
外国人が日本で民泊事業を始めるには
在留資格・許認可・届出まで、行政書士法人塩永事務所が徹底解説
近年、訪日外国人観光客の増加とともに、外国人ご自身が日本国内で民泊(住宅宿泊事業)を経営したいというご相談が増えています。しかし、外国人が日本で民泊事業を始める場合、日本人が起業する場合とは異なり、
- 在留資格(ビザ)の問題
- 会社設立・経営体制の問題
- 民泊事業そのものの許認可・届出の問題
という、複数のハードルを同時にクリアする必要があります。
行政書士法人塩永事務所は、熊本県熊本市を拠点に、外国人の在留資格手続きと許認可申請の両方に対応できる行政書士法人として、外国人による民泊事業の開業をサポートしています。本記事では、外国人が民泊事業を始める際に必要となる手続きの流れを詳しく解説します。
そもそも「民泊」には3つの種類がある
民泊と一口に言っても、法律上の枠組みにはいくつかの種類があり、それぞれ根拠法・営業日数の上限・手続き先が異なります。
① 住宅宿泊事業(いわゆる民泊新法)
住宅宿泊事業法に基づく届出制の民泊です。年間の宿泊提供日数は180日が上限とされています。都道府県知事等への届出により営業が可能になりますが、家主が居住していない「家主不在型」では、原則として住宅宿泊管理業者への委託が必要です。
② 旅館業法上の許可(簡易宿所営業など)
日数制限のない本格的な宿泊業として営業したい場合には、旅館業法に基づく許可(多くの場合「簡易宿所営業」)を取得する方法があります。年間を通じて稼働させたい場合には、こちらを選択するケースが多く見られます。
③ 国家戦略特区における特区民泊
国家戦略特区に指定された一部の自治体でのみ認められる制度で、旅館業法の適用除外を受けて一定の要件のもとで宿泊事業を行うものです。対象エリアが限定されるため、事業予定地がその対象区域かどうかの確認が前提となります。
どの制度を選ぶかによって、必要な手続き・費用・稼働可能日数が大きく変わるため、まずは事業計画に合った制度を選定することが重要です。
外国人が民泊事業を行う場合に特有の課題:在留資格
外国人が日本国内で「事業として」民泊を経営する場合、最も重要な検討事項が在留資格です。
1.「経営・管理」の在留資格が必要になるケースが多い
民泊物件を所有・運営し、収益を上げる事業を行う場合、多くのケースで「経営・管理」の在留資格が必要となります。「経営・管理」の在留資格を取得するためには、主に次のような要件を満たす必要があるとされています。
- 事業を営むための事務所が日本国内に確保されていること
- 資本金の額または出資の総額が500万円以上であること、または常勤の職員を2名以上雇用していること(いずれかを満たすことが目安とされます)
- 事業の継続性・安定性が認められること
- 代表者や事業所の実体が確認できること
観光ビザ(短期滞在)や留学、家族滞在など、就労が認められていない在留資格のままでは、民泊を「事業」として反復継続的に運営することはできません。既に日本に在留している外国人の方が民泊事業を始める場合には、在留資格の変更許可申請が必要になるケースが多くあります。
2.すでに他の在留資格(就労ビザ等)をお持ちの場合
技術・人文知識・国際業務など、他の就労系在留資格をお持ちの方が副業的に民泊を始めたいというご相談も見られますが、現在の在留資格の活動内容に含まれない事業を行う場合には、資格外活動許可の要否や、そもそも当該在留資格のままで実施できるかどうかの確認が必要です。
3.海外から民泊事業のために来日する場合
海外在住の外国人の方が、日本で法人を設立し民泊事業を経営するために来日する場合には、在留資格認定証明書交付申請(COE)を通じて「経営・管理」の在留資格を取得する流れが一般的です。事業の実体を示す資料(事業計画書、物件確保の状況、資金調達状況など)の準備が重要になります。
民泊事業を始めるまでの手続きの流れ
ステップ1.事業計画・物件・制度の選定
まず、どの民泊制度(住宅宿泊事業/旅館業/特区民泊)で運営するかを決定します。物件の所在地、用途地域、建物の構造、稼働させたい日数などを踏まえて検討します。
ステップ2.在留資格の確認・変更・認定申請
前述の通り、外国人ご自身が事業主体となる場合には、在留資格の状況確認が必須です。
- 既に日本に在留している場合:在留資格変更許可申請の要否を確認
- 海外から呼び寄せる場合:在留資格認定証明書交付申請(COE)を検討
- 既存の在留資格で対応可能かの確認:資格外活動許可の要否等を確認
ステップ3.法人設立(必要な場合)
「経営・管理」の在留資格取得を目指す場合、多くのケースで法人(株式会社・合同会社等)の設立が前提となります。定款作成、資本金の払込み、登記手続きなどが必要です。
ステップ4.物件の要件確認・消防法令適合通知書の取得
民泊物件については、消防法令上の設備基準(火災報知器、誘導灯、消火器等)を満たす必要があり、所轄消防署から消防法令適合通知書の交付を受けることが求められます。住宅宿泊事業の届出や旅館業の許可申請では、この通知書の添付が必要となるのが一般的です。
ステップ5.住宅宿泊事業の届出、または旅館業許可・特区民泊認定の申請
選定した制度に応じて、都道府県・保健所設置市等に対する手続きを行います。
- 住宅宿泊事業の場合:住宅宿泊事業法に基づく届出(住宅宿泊事業者番号の取得)
- 旅館業の場合:旅館業法に基づく許可申請(施設の構造設備基準を満たす必要があります)
- 特区民泊の場合:国家戦略特区法に基づく認定申請(対象自治体・区域であることが前提)
ステップ6.住宅宿泊管理業者への委託(該当する場合)
住宅宿泊事業を「家主不在型」で行う場合は、国土交通大臣の登録を受けた住宅宿泊管理業者に管理業務を委託する必要があります。外国人オーナーが日常的な現地対応を行うことが難しいケースでは、この管理業者委託の要否が特に重要な検討事項となります。
ステップ7.標識の掲示、近隣への説明、苦情対応体制の整備
住宅宿泊事業では、公衆の見やすい場所への標識掲示が義務付けられています。また、自治体によっては近隣住民への事前周知が求められる場合もあり、騒音・ゴミ出し等のトラブル防止のための体制整備も重要です。
ステップ8.営業開始後の届出・報告義務
住宅宿泊事業では、宿泊者数等について定期的な報告(原則として2か月ごと)が義務付けられています。旅館業の許可を得た施設についても、変更事項が生じた場合の届出などが必要です。
外国人の民泊事業でつまずきやすいポイント
① 在留資格と事業実態のミスマッチ 物件は確保したものの、在留資格の見通しが立たず開業が遅れるケースが少なくありません。在留資格の要件(事務所の実体、資本金、事業の安定性・継続性など)を満たせるかどうかは、物件取得や法人設立と並行して早い段階から確認する必要があります。
② 用途地域・建物構造上の制約 住居専用地域など、そもそも民泊を営めない、あるいは制限がかかるエリアも存在します。物件契約前の確認が不可欠です。
③ マンション等の管理規約による制限 分譲マンション等では、管理規約で民泊営業自体が禁止されている場合があります。物件選定の段階で確認しておく必要があります。
④ 管理業者委託の要否の見落とし 家主不在型に該当するにもかかわらず管理業者への委託を行っていない、といった法令違反のリスクにも注意が必要です。
行政書士法人塩永事務所のサポート内容
行政書士法人塩永事務所では、外国人による民泊事業の開業について、次のような支援を行っています。
- 事業計画に応じた制度選定のご相談(住宅宿泊事業/旅館業/特区民泊のいずれが適切か)
- 在留資格の要件確認・在留資格変更許可申請・在留資格認定証明書交付申請(COE)のサポート
- 法人設立に関する書類作成・アドバイス
- 住宅宿泊事業の届出、旅館業許可申請、特区民泊認定申請の書類作成・提出代行
- 消防法令適合通知書取得に向けた事前確認のアドバイス
- 住宅宿泊管理業者への委託要否の確認、委託先選定に関するご相談
- 開業後の定期報告・変更届出等、継続的な法令遵守サポート
外国人の在留資格手続きと事業許認可の両方を扱えることが、当事務所の大きな特徴です。在留資格だけ、あるいは民泊の許認可だけを個別に専門家に依頼すると、双方の要件が噛み合わずに手続きが滞ってしまうケースもあります。当事務所では、両方の視点から一貫して手続きを整理し、ご案内します。
熊本・九州全域で対応
行政書士法人塩永事務所は、熊本県熊本市を拠点に、福岡・佐賀・長崎・大分・宮崎・鹿児島・沖縄を含む九州全域の企業様・個人事業主様からのご相談に対応しています。オンラインでの打合せ・書類確認にも対応しているため、遠方の方でもご相談いただけます。
インバウンド需要の高まりを受け、九州各地でも外国人オーナーによる民泊・宿泊事業への関心が高まっています。「まず何から始めればよいか分からない」という段階からでも、お気軽にご相談ください。
こんな方はぜひご相談ください
- 外国人ご自身が日本で民泊事業を始めたい
- 現在の在留資格のままで民泊事業ができるか確認したい
- 海外から民泊事業のために来日・法人設立を検討している
- 住宅宿泊事業・旅館業・特区民泊のどれを選べばよいか分からない
- 物件は決まったが、在留資格の見通しが立っていない
- 管理業者への委託が必要かどうか分からない
- 開業後の届出・報告業務まで任せたい
事務所情報
行政書士法人塩永事務所 〒862-0950 熊本県熊本市中央区水前寺1-9-6 TEL:096-385-9002 E-mail:info@shionagaoffice.jp 対応エリア:熊本県・福岡県・佐賀県・長崎県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県【九州全域】
外国人の在留資格と民泊事業の許認可、両方を熟知した行政書士が、開業までの手続きを一貫してサポートいたします。まずはお気軽にお問い合わせください。
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※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案については最新の法令・自治体ごとの運用等をあわせてご確認ください。制度の詳細や最新の運用については、事前にご相談いただくことをおすすめします。
