
韓国の家族関係証明書・旧戸籍(除籍謄本)の取得方法【2026年版】|韓国領事館での必要書類と手続き在日韓国人の方、韓国籍の親族がいる方、韓国から日本へ帰化した方の相続・婚姻・出生・国籍・在留手続では、韓国側の身分関係を証明する書類が必要になることがあります。しかし、現在の韓国には日本の「戸籍謄本」と同じ意味での「韓国戸籍」という書類が存在するわけではありません。2008年1月1日から韓国では従来の戸籍制度が廃止され、「家族関係登録制度」に移行しています。そのため、現在必要になる書類は、主に「家族関係登録簿等の証明書」と、2008年以前の身分関係を確認するための「除籍謄本」に分けて考える必要があります。さらに、2026年現在は、韓国大使館・総領事館における証明書発給の取扱いや、第三者による委任申請についても注意すべき点があります。この記事では、韓国の家族関係登録簿等の証明書や除籍謄本を日本国内から取得する方法について、2026年現在の韓国公館の公式案内を基に、必要書類、申請先、郵送申請、委任申請、帰化した方の場合の注意点まで、行政書士実務の観点から解説します。目次
- 韓国に「戸籍」はある?
- 現在取得できる韓国の身分関係証明書
- 2008年以前の記録を調べる「除籍謄本」
- どの韓国公館で取得するのか
- 誰が証明書を請求できるのか
- 本人が申請する場合の必要書類
- 日本人の家族が申請する場合
- 行政書士など第三者が関与する場合の注意点
- 日本へ帰化した方の韓国側証明書を取得する場合
- 登録基準地とは?
- 郵送で取得する方法
- 窓口申請の基本的な流れ
- 「基本証明書が発行できない」と言われた場合
- 出生・婚姻・相続・国籍手続では追加の調査が必要なことも
- 取得できない・記録がつながらない場合の対応
- 行政書士に相談するメリット
- まとめ
1.韓国に「戸籍」はある?韓国では、2008年1月1日に従来の戸籍制度が廃止され、「家族関係登録制度」に移行しました。そのため、現在の韓国で日本の「戸籍謄本」に相当するものを探す場合には、単に「韓国戸籍」と考えるのではなく、次の書類を目的に応じて使い分ける必要があります。
- 家族関係証明書
- 基本証明書
- 婚姻関係証明書
- 入養関係証明書
- 親養子入養関係証明書
- 除籍謄本
韓国大使館の案内では、家族関係登録簿等の証明書として、上記の各証明書が案内されています。
2.現在取得できる韓国の身分関係証明書代表的な証明書は次のとおりです。家族関係証明書
本人を基準として、親、配偶者、子などの家族関係を確認するための証明書です。親子関係の確認や相続・婚姻などの手続で使用されます。基本証明書
本人の出生、死亡、改名、国籍の取得・喪失など、基本的な身分事項を確認するための証明書です。国籍関係や出生関係を確認する場面で重要です。婚姻関係証明書
婚姻・離婚等の事項を確認するための証明書です。入養関係証明書
養子縁組等に関する事項を確認する証明書です。
親養子入養関係証明書
実父母、養父母、親養子との関係など、通常の家族関係証明書とは異なる範囲の情報を確認するための証明書です。請求できる人の範囲が特に限定されているため、相続など特殊な事情がある場合は事前確認が必要です。※一般証明書と詳細証明書があります。手続によっては「詳細」を指定する必要があります。
3.2008年以前の記録を調べる「除籍謄本」2008年の家族関係登録制度への移行前に存在した韓国の戸籍について確認する場合には、除籍謄本が重要になります。例えば、
- 祖父母の韓国戸籍を確認したい
- 2008年以前に韓国から日本へ帰化した親の韓国側身分関係を調べたい
- 現在の家族関係証明書だけでは親子関係が確認できない
- 昔の婚姻・出生・死亡等の記録を確認したい
といった場合には、現在の家族関係証明書だけでなく、旧戸籍である除籍謄本を確認する必要があります。特に、2008年以前に日本へ帰化した韓国出身者については、現在の韓国側の証明書だけでは必要な情報を確認できないことがあります。この場合は、帰化前の韓国の除籍謄本などを確認して、身分関係を過去にさかのぼって調査することになります。
4.どの韓国公館で取得するのか「韓国の戸籍は東京・大阪・福岡でしか取得できない」と説明されている古い情報がありますが、現在の駐日韓国大使館の公式案内では、家族関係等の証明書発給は居住地を管轄する在外公館で行う取扱いとなっています。2015年5月1日以降、東京・大阪・福岡だけでなく、居住地を管轄する各在外公館での発給が案内されています。したがって、申請前に「申請者の住所地を管轄する韓国公館はどこか」を確認することが重要です。駐日韓国大使館の公式サイトには、各公館の管轄地域と連絡先が掲載されています。
5.誰が証明書を請求できるのか韓国の家族関係登録簿等の証明書は、誰でも自由に取得できるわけではありません。一般的には、
- 本人
- 配偶者
- 直系血族
など一定の請求権者が認められています。
また、本人等から委任を受けた代理人による申請が可能な場合もあります。ただし、2026年現在、第三者が業として家族関係登録簿等の証明書発給を受任する場合には特に注意が必要です。駐日韓国大使館は2026年5月11日付で、家族関係登録業務に関する「委任による家族関係登録簿等申請に関する案内」および「代理申請に関するお知らせ」を公表し、第三者が業として家族関係書類の発行を委任される行為について注意喚起しています。
したがって、行政書士が業務として韓国の家族関係証明書を取得する場合は、「行政書士だから当然に代理取得できる」と考えるのではなく、申請方法・受任範囲・公館の最新運用を必ず確認する必要があります。これは2026年版の記事として特に重要なポイントです。
6.本人が申請する場合の必要書類駐日韓国大使館の現在の案内では、家族関係登録簿等の証明書を窓口で申請する場合、基本的に次のような資料が必要です。
- 家族関係登録簿等の証明書交付申請書
- 有効な写真付き身分証明書
- 対象者の氏名・生年月日・登録基準地
- 必要とする証明書の種類・必要通数・使用目的
特に重要なのが登録基準地です。氏名、生年月日、登録基準地などに誤りがあると、証明書を発給できない場合があります。
7.日本人の家族が申請する場合韓国人の配偶者や親族の証明書を、日本人家族が取得する場合には、単に日本人本人の身分証を提示するだけでは足りない場合があります。
韓国大使館の案内では、日本人家族が韓国人の家族関係登録簿等の証明書を申請する場合、
- 日本の戸籍謄本など、家族関係を確認できる公的資料
- 韓国側の登録基準地
- 写真付き身分証明書
などを用意して窓口で相談することが案内されています。例えば、「韓国人の父 → 日本人の子」という関係を証明する場合、日本の戸籍から親子関係が確認できるようにしておくことが重要です。必要に応じて、日本の戸籍謄本等の韓国語訳を準備します。
8.行政書士など第三者が関与する場合の注意点ここは2026年現在、非常に重要です。韓国大使館の現在の案内には、委任による家族関係登録簿等の申請について、委任状、委任者の身分証コピー、代理人の身分証等を用意する取扱いが掲載されています。
一方、2026年5月11日付の大使館のお知らせでは、第三者が業として家族関係書類の発行を委任される行為について注意喚起されています。
そのため、行政書士が関与する場合には、
- 韓国公館への最新の取扱い確認
- 委任による申請が可能なケースか
- 行政書士が業として受任できる範囲か
- 本人による申請が必要か
- 郵送申請を利用できるか
を確認した上で進めることが重要です。
「委任状があれば行政書士が必ず代理取得できる」とは考えないでください。行政書士が関与する場合でも、証明書そのものの取得代行と、必要書類の調査・翻訳・申請書作成支援・手続全体のコンサルティングは分けて考える必要があります。
9.日本へ帰化した方の韓国側証明書を取得する場合韓国籍から日本国籍へ帰化した方については、通常の韓国籍者とは異なる資料確認が必要になることがあります。例えば、韓国籍の父が日本に帰化した
↓
日本の戸籍には帰化の事実が記載されている
↓
韓国側の現在の基本証明書が取得できない
↓
帰化前の韓国側身分関係を確認したい というケースです。この場合、日本の戸籍に帰化の事実が記載されているかを確認し、必要に応じて帰化の事実が確認できる従前戸籍・除籍謄本までさかのぼります。韓国大使館も、日本に帰化した者について、帰化の事実が記載された日本の戸籍、韓国側の登録基準地、写真付き身分証明書等を用いた証明書発給手続を案内しています。
10.登録基準地とは?
韓国の家族関係登録関係手続で非常に重要なのが登録基準地(등록기준지)です。日本の本籍地と似たような場面で使われますが、同一の制度ではありません。証明書を請求する際には、対象者の登録基準地を正確に記載する必要があります。
特に郵送申請では、駐日韓国大使館が登録基準地を番地まで正確に記載することを案内しています。「○○市まで分かる」という程度では足りない場合があります。
登録基準地が分からない場合には、
- 過去の韓国の家族関係証明書
- 韓国の除籍謄本
- 韓国人親族の資料
- 過去の旅券・在外国民登録関係資料
- 日本の戸籍に記載された韓国側情報
などを手掛かりに調査します。
11.郵送で取得する方法韓国の家族関係登録簿等の証明書は、在外公館によっては郵送申請が利用できます。
駐日韓国大使館などの郵送申請案内では、主な必要書類として、
- 家族関係登録簿等の証明書交付申請書
- 申請人の写真付き公的身分証明書のコピー
- 返信用封筒
- 発給手数料
などが案内されています。郵送申請の場合も、対象者の登録基準地を正確に記載する必要があります。なお、駐日韓国大使館の現在の案内では、発給手数料は1通130円とされています(公館によって取扱いが異なる可能性があるため、実際に申請する際には必ず申請先公館の最新案内を確認してください)。
12.窓口申請の基本的な流れ一般的には次のような流れになります。
STEP 1 必要な証明書を特定する
「韓国の戸籍が欲しい」ではなく、「何を証明するために、どの証明書が必要なのか」を明確にします。
(例:親子関係 → 家族関係証明書、出生・改名等 → 基本証明書、婚姻・離婚 → 婚姻関係証明書、古い身分関係 → 除籍謄本)
STEP 2 登録基準地を確認する
登録基準地が不明な場合は、先に調査します。
STEP 3 申請者の資格を確認する
本人なのか、親族なのか、委任を受けた代理人なのかを確認します。
STEP 4 必要書類を準備する
身分証、関係証明資料、委任状等を準備します。
STEP 5 申請
窓口または利用可能な場合は郵送で申請します。
STEP 6 証明書を受領
証明書の内容を確認し、氏名、生年月日、登録基準地、親族関係等に誤りがないか確認します。
13.「基本証明書が発行できない」と言われた場合ここは特に注意してください。韓国から日本へ帰化した方について、「韓国の基本証明書が出ません」と言われることがあります。しかし、それだけで「韓国側の身分関係を証明できない」という意味ではありません。
2008年以前の韓国戸籍に記録されている場合には、除籍謄本など旧戸籍資料を確認することによって、帰化前の身分関係を調査できる可能性があります。
例えば、父親が韓国籍だったこと、出生・父母・婚姻・子・本籍・戸籍上の身分変動などを確認するために、除籍謄本が重要な資料になります。
ただし、現在の家族関係登録簿に正しく移記されているか、旧戸籍と現在の記録がどのようにつながるかは個別に確認する必要があります。
14.出生・婚姻・相続・国籍手続では追加の調査が必要なことも韓国の証明書を取得する目的によっては、単純な「証明書発給」で終わらない場合があります。
特に注意が必要なのが、
- 出生未登録:韓国人の父または母から出生したものの、韓国側に出生申告をしていないケース
- 婚姻未登録:日本では婚姻しているものの、韓国側に婚姻申告をしていないケース
- 日本への帰化:韓国籍から日本国籍へ帰化したものの、韓国側の旧戸籍・国籍関係が整理されていないケース
- 相続:日本の戸籍だけでは相続関係が完結せず、韓国側の親族関係・身分関係を確認する必要があるケース
- 国籍:出生時から韓国籍を取得していた可能性があるものの、韓国側の家族関係登録がされていないケース
このような場合には、単純に「戸籍を取り寄せる」という業務ではなく、日本側資料と韓国側資料を照合し、身分関係を時系列で整理する作業が必要になります。
15.取得できない・記録がつながらない場合の対応韓国側の証明書を請求したものの、
- 登録基準地が分からない
- 氏名が一致しない
- 生年月日が違う
- 日本名と韓国名が違う
- 父母の記録が確認できない
- 現在の家族関係登録簿に反映されていない
- 2008年以前の除籍謄本しか存在しない
- 帰化によって現在の証明書が発給できない
ということがあります。この場合、何度も同じ証明書を請求するのではなく、「どの身分関係を証明したいのか」を改めて確認します。
その上で、
- 日本の戸籍を確認
- 韓国の除籍謄本を確認
- 家族関係証明書等を確認
- 氏名・生年月日・本籍等を照合
- 必要に応じて韓国公館へ照会
- 必要な申告・訂正等を検討
という順番で進めることが重要です。
16.行政書士に相談するメリット韓国の家族関係証明書を1~2通取得するだけなら、ご本人が申請できる場合もあります。一方で、次のようなケースでは、事前に専門家へ相談するメリットがあります。
- 韓国人の親が日本へ帰化している
- 2008年以前の韓国戸籍しか確認できない
- 登録基準地が分からない
- 日本と韓国で氏名表記が異なる
- 婚姻届・出生届を韓国側に出していない
- 相続のため複数世代の身分関係を調査したい
- 国籍関係の手続に使用する
- 韓国側の証明書と日本の戸籍の内容が一致しない
- 韓国側の家族関係登録簿が存在するか分からない
特に、「証明書を取得すること」自体が目的なのではなく、その証明書を使って次の法的手続をする場合には、必要な証明書の種類を最初に間違えないことが重要です。
17.まとめ|
「韓国戸籍を取る」ではなく、目的から必要書類を決める韓国の身分関係資料を日本から取得する場合、まず「韓国戸籍」という一つの書類を探すのではなく、
- 家族関係証明書
- 基本証明書
- 婚姻関係証明書
- 入養関係証明書
- 親養子入養関係証明書
- 除籍謄本
のどれが必要なのかを確認することが重要です。
また、2008年以前の身分関係や、日本へ帰化した韓国出身者の過去の身分関係を調べる場合には、除籍謄本が重要な資料になることがあります。
さらに2026年現在は、家族関係登録簿等の証明書発給について、居住地を管轄する在外公館での申請が基本となっている一方、第三者による業としての委任申請については韓国大使館が注意喚起しています。したがって、行政書士が関与する場合も、従来の「委任状をもらって代理取得」というだけではなく、最新の公館運用を確認した上で適切な方法を選択することが必要です。
韓国の家族関係・戸籍関係でお困りの方へ行政書士法人塩永事務所では、韓国側の家族関係資料が必要となる相続・婚姻・出生・国籍・帰化等の案件について、日本側の戸籍資料を確認し、必要な韓国側証明書の種類や手続の整理をサポートしています。特に、
- 「父母のどちらかが韓国籍だった」
- 「韓国から日本へ帰化した親族がいる」
- 「2008年以前の韓国戸籍しか分からない」
- 「韓国側に出生・婚姻の届出をしていない」
- 「韓国の基本証明書が取得できない」
といった複雑なケースでは、単純な証明書請求ではなく、日韓双方の身分関係を確認する必要があります。まずは現在お持ちの日本の戸籍や韓国側の資料をご準備のうえ、ご相談ください。
行政書士法人塩永事務所
TEL:096-385-9002
E-mail:info@shionagaoffice.jp
(本記事は一般的な制度説明であり、個別案件の法的助言ではありません。実際の手続きは最新の法令・公館の取扱い・本人の事情により異なりますので、必ず関係公館・専門家にご確認ください。)
