
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 完全ガイド(2026年第1回)
認定経営革新等支援機関 行政書士法人塩永事務所
はじめに:2026年6月、2つの大型補助金が統合され新制度が誕生
2026年6月29日、中小企業基盤整備機構(中小機構)は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の第1回公募要領を公開しました。
本制度は、従来の「ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)」と「中小企業新事業進出補助金」を実質的に統合し、3つの専用枠に再編した大型補助金です。
- 補助上限額:最大9,000万円(賃上げ特例適用時)
- 補助率:中小企業者1/2〜2/3、小規模企業者・再生事業者2/3
- 第1回公募締切:2026年10月30日(金)18:00 厳守
当事務所は、認定経営革新等支援機関として、熊本県内の中小企業・小規模事業者の皆様の事業承継・新規事業進出・設備投資を支援しています。本記事では、公募要領1.2版(最新)に基づき、3つの枠の違い、補助額・補助率、6つの基本要件、加点項目17種、申請の流れ、返還リスク、そして行政書士に依頼できる実務サポートまでを網羅的に解説します。
1. 制度概要と第1回スケジュール
1-1. 制度の目的
中小企業等が行う、技術的革新性のある製品・サービスの開発や既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出、海外市場開拓(輸出)に向けた国内の輸出体制の強化に係る設備投資等を支援し、生産性向上・付加価値向上を通じた企業規模の拡大と賃上げを実現することを目的としています。
1-2. 第1回公募スケジュール(公募要領1.2版)
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 公募開始 | 2026年6月29日(月) |
| 申請受付開始 | 2026年9月30日(水) |
| 申請締切 | 2026年10月30日(金)18:00 厳守 |
| 採択発表(予定) | 2027年1月頃 |
| 交付申請期限 | 採択発表日から原則2か月以内 |
| 事業実施期間 | 革新枠:交付決定から10か月以内(採択発表から12か月以内)/新事業進出・グローバル枠:14か月以内(採択発表から16か月以内) |
【重要】公募要領は1.2版(2026年8月14日改訂)が最新
公募要領は1.0版→1.1版(7月17日改訂)→1.2版(8月14日改訂)と2度改訂されています。
- 1.1版:申請受付開始・締切が1か月後ろ倒し(8/31→9/30、9/30→10/30)
- 1.2版:加点項目が14種→17種に増加(技術情報管理認証制度・成長加速マッチングサービス・アトツギ甲子園を追加)、書面審査に「足下の賃上げ」の評価が明記
補助上限額・補助率・基本要件の数値そのものに変更はありませんが、実務上の影響がある改訂が含まれます。申請前に必ず事務局ホームページで最新版をご確認ください。
2. 3つの補助対象事業枠
1回の公募につき1事業者1申請が原則です(議決権50%超の子会社や、代表者・住所が同じ法人などは「みなし同一事業者」として1申請に制限されます)。
2-1. 革新的新製品・サービス枠(革新枠)
対象:技術的革新性のある新製品・新サービスの「開発」を支援。
- 既存プロセスの改善・向上や、単に機械装置を導入するだけで開発を伴わないものは対象外
- 同業他社で既に相当程度普及している製品・サービスの開発も該当しません
必須経費:機械装置・システム構築費(建物費は対象外)
補助上限額(従業員数別)
| 従業員数 | 補助上限(通常) | 補助上限(賃上げ特例) |
|---|---|---|
| 1〜5人 | 750万円 | 850万円 |
| 6〜20人 | 1,000万円 | 1,250万円 |
| 21〜50人 | 1,500万円 | 2,500万円 |
| 51人以上 | 2,500万円 | 3,500万円 |
補助率:中小企業者1/2(地域別最低賃金引上げ特例の適用で2/3)、小規模企業・小規模事業者・再生事業者2/3 補助下限:100万円
2-2. 新事業進出枠
対象:既存事業と異なる新市場・高付加価値事業への進出を支援。
- 要件は製品等の新規性と市場の新規性(いずれも自社にとっての新規性で、日本初・世界初は不要)
- 公募開始日(=公募要領公開日)以降に初めて取り組む事業も新規性ありとみなされます
- 審査では「ジャンルの普及度の低さ」または「高水準の高付加価値化」のいずれかを客観データで示す必要があります
【新事業進出枠で対象外となる典型例】
- 既存製品の製造量・提供量の増大
- 過去に製造していた製品の再製造
- 単なる製造方法の変更
- 既存製品と市場が同一(単なるメニュー追加を含む)
- 既存市場の一部のみを対象とするもの
- 既存製品で商圏だけが異なるもの
必須経費:機械装置・システム構築費 または 建物費のいずれか
補助上限額(従業員数別)
| 従業員数 | 補助上限(通常) | 補助上限(賃上げ特例) |
|---|---|---|
| 1〜20人 | 2,500万円 | 3,000万円 |
| 21〜50人 | 4,000万円 | 5,000万円 |
| 51〜100人 | 5,500万円 | 7,000万円 |
| 101人以上 | 7,000万円 | 9,000万円 |
補助率:中小企業者(小規模企業・小規模事業者・再生事業者含む)1/2(地域別最低賃金引上げ特例の適用で2/3) 補助下限:750万円
2-3. グローバル枠
対象:自社製品を活用した自発的な海外販路開拓・輸出体制強化を支援。
- 取引先主導の事業は対象外
- 海外旅費・通訳翻訳費も補助対象になります
必須経費:機械装置・システム構築費 または 建物費のいずれか 補助上限額:新事業進出枠と同じ表(1〜20人2,500万円〜101人以上7,000万円、賃上げ特例で3,000万円〜9,000万円) 補助率:中小企業者(小規模企業・小規模事業者・再生事業者含む)2/3(地域別最低賃金引上げ特例は適用できません) 補助下限:750万円
2-4. 3枠の比較表
| 項目 | 革新的新製品・サービス枠 | 新事業進出枠 | グローバル枠 |
|---|---|---|---|
| 支援内容 | 新製品・新サービスの開発 | 新市場・高付加価値事業への進出 | 輸出に向けた国内体制強化 |
| 必須経費 | 機械装置・システム構築費 | 機械装置・システム構築費 または 建物費 | 機械装置・システム構築費 または 建物費 |
| 建物費 | × 対象外 | ○ 対象 | ○ 対象 |
| 補助上限(最大) | 2,500万円(特例3,500万円) | 7,000万円(特例9,000万円) | 7,000万円(特例9,000万円) |
| 補助率(中小企業者) | 1/2(特例2/3) | 1/2(特例2/3) | 2/3 |
| 補助下限 | 100万円 | 750万円 | 750万円 |
| 海外旅費・通訳翻訳費 | × | × | ○ 対象 |
3. 補助対象経費
3-1. 主な補助対象経費
- 機械装置・システム構築費(単価10万円(税抜)以上)
- 建物費(新事業進出枠・グローバル枠のみ)
- 運搬費
- 技術導入費(補助対象経費総額の1/3が上限)
- 知的財産権等関連経費(補助対象経費総額の1/3が上限)
- 外注費(補助対象経費総額の1/4が上限)
- 専門家経費(補助対象経費総額の1/5が上限、専門家謝金は1日1人5万円まで)
- クラウドサービス利用費
- 原材料費
- 広告宣伝・販売促進費(事業計画期間内の補助事業の売上見込み額合計÷事業計画年数×5%が上限)
- 海外旅費(グローバル枠のみ、補助対象経費総額の1/5が上限、1回の渡航につき事業者3名まで・1人当たり最大50万円)
- 通訳・翻訳費(グローバル枠のみ、30万円が上限)
3-2. 主な補助対象外経費
- 太陽光等の再エネ発電設備とFIT/FIP関連費(一切対象外)
- 汎用パソコン・カメラ等
- 家賃・保証金
- 車両・船舶・航空機
- 消費税相当額
- 諸経費・一般管理費等の内訳不明な経費
- フランチャイズ加盟料
- 事業計画書の作成支援に対する経費(専門家経費の対象外)
中古設備は、3者以上の古物商相見積があれば対象。機械装置は単価10万円(税抜)以上が条件です。
4. 補助対象事業の要件と返還リスク
採択後は、補助事業終了後3〜5年の事業計画で数値目標をすべて満たす必要があり、未達の場合は補助金の返還義務が生じます。
4-1. 6つの基本要件
(1)付加価値額要件 年平均成長率+4.0%以上の増加。付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費。比較の基準となるのは、補助事業実施期間の終了時点が含まれる事業年度の付加価値額です。
(2)賃上げ要件(一人当たり給与支給総額) 年平均+3.5%以上増加。交付申請時までに全従業員または従業員代表者への目標値の表明が必要(表明がなければ全額返還)。未達は未達成率を乗じた額を返還、ゼロ・マイナスは全額返還です。給与支給総額に役員報酬・法定福利費・退職金は含みません。パートタイム従業員は正社員の就業時間に換算して人数を算出します。
(3)事業場内最低賃金要件 地域別最低賃金より+30円以上(毎年)。未達年ごとに「交付額÷計画年数」を返還します。補助事業を実施する事業場が複数ある場合、最も低い事業場が基準になります。
(4)ワークライフバランス要件 一般事業主行動計画を「両立支援のひろば」で公表(締切日時点で有効)。全事業者必須(従業員100人以下の企業も対象)。公表申請の審査過程で不備が出ることもあるため、2週間以上の余裕をもって申請してください。
(5)子育て等職場環境整備要件 ライフデザインサービス/家事代行・ベビーシッター/既存制度の周知から1つを実施。くるみん(次世代法認定)等の認定で免除されます。実績報告時に証憑提出が必要で、一般事業主行動計画の内容に留まらない追加的な取組である旨の説明が求められます。
(6)金融機関要件 借入で実施する場合は「金融機関による確認書」を提出(自己資金のみなら不要)。金融機関は事業所の所在地域にある必要はなく、複数から資金提供を受ける場合も任意の1者の確認書で足ります。
4-2. 【1.2版で明記】「足下の賃上げ」の評価
書面審査の「事業の実現可能性」に、補助事業終了後の賃上げ率に加えて、建物の建設や設備の導入といった補助事業の完了を待たずして実施する「足下の賃上げ」を評価する旨が追記されました。
最低でも、応募申請時の直近事業年度から基準年度までの「1人当たり給与支給総額」の年平均成長率が物価上昇率を上回る程度の賃上げが達成されない場合、審査上大幅に不利になります。この足下の賃上げは、採択後~交付決定までの間に従業員への表明が必須で、実績はモニタリングの対象です。
4-3. 2つの特例措置
賃上げ特例(補助上限の引上げ) 給与支給総額を年平均合計+6.0%以上、事業場内最低賃金を合計+50円以上に引き上げることが条件です。いずれか一方でも未達なら、引上げ分の補助金が全額返還となります。各枠の補助上限額に達しない場合は適用できません。革新枠で地域別最低賃金引上げ特例を申請する事業者、革新枠・グローバル枠で申請する再生事業者も適用できません。
地域別最低賃金引上げ特例(補助率の引上げ) 2024年10月〜2025年9月の間で、「当該期間の地域別最低賃金以上〜2025年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上あることが条件です。適用すると補助率が2/3に上がり、基本要件から事業場内最賃水準要件が除外されます。革新枠の小規模企業者・小規模事業者、再生事業者、およびグローバル枠の申請者は、もともと補助率2/3のため適用できません。
4-4. 返還免除の範囲
付加価値額が増えず、かつ営業利益が過半数の年で赤字の場合や、天災等の場合に限られます。補助事業により建設した建物・設備には、事業計画期間終了まで、補助率以上の付保割合を満たす保険・共済への加入義務があり、実績報告時に加入を示す書類の提出が必要です。事業化状況報告は5年間で計6回提出します。
5. 補助対象者・対象外(既存補助金との関係)
5-1. 対象者
日本国内に本社と補助事業実施場所を持つ、中小企業者/小規模企業者・小規模事業者/特定事業者の一部/特定非営利活動法人/農事組合法人/リース会社(共同申請の場合)です。組合・連合会でも該当しないもの、財団法人・社団法人、医療法人、法人格のない任意団体は対象外です。
5-2. 対象外となる事業者(重要)
過去の補助金受給歴によって申請できない・減点されるケースが明確に定められている点に注意が必要で、申請前に各社の補助金履歴の確認が欠かせません。
(1)16か月ルール(申請締切日起点) 申請締切日を起点に16か月以内に、事業再構築・新事業進出・ものづくり・本補助金で採択された事業者(採択辞退を除く)、または締切時点でこれらの交付決定を受けて実施中の事業者は対象外です。
(2)過去3年・2回ルール(応募申請日起点) 応募申請日を起点に過去3年間に、事業再構築・新事業進出・ものづくりの交付決定を合計2回以上受けた事業者は対象外です。
(3)その他
- 従業員0名の事業者は対象外
- 新事業進出枠は新規設立・創業後1年未満(最低1期分の決算書が必要)も対象外
- みなし大企業、確定した直近3年の課税所得の年平均が15億円超の中小企業者、政治団体、宗教法人、収益事業を行っていない法人なども対象外
- 不動産賃貸・駐車場経営・暗号資産マイニング等の資産運用的性格の強い事業、事業の主たる内容を外注・委託する事業、他社と同一・類似の事業計画なども事業として対象外
5-3. 【1.2版で明確化】みなし大企業の判定
みなし大企業の条件は応募申請日から補助事業の完了までの間にも及びます。この期間中に株主または役員を変更してみなし大企業に該当することとなった場合、交付決定が取り消されます。増資や資本提携を検討している場合は、補助事業の完了時期との関係を必ず確認してください。なお中小企業投資育成株式会社、投資事業有限責任組合、銀行法上の投資専門会社が株式を保有する場合など、みなし大企業の規定を適用しない例外もあります。
5-4. 併用の考え方
複数の補助金へ同時に応募すること自体は可能ですが、複数採択された場合は交付を受ける補助金を1つだけ選んで交付申請する必要があります。選択せずに複数で交付決定を受けて受領した場合、交付決定日が遅い方が取り消され返還を求められます。
6. 加点項目・減点項目
6-1. 加点項目(17種/1.2版で3種追加)
採択率を高める加点項目が用意されており、いずれも申請締切日時点で満たしている必要があります。
- パートナーシップ構築宣言(令和8年1月1日更新のひな形で公表)
- くるみん(次世代法認定)
- えるぼし(女性活躍推進法認定)
- 健康経営優良法人2026
- 再生事業者
- 経営革新計画
- (連携)事業継続力強化計画
- DX認定
- J-Startup/J-Startup地域版
- 新規輸出1万者支援プログラム(グローバル枠のみ)
- 日本の食輸出1万者支援プログラム(グローバル枠のみ)
- 研究開発費・試験研究費の計上
- 技術情報管理認証制度(1.2版で追加)
- 成長加速マッチングサービス(会員登録+挑戦課題の登録)(1.2版で追加)
- アトツギ甲子園(ピッチ大会出場)(1.2版で追加)
- 地域別最低賃金引上げ
- 事業場内最低賃金引上げ(2025年7月と応募申請直近月を比較し、全国目安で示された額=63円以上の賃上げをした事業者)
⑬〜⑮は1.2版(2026年8月14日)で新たに追加された加点項目です。
6-2. ⑤再生事業者加点の範囲(1.2版で補記)
中小企業活性化協議会等から支援を受けており、再生計画等を「策定中」の者、または再生計画等を「策定済」かつ申請締切日から遡って3年以内に成立等した者が対象です。対象となる計画には、中小企業活性化協議会・中小機構・整理回収機構が策定支援した再生計画、私的整理ガイドラインに基づく再建計画、中小企業版私的整理手続に基づく再生計画、事業再生ADRが策定支援した事業再生計画などが含まれます。なお革新枠・グローバル枠で申請する再生事業者は賃上げ特例を適用できません。
6-3. 減点項目(5種)
- 中小企業庁所管の補助金で賃上げ加点を受けて採択されたのに要件未達だった場合、未達の報告から18か月間は大幅減点
- 類似テーマ・設備の申請が特定期間に集中した場合の過剰投資判定
- 過去の補助事業の事業化段階が3段階以下
- 過去3年でものづくり・新事業進出の交付決定が1回
- ものづくり・新事業進出で賃上げ要件または事業場内最賃水準要件が未達だった事業者
7. 申請の流れと注意点
7-1. 申請の流れ
① GビズIDプライム取得+一般事業主行動計画の公表 GビズIDは発行に約1週間、行動計画の公表は1〜2週間(審査で不備が出ることもあるため2週間以上の余裕を推奨)。いずれも遅れによる締切延長は認められません。
② 枠の選定と適格性チェック 3枠のどれに当てはまるか、既存補助金の受給歴で申請可能かを確認します。必須経費(機械装置・システム構築費/建物費)の有無、必須添付書類(決算書3期分・労働者名簿・収益事業を示す書類)も確認してください。1.2版では、3期分の決算書を提出できない場合は今期までの決算書をすべて添付すること、製造原価報告書・販売管理費明細は従来から作成している場合のみ添付することが明記されました。
③ 事業計画書の策定(事業者自身が作成) 新規性・市場性・収益性と、付加価値額・賃上げの数値計画を具体的な根拠とともに記載します。作成自体は事業者が行う必要があります(外部支援者は作成支援・確認の立場)。支援を受ける場合は電子申請に支援者情報の入力が必須です。
④ 電子申請(9月30日〜10月30日) 締切18:00厳守。入力には数時間かかるため、締切間際のシステム混雑を見込んで余裕をもって進めましょう。応募申請ガイド・事業計画テンプレート・電子申請システム操作マニュアルは事務局が順次公開予定です。
⑤ 口頭審査(該当者のみ) Zoom等で1社15分程度。申請者本人(法人代表者、取締役、労働者名簿記載の担当者・経理担当者等)のみが対応でき、支援者・コンサルの同席は一切不可です。顔写真付き身分証が必要で、イヤホン・ヘッドセットは使用不可、公共スペースも不可。早く申請した事業者ほど受験日時を優先的に選べます。
⑥ 採択・交付申請・事業実施 採択発表は2027年1月頃。採択後は事務局のオンライン説明会への参加が義務で、参加しないと採択が自動的に無効になります。交付申請は原則2か月以内。交付決定後に発注・着手(交付決定前の発注は対象外)。革新枠は10か月、その他は14か月以内に完了します。
7-2. 実績報告の期限
補助事業完了日から起算して30日を経過した日、または完了期限日のいずれか早い日までに実績報告を提出しないと交付決定が取り消されます。支払いは銀行振込の実績のみで確認され、現金・手形・小切手・代引き・PayPay等の決済サービスは対象外です。
7-3. 外部支援者ルール
支援を受ける場合は、電子申請に支援者名・支援内容・報酬予定額・契約期間の記載が必要です。未記載は不採択・取消の対象となります。事業計画作成支援者や、金融機関による確認書を発行した金融機関への発注・見積もりは認められません(そのみなし同一事業者も同様)。また事業計画書の作成支援に対する経費は専門家経費の対象外です。事業計画書・申請書・報告書等、事務局に提出する書類の作成・提出に係る費用は、そもそも補助対象外とされています(支援報酬を補助金でまかなうことはできません)。サービス内容とかけ離れた高額な成功報酬や経費の水増しは通報・公表の対象です。
7-4. 相見積のルール
契約(発注)先1件当たりの見積額の合計が50万円(税抜)以上になる場合は、3者以上の同一条件による見積もりが必要です。建設業許可が必要な規模の建物で、許可を持たない業者の見積もりを用いた場合は虚偽申請として不採択・交付決定取消となります。
8. 行政書士に依頼できること(認定経営革新等支援機関として)
本補助金は、枠ごとに異なる適格性の判断、新規性・市場性の説明、付加価値額・賃上げの数値計画の作り込み、口頭審査の準備が採択を左右します。事業計画書の作成自体は事業者が行う必要があり、行政書士は作成支援・確認の立場で関わります(令和7年改正後の取扱い)。
行政書士法人塩永事務所のサポート内容
当事務所は、認定経営革新等支援機関として、以下の支援を行います。
- 3枠の適格性判定:どの枠に当てはまるか、既存補助金の受給歴で申請可能かの確認
- 事業計画の論点整理:新規性・市場性・収益性を数値で示す事業計画のブラッシュアップ支援
- 経費区分の整理:経費区分の整理と相見積の段取り
- 数値計画の設計:付加価値額・賃上げ計画の設計支援
- 加点・添付書類の準備:加点項目の取得可否、添付書類のチェック
- GビズID・電子申請・口頭審査の支援:GビズID取得支援、電子申請入力支援、口頭審査の想定問答練習
料金:着手金+成果報酬制で、サービス内容に見合う水準を明示します。
第1回の締切は2026年10月30日(金)18:00ですので、加点に必要な認定の取得期間も踏まえ、早めにご相談ください。
9. よくある質問
Q1. 第1回公募の締切はいつですか? 2026年10月30日(金)18:00です。当初は9月30日でしたが、2026年7月17日付で1か月後ろ倒しに変更されました(この日程は1.2版でも変更ありません)。延長は認められず、GビズIDや一般事業主行動計画の準備の遅れも考慮されません。申請受付開始は9月30日、採択発表は2027年1月頃の見込みです。
Q2. 公募要領はどの版が最新ですか?改訂で何が変わりましたか? 2026年8月14日改訂の1.2版が最新です。1.0版→1.1版(7月17日):公募期間が1か月後ろ倒し。1.1版→1.2版(8月14日):加点項目が14種→17種に増加(技術情報管理認証制度・成長加速マッチングサービス・アトツギ甲子園を追加)、書面審査に「足下の賃上げ」の評価が明記。ほかに基本要件・賃上げ特例要件・みなし大企業・二重受給・リース共同申請・添付書類・実施期間などの説明が補記・修正されています。補助上限額・補助率・基本要件の数値そのものに変更はありません。
Q3. 「足下の賃上げ」とは何ですか? 補助事業の完了を待たずに、申請時点の直近事業年度から基準年度までの間に実施する賃上げのことです。1.2版で審査項目として明記され、この期間の「1人当たり給与支給総額」の年平均成長率が物価上昇率を上回る程度の賃上げが達成されない場合、審査上大幅に不利になるとされています。採択後~交付決定までの間に従業員への表明が必須で、実績はモニタリングされます。
Q4. ものづくり補助金や新事業進出補助金とどう違いますか? 公式には別の補助金として案内されていますが、公募要領でこれら2制度や事業再構築補助金の直近受給者を対象外・減点とする条項があるため、実質的にこれらを引き継ぐ統合後継の制度として運用されると考えられます。
Q5. 革新的新製品・サービス枠と新事業進出枠は、どちらで申請すべきですか? 判定軸が異なります。革新枠は同業他社と比べて新しい製品・サービスを「開発」するもの、新事業進出枠は自社にとって新しい製品を新しい顧客層に提供するものです。1回の公募につき1申請しかできないため、枠の選択は最初に確定させる必要があります。
Q6. 補助金の上限額はいくらですか? 枠と従業員数で異なります。革新枠は最大2,500万円(賃上げ特例3,500万円)、新事業進出枠・グローバル枠は最大7,000万円(賃上げ特例9,000万円)。補助率は中小企業者で1/2〜2/3です。
Q7. 建物費は補助対象になりますか? 新事業進出枠とグローバル枠で対象になります(革新枠は機械装置・システム構築費が必須で建物費は対象外)。建物の単なる購入・賃貸は対象外で、入札または相見積が必要、不動産賃貸への転用は一切認められません。
Q8. 補助金の申請代行は違法ですか? 補助金申請に関する書類作成を業として行えるのは行政書士です。ただし本補助金では事業計画書の作成自体は事業者が行う必要があり、行政書士は作成支援・確認の立場で関与します(行政書士法第一条の二・第19条第1項、令和7年6月13日 総行行第283号)。
10. まとめ:第1回のポイント
- 補助上限2,500万〜9,000万円、補助率中小1/2〜2/3(枠で異なる)
- 応募締切は2026年10月30日(金)18:00、申請受付開始は9月30日
- 公募要領は1.2版(2026年8月14日改訂)が最新。加点項目は17種に増加
- 枠は革新/新事業進出/グローバルの3つ。1事業者1申請が原則。新事業進出・グローバル枠は建物費も対象
- 補助事業後3〜5年で付加価値+4.0%・給与+3.5%・事業場内最賃+30円の達成が必要(未達は返還)
- 1.2版で審査における「足下の賃上げ」の評価が明記。申請前からの賃上げ実績が審査に影響
- GビズIDと一般事業主行動計画の公表が必須。口頭審査は本人のみ
- 採択後はオンライン説明会への参加が義務、交付申請は採択発表日から2か月以内
- ものづくり・新事業進出・事業再構築の直近受給者は対象外・減点に注意
本記事は、2026年8月14日改訂の第1回公募要領(1.2版)および事務局公式サイトに基づき作成しています(最終確認日:2026年8月30日)。公募要領は改訂される場合がありますので、申請時には最新版をご確認ください。
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行政書士法人塩永事務所 096-385-9002
