
経営のバトンを次世代へ
事業承継・M&A補助金で熊本の未来をつなぐ(2026・14次公募版)
経営者の想いを次世代へ引き継ぐこと、あるいは地域に根ざした事業を新たに受け継ぐことは、熊本の雇用と地域経済を守るうえで欠かせない経営戦略です。
2026年度の「事業承継・M&A補助金(14次公募)」は、親族内承継・従業員承継・M&A・PMI・廃業再チャレンジまでを一体的に支援する制度として整理され、公募要領が2026年1月30日に公表されています。
1. 事業承継・M&A補助金の全体像(14次公募)
この補助金は、事業の次のような局面を一貫して支える仕組みです。
- 引継ぎ前: 親族内承継・従業員承継に向けた設備投資・体制整備
- M&A実行時: 仲介・FA・DDなど専門家費用
- 承継後の統合(PMI): システム・組織・設備の統合
- やむを得ない廃業と再出発: 廃業費用・在庫処分・解体・土壌調査など
14次公募では、次の4つの申請枠で募集されています。
| 申請枠 | 対象となるケース | 主な補助対象経費 |
|---|---|---|
| 事業承継促進枠 | 親族内承継・従業員承継を予定する事業者 | 設備投資費、店舗・事務所改装費など |
| 専門家活用枠 | M&Aで事業を譲り受ける/譲渡する事業者 | FA・仲介費用、DD費用、セカンドオピニオン、表明保証保険料など |
| PMI推進枠 | M&A後の経営統合を進める事業者 | 設備費、外注費、委託費、統合関連費用など |
| 廃業・再チャレンジ枠 | 承継やM&Aに伴い既存事業を廃業して再出発する事業者 | 廃業支援費、在庫廃棄費、解体費、土壌汚染調査費など |
熊本の中小企業・小規模事業者にとっては、単なる資金支援ではなく、「承継を実行可能にするための実務支援」として活用できる点が大きな特徴です。
2. 2026年度(14次公募)の重要ポイント
2-1. 補助上限の拡充と賃上げ加算
中小企業庁の公募要領では、賃上げ要件を満たすことで補助上限が引き上げられる仕組みが明記されています。
- 事業承継促進枠
- 通常上限: 800万円
- 一定の賃上げ(事業場内最低賃金+一定額など)を実施した場合: 最大1,000万円
- PMI推進枠(事業統合投資類型)
- 通常上限: 800万円
- 賃上げ実施時: 最大1,000万円
- 専門家活用枠(買い手支援類型)
- 100億企業要件を満たす成長志向の企業には、最大2,000万円の特例上限が設定
2-2. 小規模案件・スモールM&Aへの対応
専門家活用枠は、少額の仲介手数料でも利用しやすい補助率・下限額が設定されており、飲食店・小売店・整骨院・建設業・製造業など、熊本に多い小規模事業の承継にも使いやすい設計です。
売り手側については、赤字や営業利益率低下(物価高の影響等)がある場合に補助率が2/3に引き上がる配慮も盛り込まれています。
2-3. 廃業支援の手厚さ
- 廃業・再チャレンジ枠(単独申請): 補助率 2/3、上限150万円
- 他枠と併用する場合:最大300万円が加算され、在庫処分・原状回復・解体・土壌汚染調査などの費用を補助 これにより、「M&Aに挑戦したが成約しなかった場合」や「一部事業を整理して再チャレンジする場合」のリスクを抑えられる仕組みになっています。
3. 補助率と補助上限(14次公募の整理)
公募要領に基づき、主な枠の補助率・上限を整理すると次のとおりです。
| 申請枠 | 補助率 | 補助上限額(主な部分) |
|---|---|---|
| 事業承継促進枠 | 1/2(小規模事業者は2/3)※800万円超部分は一律1/2 | 800万円(賃上げで1,000万円) |
| 専門家活用枠(買い手) | 1/3・1/2・2/3(要件により変動) | 600〜800万円+DD加算200万円/100億企業要件で最大2,000万円 |
| 専門家活用枠(売り手) | 1/2(赤字・利益率低下で2/3) | 600〜800万円(条件により上限変動) |
| PMI推進枠(専門家活用類型) | 1/2 | 150万円 |
| PMI推進枠(事業統合投資類型) | 1/2(小規模事業者は2/3、800万円超部分は一律1/2) | 800万円(賃上げで1,000万円) |
| 廃業・再チャレンジ枠 | 1/2または2/3(併用時は各枠の補助率に従う) | 300万円(単独は150万円) |
申請前に、「どの枠で・いくらまで・何に使えるか」を整理しておくことが、採択後に無理なく実行するための前提になります。
4. 申請の流れとスケジュール(14次公募)
4-1. 申請の基本フロー
中小企業庁の発表によると、14次公募の申請は電子申請(Jグランツ)のみで受け付けられます。
- 自社の状況を整理する
- 承継予定か、M&A実行中か、承継後の統合か、廃業再チャレンジかを明確にする。
- 該当する申請枠を決める
- 必要に応じて複数枠の併用も検討し、費用区分を設計する。
- GビズIDプライムを取得する
- Jグランツ申請に必須。
- 取得に2〜3週間程度かかるとされており、早めの準備が推奨されています。
- 必要書類と事業計画を作成する
- 経費の妥当性、承継の必要性、地域経済への効果を説明できる内容が重要。
- Jグランツで電子申請を行う
- 14次公募の申請受付期間は、 2026年2月27日〜2026年4月3日17時(予定)と公表されています。
- 採択後:交付申請・実績報告・効果報告へ進む
- 補助金は「採択されたら終わり」ではなく、事業実施後の報告までが一連の実務です。
5. 採択を左右する視点(熊本の事業者が意識したいこと)
補助金は、「費用がかかるから申請する」のではなく、承継後の成長戦略と一体で考えることが重要です。
審査では、次のような点が重視されます。
- なぜその投資・専門家活用が必要なのか
- 承継やM&Aを通じて、どのような経営改善・成長・地域貢献を目指すのか
- 売上・利益・雇用への効果を、できる限り数値で説明できているか
- M&Aの場合、PMI(統合)まで見据えた計画になっているか
- 廃業枠を使う場合、「撤退」で終わらず、再チャレンジの構想が明確か
熊本の事業者であれば、 雇用維持・事業継続・後継者不足の解消・地域のサプライチェーン維持といった観点を丁寧に示すことで、ストーリーに一貫性が生まれます。
6. 熊本で活用する意義と塩永事務所の支援
熊本では、後継者不足・人材確保の難しさ・設備更新負担・商圏縮小など、事業承継を難しくする要因が重なりやすい状況があります。 だからこそ、補助金だけでなく、承継スキーム・許認可・税務・PMI(統合後の運営)まで含めて設計することが成功の鍵になります。
特に、建設業・運送業・飲食業・製造業など、許認可や実務体制が重要な業種では、 行政手続と資金計画を同時に進めることが不可欠です。
行政書士法人塩永事務所の強み(熊本・水前寺)
- 認定経営革新等支援機関としての知見 採択率を高める事業計画の整理・作成をサポート。
- 補助金申請 × 許認可承継の並行支援 建設業許可・運送業許可など、「許可の承継」が絡むM&A・事業承継をワンストップで支援。
- 地域密着・伴走型支援 水前寺拠点での対面相談を重視し、経営者の想いを事業計画に落とし込むスタイル。
- 司法書士・税理士との連携 株式・事業譲渡、相続、組織再編など、複雑な案件にも対応可能。
相談のご案内
事業承継・M&A補助金は、「知っているかどうか」で将来の選択肢が大きく変わる制度です。 自社がどの枠に当たるか、どの経費が対象になるか、承継やM&Aの進め方に補助金をどう組み込むか—— 早めに整理しておくほど、選べる選択肢は増えます。
- 行政書士法人塩永事務所 熊本県熊本市中央区水前寺1-9-6 電話:096-385-9002
「うちのケースは補助金の対象になるのか?」 まずはここから、一緒に整理していきましょう。
