
熊本で一般貨物自動車運送事業(緑ナンバー)の許可申請なら|行政書士法人塩永事務所
営業所・車庫・5両以上の車両・資金計画・運行管理体制を、申請前から丁寧に整理します。
※本稿は、2026年10月末時点で確認できた九州運輸局の公示(許可事案の処理方針、細部取扱(令和7年8月1日改正)、法令試験の実施(令和8年6月26日一部改正)、標準処理期間(令和7年8月1日改正))等に基づく内容です。公示は改正されることがあるため、申請前に、熱本運輸支局で最新の取扱いを確認してください。
熊本で運送会社を設立したい方、緑ナンバーのトラックで有償運送を始めたい方、既存事業に運送部門を加えたい方は、行政書士法人塩永事務所にご相談ください。
一般貨物自動車運送事業を始めるには、貨物自動車運送事業法に基づく許可が必要です(申請書の様式名は「経営許可申請書」)。審査では、営業所、車庫、休憩・睡眠施設、事業用自動車、運行管理・整備管理体制、資金計画、損害賠償能力、法令遵守などが総合的に確認されます。「トラックは用意できそうだが、車庫が要件を満たすか分からない」「必要な資金をどう積算すればよいか分からない」という段階からご相談いただけます。
1.まず確認したい事業区分
一般貨物自動車運送事業は、トラックなどの事業用自動車を使い、他人の需要に応じて貨物を有償で運送する事業です。三輪以上の軽自動車と二輪の自動車を使う運送は一般貨物の対象外で、貨物軽自動車運送事業(黒ナンバー)の区分になります。
主な例は次のとおりです。
- 企業間の貨物配送・集配
- 建築資材・機械・部品などの運送
- 食品・冷凍冷蔵品の配送
- 引越運送
- メーカー・卸売業者などから委託を受けるトラック輸送
同じ「配送」でも、誰の貨物を、誰から運賃を受けて、どの車両で運ぶかによって手続きが変わります。
- 荷主が特定の単数であれば特定貨物自動車運送事業、特定の複数社であれば一般貨物自動車運送事業の許可申請をすることになります。九州運輸局の処理方針でも、荷主を限定する条件は付さないとされています。
- 「自社配送のつもりが他社貨物の有償運送に該当していた」というケースもあるため、事業開始前の区分確認が重要です。
- 自社でトラックを保有せず、他の運送事業者の運送を利用して貨物を引き受ける場合は、貨物利用運送事業の登録・許可が別途必要になります。
2.熊本で申請する際のポイント
窓口は熊本運輸支局、法令試験の会場は福岡市
申請は、営業所の所在地を管轄する運輸支局へ行います。熊本県内の営業所であれば、九州運輸局熊本運輸支局(熊本市東区東町)が窓口です。一方、法令試験は、福岡市博多区の福岡合同庁舎新館にある九州運輸局の会議室で行われます(通知書上の試験時間は13時30分から50分)。熊本から受験する場合は、移動と日程を見込んでおく必要があります。
車庫の距離基準には、熊本市が政令指定都市であることが関係します
車庫を営業所に併設できない場合の距離基準は、九州運輸局の処理方針で直線5キロメートル以内、「政令指定都市にあっては10キロメートル以内」と定められています。熊本市は政令指定都市です。ただし、営業所と車庫が市境をまたぐ場合などの具体的な取扱いは、申請前に熊本運輸支局で確認してください。
農地・市街化調整区域の確認
熊本市周辺の市町村では、車庫にできそうな広い土地が農地や市街化調整区域にあたることがあります。審査基準は、農地法、都市計画法、建築基準法、消防法などに抵触しないことを求めています。土地の用途を確認してから契約してください。
令和8年熊本地震後の留意点
2026年7月28日に発生した「令和8年熊本地震」(マグニチュード7.1、最大震度7)では、九州自動車道の橋梁損壊や、八代港・熊本港の港湾施設の被害なども報告されました。新たに事業を計画する際は、次の点に注意してください。
- 営業所・車庫・休憩施設の候補物件は、被災状況や建物の安全性、関係法令への適合を契約前に確認する。
- 道路・橋梁の復旧状況や通行規制を踏まえて、運行計画を立てる。
- 復旧・復興に伴う輸送需要を見込む場合も、運ぶ貨物ごとに必要な許可等(廃棄物の運搬など)を別途確認する。
需要と運転者確保
熊本は農産物の産地であり、半導体関連企業の集積による物流需要も見込まれます。一方で、運転者を常時確保できる計画が申請の要件になっています。荷主候補と運転者確保の見込みを、事業計画の段階からそろえておくことをおすすめします。
3.許可申請で確認される主な要件
以下は九州運輸局の公示に基づく内容です。
3-1.営業所
- 建築基準法、都市計画法、消防法、農地法などの関係法令に抵触しないこと(申請時には、抵触しない旨の宣誓書を提出します)
- おおむね10㎡以上の広さがあること(9㎡以下の場合は、机・椅子・電話などの備品を備え、運行管理等を適切に行えることを平面図等で確認されます)
- 使用権原があること(自己所有は登記簿謄本等、借入はおおむね2年以上の賃貸借契約書。期間が2年未満でも、期間満了時に自動更新される契約であれば認められます)
- 事業遂行に必要な備品が整っていること(写真で確認されます。申請時に用意できていない特段の事情がある場合は、後から写真を提出する取扱いもあります)
事務所として借りられる物件でも、用途地域や農地法などの制限、契約上の用途制限で使えない場合があります。契約前の確認をおすすめします。
3-2.車庫
- 営業所に併設するのが原則です。併設が困難な場合は、営業所から直線で5キロメートル以内(政令指定都市にあっては10キロメートル以内)とされています。熱本市は政令指定都市ですが、具体的な適用は運輸支局で確認してください
- 関係法令(建築基準法、都市計画法、消防法、農地法など)に抵触しないこと
- 出入口の前面道路が車両制限令に適合すること(原則として幅員証明書を提出します。国道の場合は不要です。私道の場合は、通行に係る使用権原を有する者の承認と、接続する公道の適合が必要です)
- 車両と車庫の境界、および車両相互の間隔が50センチメートル以上確保され、計画車両すべてを収容できること
- 使用権原があること、他の用途の部分と明確に区画されていること(区画は写真で確認されます)
幅員証明書は、前面道路の管理者(国・県・市町村)によって窓口が異なります。「土地が広いから車庫にできる」とは限らず、農地、市街化調整区域、資材置場、用途制限のある土地は個別の確認が必要です。
3-3.休憩・睡眠施設
- 営業所または車庫に併設するのが原則です。併設できない場合は、営業所または車庫から直線で2キロメートル以内とされています
- 乗務員が有効に利用できる施設であること(電気・ガス・水道・椅子などの備品。利用実態によっては、これらすべての確保に拘束されません)
- 睡眠を与える必要がある場合は、同時睡眠者1人当たり5㎡以上
- 使用権原があり、関係法令に抵触しないこと
3-4.事業用自動車
- 営業所ごとに、種別ごとに5両以上の配置が必要です。けん引車と被けん引車は、各、1両を合わせて1両と数えます
- 霊柩運送、一般廃棄物運送、離島など、5両によることが適当でない事業は、業務範囲を限定する条件を付したうえで特例が認められます。離島については、他の地域と橋梁で連絡していないものが対象です
- 車両の大きさ・構造が、運ぶ貨物に適していること
- 使用権原があること(購入は売買契約書など、リースはおおむね1年以上の契約書)
車両が未契約の段階での説明方法は、営業所を管轄する運輸支局で事前に確認してください。
