
告訴状の書きかた ― 基本と注意点をわかりやすく解説
犯罪の被害に遭われた方から、「警察に届け出るだけでなく、正式に処罰を求めたい」というご相談をいただくことがあります。その際に作成するのが「告訴状」です。本記事では、告訴状とは何か、どのような項目を記載すべきか、作成にあたって知っておきたい注意点を、行政書士の業務範囲に沿ってご説明します。
告訴状とは
告訴状とは、犯罪の被害者などが、捜査機関(警察署または検察庁)に対して犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示を記載した書面です。単なる「被害届」と異なり、告訴状は捜査機関に対して捜査・処罰を求める明確な申立てであり、受理されると捜査機関には一定の捜査義務が生じるとされています。
告訴状に記載する一般的な項目
告訴状の書式に法律上の厳格な定めはありませんが、実務上は次のような項目を整理して記載するのが一般的です。
- 表題:「告訴状」と明記します。
- 提出先:告訴状を提出する警察署名または検察庁名を記載します。
- 告訴人の情報:氏名、住所、連絡先など、告訴する本人を特定できる情報です。
- 被告訴人の情報:わかる範囲で氏名、住所などを記載します。不明な場合は「氏名不詳」として、特定できる特徴(外見、勤務先など)を記載することもあります。
- 告訴の趣旨:どの犯罪について、どのような処罰を求めるのかを簡潔に記載します。
- 告訴の事実(犯罪事実):いつ・どこで・誰が・何をしたのかを、時系列に沿って具体的かつ客観的に記載します。感情的な表現は避け、事実関係を整理して書くことが重要です。
- 証拠:診断書、写真、録音データ、メールやメッセージの履歴、契約書など、犯罪事実を裏付ける資料を整理し、一覧として添付します。
- 作成年月日・署名押印:告訴状の作成日と、告訴人の署名・押印を記載します。
記載のポイント
- 時系列を明確にする:出来事を発生順に並べ、日時をできる限り特定して記載すると、捜査機関が事実関係を把握しやすくなります。
- 事実と評価を分ける:「〇〇された」という客観的事実と、「許せない」といった心情は分けて整理し、事実部分は淡々と記載します。
- 証拠との整合性を確認する:本文の記載内容と添付する証拠資料に食い違いがないかを確認します。
- 個人情報の取り扱いに注意する:被告訴人やその他関係者の情報は、必要な範囲にとどめて記載します。
行政書士がご案内できる範囲について
告訴状は警察署や検察庁といった官公署に提出する書類であり、その作成は行政書士の業務範囲に含まれます(行政書士法第1条の2・第1条の3、および昭和53年2月3日自治省行政課決定)。当事務所では、上記のような告訴状の記載項目の整理、事実関係の時系列整理、書式面でのご案内など、書類作成に関するご相談・代書を承っております。
一方で、次のようなご対応は、弁護士法第72条により弁護士の専権事項とされているため、行政書士が行うことはできません。
- 相手方(被告訴人)との示談交渉や、その代理人としての交渉
- 告訴が受理されるか、事件化されるかといった見通しについての法的判断・助言
- 警察・検察での取調べへの立会いや、刑事手続における弁護活動
- 告訴を契機として生じた法的紛争についての代理人としての対応
- 刑事裁判・民事裁判における訴訟代理
これらに該当するご事情がある場合や、事案が複雑で法的な争いに発展する可能性が高い場合には、早い段階で弁護士へのご相談をおすすめしております。当事務所でも、必要に応じて弁護士のご紹介が可能です。
まとめ
告訴状は、事実関係を正確かつ整然と記載することが何より重要です。ご自身での作成に不安がある場合は、書類作成の専門家である行政書士にご相談いただくことで、記載内容の整理や書式面でのサポートを受けることができます。ただし、交渉や法的判断が必要な場面では弁護士の関与が必要となりますので、状況に応じて適切な専門家にご相談ください。
告訴状の書きかたに関するご相談は、行政書士法人塩永事務所までお気軽にお問い合わせください。
行政書士法人塩永事務所 TEL:096-385-9002 Email:info@shionagaoffice.jp
