
倉庫業許可申請の2類・3類倉庫の違いをわかりやすく解説
~倉庫業許可申請の実務ポイントも解説~
認定経営革新等支援機関・行政書士法人塩永事務所(熊本)
物流業界への新規参入や遊休倉庫の有効活用を検討される事業者様から、
「2類倉庫と3類倉庫の違いがよくわからない」
「自社倉庫で倉庫業許可は取れるのか?」
「倉庫業登録申請はどこを見られるのか?」
というご相談をよくいただきます。
倉庫業許可(正確には「倉庫業登録」)では、保管する貨物や建物性能によって倉庫の種類が分かれており、その違いを理解することが申請成功の第一歩です。倉庫業は国土交通大臣の登録を受けて行う営業であり、施設基準や管理体制の整備が求められます。
まず「倉庫業」とは?
倉庫業とは、
「他人から預かった貨物を保管し、その対価として保管料を受け取る事業」
をいいます。
例えば、
- 荷主から商品を預かる
- 在庫管理を行う
- 出荷まで保管する
といった営業です。
一方、
- 自社商品のみを保管する倉庫
- 自社工場の原材料置場
などは通常、倉庫業法上の倉庫業には該当しません。
2類倉庫と3類倉庫の違い
実務上は、
「建物性能の違い」と「保管できる貨物の範囲の違い」
と覚えると分かりやすいです。
| 項目 | 2類倉庫 | 3類倉庫 |
|---|---|---|
| 防火性能 | 不要 | 不要 |
| 耐火性能 | 不要 | 不要 |
| 防水性能 | 必要 | 不要 |
| 防湿性能 | 必要 | 不要 |
| 保管貨物 | 2類~6類物品 | 3類~5類物品 |
| 取扱範囲 | 比較的広い | 限定的 |
つまり、
2類倉庫は「雨や湿気から貨物を守れる建物」
3類倉庫は「簡易的な上屋倉庫」
というイメージです。
実際には何を保管するの?
2類倉庫
代表例
- 紙製品
- 段ボール
- 繊維製品
- 家具
- 電化製品
- 機械部品
など
湿気や雨に弱い貨物を保管できます。
3類倉庫
代表例
- 鉄材
- 鋼材
- レール
- 金属製品
- 石材
など
多少の雨風や湿気の影響を受けにくい貨物向けです。
実務ではどちらで申請するべき?
倉庫業登録申請では、
可能であれば2類倉庫で登録する方が圧倒的に有利
です。
理由は、
保管できる貨物の範囲が広くなるためです。
例えば、
金属製品を保管していた倉庫でも、
将来的に
- 通販商品
- 部品
- 資材
- 雑貨
などを扱う可能性があります。
3類倉庫だと取り扱える貨物が限定されるため、営業機会を逃すケースがあります。
そのため実務では、
「少し改修して2類倉庫で申請できないか」
を検討することが多いです。
倉庫業許可申請でよくある勘違い
「倉庫があれば許可が取れる」
これは誤解です。
実際には、
- 建築確認
- 検査済証
- 用途地域
- 接道状況
- 消防法適合
- 倉庫管理主任者
など多くの確認事項があります。
検査済証がない
特に古い倉庫では、
「建築確認はあるが検査済証が見当たらない」
ケースが非常に多くあります。
倉庫業申請では大きな問題となるため、事前調査が重要です。
用途地域を確認していない
市街化調整区域や用途制限によっては、
そもそも営業倉庫として使用できない場合があります。
熊本県内でも事前の都市計画確認は必須です。
倉庫業許可申請の流れ
一般的には次の流れになります。
① 事前調査
↓
② 建築関係資料収集
↓
③ 消防関係確認
↓
④ 倉庫図面作成
↓
⑤ 倉庫管理主任者選任
↓
⑥ 国土交通省(九州運輸局)へ申請
↓
⑦ 現地確認
↓
⑧ 登録完了
↓
⑨ 営業開始
倉庫の状況によりますが、
実務上は申請準備から登録完了まで3~6か月程度を見込むケースが多いです。
熊本で倉庫業許可をご検討中の方へ
倉庫業登録は、
単なる書類作成業務ではありません。
実際には、
- 建築基準法
- 都市計画法
- 消防法
- 倉庫業法
を横断的に確認しながら進める必要があります。
特に、
- 空き倉庫の活用
- 物流事業への新規参入
- 3PL事業の開始
- 補助金を活用した物流施設整備
を検討されている事業者様は、計画段階から専門家へ相談することが重要です。
行政書士法人塩永事務所
熊本市を拠点とする認定経営革新等支援機関である
行政書士法人塩永事務所
では、
- 倉庫業登録申請
- 各種営業許可
- 補助金申請
- 法人設立
- 建設業許可
など、事業者様の許認可・経営支援をサポートしております。
まとめ
2類倉庫と3類倉庫の違いを一言でいうと、
- 2類倉庫=防水・防湿性能があり取扱貨物が広い
- 3類倉庫=簡易構造で取扱貨物が限定される
です。
実務では将来の営業展開も考慮し、可能な限り2類倉庫での登録を検討することが望ましいでしょう。倉庫業登録は建物の適法性確認が最重要ポイントであり、「申請前の事前調査」が成功の鍵になります。
