
不動産業界向け 法改正情報 — 2026年(令和8年)
2026年法改正が変える「行政手続き」と
コンプライアンスの新水準
不動産業界の皆様へ:空き家対策・相続土地・こどもDBSが実務を動かす
空き家対策特別措置法
全国の空き家は900万戸超(2023年住宅・土地統計調査)と過去最多を更新しており、熊本県内でも自治体による「特定空家」指定・勧告・命令・代執行への移行事例が急増しています。2023年改正により指定基準が明確化され、「管理不全空家」という新類型も追加されたことで、固定資産税の住宅用地特例(1/6・1/3軽減)が取り消されるリスクも現実のものとなりました。
こうした案件では、所有者特定のための戸籍・除籍・住民票の職権調査や、行政機関への各種申出書作成など、行政手続の専門家である行政書士の介在が実務上不可欠です。
管理に困る空き家を民泊(住宅宿泊事業・旅館業)、障害者グループホーム、認知症グループホームなどの福祉施設として活用するニーズが高まっています。こうした用途変更には、建築基準法上の用途変更確認申請に加え、旅館業法の許可申請、障害福祉サービス事業者の指定申請など、複数の行政手続が重複して発生します。不動産業者が「法適合性確認」「必要許認可の整理」を行政書士と事前に行う体制が、案件の成否を左右するようになっています。
相続土地国庫帰属制度
2023年4月に施行された相続土地国庫帰属制度は、相続または遺贈によって土地の所有権を取得した相続人が、一定の要件を満たす場合に法務大臣(実務的には法務局)の承認を得て、その土地を国庫に帰属させることができる制度です。2024年4月に義務化された相続登記とセットで機能し、「売ることも貸すこともできない土地」の出口として注目されています。承認を受けるためには10年分の土地管理費用に相当する負担金(原則20万円。宅地の場合は面積に応じ加算)の納付が必要ですが、活用できれば固定資産税・管理費の長期負担から解放されます。
国庫帰属申請に必要な「承認申請書」「土地の状況を示す図面」「土地の管理状況に関する申告書」等の書類作成は、行政書士の独占業務に該当します(行政書士法第1条の2)。不動産仲介の現場では解決策を提供できない「売れない土地」問題に対し、行政書士とのワンストップ体制(司法書士との連携も含む)で対応する事例が一般化しつつあります。不動産業者が窓口となり、専門家ネットワークで総合解決を提供するビジネスモデルとして機能し始めています。
日本版DBS(こどもDBS)
「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律」(通称:こどもDBS法)が2025年4月に施行され、2026年度中に民間事業者への義務的確認制度が順次拡大されます。学習塾・学童保育・スポーツクラブ・音楽教室等の「子ども向けサービス事業者」は、従業員および業務委託者について性犯罪歴の照会(DBS確認)を義務付けられます。
商業テナントとして子ども向けサービス事業者の入居を検討する際、当該事業者が法に基づく適正なDBS確認実施体制を整備しているかが、今後の契約判断・施設誘致の重要な評価指標となります。特に学校隣接物件・子育て世帯向け複合施設等では、入居する事業者の法令遵守状況がビル全体のブランド価値に直結します。行政書士は、事業者がDBS確認体制を構築するための内部規程整備・届出手続きをサポートする役割を担います。
行政書士法改正・コンプライアンス
改正行政書士法のもと、行政書士でない者が報酬を得る目的で他人の依頼を受け、官公署に提出する書類を業として作成することへの罰則(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)の適用が、これまで以上に厳格に運用されます。不動産業者が仲介手数料とは別に「理由書作成料」「届出代行手数料」等の名目で対価を受け取り、農地転用許可申請書(農地法4条・5条)、開発許可申請書、車庫証明(自動車保管場所証明)の書類等を自社で作成する行為は、このリスクに直接さらされます。
コンプライアンス経営の観点から、農地転用(4条・5条許可)、開発許可、建設業許可更新、宅建業免許更新等の許認可手続きを社内で行わず、外部の行政書士事務所に完全委託する体制への移行が加速しています。これにより法的リスクを排除するとともに、不動産業者はコア業務(仲介・販売・管理)に集中できる経営効率化というメリットも得られます。
かつて「不動産業の付随業務」として社内で処理されてきた行政手続きは、今や法的リスク管理の最前線となっています。2026年に集中する法改正・制度施行は、この傾向をさらに加速させます。
空き家の転用支援から相続土地の国庫帰属申請、こどもDBS体制整備のコンサルティング、農地転用・開発許可まで、ワンストップで対応できる行政書士事務所との顧問契約・業務提携をご検討ください。
法改正対応や許認可手続きでご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
行政書士法人 塩永事務所
📍 熊本市中央区水前寺1-9-6
📞 096-385-9002
