
旅館業(宿泊業)営業許可のご案内
行政書士法人 塩永事務所【国認定・経営革新等支援機関】
宿泊料を受けて人を宿泊させる営業を行うには、営む施設の種類に応じた旅館業法上の許可が必要です。旅館業許可は保健所等の衛生上の基準にとどまらず、用途地域、建築基準法、消防法、自治体条例など、複数の法令・行政機関にまたがる手続きとなります。
当事務所は「認定経営革新等支援機関(国認定)」として、旅館業許可の申請代行に加え、開業資金の計画、融資・補助金の活用、事業承継・M&Aまで、宿泊事業の立ち上げと運営を総合的にサポートします。
1. 宿泊業の区分
旅館業法上、宿泊施設は主に次の3区分に分かれます。
「宿泊」・「宿泊料」の考え方
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宿泊とは、寝具を用いて施設を利用することをいいます。
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宿泊料とは、名目のいかんを問わず、寝具又は客室の利用に対する対価として受け取る金銭等をいいます。清掃費、リネン代、サービス料などの名目であっても、実質が宿泊料に当たる場合は旅館業法の規制対象となり得ます。
なお、利用者が寝具等を自ら持ち込み、当該建物を実質的に生活の本拠として使用する場合は、旅館業ではなく貸家業(不動産賃貸業)に該当する可能性があります。個別の運用形態によって判断が分かれるため、事前の整理が必要です。
2. 新規の旅館業営業許可申請
新たに旅館業を開始する場合、営業施設の所在地を管轄する保健所等(熊本市内は熊本市、東京都23区は原則として各区)に対し、旅館業営業許可申請を行います。
新築の場合に限らず、次のような場合も新規許可の検討が必要です。
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既存建物をリフォームし、宿泊施設として利用する場合
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用途変更を伴うコンバージョンを行う場合
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施設の大規模な改修又は増改築を行う場合
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施設を移転又は移設する場合
一方、令和5年12月の旅館業法改正により、事業譲渡については、所轄庁の承認を事前に受けることで、新規許可を取得し直さずに営業者の地位を承継できる制度が整備されました。
事前に確認すべき事項
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用途地域・地域計画:用途地域によって宿泊業の営業が制限される場合があります。
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旅館等建設協議:学校、病院、保育所、図書館、公民館等の特定施設が近接している場合、条例に基づき建設協議が必要となることがあります。
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建築基準法:既存建物の転用では、用途変更、増築、改修の内容に応じて建築確認又は建築主事等への相談が必要です。
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消防法:宿泊施設としての用途に応じた消防用設備、避難設備、防火管理等の適合が必要です。
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他法令:食事提供を行う場合は飲食店営業許可、公衆浴場を設ける場合は公衆浴場法上の手続き、温泉を利用する場合は温泉関係の手続きなどが別途必要となることがあります。
主な提出書類(概略)
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旅館業営業許可申請書
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営業施設の構造・設備を示す書類、仕様書
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各階平面図、客室面積計算書(客室、共用部、出入口、設備等が分かるもの)
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法人の場合:登記事項証明書、定款の写し
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営業施設付近の見取図(周辺の学校、病院、保育所等の配置が分かるもの)
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他人の土地・建物を使用する場合:賃貸借契約書、所有者の使用承諾書等
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建築基準法に基づく検査済証の写し等
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消防法令適合通知書
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手数料(自治体により額・納付方法が異なります)
※提出書類、構造設備基準、事前協議の要否は、都道府県・市町村の条例や運用により異なります。申請前に必ず管轄保健所等へ確認してください。
3. 営業者の地位承継手続き
令和5年12月の法改正により、事業譲渡・相続・合併・分割の各場面で、営業者の地位を承継するための手続きが整備されました。所定の承認を受けた場合は、原則として新規許可の取得、使用前検査、譲渡人による廃止届などを改めて行う必要がありません。
① 事業譲渡による承継
M&Aや事業承継により旅館業を第三者へ譲渡する場合です。
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譲渡人と譲受人が共同で、事業譲渡契約の効力発生前に承認申請を行う必要があります。
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承認前に譲渡の効力が発生した場合は、原則として新規許可申請の扱いとなります。
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主な添付書類:営業承継承認申請書、譲渡を証する書類(譲渡契約書等の写し)、譲受人の資格を証する書類等。
② 個人の相続による承継
許可を受けている個人事業者が死亡し、相続人が営業を承継する場合です。
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原則として、被相続人の死亡を知った日から60日以内に承認申請を行う必要があります。
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主な添付書類:営業承継承認申請書、被相続人の死亡及び相続人全員を確認できる戸籍関係書類、相続人全員の同意書等。
③ 法人の合併・分割による承継
許可法人が合併又は分割により、承継法人へ営業を承継する場合です。
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合併又は分割の登記前に承認申請を行う必要があります。
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主な添付書類:営業承継承認申請書、合併契約書又は分割計画書の写し、承継法人の定款、登記事項証明書等。
※手数料、様式、添付書類は自治体ごとに異なります。熊本県内の申請については、管轄保健所の最新案内を確認のうえ対応します。
4. 変更・廃止・休止等の届出
旅館業では、一定の事由が生じた場合には、所定の期間内に管轄保健所等へ届け出る必要があります。
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変更届:営業者の氏名・住所、法人の名称・代表者・役員、施設名称、構造設備の一部変更など
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廃止届:営業を廃止した場合(許可書の返納が必要となる場合があります)
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休止・再開届:リニューアル、季節営業などにより一時的に営業を休止・再開する場合
届出期限や対象事由は自治体により異なるため、変更内容が確定した段階で必ず確認してください。
5. 旅館等建設協議
旅館業法及び各自治体の条例では、営業施設の周辺に学校、病院、保育所、図書館、公民館等の特定施設がある場合、清純な施設環境を害するおそれがないかを審査する「旅館等建設協議」が必要となることがあります。
協議の対象距離や対象施設は自治体条例によって異なります。建築確認、消防手続き、許可申請との順序にも影響するため、物件選定段階または設計初期段階から確認することをおすすめします。
6. 法務上の注意点
旅館業・宿泊業は、許可取得後も賃貸借、管理委託、従業員、利用者との契約、個人情報など、日常運営に多くの法的リスクが伴います。特に、借り上げ物件や既存建物の転用では、許可取得前の権利関係の整理が重要です。
賃貸借契約・使用承諾
他人の土地・建物を利用して宿泊業を営む場合は、賃貸借契約又は使用承諾書において、旅館業としての使用が許容されていることを確認する必要があります。
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賃貸借契約書の用途欄に「旅館業」「宿泊業」「民宿」等の記載があるか確認します。
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転貸(又貸し)が禁止されていないか、貸主及び管理会社の承諾を得ているか確認します。
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区分所有建物の場合は、区分所有者全員の承諾、管理規約、管理組合の規制を確認します。
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土地・建物の所有者、賃貸人、転貸人等が複数存在する場合は、営業使用について必要な承諾を漏れなく取得します。
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契約期間、更新条項、中途解約条項、原状回復義務、違約金、用途変更時の承諾条件は、開業投資額とあわせて慎重に確認します。
賃貸借契約上、旅館業としての使用が明確でない場合は、所有者等の使用承諾書等の追加取得が必要となることがあります。
民泊・住宅宿泊事業との区分
住宅を利用する場合でも、宿泊料を受けて繰り返し人を宿泊させる事業は、原則として旅館業に該当します。住宅宿泊事業法(民泊新法)の届出を行う場合を除き、簡易宿所営業等の旅館業許可が必要となるのが一般的です。
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住宅宿泊事業として届出する場合は、原則として年間180日を超えて宿泊させられません。
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180日を超えて営業する予定、又は365日営業を想定する場合は、旅館業許可の取得を前提に計画します。
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「民泊」という名称であっても、実態が旅館業であれば無許可営業となるおそれがあります。
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特区民泊、国家戦略特別区域法に基づく認定を利用する場合も、認定要件・区域・運営条件を個別に確認する必要があります。
事業譲渡・M&Aにおける注意点
旅館業の事業譲渡では、令和5年12月の改正により、譲渡人と譲受人が事業譲渡契約の効力発生前に所轄庁の承認を受ければ、譲受人が営業者の地位を承継できます。
ただし、旅館業法上の承継手続きだけでは、事業譲渡に伴う法務リスクをすべて解消できるわけではありません。
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契約の承継範囲:賃貸借契約、リース契約、管理委託契約、仕入契約、従業員雇用契約などの承継可否を確認します。
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債務・保証債務:譲渡対象に含まれる債務、未払金、保証債務、税務上の未了事項を整理します。
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従業員の雇用承継:雇用契約の承継、就業規則、社会保険・労働保険の手続、退職金債務等を確認します。
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許可・届出の範囲:旅館業許可以外に、飲食店営業許可、公衆浴場営業許可、温泉利用、食品衛生、消防、建築関係の手続が必要か確認します。
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譲渡承認の時期:承認前に譲渡契約の効力を発生させると、原則として新規許可申請の扱いとなるため、契約書の効力発生条項と申請スケジュールを一致させます。
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デューデリジェンス:財務、税務、労務、訴訟・紛争、建物の適法性、消防・建築基準法への適合状況を譲渡前に調査します。
利用者・従業員に関わる法務
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宿泊約款・利用規約:宿泊契約の成立、キャンセル料、損害賠償、禁止事項、責任制限等を明確にします。
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個人情報保護:宿泊者名簿、身分証明書、クレジットカード情報等を取り扱うため、個人情報保護法に基づく管理体制を整えます。
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従業員の労務管理:勤怠管理、残業、休日、ハラスメント対策、就業規則、社会保険・労働保険の加入状況を確認します。
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外国人宿泊者への対応:宿泊者名簿の記載・保存、本人確認、言語対応、トラブル時の連絡体制を整えます。
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広告表現:「温泉」「朝食付き」「最寄駅○分」等の表示は、景品表示法や消費者契約法上の誤認を生じさせないよう、根拠資料を残します。
管理委託・運営委託
物件オーナーと運営会社が分かれる「借り上げ型」「管理委託型」の宿泊事業では、契約設計が特に重要です。
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売上保証、変動報酬、清掃費・消耗品費・修繕費の負担区分を明確にします。
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旅館業法上の営業者、衛生管理責任者、現場管理者、鍵管理・苦情対応の担当を明確にします。
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無断転貸、無許可営業、法令違反が発生した場合の責任分担、契約解除条件を定めます。
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営業許可名義と実際の運営主体が異なる場合でも、旅館業法上の衛生管理等の責任関係を曖昧にしないことが重要です。
当事務所が選ばれる理由
旅館業の許可申請は、保健所等の衛生指導だけでなく、建築主事等、消防署、用途地域・条例を所管する部局など、複数の関係機関にまたがる手続きです。当事務所は、手続きの代行にとどまらず、開業後の事業運営を見据えた次のサポートを提供します。
資金調達・補助金サポート
宿泊施設の新設やリノベーションに必要な資金計画、日本政策金融公庫等の融資、国・自治体の補助金活用の可能性を整理し、申請まで支援します。
事業承継・M&A対応
事業譲渡、親族内承継、相続、法人の組織再編に伴う旅館業法上の承継手続きを、財務・法務の観点も踏まえてサポートします。
関係機関との一括調整
必要に応じて建築士、消防設備業者、設計事務所等と連携し、図面確認から現地調査、保健所等との調整まで進行を管理します。
熊本県内での旅館業・ホテル・ゲストハウスの許可申請、既存建物の宿泊施設転用、事業承継・M&A、開業資金のご相談は、行政書士法人塩永事務所までお気軽にお問い合わせください。
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