
外国の会社が古物商許可を取得するには
申請の流れ・必要書類・費用の目安まで、行政書士法人塩永事務所が解説
日本国内で中古品・リユース品の売買、輸出入を伴う古物ビジネスを展開したいという外国資本の企業様からのご相談が増えています。しかし、外国の会社(外国法人)や、外国人が役員を務める日本法人が古物商許可を取得しようとする場合、日本国内の企業が申請する場合とは異なる論点がいくつも生じます。
行政書士法人塩永事務所は、熊本県熊本市を拠点に、外国人・外国法人が関わる許認可申請を数多く取り扱っています。本記事では、外国の会社が古物商許可を取得する際の申請の流れ、必要書類、費用の目安について詳しく解説します。
古物商許可とは
古物商許可は、古物営業法に基づき、中古品などの「古物」を仕入れて販売する営業(買取・販売・交換・レンタル等を含む)を行う場合に、営業所を管轄する都道府県公安委員会(窓口は警察署)から取得する必要のある許可です。
古物には、衣類、家電、時計、貴金属、自動車、自転車、書籍、美術品、機械工具類など幅広い品目が含まれます。中古品のリユース販売、せどり、ネットオークションを通じた仕入販売、インバウンド向けの中古品輸出ビジネスなどを行う場合には、古物商許可が必要となるのが原則です。
無許可で古物営業を行った場合には罰則の対象となるため、事業開始前の許可取得が不可欠です。
外国の会社が申請する場合に特有の論点
1.そもそも「外国法人」単独で許可を取得できるか
古物営業法上、許可の主体自体は法人・個人を問いませんが、実務上、日本国内に営業所(実体のある拠点)を持たない海外法人がそのまま許可を取得することは想定されていません。海外に本社を置く企業が日本で古物商許可を取得したい場合には、一般的に次のいずれかの形をとることになります。
- 日本国内に子会社(日本法人)を設立し、その日本法人として許可を申請する
- 日本国内に支店・営業所を設置し、その拠点を営業所として許可を申請する
いずれの場合も、日本国内に実体のある営業所が存在することが前提となります。
2.「管理者」は日本国内に居住している必要がある
古物営業法では、営業所ごとに「管理者」を選任することが義務付けられています。管理者は、その営業所の古物営業に関する業務を適正に管理する立場の者であり、実務上、日本国内に生活の本拠を有し、日常的にその営業所に関与できることが必要とされています。
海外に居住する外国人役員がそのまま管理者を兼任することは、実態として困難なケースが多く、日本国内に居住する役員・従業員の中から管理者を選任するのが一般的です。
3.欠格事由の確認(外国人役員がいる場合)
古物営業法には、許可を受けられない「欠格事由」が定められています。法人の場合、役員全員について欠格事由に該当しないことの確認が必要です。外国人役員についても、日本国内での前科・行政処分歴の有無等、日本の基準に照らした確認が必要になります。
4.在留資格の確認(外国人が日本で実務に関与する場合)
外国人役員や外国人管理者が日本国内で日常的に業務に従事する場合には、その方の在留資格が当該活動を行えるものであるかどうかの確認も必要です。「経営・管理」などの在留資格の取得状況とあわせて検討することになります。
5.住民票・登記事項証明書等、日本国内での公的書類の整備
外国法人・外国人が関わる場合、日本国内での居住実態や役員の身分関係を証明する書類(住民票、在留カードの写し等)の準備が必要になるほか、外国語で作成された本国の書類については、日本語訳の添付が求められるのが一般的です。
古物商許可申請の流れ
ステップ1.事前相談・要件確認
事業内容、営業所の所在地、役員構成、管理者候補者の状況などをヒアリングし、許可取得の可否・必要な準備事項を整理します。外国法人が関わる場合には、まずこの段階で在留資格・管理者選任の見通しを立てることが重要です。
ステップ2.日本国内拠点の整備(必要な場合)
海外法人の場合は、日本法人の設立、または支店設置の手続きを行います。営業所として使用する物件についても、用途地域や使用承諾(賃貸物件の場合は所有者の使用承諾書)等の確認が必要です。
ステップ3.管理者の選任
営業所ごとに管理者を選任します。管理者となる方について、欠格事由に該当しないことを確認します。
ステップ4.申請書類の作成・収集
必要書類を収集し、申請書一式を作成します(詳細は後述)。
ステップ5.管轄警察署(公安委員会)への申請
営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課(防犯係)等の窓口に申請書類一式を提出します。
ステップ6.審査
提出後、標準的な審査期間はおおむね40日程度とされていますが、書類の不備や追加確認事項がある場合には、これより長くなることもあります。
ステップ7.許可証の交付
審査を通過すると、許可証が交付されます。許可証交付後、営業所ごとに「古物商プレート(標識)」を掲示する義務があるほか、管理者の氏名等を記載した帳簿(古物台帳)の備え付けなど、営業開始後の遵守事項にも対応する必要があります。
必要書類の一覧(法人の場合)
法人として申請する場合、一般的に次のような書類が必要となります(自治体・警察署により細部の取扱いが異なる場合があります)。
法人・役員に関する書類
- 許可申請書
- 定款の写し
- 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
- 役員全員分の住民票の写し(本籍地記載のもの、または個人番号の記載がないもの)
- 役員全員分の身分証明書(本籍地の市区町村が発行するもの)
- 役員全員分の登記されていないことの証明書(成年被後見人等に該当しないことの証明)
- 役員全員分の略歴書
営業所・管理者に関する書類
- 営業所の使用権原を証明する書類(賃貸借契約書の写し、使用承諾書等)
- 管理者の住民票の写し
- 管理者の身分証明書
- 管理者の登記されていないことの証明書
- 管理者の略歴書
- 管理者の誓約書
その他
- URLを使用してインターネット上で取引を行う場合:URLの使用権限を疎明する資料(ドメイン割当証明書等)
- 外国人役員がいる場合:在留カードの写し、外国語書類の日本語訳文
外国法人・外国人が関わる場合には、上記に加えて、本国発行の証明書類(犯罪経歴証明書等に相当する書類)の取得・翻訳が必要になるケースもあり、書類収集に時間を要する傾向があります。早めの準備が重要です。
費用の目安(お見積りについて)
古物商許可の取得にかかる費用は、大きく分けて「行政手数料」と「行政書士への報酬」の2つに分かれます。
行政手数料
- 申請時に公安委員会に納付する手数料:19,000円(全国共通)
行政書士報酬の目安
| 内容 | 費用の目安(税別) |
|---|---|
| 古物商許可申請(個人・標準的なケース) | 55,000円〜 |
| 古物商許可申請(法人・標準的なケース) | 66,000円〜 |
| 外国法人・外国人役員が関わる場合の加算 | +33,000円〜(書類翻訳・在留資格確認等の内容により変動) |
| 日本法人の新規設立が必要な場合 | 別途、法人設立サポート費用(要見積り) |
| 管理者要件・在留資格の事前確認コンサルティング | 別途お見積り |
※上記はあくまで目安です。役員の人数、外国語書類の翻訳分量、営業所の状況、法人設立の要否などにより、実際の費用は変動します。行政書士法人塩永事務所では、ヒアリング内容をもとに、個別に正式なお見積りを提示いたします。
費用に影響する主な要素
- 役員の人数(住民票・身分証明書等の取得通数が増えるため)
- 外国語書類の有無・翻訳分量
- 管理者候補者の在留資格の状況(変更申請等が必要かどうか)
- 営業所の数(複数営業所の場合は営業所ごとに書類が必要)
- 日本法人の新規設立の要否
外国の会社が古物商許可申請でつまずきやすいポイント
① 管理者の確保 日本国内に常駐し、古物営業法上の要件を満たす管理者を確保できず、申請準備が滞るケースが多く見られます。早い段階で管理者候補者を決めておくことが重要です。
② 本国発行書類の収集・翻訳の遅延 役員の本国における犯罪経歴証明等に相当する書類の取得には時間がかかることが多く、全体のスケジュールに影響します。
③ 在留資格との整合性 古物商許可自体は取得できても、実際に日本国内で業務に従事する外国人役員・従業員の在留資格が当該活動に対応していなければ、実務上の運営に支障が生じます。許可申請と在留資格の両方を並行して確認する必要があります。
④ 営業所の使用権原の証明不備 賃貸物件を営業所とする場合、賃貸借契約書上の用途が「事務所」等になっていないと、使用承諾書の追加取得が必要になることがあります。
行政書士法人塩永事務所のサポート内容
行政書士法人塩永事務所では、外国の会社・外国人役員が関わる古物商許可申請について、次のようなサポートを行っています。
- 事業内容・体制のヒアリングと許可取得可否の事前確認
- 管理者選任に関するアドバイス(要件確認、欠格事由の確認)
- 必要書類の一覧化・収集サポート(外国語書類の翻訳手配を含む)
- 申請書類一式の作成
- 管轄警察署への申請代行
- 外国人役員・管理者候補者の在留資格に関する確認・申請サポート
- 日本法人設立が必要な場合の法人設立サポート
- 許可取得後の標識掲示・帳簿整備等、運営開始後のアドバイス
在留資格手続きと許認可申請の両方に対応できることが当事務所の特徴です。外国法人が日本で古物商許可を取得する場合、許可要件だけでなく、日本国内での事業体制・在留資格の整備までを一体的に検討する必要があるため、どちらか一方の専門家だけに依頼すると手続きが噛み合わないケースもあります。当事務所では、双方の視点から一貫してサポートいたします。
熊本・九州全域で対応
行政書士法人塩永事務所は、熊本県熊本市を拠点に、福岡・佐賀・長崎・大分・宮崎・鹿児島・沖縄を含む九州全域の企業様からのご相談に対応しています。オンラインでの打合せ・書類確認にも対応しており、遠方の企業様でもご相談いただけます。
こんな企業様はぜひご相談ください
- 外国資本の会社が日本でリユース・中古品販売事業を始めたい
- 日本法人を設立して古物商許可を取得したい
- 外国人役員がいる法人で古物商許可を申請したい
- 管理者の要件を満たせるかどうか確認したい
- 費用の見積りを事前に知りたい
- 在留資格と古物商許可の両方を並行して進めたい
事務所情報
行政書士法人塩永事務所 〒862-0950 熊本県熊本市中央区水前寺1-9-6
TEL:096-385-9002
E-mail:info@shionagaoffice.jp 対応エリア:熊本県・福岡県・佐賀県・長崎県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県【九州全域】
外国の会社・外国人役員が関わる古物商許可申請は、通常の申請よりも確認すべき事項が多く、準備にも時間を要します。まずはお気軽にご相談ください。事業内容をお聞かせいただければ、具体的な必要書類とお見積りをご提示いたします。
📞 096-385-9002/📧 info@shionagaoffice.jp
※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものです。実際の要件・必要書類・費用は、事業内容や管轄警察署の運用により異なる場合がありますので、個別の事案については事前にご相談ください。
