
企業向け|外国人材の在留資格・生活研修の内容と注意点
在留期間更新、農業分野の業務範囲、特定技能2号移行、転職・退職時の手続きを解説
外国人材を受け入れる企業・監理団体・登録支援機関の皆さまへ。
外国人材が安心して就労・生活を続けるためには、在留資格の手続きだけでなく、税金・年金・社会保険、転職・退職時の届出、不法就労の防止等まで、幅広い知識が必要です。
行政書士法人塩永事務所では、企業・監理団体・登録支援機関のご依頼により、外国人材および支援担当者を対象とした在留資格・入管手続き・生活上の注意点に関する講話・研修を承っています。
本記事では、研修で特にご要望の多い以下の7つのテーマを整理して解説します。
-
在留期間更新、在留資格変更および申請時の注意点
-
農業分野において認められる業務の範囲と注意事項
-
特定技能1号から2号への移行要件および申請実務
-
転職・退職・一時帰国に伴う届出や手続き
-
税金・年金・社会保険の未納等が在留資格の審査に与える影響
-
在留資格取消しや不法就労を防ぐために知っておくべき事項
-
2026年10月時点の制度改正と今後の留意点
1. 在留期間更新・在留資格変更の基本と申請時の注意点
在留期間の更新や在留資格の変更は、外国人材が日本で就労を継続するうえで最も重要な手続きです。
在留期間更新申請
在留期間の更新は、現在の在留資格で引き続き活動を継続する場合に行います。申請は、在留期間の満了日より前に、原則として出入国在留管理庁へ行います。
更新審査では、引き続き該当する在留資格に該当する活動を行うこと、安定した生活基盤があること、納税・社会保険料の支払い状況等が確認される場合があります。
在留資格変更許可申請
転職、業種・分野の変更、就労形態の変更等により、現在の在留資格とは異なる在留資格での活動を行う場合は、在留資格変更許可申請が必要です。
特に注意すべき点は、在留資格変更許可申請中は、原則として変更予定の就労先での就労活動は認められないことです。転職先での業務を開始する時期については、許可の取得状況を確認したうえで決定する必要があります。moj.go
申請時の注意点
-
申請内容と実際の就労内容・報酬・勤務時間が一致していること
-
雇用契約書、登記事項証明書、直近の給与明細、納税証明書等の添付書類を確認すること
-
転職・分野変更の場合は、新しい業務が在留資格の範囲に適合するかを確認すること
-
申請期間中の就労可否、在留カードの記載事項、在留期間の満了日を確認すること
-
印紙代・申請方法等は制度・運用により変更される場合があるため、申請前に最新の案内を確認すること
当事務所では、在留期間更新・在留資格変更の申請書類作成、添付書類の確認、申請後のフォローまでをサポートします。
2. 農業分野で認められる業務の範囲と注意事項
農業分野の特定技能外国人は、耕種農業または畜産農業に係る業務に従事します。
主な業務は以下のとおりです。
-
耕種農業:栽培管理、農産物の集出荷・選別等
-
畜産農業:飼養管理、畜産物の集出荷・選別等
関連業務への付随的従事
農業の特性に鑑み、農畜産物の製造・加工、運搬、販売作業、冬場の除雪作業等の関連業務に付随的に従事することは、運用上差し支えないとされています。
ただし、「付随的」であることが重要です。農業以外の業務を主たる業務として配置することは、在留資格の範囲を超えるおそれがあります。
企業が確認すべきポイント
-
雇用契約書上の業務内容と、実際の作業内容が一致しているか
-
農業関連業務が、農業業務に付随する範囲にとどまっているか
-
業務日報、作業記録、配属計画等で業務内容を確認できるか
-
加工・販売・運搬等を行う場合、その割合や目的が農業業務と関連しているか
-
分野・業務内容を変更する場合、在留資格変更の必要性を確認しているか
農業分野で外国人材を受け入れる企業は、業務範囲を事前に整理し、記録を残しておくことが重要です。
3. 特定技能1号から2号への移行要件と申請実務
特定技能には、1号と2号があります。1号は一定の知識・経験を有する外国人材向け、2号はより高い熟練技能を有する外国人材向けの在留資格です。
特定技能1号と2号の主な違い
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 技能水準 | 相当程度の知識または経験を有すること | 熟練した技能を有すること |
| 在留期間 | 通算5年まで | 更新回数の上限なし |
| 家族帯同 | 原則として不可 | 要件を満たせば配偶者・子の帯同が可能 |
| 移行要件 | 試験等による確認 | より高度な技能試験等による確認 |
特定技能1号から2号への移行は、1号の在留期間を経ただけでは自動的に認められるものではありません。2号への移行には、原則として技能試験等により熟練した技能を有することが確認される必要があります。
申請実務上のポイント
-
現在の分野・業務内容が2号移行の対象となるか確認する
-
技能試験、日本語能力等の要件を確認する
-
技能実習2号を良好に修了した場合等、試験免除となるルートの有無を確認する
-
在留資格変更許可申請の準備期間を確保する
-
移行後の雇用条件、業務内容、支援体制を整える
-
2号移行後は、受入れ機関・登録支援機関等が行う報告・届出の要否を確認する
当事務所では、特定技能2号への移行に向けた要件確認、必要書類の整理、在留資格変更許可申請の作成・提出までをサポートします。
4. 転職・退職・一時帰国に伴う届出や手続き
外国人材の転職・退職・一時帰国は、手続きを誤ると在留資格や就労継続に影響する場合があります。
転職・退職時の注意点
-
転職先の業務が、現在の在留資格の範囲に適合するか確認する
-
在留資格を変更する必要がある場合は、変更許可を得てから就労を開始する
-
退職後の失業期間中は、在留資格の維持に影響しないよう早期に手続きを検討する
-
受入れ機関・監理団体・登録支援機関は、退職・転職等に関する届出・報告義務を確認する
在留資格変更許可申請中は、原則として変更予定の就労先での就労活動は認められません。moj.go
一時帰国時の注意点
一時帰国の際は、再入国の予定や期間、在留カードの有効期限、在留期間の満了日等を確認する必要があります。
再入国許可を取得せずに出国した場合、原則として再入国時に新たな在留資格の取得が必要となる場合があります。短期間の帰国であっても、事前に手続きの要否を確認することが重要です。
5. 税金・年金・社会保険の未納が在留資格審査に与える影響
在留資格の審査では、申請者の在留状況、就労状況、納税状況等が総合的に確認されます。
税金、年金、健康保険料等の未納がある場合、それが直ちに在留資格の取消しにつながるものではありませんが、在留期間更新や在留資格変更の審査において不利に働く可能性があります。
主な確認事項
-
住民税、所得税の納付状況
-
健康保険料、年金保険料の納付状況
-
会社負担分と本人負担分の区別
-
未納がある場合の分割納付・納付計画
-
納税証明書、年金加入記録等の確認方法
支援担当者が確認すべきこと
-
給与明細・源泉徴収票等で税金・社会保険料の控除状況を確認する
-
未納がある場合は、早めに納付計画を立てる
-
生活保護の利用状況がある場合は、在留資格審査への影響を確認する
-
転職・退職時は、健康保険・年金・住民税等の切替え手続きを確認する
6. 在留資格取消し・不法就労を防ぐために
在留資格の取消しは、申請内容に虚偽がある場合や、在留資格に該当しない活動を継続して行った場合等に生じ得ます。場合によっては、退去強制の対象となることもあります。moj.go
主なリスク要因
-
虚偽の申請、偽造・変造文書の使用
-
在留資格の範囲を超える就労
-
資格外活動許可のないアルバイト・副業
-
実態と異なる業務内容での就労
-
受入れ機関・監理団体による確認不足
不法就労を防ぐために
-
雇用契約書と実際の業務内容を一致させる
-
在留カードの在留資格・在留期間・資格外活動許可の有無を確認する
-
業務日報・シフト表・作業記録等で業務内容を管理する
-
転職・副業・アルバイトの希望がある場合は、事前に可否を確認する
-
不明な点は、早めに専門家へ相談する
7. 2026年10月時点の制度改正と今後の留意点
出入国在留管理制度や特定技能制度は、運用要領・分野別運用方針・Q&A等が継続的に更新されています。
実際に、出入国在留管理庁の特定技能制度ページでは、2026年10月15日時点で漁業分野の「特定の分野に係る要領別冊」が改正されたことが公表されています。
今後注視すべき論点
-
特定技能制度の分野別運用方針・要領の改正
-
農業分野における業務範囲・関連業務の運用
-
在留資格申請の電子化・申請方法の変更
-
監理団体・登録支援機関・受入れ機関に求められる支援・報告義務
-
特定技能2号への移行要件・審査運用の動向
-
在留資格取消し・不法就労防止に係る運用の厳格化
制度改正は随時行われるため、申請の際は必ず最新の出入国在留管理庁の案内・運用要領を確認することが重要です。
企業・監理団体が整えるべき支援体制
外国人材を安定して受け入れるためには、以下のような体制づくりが重要です。
-
在留資格・在留期間・資格外活動許可の管理
-
雇用契約書・業務内容・勤務実態の一致確認
-
税金・年金・健康保険等の納付状況確認
-
転職・退職・一時帰国時の手続きチェックリスト
-
定期的な面談・ヒアリングの実施
-
問題発生時の相談窓口の明確化
-
制度改正への継続的な情報収集
行政書士法人塩永事務所に依頼できること
当事務所では、企業・監理団体・登録支援機関の皆さまに向けて、以下の業務をサポートします。
-
在留期間更新・在留資格変更許可申請の作成・提出代行
-
特定技能1号から2号への移行に係る要件確認・申請支援
-
農業分野をはじめとする分野別の業務範囲・適合性の確認
-
転職・退職・一時帰国時の届出・手続きサポート
-
税金・年金・社会保険の未納に係る相談・資料整理
-
在留資格取消し・不法就労防止に向けた研修・講話
-
2026年10月時点の制度改正を踏まえた最新の申請実務サポート
まとめ
外国人材の受け入れでは、在留資格の手続きだけでなく、農業分野の業務範囲、特定技能2号への移行、転職・退職時の手続き、税金・年金・社会保険の未納、在留資格取消し・不法就労の防止等、幅広い論点を押さえる必要があります。
行政書士法人塩永事務所は、企業・監理団体・登録支援機関の皆さまに向けて、外国人材および支援担当者を対象とした在留資格・生活研修、申請手続きのサポートを行っています。
在留資格に関する不安や課題をお持ちの方は、お気軽に当事務所までご相談ください。
行政書士法人塩永事務所
-
電話:096-385-9002
-
メール:info@shionagaoffice.jp
-
所在地:〒862-0950 熊本県熊本市中央区水前寺1-9-6
-
対応エリア:熊本県内を中心に、九州全域・全国対応
