
外国人が日本で民泊事業を始めるには?在留資格と住宅宿泊事業届出の手続きを行政書士が解説
訪日外国人観光客(インバウンド)の増加に伴い、日本国内での民泊事業(住宅宿泊事業)への注目が高まっています。外国人オーナー様が日本で民泊ビジネスを始めるケースも増えていますが、日本人による開業手続きとは異なり、「事業を行うための適切な在留資格(ビザ)」と「民泊制度に基づく許認可手続き」の両面から慎重に準備を進める必要があります。
行政書士法人塩永事務所では、熊本県をはじめ九州全域で、外国人起業家・事業者様の各種許認可・在留資格申請を一貫してサポートしています。
本記事では、外国人の方が日本で民泊事業を立ち上げる際に必要な手続きや注意点について、2025年10月改正の経営・管理ビザ新基準や民泊3制度の最新動向を踏まえ、実務のポイントを分かりやすく解説します。
1. 外国人が民泊事業を始めるための2大要件
外国人の方が日本で民泊事業を営む場合、大きく分けて2つの法律上の手続きをクリアしなければなりません。
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在留資格(ビザ)の確保: 日本で事業を営むための適切なビザを取得すること
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民泊の許認可(届出): 住宅宿泊事業法(民泊新法)等に基づく届出・許可を完了させること
どちらか一方でも要件を満たしていない場合、事業を開始できないだけでなく、不法就労や無許可営業として厳しく処罰されるおそれがあるため注意が必要です。
2. 必要となる在留資格(ビザ)について(2025年10月改正対応)
日本で民泊事業を経営・運営するためには、就労制限のないビザを取得しているか、ビジネス経営が認められた在留資格を保持している必要があります。
2-1. 就労制限のない在留資格(そのまま経営可能)
以下の在留資格をお持ちの方は、事業内容の制限を受けないため、そのまま民泊事業を開始することができます。
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永住者
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日本人の配偶者等
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永住者の配偶者等
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定住者
2-2. 経営活動が認められる在留資格(新規取得・変更が必要)
上記のビザをお持ちでない場合、一般的には「経営・管理」の在留資格を取得(または変更)する必要があります。
※重要:2025年10月16日施行の改正で要件が大幅に厳格化されました。 旧基準(資本金500万円)は廃止され、新基準への移行が必須となっています。
「経営・管理」ビザの新基準(2025年10月16日施行)
※「短期滞在」や「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザのまま自身で民泊事業を営むことは認められません。 また、海外に在住したまま日本で民泊物件を保有・経営する場合は、日本国内に居住する共同経営者や協力者(日本居住の代理人)を確保して「経営・管理」ビザを申請する等のスキーム検討が必要です。
3. 民泊の制度(住宅宿泊事業法・旅館業法・特区民泊)の選択
日本で民泊を運営する方法には、主に3つの制度枠組みがあります。事業形態やターゲット、物件の立地に合わせて適切な選択を行います。
※多くの新規参入事業者様は「① 住宅宿泊事業(民泊新法)」の届出を選択されます。 年間180日を超えて営業したい場合は、旅館業または特区民泊の検討が必要です。
4. 住宅宿泊事業(民泊新法)の届出手続きの流れ
住宅宿泊事業(民泊新法)の届出を行う場合の具体的なステップは以下の通りです。
4-1. 物件・立地要件の確認
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用途地域・自治体条例の確認: 住居専用地域など、自治体の条例によって営業可能な期間やエリアが制限されている場合があります。
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マンション管理規約の確認: 分譲マンション等の場合、管理規約で「民泊禁止」と規定されていないことが必須です。
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賃貸物件の場合: 賃貸人(オーナー)から「民泊(転貸)利用の承諾書」を取得する必要があります。
4-2. 設備要件・消防設備等の整備
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住宅要件の確認: 「キッチン・バスルーム・トイレ・洗面設備」の4点設備が揃っている必要があります。
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消防設備の設置: 消火器、自動火災報知設備、誘導灯などの設置について、管轄の消防署と協議し「消防法令適合通知書」を取得します。
4-3. 管理形態の決定(家主同居型 vs 家主不在型)
オーナーが届出住宅に同居しない「家主不在型」で運営する場合、国土交通省に登録された**「住宅宿泊管理業者」への管理委託**が法律上義務付けられています。
4-4. 必要書類の収集・届出書の作成
【個人・法人共通】
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住宅宿泊事業届出書(所定の様式)
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住宅の登記事項証明書(発行から3ヶ月以内)
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住宅の図面(各階の間取り、居室の床面積などが分かるもの)
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消防法令適合通知書(必要な場合)
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賃貸人承諾書(賃貸物件の場合)
【個人の場合】
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住民票(外国人の場合は在留カード等のコピーも必要)
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破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村長の証明書(外国人の場合は本国等の公的機関が発行する同等の証明書)
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欠格事由に該当しないことを誓約する書面(所定の様式)
【法人の場合】
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定款または寄付行為(法人の事業目的に宿泊事業が含まれていることが必要)
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登記事項証明書(発行から3ヶ月以内)
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役員が、成年被後見人及び被保佐人に該当しない旨の後見等登記事項証明書
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役員が、成年被後見人及び被保佐人と見なされる者並びに破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村長の証明書(外国人の場合は本国等の公的機関が発行する同等の証明書)
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欠格事由に該当しないことを誓約する書面(所定の様式)
※外国籍の方の場合、本国の公的機関が発行した証明書類(身分証明書・欠格事由非該当の証明書等)の添付および日本語訳が必要となる場合があります。 翻訳文は正確かつ完全なものでなければなりません。
4-5. 民泊制度運営システムからの電子届出
原則として入管庁や国土交通省が連携する「民泊制度運営システム」を通じて都道府県(または保健所設置市)へ届出を行います。不備がなければ「届出番号」が発行され、営業を開始できます。
5. 外国人事業者が特に注意すべき実務上のポイント
5-1. 本国書類の取得と日本語訳
届出やビザ申請において、母国から取り寄せる公的書類(身分証明書や役員・本人の申告書等)が必要になるケースがあります。これらにはすべて正しく正確な日本語訳を添付しなければなりません。
※破産宣告に関しては外国の公証役場や大使館発行の書類が必要になる場合がございます。
5-2. 緊急時対応・多言語での標識・案内整備
宿泊客(ゲスト)に対する避難経路の案内や注意事項の掲示、近隣住民からの苦情対応窓口の設置など、日本語および多言語(英語・外国語)での対応体制を整える必要があります。
5-3. 継続的な各種報告(2か月ごとの定期報告)
民泊新法では、営業開始後も2か月ごとに「宿泊者数」「宿泊日数」などの定期報告が義務付けられています。怠ると指導やペナルティの対象となります。
5-4. 在留資格と事業目的の整合性
法人の定款または寄付行為に「宿泊事業」が事業目的として明記されていることが必要です。在留資格申請と民泊届出の両方で確認される項目です。
6. 行政書士法人塩永事務所の民泊立ち上げサポート
外国人の方の民泊事業参入には、「ビザの手続き」と「許認可の手続き」を並行して進める専門知識が不可欠です。特に2025年10月改正の経営・管理ビザ新基準(資本金3,000万円・常勤職員雇用・日本語能力B2等)への対応は、専門家のサポートが強く推奨されます。
行政書士法人塩永事務所では、以下のようなトータルサポートを提供しております。
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「経営・管理」ビザ等の取得・変更手続き(2025年10月改正新基準対応)
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物件の要件確認(用途地域・消防法・建築基準法の事前確認)
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消防署との事前協議・消防法令適合通知書の交付申請
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住宅宿泊事業(民泊新法)届出・旅館業許可申請の代行
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信頼できる住宅宿泊管理業者様のご紹介・連携
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本国書類の取得サポート・日本語訳のチェック
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