
登録支援機関の申請手続きについて【行政書士法人塩永事務所】
特定技能1号外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)は、外国人の生活・就労を支える「1号特定技能外国人支援計画」の実施が義務付けられています。この支援業務を企業に代わって行うのが「登録支援機関」です。本記事では、登録支援機関になるための要件と申請手続きの流れ、そして2026年1月施行の行政書士法改正を踏まえた実務上の留意点を解説します。
1. 登録支援機関とは
登録支援機関とは、特定技能所属機関(受入企業)との委託契約に基づき、1号特定技能外国人支援計画の全部または一部の実施を代行する法人または個人のことです。出入国在留管理庁長官の登録を受けた者でなければ、この支援業務を有償で受託することはできません。
支援計画を登録支援機関に全部委託した場合、受入企業は支援体制に関する基準を満たしたものとみなされます。登録支援機関に対する需要は高く、多くの受入企業が支援業務を登録支援機関に委託しています。登録支援機関は事業協同組合等の団体のほか、行政書士・社会保険労務士などの個人でも登録が可能です。
2. 登録を受けるための主な要件
登録支援機関の登録を受けるには、次の要件をすべて満たす必要があります。
(1)支援体制
- 支援責任者および1名以上の支援担当者を選任していること(兼任可)
- 外国人が十分に理解できる言語で支援を実施できる体制を有していること(受け入れる外国人の母国語に対応できるかがポイントです)
(2)実務経験等の要件(いずれかに該当)
- 過去2年以内に、中長期在留者(就労資格に限る)の受入れ実績があること
- 過去2年以内に、報酬を得て業として外国人に関する各種相談業務に従事した経験があること
- 選任された支援担当者が、過去5年間に2年以上、中長期在留者の生活相談業務に従事した経験を有すること
- 上記と同程度に支援業務を適正に実施できると認められること
(3)欠格事由に該当しないこと
- 機関自体が適切であること(過去5年以内に出入国・労働法令違反がないこと等)
- 1年以内に、責めに帰すべき事由により特定技能外国人または技能実習生の行方不明者を発生させていないこと
- 支援に要する費用を、直接・間接を問わず外国人本人に負担させないこと
3. 申請手続きの流れ
- 要件の充足確認 支援体制・実務経験要件を満たしているかを確認し、支援責任者・支援担当者を選任します。
- 申請書類の作成 登録支援機関登録申請書(別記第29号の15様式)その他所定の様式を作成します。
- 添付書類の準備 定款・登記事項証明書(法人の場合)、役員の履歴書、支援責任者・支援担当者の履歴書や誓約書、支援体制に関する説明資料、直近の決算書類などを準備します。
- 地方出入国在留管理局への申請 主たる事務所の所在地を管轄する地方出入国在留管理局に申請書類一式を提出します。審査期間はおおむね2か月程度を要するため、支援業務の開始予定日から逆算して余裕をもって申請することが重要です。
- 審査・登録 審査を通過すると登録支援機関登録簿に登録され、出入国在留管理庁のウェブサイトに機関名等が掲載されます。
4. 登録手数料
- 新規登録:2万8,400円
- 登録更新:1万1,100円
5. 登録の有効期間と更新
登録の有効期間は5年間です。更新を受けなければ登録の効力は失われるため、有効期間満了日の6か月前の月の初日から4か月前の月の末日までの間に更新申請を行う必要があります。更新時期を管理し、失念のないよう注意が必要です。
6. 【重要】2026年1月施行・改正行政書士法との関係
2026年1月1日、改正行政書士法が施行され、行政書士・弁護士以外の者が報酬を得て官公署に提出する書類を作成することへの規制が明確化されました。改正前から、行政書士・弁護士以外の者による有償の書類作成代行は禁止されていましたが、改正後は条文に「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が加わり、名目を「支援委託料」「コンサルティング料」等に置き換えても、実質的に書類作成の代行にあたれば違法と評価されるリスクが高まっています。
これまで登録支援機関が支援業務の一環として、特定技能に関する在留資格申請書類の作成まで担っているケースが少なくありませんでしたが、改正後はこの運用を続けることが行政書士法違反となる可能性があります。登録支援機関としては、
- 「支援業務」と「書類作成業務」の役割を契約上・運用上、明確に切り分けること
- 書類作成が必要な場面では、顧問行政書士への委託に一本化すること
- 担当者の判断に委ねず、組織としてのルールを整備すること
といった対応が求められます。違反した場合には罰則(拘禁刑または罰金)が科され得るため、早期の体制整備が肝要です。
7. 行政書士法人塩永事務所によるサポート
行政書士法人塩永事務所では、
- 登録支援機関の新規登録申請・更新申請の書類作成および提出代行
- 支援体制・実務経験要件の充足状況の確認
- 改正行政書士法を踏まえた業務フロー診断、委託契約書の見直し
- 特定技能に係る在留資格認定証明書交付申請・在留資格変更許可申請の適法な代行
まで、登録支援機関および受入企業の皆さまを一貫してサポートいたします。登録支援機関としての新規登録や、法改正への対応でお困りの際は、当事務所までお気軽にご相談ください。
