
医療法人の設立・法人化から保険医療機関の指定まで、行政書士法人塩永事務所がサポート個人で診療所を経営されている医師の先生から、
「医療法人を設立して診療所を法人化したい」
「分院を開設したい」
「医療法人設立後、保険診療を継続するために何をすればよいのか分からない」
「診療所の開設許可、保健所、厚生局、各種指定までまとめて相談したい」
といったご相談をいただくことがあります。医療法人の設立は、株式会社や合同会社の設立とは大きく異なります。医療法に基づく都道府県知事の設立認可が必要で、認可後に法務局で設立登記を行うことで法人が成立します(医療法第44条・第46条)。
さらに、医療法人を設立しただけでは、個人診療所の保険診療が自動的に法人へ移行するわけではありません。法人化に伴い、以下のような複数の行政機関への手続が発生する可能性があります。
- 医療法人の設立認可
- 医療法人の設立登記
- 法人診療所の開設許可・開設届
- 個人診療所の廃止関係手続
- 保険医療機関の指定申請(および個人側の廃止・変更手続)
- 施設基準の届出
- 生活保護法指定医療機関等の各種公費指定
- 労災保険指定医療機関の手続
- 予防接種・各種健診・検診等に関する手続
- 医薬品・麻薬等を取り扱う場合の関係手続
- その他、診療所の運営形態に応じた許認可・届出
そのため、設立認可だけを見てスケジュールを組むのではなく、「法人設立後に予定どおり診療を開始できる状態」まで逆算して全体を設計することが重要です。行政書士法人塩永事務所では、医療・薬事分野の許認可手続を取り扱う行政書士として、医療法人設立から法人診療所の開設、保険医療機関の指定まで、関係専門家と連携しながらサポートします。医療法人とは?医療法人とは、病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院等の開設・運営を目的として、医療法に基づいて設立される法人です。
原則として、主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事の認可を受ける必要があります(医療法第44条)。
定款を作成して法務局へ登記すれば設立できる株式会社等とは、設立手続の仕組みが大きく異なります。
また、設立認可だけでなく、その後の診療所開設や保険医療機関指定まで見据えた計画が必要です。個人診療所を医療法人化する場合のポイント現在、医師個人で診療所を開設・運営しており、これを医療法人に切り替える場合は、単に「法人を作って診療所の名前を変更する」という手続ではありません。現在の状態
医師個人 → 個人診療所 → 保険医療機関 法人化後
医療法人 → 法人診療所 → 保険医療機関 この過程で、医療法人の設立認可に加え、診療所の開設者変更に伴う医療法上の手続や、保険医療機関に関する手続などを適切に組み合わせる必要があります。九州厚生局は、個人から法人への変更について、一定の要件のもとで保険医療機関の指定を遡及して取り扱う制度を案内しています。
ただし、実際の取扱いは案件ごとの事情によって異なるため、法人化する時期、診療所の開設日、個人診療所の廃止日、保険医療機関の指定日を一体的に確認しておくことが重要です。
医療法人設立から法人診療所開設までの全体像
医療法人化を検討する場合、一般的には次のような流れで準備を進めます。
STEP1 医療法人化の事前相談・設立計画
現在の診療所の状況、診療科目、医師・スタッフの体制、希望時期、法人・診療所の名称、所在地、役員・社員構成、財産・資産、設備・医療機器、賃貸借関係、借入金、保険診療・施設基準・公費指定の状況などを確認します。
ここを十分に確認せずに申請書を作り始めると、後から計画変更が必要になることがあります。
当事務所では、最初に全体のスケジュールと手続の関係を整理することを重視しています。
STEP2 医療法人設立認可の準備
定款(または寄附行為)をはじめ、法人の運営体制や財産関係を整理した上で、設立認可申請を行います。
医療法では、目的、名称、開設する病院・診療所等の名称・場所、事務所所在地、資産・会計、役員、理事会、社員総会等に関する事項を定めることが求められています。
案件に応じて、定款案、設立趣意書、社員・役員関係書類、資格関係書類、財産目録・財産関係資料、診療所の概要、事業計画・予算関係資料などを準備します。必要書類や提出方法、事前協議の方法、受付時期等は所管行政庁によって異なる場合があります。熊本県も医療法人について各種手続・提出時期・必要書類等を一覧化しています。
STEP3 医療法人設立認可申請
必要書類を整えたら、所管行政庁との事前確認・協議等を経て申請します。
設立認可の時期だけでなく、その後の診療所開設・保険医療機関指定まで含めてスケジュールを組むことが重要です。設立時期と診療開始時期がずれると、運営や保険診療の取扱いに影響する可能性があります。
STEP4 医療法人の設立登記
設立認可後、法務局で法人設立登記を行います(行政書士の許認可業務とは異なる司法書士の専門業務)。
当事務所では必要に応じて提携司法書士等と連携し、「設立認可 → 設立登記 → 診療所開設 → 保険医療機関指定」の一連の流れが円滑につながるように進行管理を行います。登記完了後は、所管行政庁への設立登記完了届等の手続も必要です。
STEP5 法人診療所の開設許可・開設届
医療法人が診療所を開設する場合、医療法上の手続が必要です。
熊本県では、法人等が診療所を開設する場合、原則として「診療所開設許可申請書」を事前に提出することとされており、手数料は19,000円とされています。
熊本市についても、診療所開設許可申請書や開設届等の様式が公開されています(令和8年4月1日以降の手数料改定を含む)。
無床診療所か有床診療所か、構造設備の状況などにより、開設許可・病床設置許可・開設届・管理者・医療従事者関係の手続などが必要となる場合があります。早い段階で確認することが重要です。
STEP6 個人診療所の廃止関係手続
個人診療所を医療法人の診療所へ切り替える場合、従前の個人診療所についても廃止等に関する手続が必要となることがあります。
個人診療所の廃止届、個人名義の保険医療機関に関する廃止・変更手続、公費負担医療等の指定関係、施設基準関係、労災指定関係、予防接種・健診・検診等の契約・指定関係などを確認します。
STEP7 保険医療機関の指定申請
法人診療所として健康保険による診療を行うためには、原則として、法人診療所について保険医療機関の指定を受ける必要があります。
九州厚生局は、病院・診療所が公的医療保険の適用を受ける診療を行うためには、開設者が申請し、九州厚生局長による指定を受ける必要があると案内しています。
指定申請では、指定申請書、開設許可書等、医師免許証等、管理者に関する書類、土地・建物関係書類、平面図などの添付書類を準備します。
九州厚生局の案内でも、診療所の保険医療機関指定申請についてこれらの添付書類が示されています。指定日は原則として毎月1日とされており、申請締切については事前確認が必要です。
2026年からの保険医療機関指定についても注意が必要です
令和8年(2026年)4月1日から、外来医師過多区域において新たに無床診療所を開設して保険医療機関の指定を受けようとする場合、一定の場合には開設6か月前までに地域外来医療の提供に関する意向等の事前届出が必要とされています。
また、都道府県知事による要請・勧告等との関係で、保険医療機関の指定期間が通常より短くなる場合があります。
したがって、2026年以降に新規開設や分院開設を検討する場合には、開設地域における最新の医療提供体制に関する制度も確認しておく必要があります。
STEP8 オンライン資格確認等の関係手続
新たに保険医療機関の指定を受ける場合には、オンライン資格確認に関する手続も確認する必要があります。
九州厚生局では、新規指定の場合、オンライン資格確認の導入が原則義務付けられているとして、指定申請に関連して受付番号情報提供依頼やオンライン資格確認の導入計画書等について案内しています。
開設日だけでなく、「医療法人設立 → 診療所開設 → 保険医療機関指定 → オンライン資格確認等の準備」までを一つのスケジュールとして考えることが重要です。
STEP9 施設基準の届出
特定の施設基準を満たして診療を行う場合には、保険医療機関としての指定とは別に、施設基準の届出が必要となる場合があります。
在宅医療関係、リハビリテーション関係、医学管理等、検査関係、手術関係など、診療内容によって必要な届出が異なります。
現在個人診療所で届出を行っている施設基準についても、法人化によって改めて確認が必要になる場合があります。
STEP10 公費負担医療・指定医療機関等の確認
法人化によって、保険医療機関以外の各種指定についても確認が必要です。
生活保護法指定医療機関、労災保険指定医療機関、結核指定医療機関、被爆者一般疾病医療機関、自立支援医療関係、母子保健関係、予防接種関係、各種健診・検診関係など。
特に重要なのは、現在の個人診療所で取得している指定が、法人診療所へ自動的にそのまま移るとは限らないことです。制度ごとに、変更届、廃止・新規指定、開設者変更等の取扱いを確認する必要があります。九州厚生局でも、保険医療機関と生活保護法指定医療機関の指定申請を同時に行う場合の様式を案内しています。
STEP11 予防接種・健診・検診等の確認
予防接種、特定健診、各種健康診断、がん検診、自治体の検診などの公的事業を実施している場合には、法人化に伴う変更手続や契約関係の確認が必要になることがあります。現在の診療所で行っている公的事業を一覧化し、法人化後の取扱いを一つずつ確認することが重要です。
STEP12 医薬品・麻薬等に関する手続
麻薬等を取り扱っている場合には、医療法人化や開設者変更に伴って、麻薬施用者免許等を含む関係手続の確認が必要となる場合があります。
医薬品、医療機器、毒物・劇物、麻薬、向精神薬などを取り扱っている場合には、それぞれ根拠法令や許認可・届出の仕組みが異なります。現在の診療所で取得している免許・指定・届出を棚卸しすることが重要です。
医療法人化で「漏れやすい手続」を一覧化
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分野
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主な確認事項
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医療法人
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設立認可、定款、役員、社員、財産関係
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登記
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医療法人設立登記
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診療所
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開設許可、開設届
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個人診療所
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廃止関係手続
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保険診療
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保険医療機関指定
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施設基準
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各施設基準の届出
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公費
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生活保護等の指定
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労災
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労災保険指定医療機関
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感染症等
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結核等の指定関係
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自立支援
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自立支援医療関係
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健診・検診
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特定健診・各種健診・がん検診等
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予防接種
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自治体等との契約・指定
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医薬品等
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麻薬・毒劇物等の関係手続
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オンライン資格確認
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導入・関連手続
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税務・労務
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税理士・社会保険労務士等との連携
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登記
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司法書士との連携
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※必要となる手続は、診療所の所在地、病床の有無、診療科、診療内容、現在取得している指定・届出等によって異なります。医療法人設立は「認可を取るだけ」ではありません医師の先生にとって本当のゴールは、
医療法人を設立する → 法人診療所を適法に開設する → 必要な保険医療機関指定を受ける → 必要な施設基準・公費指定等を整える → 予定した日から円滑に診療を開始する
というところにあります。
最初の段階で全体の工程を確認することが重要です。医療法人設立のスケジュールは早めの準備が重要医療法人の設立認可には、所管行政庁による事前相談・審査等が関係するため、希望する法人化の日から逆算して準備する必要があります。
設立認可・設立登記・診療所開設許可・開設届・個人診療所の廃止・保険医療機関指定・施設基準・公費指定などを連続して進める必要があります。
「〇月〇日から法人診療所として診療を開始したい」という希望がある場合は、最初にその日を決め、そこから逆算して計画することをおすすめします。
九州厚生局では、保険医療機関の指定日は原則として毎月1日とされており、申請締切についても事前確認が必要とされています。
熊本県・熊本市の医療法人手続にも対応熊本県では、医療法人に関する各種手続の様式や提出時期、必要書類等が公開されています。
熊本市を主たる事務所の所在地とする医療法人については、熊本市が所管する手続があります。
事業年度終了後3か月以内に事業報告書等を提出する義務があるほか、2023年8月1日以降は医療法人の経営情報等に関する報告制度も設けられています。
医療法人は「設立したら終わり」ではなく、設立後の運営・変更・決算・経営情報等の報告まで含めた継続的な法人運営が必要になります。
分院開設・医療法人化もご相談ください
すでに医療法人を運営されている場合に新たに診療所を開設する場合と、個人診療所を医療法人化する場合では、必要となる手続が異なります。
分院を開設する場合には、新たな診療所の開設手続、定款との整合性・定款変更の要否、所管行政庁への手続、開設許可・届出、保険医療機関指定、施設基準、公費指定、管理者・医療従事者関係、既存診療所との関係などを確認する必要があります。
熊本県も、医療法人の定款変更について、複数の保健所管轄や熊本市と熊本市以外の地域にまたがって医療機関を開設する場合には、提出先が変わることを案内しています。
分院開設を予定されている場合は、物件を正式に決める前の段階からご相談いただくことをおすすめします。
行政書士法人塩永事務所の医療法人設立サポート
当事務所では、単に申請書を作成するだけではなく、医療法人設立後の診療所運営開始までを見据えて手続全体を整理します。
主なサポート内容
- 医療法人化の事前相談(基本的な流れの確認、希望時期・現状確認、必要手続の洗い出し、スケジュール作成、行政庁への事前相談・協議の準備)
- 医療法人設立認可申請(定款等の作成支援、申請書類作成、添付書類整理、財産・役員・社員関係書類の整理、事前協議・補正対応)
- 法人設立登記の専門家連携(司法書士と連携)
- 法人診療所の開設手続(開設許可申請、開設届、構造設備関係、医療従事者関係、個人診療所の廃止関係など)
- 保険医療機関指定関係(指定申請、個人側の廃止・変更手続、施設基準の確認、オンライン資格確認等)
- 公費・指定医療機関関係(生活保護、労災、結核、被爆者、自立支援医療、予防接種、特定健診、がん検診などの手続確認)
「医療法人を作りたい」と思った段階でご相談ください。
特に、法人化する時期、現在の診療所の扱い、保険診療の開始時期、現在取得している指定・施設基準の継続、分院開設の有無、設置予定地などを早い段階で整理しておくことが重要です。
登記については司法書士、税務については税理士、社会保険・労務については社会保険労務士等、必要に応じて各専門家と連携しながら進めます。
医療法人設立・法人診療所開設なら行政書士法人塩永事務所へ
個人診療所の医療法人化、新規設立、法人診療所開設、分院開設、保険医療機関指定までまとめて相談したい、施設基準・公費指定を継続したい、スケジュールを確認したい、必要な手続を整理してほしい、といった先生は、計画段階からお問い合わせください。
行政書士法人塩永事務所
〒862-0950
熊本市中央区水前寺1-9-6
TEL:096-385-9002
E-mail:info@shionagaoffice.jp
Web:https://shionagaoffice.jp
医療法人の設立認可、法人診療所の開設、保険医療機関指定、各種許認可・届出について、案件の内容を確認したうえで必要な手続を整理し、円滑な開設・法人化をサポートします。
「まだ医療法人にするか決めていない」という段階でもご相談いただけます。
法人化を検討されている先生は、まず現在の診療所の状況と希望する法人化時期をお聞かせください。
