
【熊本】マレーシアの方の経営管理ビザから帰化申請まで――行政書士法人塩永事務所がトータルサポート
―経営者として日本に根を下ろし、日本国籍を取得したいマレーシアの方へ―
はじめに
マレーシアで事業経験を積んだ方が、日本で会社を設立して経営管理ビザ(在留資格「経営・管理」)を取得し、その後、日本での生活基盤が固まった段階で日本国籍取得(帰化)を目指す――近年、熊本県内でもこうしたご相談が増えています。
しかし、経営管理ビザの取得から帰化申請までの道のりは、決して一直線ではありません。
- 経営管理ビザは2025年10月の制度改正により要件が大きく変わっており、取得・更新のいずれにおいても新基準への対応が必要です
- 帰化は2026年4月から審査運用が厳格化されており、以前の情報のまま準備を進めると要件を満たせないおそれがあります
- マレーシアは二重国籍を認めていないため、帰化にあたってはマレーシア側での国籍離脱手続きも別途必要になります
- マレーシアには日本でいう「国籍証明書」に相当する書類がなく、独自の書類収集ルートを踏む必要があります
本記事では、経営管理ビザの取得・維持から帰化申請までの流れと、マレーシア国籍の方に特有の注意点を整理してご説明します。
1.経営管理ビザ(在留資格「経営・管理」)の基本と、2025年10月改正の影響
経営管理ビザとは
経営管理ビザは、日本国内で会社を設立し、経営者または管理者として事業に従事する外国人向けの在留資格です。かつては「投資・経営」という名称でしたが、現在は「経営・管理」に改められています。在留期間は5年・3年・1年・6か月・4か月・3か月のいずれかで、事業の実績や安定性に応じて決定されます。
2025年10月16日施行、大幅な要件厳格化
出入国在留管理庁は、実体を伴わない法人設立によるビザ取得・在留継続を防ぐ目的で、2025年10月16日に上陸基準省令等を改正しました。主な変更点は次のとおりです。
- 資本金等の要件:従来の500万円以上から、原則3,000万円以上へ引き上げ
- 常勤職員の要件:「資本金500万円以上」または「常勤職員2名以上」のいずれかを満たせばよいという選択制から、常勤職員1名以上の雇用が資本金要件と併せて必須に変更
- 日本語能力要件:日本語能力(目安としてJLPT N2相当)を求める運用が導入
- 学歴・経営経験要件:経営または管理に関する学歴、あるいは一定年数の実務経験の確認が強化
- 事業計画の専門家確認:事業計画書について、専門家によるレビュー・確認を求める運用が追加
施行日(2025年10月16日)より前に受理された申請は、原則として旧基準で審査されます。また、既に経営管理ビザで在留している方については、更新時にすぐ新基準が全面適用されるわけではなく、一定期間(最長3年程度とされています)の経過措置が設けられています。ただし、これは新基準への対応が永続的に免除されるという意味ではなく、猶予期間のうちに資本金の増強、常勤職員の雇用、日本語力の向上、事業計画の見直しなど、新基準に近づけていく準備が必要です。
経営管理ビザ保有者が意識すべきこと
帰化を見据える段階では、経営管理ビザの更新を安定的に重ねていくこと自体が重要な土台になります。更新のたびに、
- 会社の決算状況(売上・利益・債務超過の有無等)
- 役員報酬の支払い状況、給与所得の申告状況
- 常勤職員の雇用・社会保険加入状況
- 法人としての納税状況
などが確認されるため、帰化を意識した早い段階から、事業の実態と各種納税・社会保険の状況をきちんと整えておくことが、後の帰化申請をスムーズにする近道になります。
2.帰化(日本国籍取得)の基本と、2026年4月からの審査厳格化
帰化の法律上の要件(国籍法第5条)
帰化には、国籍法第5条に定める要件(住所条件、能力条件、素行条件、生計条件、重国籍防止条件、憲法遵守条件)に加え、実務上は日本語能力も審査の対象になります。経営管理ビザで在留している方の場合、特に次の点がポイントになります。
- 住所条件:引き続き5年以上日本に住所を有していること(条文上の要件)
- 生計条件:自己または生計を一にする配偶者その他の親族の資産・技能によって生計を営むことができること。経営者の場合は、会社の経営状況・役員報酬の額・個人の資産状況などから、生計の安定性・継続性が総合的に判断されます
- 素行条件:税金・社会保険料の納付状況、交通違反歴、前科の有無などが確認されます
2026年4月からの運用厳格化にご注意ください
法務省は2026年3月27日、2026年4月1日から帰化審査の運用を厳格化する方針を公表しました。国籍法第5条の条文自体(「引き続き5年以上日本に住所を有すること」)は改正されていませんが、実務上の運用は次のように変わっています。
- 居住期間の目安:永住許可の居住要件(原則10年以上)との整合性を図る観点から、帰化審査においても「原則10年以上」の在留・日本社会への融和状況が重視される運用に
- 納税状況の確認期間:直近1年分から直近5年分へ拡大
- 社会保険料の納付確認期間:直近1年分から直近2年分へ拡大
この見直しは国籍法の条文改正ではなく法務大臣の裁量による運用変更のため、5年以上の居住実績があれば申請自体は可能ですが、実務上は許可されるハードルが上がっていると考えられます。経営管理ビザから帰化を目指す方は、単に「5年経ったから申請する」ではなく、納税・社会保険料の納付状況を5年分・2年分さかのぼって整理し、日本社会への定着状況を客観的な資料で示せるよう準備することが、これまで以上に重要になっています。
3.マレーシア国籍の方に特有の注意点
(1)マレーシアは二重国籍を認めていません
マレーシアは二重国籍を認めておらず、日本への帰化を検討するマレーシア国籍の方は、最終的にマレーシア国籍を離脱する必要があります。ここで誤解されやすいのが、「日本への帰化が許可されれば自動的にマレーシア国籍を失う」わけではないという点です。日本での帰化許可後、あらためてマレーシア側で国籍離脱の手続きを行う必要があります。この手続きには相応の時間がかかることが多いため、帰化許可後の流れとして早めに見通しを立てておくことが大切です。
(2)マレーシアには「国籍証明書」という書類がありません
帰化申請では、通常、本国が発行する「国籍証明書」の提出が求められます。しかし、マレーシアにはこの名称の証明書自体が存在しません。マレーシア国籍の方の場合、代わりに「帰化宣誓書(Statutory Declaration)」と呼ばれる書類を、駐日マレーシア大使館等で取得・作成する必要があります。
(3)出生証明書は複数枚を用意しておくのが安全です
マレーシアの出生証明書は、一度提出すると大使館等に預けたままとなり、再発行や返却がスムーズにいかないケースが見られます。帰化宣誓書の取得時に出生証明書の提出を求められることもあるため、他国籍の方であれば1枚で足りるところ、マレーシア国籍の方は複数枚を早めに準備し、可能な限り一度の国際郵送でまとめて本国書類を収集できるようにしておくことをお勧めします。
これらはマレーシア特有の実務上のハードルであり、事前の知識なしに進めると、書類の往復だけで数か月単位の遅れが生じることも珍しくありません。
4.経営管理ビザ保有者が帰化申請を進める際の流れ
一般的な流れは次のとおりです(個別の状況により前後します)。
① 法務局への事前相談
事前に管轄の法務局(支局)で相談を行い、必要書類や現状の課題を確認します。経営者の場合は、会社の決算内容や納税状況の資料も合わせて確認されることが多いです。
② 必要書類の収集
- 日本国内の書類(住民票、課税証明書・納税証明書、会社の登記事項証明書・決算書類、社会保険関係書類等)
- 本国(マレーシア)の書類(帰化宣誓書、出生証明書、婚姻証明書等)
③ 帰化許可申請書の作成・提出
履歴書に相当する「帰化許可申請書」や、動機書、事業内容の説明資料などを作成し、法務局へ提出します。
④ 面接
申請から一定期間後、法務局担当官による面接が行われます。日本での生活状況、事業の内容、日本語での意思疎通の様子などが確認されます。
⑤ 審査
審査期間の目安は8か月〜1年程度とされていますが、書類の不備や追加確認事項があると、さらに期間が延びることがあります。
⑥ 許可・官報告示
許可されると官報に告示され、その後、市区町村役場への帰化届出、日本国旅券(パスポート)の取得へと進みます。
⑦ マレーシア国籍の離脱手続き
前述のとおり、日本国籍取得後、マレーシア側での国籍離脱手続きが別途必要です。
5.行政書士法人塩永事務所がサポートできること
行政書士法人塩永事務所は、経営管理ビザの新規取得・更新から、その先の帰化申請まで、マレーシアをはじめとする外国籍の経営者の方を継続的にサポートしています。
- 2025年10月改正後の新基準を踏まえた経営管理ビザの新規取得・更新サポート(資本金・常勤雇用体制・事業計画の整理を含む)
- 帰化を見据えた、日々の納税・社会保険料の納付状況の整理と記録化
- 帰化許可申請書・動機書・事業説明資料等の作成サポート
- マレーシア特有の書類(帰化宣誓書、出生証明書等)収集に関するご案内
- 法務局とのやりとり、面接に向けた準備のサポート
「まだビザを取ったばかりだが、将来的に帰化も見据えて準備を進めたい」という段階のご相談も歓迎しております。経営管理ビザの制度改正、帰化審査の運用厳格化のいずれも、情報が古いまま進めてしまうと、思わぬところでつまずく原因になります。現状の在留状況・会社の経営状況をお伺いしたうえで、今何を準備すべきかを一緒に整理いたします。
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経営管理ビザの取得・更新、帰化申請、その他マレーシアの方の在留手続き全般について、お気軽にご相談ください。
