確認することが重要です。
車庫には、計画するすべての事業用自動車を収容できることが求められ、車両と車庫の境界、車両相互の間隔についても基準があります。
休憩・睡眠施設については、運行形態に応じて必要となります。原則として営業所または車庫に併設することが求められ、併設できない場合には距離等の基準に適合させる必要があります。
3.4 資金要件
事業開始に必要な資金について、その見積りが適切であること、資金調達に十分な裏付けがあること、自己資金が所要資金に相当する額以上であること等が求められます。
「自己資金2,000万円~3,000万円」といった一律の基準は法令上定められていません。必要資金は、車両の取得・リース、営業所・車庫の賃料、人件費、燃料費、保険料、整備費、運転資金等を個別に見積もり、預金残高証明書、融資契約書、決算書等で裏付ける必要があります。
新規法人の場合は、設立時の貸借対照表の提出が求められることがあります。
3.5 法令試験
申請者または法人の常勤役員は、貨物自動車運送事業の遂行に必要な法令知識を有することを確認するため、法令試験を受験し、合格する必要があります。
法令試験の申込書は、運輸支局等が許可申請書を受理した際に交付されるため、申請前に受験することはできません。試験は、貨物自動車運送事業法、道路運送車両法、道路交通法、労働関係法令等に関する知識が問われます。
4. 主な申請書類
申請書類は管轄運輸局・運輸支局により一部異なりますが、一般的には以下の書類が必要です。
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一般貨物自動車運送事業経営許可申請書
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事業用自動車の運行管理等の体制に関する書類
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事業の開始に要する資金および調達方法に関する書類
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事業施設の概要および付近の状況を記載した書類
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施設関係宣誓書
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車両諸元明細書または自動車検査証
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法第5条等宣誓書(欠格事由に関する書類)
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定款、登記事項証明書、役員名簿等
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車両の使用権原を示す書類
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運行管理者・整備管理者の資格を証する書類
提出部数は、運輸局、運輸支局、申請者控えを含め3部とする運輸局が一般的ですが、管轄により異なる場合があります。
5. 令和7年改正トラック法のポイント
令和7年4月1日施行の改正貨物自動車運送事業法は、真荷主とトラック事業者との取引適正化、運賃・料金の透明化、ドライバーの労働環境改善を目的としています。
5.1 運送契約時の書面交付義務
真荷主と一般貨物自動車運送事業者が運送契約を締結する際には、相互に所定事項を記載した書面を交付しなければなりません。交付した書面の写しは1年間保存する義務があります。
記載事項は主に以下のとおりです。
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運送役務の内容および対価
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荷役作業・附帯業務等が含まれる場合の内容および対価
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有料道路利用料、燃料サーチャージ等の特別に生じる費用
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契約当事者の氏名・名称および住所
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運賃・料金の支払方法
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書面の交付年月日
5.2 利用運送時の書面交付義務
一般貨物自動車運送事業者が、他のトラック運送事業者等の運送を利用する場合にも、委託元から委託先に対し、所定事項を記載した書面を交付することが義務付けられています。
5.3 令和8年4月からの拡大
令和8年4月1日からは、貨物利用運送事業者にも、真荷主との書面交付義務、運送利用管理規程の作成義務、運送利用管理者の選任義務、実運送体制管理簿の作成義務等が課されます。
一般貨物自動車運送事業者自身が元請となる場合だけでなく、荷主から運送委託を受けて他事業者に再委託するケースが増える中で、契約書面・管理帳簿・委託先管理の整備は、許可後の適正運営において一層重要になっています。
6. 申請書類作成の実務ポイント
事業計画の具体性
運送する貨物の種類、主な荷主・取引見込み、運行区域、車両の稼働計画、運行管理者の配置、収支計画を一貫性をもって記載します。車両台数、運行管理者数、資金計画、施設計画の間に矛盾があると、補正や審査の長期化につながります。
資金計画の裏付け
車両取得費、リース料、敷金・賃料、人件費、燃料費、保険料、整備費、運転資金を、見積書や契約書、預金残高証明書等で裏付けます。自己資金が不足する場合は、融資予定額、融資先、融資条件を明確にします。
施設図面の正確性
営業所・車庫の案内図、見取図、平面図、周辺地図を作成し、敷地面積、車両収容数、進入路、駐車区画、休憩・睡眠施設の位置を明示します。
法令試験対策
法令試験は申請受理後に受験するため、申請書類の準備と並行して学習計画を立てることが効率的です。過去問題は各地方運輸局等で公表されており、貨物自動車運送事業法、車両法、道路交通法、労働関係法令を中心に学習します。
7. 許可取得後の手続き
運輸開始まで
許可後は、事業用自動車の登録、運行管理者・整備管理者の選任届、運賃・料金の設定等を行います。許可から1年以内に運輸を開始しなければならず、運輸開始後30日以内に運輸開始届を提出します。
運賃・料金の届出
運賃または料金を設定した場合は、設定から30日以内に運賃料金設定届出を提出します。
事業報告書
事業報告書は、毎事業年度経過後100日以内に提出します。売上高、車両台数、事故状況等を報告する重要な継続義務です。
変更届出
営業所・車庫の移転、車両の増減、役員・運行管理者・整備管理者の変更、商号変更等が生じた場合は、内容に応じて変更認可申請または変更届出が必要です。放置すると許可取消し等のリスクにつながるため、変更発生時には速やかに確認してください。
巡回指導への備え
運輸局等の巡回指導では、運行管理、点呼記録、運転日報、整備記録、労働時間管理、運賃・料金関係書類等が確認されます。令和7年改正後は、運送契約書面の写しや実運送体制管理簿の整備も重要です。
8. よくある質問
Q1. 許可取得までどのくらいかかりますか。
申請受理から許可までの標準処理期間は3~5か月です。ただし、補正や法令試験の状況により、実質的にはさらに時間がかかることがあります。
Q2. 最低車両台数は何台ですか。
営業所ごとに、種別ごとに5両以上の事業用自動車を確保する必要があります。
Q3. 自己資金はいくら必要ですか。
一律の金額基準はありません。事業開始に必要な資金を適切に見積もり、自己資金および調達方法を証明できることが要件です。
Q4. 法令試験はいつ受けられますか。
許可申請書の受理後に受験できます。申請前に受験することはできません。
Q5. 個人事業主でも申請できますか。
可能です。ただし、法人と同様に、車両、施設、運行管理体制、資金計画、法令試験等の要件を満たす必要があります。
9. 行政書士に依頼するメリット
一般貨物自動車運送事業の許可申請は、事業計画、施設、車両、資金、運行管理体制、法令試験、許可後の届出まで多岐にわたります。行政書士に依頼することで、以下の支援が期待できます。
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事業計画・資金計画・運行管理体制の整理
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営業所・車庫の適合性確認および図面資料の整備
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申請書類の作成、提出、補正対応
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法令試験対策の進め方の案内
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許可後の運輸開始届、運賃料金設定届出、事業報告書、変更届出の支援
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改正トラック法対応としての契約書面・帳簿整備の支援
10. まとめ
一般貨物自動車運送事業の新規許可では、営業所ごとに5両以上の事業用車両確保、運行管理者・整備管理者の確保、適正な施設・資金計画、法令試験の合格が重要です。
令和7年4月施行の改正トラック法により、真荷主との書面交付義務や利用運送時の書面交付義務が強化されました。さらに令和8年4月からは貨物利用運送事業者への義務拡大も予定されており、許可取得後の契約管理・記録管理まで見据えた準備が不可欠です。
行政書士法人塩永事務所では、事業計画の策定から運輸局への申請、許可後の継続手続きまでを支援します。まずは無料相談にて、貴社の事業形態、車両計画、営業所・車庫の状況をお聞かせください。
ご留意点:上記は一般的な解説であり、営業所の所在地により適用される公示基準、必要書類、提出部数、車庫距離基準等は異なります。実際の申請前には、営業所所在地を管轄する運輸支局等の最新の案内を確認するか、行政書士等の専門家にご相談ください。
