
【2026年最新版】高圧・低圧太陽光発電所のFIP転換手続き|特に50kW以上(高圧)のFIT→FIP移行を行政書士が詳しく解説
FITからFIPへ移行したい太陽光発電事業者の方へ
- 「現在FITで売電している高圧太陽光発電所を、FIPへ移行できるのか」
- 「FIP移行認定の申請から交付金の受領まで、どのような手続きが必要か」
- 「蓄電池を併設したいが、基準価格に影響はあるか」
- 「複数の発電所をまとめてFIPへ移行したい」
- 「FIPへの移行手続きを専門家に任せたい」
こうしたご相談が増えています。
行政書士法人塩永事務所は、熊本を拠点に、太陽光発電設備のFIT・FIP制度に関する申請・変更手続きを全国対応でサポートしています。既にFIT認定を受けている設備をFIPへ移行する「FIP移行認定」について、次の工程を一貫して支援しています。
- 事前確認
- 申請と補正対応
- 旧FIT認定の廃止届出
- FIP交付金を受け取るための電力広域的運営推進機関(OCCTO)への登録
当事務所は認定経営革新等支援機関でもあります。申請書の作成にとどまらず、事業計画や売電・需給管理体制も踏まえて手続きを進めます。
※本記事は2026年10月時点の公開情報に基づきます。制度や運用は変更されることがあります。
1. FIP制度とは?FITとの違い
FIP(Feed-in Premium)制度では、発電した電気を卸電力取引市場や相対取引で発電事業者自らが売電します。そのうえで、市場売電収入に上乗せされるプレミアム(FIP交付金)が交付されます。
プレミアムは、基準価格(FIP価格)から参照価格(市場取引等で期待される収入)を引いた「プレミアム単価」に、再エネ電気の供給量を掛けて算定されます。算定は1か月ごとに行われます。なお、出力制御が発生する時間帯の供給分にはプレミアムが交付されません。
FITでは売電単価が固定でしたが、FIPでは収入が市場価格に連動します。そのため、移行後の売電先・アグリゲーター・需給管理の体制が事業収支に直結します。
移行した場合の基準価格と交付期間
FIT認定からFIP認定へ移行する場合、制度設計時の資源エネルギー庁の整理では、移行そのものは価格変更を伴う事業計画の変更に当たりません。基準価格は従前の調達価格と同水準で、交付期間は調達期間の残存期間となります。
また、一般にFIPへ移行した後にFITへ戻すことはできないとされています。移行は、収支面も含めて慎重に判断してください。
2. 高圧(50kW以上)の既存FIT設備はFIPへ移行できる?
結論として、50kW以上の既認定FIT設備は、事業者が希望すればFIPへ移行できます。
なお、FIT・FIP制度上の区分は出力(50kWなど)で決まっており、電圧区分とは別の基準です。本記事では、50kW以上の太陽光発電設備(一般に高圧連系となることが多い規模)を「高圧」と呼びます。
| 規模 | FIP移行の考え方 |
|---|---|
| 50kW以上(高圧) | 既認定のFIT設備は、事業者の希望により移行可能。本記事の中心 |
| 10kW以上50kW未満(低圧) | 一定の条件を満たす場合に限り、FIPが認められる。個別判断が必要(第10章参照) |
補足:地上設置の太陽光(10kW以上)は、2027年度以降、FIT・FIPともに新規認定の対象外となります(2026年度の落札案件を除く)。ただし、既に認定を受けた案件のFIP移行は認められています。発電所を購入・承継した場合も、まず既存の認定内容を確認することが出発点です。
3. 高圧のFIP移行手続き|全体の流れ
FIP移行は、経済産業省への認定申請だけでは完了しません。基本の流れは次のとおりです。
- 既存FIT認定・現況の確認
- 売電・需給管理体制の整理
- FIP移行認定申請(電子申請+必要書類)
- 審査・補正対応
- 発電量調整供給契約の開始日の登録
- FIP移行認定
- 移行元(旧FIT)設備の廃止届出
- OCCTOへの事業者情報・設備情報の登録
- FIP交付金の受領
STEP1 既存FIT認定・現況の確認
認定通知書や電子申請マイページの情報と、現地の設備状況を照合します。確認する項目は次のとおりです。
- 設備ID
- 認定出力
- パネル合計出力
- 調達価格・調達期間
- 運転開始日
- 設置場所
- 認定事業者名
- 接続契約の内容
- 現在の売電先
認定内容と現況がずれている場合(事業者名の変更、出力や設備構成の変更の未処理など)は、FIP移行の前に整理が必要です。
STEP2 売電・需給管理体制の整理
申請画面では、次の情報の入力が求められます。
- 需給管理の方法
- 電気の取引方法
- セキュリティ管理責任者
- 供給エリア
このため、申請前に次の点を固めておく必要があります。
- どこへ、どの方法で売電するか
- 発電量の予測や需給管理を誰が行うか
- 発電量調整供給契約をどの相手と、いつから開始するか
- 現在の買取契約(FITの特定契約)をいつ、どう終了させるか
最後の点は、買取事業者との個別調整が必要です。
STEP3 FIP移行認定申請
再生可能エネルギー電子申請システムで行います。高圧の場合のポイントは次のとおりです。
- GビズID:プライムまたはメンバーのアカウントが使えます。事前に取得してください。
- 印鑑証明書:申請に添付する場合、申請日の3か月前から申請日までに発行されたものに限られ、手続きごとの取得が必要です。
- 遵守事項・確認事項:すべてに同意しなければ申請できません。確認事項は、代理人ではなく事業者本人が確認し、同意を得たうえで登録することが求められています。
- 添付ファイル:PDFまたはZIP形式、1ファイル10MB以下です。
- 電子契約書:契約書を電子で提出する場合、認定認証事業者が発行した電子証明書付きの電子署名があるものに限られます。
- 申請書の出力と確定:入力後に申請書を出力し、内容を確認して「申請情報確定」を行います。
- 書面の送付:ガイドブックでは、50kW以上の申請書(+返信用封筒)を管轄の経済産業局へ送付する流れが案内されています。要否は、GビズID認証の利用有無などによって変わり得るため、申請時点の最新の記載要領・操作マニュアルで確認します。
STEP4 審査・補正対応
資源エネルギー庁は、申請から認定までを3か月程度と案内しています。書類に不備があった場合は、受付日が処理期間の起算日になりません。補正の有無で期間が大きく変わるため、事前確認で不備を減らすことが重要です。
STEP5 発電量調整供給契約の開始日の登録
審査の過程で、システムから「発電量調整供給契約の開始日」の登録依頼が届きます。このとき申請状態は一旦「申請不備」と表示されます。「申請内容の修正」から開始日を入力して再度申請する流れです。
この日付は、売電先・アグリゲーターとの契約スケジュールと連動します。契約の準備が遅れると、ここで手続きが止まります。
STEP6 FIP移行認定
審査が完了すると認定通知が届きます。
STEP7 旧FIT認定の廃止届出
移行後の設備の認定を受けたら、移行元となるFIT設備の廃止届出を行います。移行認定の手続きは、この廃止届出が受理されるまでが一連の手続きです。
発電所そのものを廃止するわけではありません。「FIT認定を終了して、FIP認定へ切り替える」ための手続きです。発電は継続できます。
STEP8 OCCTOへの事業者登録
FIP交付金の確認・受取には、OCCTOの「再エネ業務統合システム」への事業者登録が必要です。FIP認定を受けた後に登録します。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 入力項目 | 事業者名、電話番号、住所、交付金の受取口座、設備情報(設備ID・受電地点特定番号)、ユーザ情報 |
| 提出書面 | 代表者の印鑑証明書(発行から3か月以内)、接続契約書(受電地点特定番号が記載されたもの。検針票も可) |
登録申請はOCCTOで審査され、問題がなければ登録完了となります。審査に要する日数は、OCCTOの最新の案内で確認してください。印鑑証明書は経済産業省への申請用とOCCTO用の両方で必要になるため、取得のタイミングにご注意ください。
STEP9 FIP交付金の受領
FIP交付金はOCCTOから認定事業者へ直接交付されます。基本的には、事業者側からの申請は不要です。OCCTOのシステムで算定された交付額と算定根拠が通知されるので、内容を確認します。ただし、一つの受電地点特定番号に複数の発電設備が紐づく場合などは、事業者側で供給電力量の申請が必要となる例外があります。
4. 高圧のFIP移行で確認しておきたい書類・情報
具体的な添付書類は申請内容によって異なります。次の資料があると、事前確認が円滑に進みます。
基本資料
- FIT認定通知書、設備ID
- 認定事業者の履歴事項全部証明書、代表者の印鑑証明書
- 接続契約書(受電地点特定番号が分かるもの)・検針票
- 発電所の所在地・出力・運転開始日が分かる資料
売電体制に関する資料
- 現在の買取契約(FITの特定契約)の内容
- 売電先・アグリゲーターとの契約(予定)に関する資料
- 発電量調整供給契約の開始予定日
蓄電池・設備変更がある場合の追加資料
- 蓄電池設置に係る変更認定申請書
- 単線結線図
- 蓄電池の設置位置が分かる設備配置図
- 蓄電池の仕様書
5. FIP移行にかかる期間
当事務所では、通常の案件で、ご依頼から一連の手続き完了まで4〜6か月程度を目安としています。ただし、次の要因で変動します。
- 経済産業省の審査期間(3か月程度が標準)と補正の有無
- 売電先・アグリゲーターとの契約締結の時期
- 発電量調整供給契約の開始日の確定
- 印鑑証明書など、有効期限のある書類の取得時期
- OCCTOへの登録時期
そのため、完了時期の保証はできません。移行の希望時期がある場合は、できるだけ早めにご相談ください。
6. 蓄電池を併設する場合(高圧の重要論点)
FIP移行と同時に蓄電池を設置する場合は、申請時に蓄電池設置に関する変更認定申請書、単線結線図、設備配置図、蓄電池の仕様書などの提出が必要です。
特に注意が必要なのは基準価格です。資源エネルギー庁の整理では、太陽電池の合計出力が発電設備(PCS)の出力より大きい設備(過積載)で、PCSよりも太陽電池側に蓄電池を新設・増設する場合があります。この場合、FIT認定からFIP認定へ移行して蓄電池を設置すると、次のような扱いになります。
- 蓄電池を設置する前の基準価格と、十分に低い基準価格との加重平均に変更されます。
- 加重平均には、過積載率に応じて算定されたピークカット電力量割合の想定値が用いられます。
- 区分計量が可能で、プレミアムの交付を受けない場合などは、この扱いから除かれます。
収支に直結する論点です。設置前に、設備構成(PCS・パネル・蓄電池の接続位置)と対象条件を確認する必要があります。
7. 出力変更・パネル更新・事業者変更を伴う場合
FIP移行と同時、または前後に次のような変更がある場合は、通常の移行とは別の手続きが必要です。
- 発電設備の出力の変更:出力増加は変更認定が必要で、価格変更の可能性があります。
- パネルの増設・更新:一定の特例があります。増設・更新の前に変更認定申請を行い、既設部分と増設・更新部分を区別して申請します。更新時にはパネルの適切な廃棄(解体・撤去の契約書の写しやマニフェストの提出など)が前提です。
- 認定事業者の変更(売買・事業承継など):単純なFIP移行とは異なる手続きになります。
- 説明会・事前周知措置:認定事業者の変更や、認定出力・パネル合計出力を20%以上または50kW以上増加させる変更などの場合は、説明会または事前周知措置が必要です。原則として変更認定申請の3か月前までに実施します。FIP移行そのものは、ガイドブック上の「重要な事項の変更」には列挙されていません。ただし、出力増強や事業者変更を伴う場合は、スケジュールに大きく影響します。
8. FIP移行後の運用で注意すること
- 出力制御:FIP電源は、FIT電源が制御された後に出力制御を受ける運用とされています(2026年度または2027年度に、システム改修が終わったエリアから順次開始)。
- 廃棄等費用の積立て:10kW以上の太陽光は、原則として源泉徴収的な外部積立てが求められます。FIP認定事業で積立不足が生じた場合、不足分は1年程度分をまとめて積み立てることとされています。
- 遵守事項と委託先の監督:認定事業者は、保守点検などを委託する場合に委託先・再委託先を適切に監督する義務を負います。認定基準違反があると、FIP交付金の一時停止などの措置の対象となる可能性があります。
- 定期報告:設置費用報告・運転費用報告などの定期報告は、引き続き必要です。
9. 売電体制の確認も重要です
FIP認定を取得しても、売電体制が自動的に整うわけではありません。売電先・アグリゲーターとの契約、発電計画、需給管理、バランシングコスト(発電計画と実績の差に伴う費用)の負担などを、早い段階から確認してください。
なお、当事務所のFIP移行手続き報酬には、次のものは含まれません。
- 売電先の選定
- 売電価格など商業条件の交渉
- アグリゲーター業務そのもの
- 需給管理業務そのもの
必要な契約情報の確認、申請に必要な情報の整理、関係先との連絡調整は、案件に応じてサポートします。
10. 低圧(50kW未満)の場合
50kW未満の太陽光は、FIPが認められるのは一定の条件を満たす場合に限られます。移行の可否は、認定内容・設備・事業計画を個別に確認して判断します。
手続き面では、50kW未満は代行申請機関(JPEA代行申請センター等)を通じた電子申請が中心です。登録者と事業者が異なる場合は、事業者のメールによる承諾が必要になるなど、高圧とは手順が異なります。
11. 複数の発電所をまとめてFIPへ移行する場合
10か所、20か所といった複数の発電所は、最初に「FIP移行対象発電所一覧表」を作成します。次の項目を発電所ごとに整理すると、効率的に進められます。
- 設備ID
- 出力
- 認定年度
- 調達価格・調達期間
- 所在地
- 事業者
- 売電先
- 設備変更の有無
案件数・共通作業・個別作業を確認したうえで、個別にお見積りします。
12. 行政書士法人塩永事務所のFIP移行サポート費用
| 対象 | 報酬額(税込) |
|---|---|
| 低圧太陽光発電所 | 770,000円 |
| 高圧太陽光発電所 | 990,000円 |
※1発電所・1つの既存FIT設備IDを基本とした目安です。
基本報酬に含まれる業務(想定)
- 事前ヒアリング、既存FIT認定情報の確認、FIP移行に関する事前確認
- 必要書類の整理、FIP移行認定申請書類の作成、電子申請
- 通常の補正対応、関係先との必要な連絡調整
- FIP移行認定後の旧FIT認定の廃止届出
- OCCTOへの必要な登録、手続き完了の確認、完了報告
蓄電池の併設、出力変更、事業者変更、認定内容と現況の不一致の整理などが伴う場合は、別途の確認とお見積りが必要です。正式な報酬額は、事前確認後にお見積りします。
13. ご相談の前にご準備いただきたい情報
- FIT認定通知書・設備ID
- 発電所所在地、認定出力、パネル・PCSの構成
- 現在の事業者情報、売電先の情報
- 接続契約書・検針票(受電地点特定番号)
- FIPへの移行希望時期
- 蓄電池設置、設備変更、事業者変更、発電所売却の予定の有無
- FIP移行後の売電先・アグリゲーターの決定状況
FIP転換・FITからFIPへの移行はご相談ください
FIPへの移行は、「申請書を出せば終わり」の手続きではありません。FIT認定の確認からFIP移行認定、旧FIT認定の廃止届出、OCCTO登録、売電・需給管理体制の整備まで、複数の手続きを関連付けて進める必要があります。
- 「高圧の発電所をFIPへ移行できるか知りたい」
- 「蓄電池を設置してFIPへ移行したい」
- 「複数の発電所をまとめて移行したい」
- 「購入した発電所のFIP移行を相談したい」
- 「OCCTO登録まで任せたい」
このような場合も、まず現在のFIT認定内容を確認し、必要な手続きを整理します。
行政書士法人塩永事務所
熊本市中央区水前寺1-9-6
TEL:096-385-9002
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