
【育成就労制度】監理支援機関の新規許可申請ガイド【2026年10月版】
行政書士法人塩永事務所
2024年6月に成立し、同月21日に公布された改正法により、技能実習制度は発展的に解消され、2027年4月1日から「育成就労制度」が始まります。「監理団体」に代わって「監理支援機関」が設けられ、現在の監理団体も、新制度で業務を行うには改めて許可を受ける必要があります。
1. 育成就労制度とは
人手不足分野で、外国人を原則3年間で特定技能1号水準の技能・日本語能力まで育成・確保する制度です。技能実習の「国際貢献」という建前を改め、人材の育成と確保を目的とします。
主な変更点は次のとおりです。
- 転籍:やむを得ない事情に加え、本人の意向による転籍も一定の要件のもとで可能
- 送出しの適正化:原則として二国間取決め(MOC)を結んだ国からの受入れ
- 費用負担:費用負担を育成就労計画に明記し、本人負担を抑制
- 運営機関:外国人技能実習機構は外国人育成就労機構に改組
2. 監理支援機関とは
主務大臣の許可を受けて、監理型育成就労を監理・支援する非営利の法人です。主な役割は次のとおりです。
- 外国人と受入れ機関(育成就労実施者)のマッチング
- 受入れ機関への監理・指導
- 育成就労外国人の支援・保護、相談対応
- 転籍が生じる場合の関係機関との連絡調整
技能実習の監理団体の機能を引き継ぎつつ、外国人保護と中立性の確保が強化されています。
3. 許可要件の概要
主な要件は次のとおりです(詳細は主務省令・機構の公表基準で確認してください)。
- 営利を目的としない法人であること
- 欠格事由に該当しないこと
- 監理支援を適切に行える事業体制・人員体制(公表された基準では、役職員数が受入れ機関数÷8、外国人数÷40を上回る体制とする目安が示されています)
- 外部監査人の設置(法第25条第1項第5号)
- 受入れ機関と密接な関係を有する役職員を監理業務に関与させないなど、中立性・独立性の確保
- 育成就労計画の作成指導を行える者の確保
- 認定送出機関との適正な取次ぎ契約など、送出し関係の適正化
- 事業を継続して行える経理的基礎
4. 外部監査人の設置
技能実習制度では一般監理事業以外で任意の余地がありましたが、新制度ではすべての監理支援機関で必置です。外部役員ではなく、独立した第三者としての外部監査人が求められます。
主な要件は次のとおりです。
- 監理支援機関および受入れ機関と密接な関係を有しないこと(過去5年以内の役職員、現役職員の配偶者・二親等以内の親族などは就任できないとされています)
- 職務を公正かつ適正に行える知識または経験を有すること
- 欠格事由に該当しないこと
- 所定の講習を受講していること(過去3年以内とする案内もあります。最新の要件は機構の案内で確認してください)
弁護士・社会保険労務士・行政書士などが就任するケースが多いですが、資格自体が要件なのではありません。
5. 申請の必要書類
法務省の公表資料に基づく主なものです。法人の種類や取扱職種により、必要な書類は異なります。
- 許可申請書および法人関係書類(登記事項証明書、定款、役員名簿など)
- 事業計画に関する書類、経理的基礎を示す書類(財務諸表など)
- 外部監査人の就任承諾書・誓約書・概要書(参考様式第2-5号)
- 外部監査人の講習受講証明書の写し
- 育成就労計画作成指導者の履歴書(参考様式第2-6号。取扱職種ごとに必要)
- 認定送出機関リストの写し
- 外国の送出機関との取次契約書の写し(覚書、入国前講習の委託契約書がある場合は併せて)
- 欠格事由に該当しないことを示す書面 など
※様式・提出部数・追加書類は変更されることがあります。必ず、機構・出入国在留管理庁の最新の案内をご確認ください。
6. 申請スケジュール(2026年10月時点)
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2024年6月21日 | 改正法公布 |
| 2026年4月15日 | 監理支援機関の許可に係る施行日前申請の受付開始 |
| 2026年9月1日 | 育成就労計画の認定に係る施行日前申請の受付開始 |
| 2026年9月30日 | 施行と同時に業務開始を希望する場合の申請の目安(経過) |
| 2027年3月31日 | 施行日前申請の受付期限 |
| 2027年4月1日 | 育成就労制度の施行。許可がなければ監理支援事業はできません |
技能実習については、施行日時点で在留中の実習生などに経過措置があります。2027年3月31日までに技能実習計画の認定申請があり、原則2027年6月30日までに実習を開始するものも、引き続き実習を続けられます。
今から申請する場合:9月30日の目安は過ぎていますが、受付は2027年3月31日まで続いています。ただし、審査には数か月を要し、全国の監理団体の申請が集中しているため、施行日(2027年4月1日)に許可が間に合わない可能性があります。まずは機構へ審査の見通しを確認してください。
7. 申請手数料・費用
法定の申請手数料や登録免許税の有無・金額は、今回の調査では確認できませんでした。申請前に、外国人技能実習機構・出入国在留管理庁の最新の案内で必ずご確認ください。
行政書士報酬や外部監査人の月額報酬は事務所ごとに異なります。
8. 当事務所のサポート
- 許可要件の事前診断、体制整備のご相談
- 許可申請書類の作成・提出・補正対応
- 育成就労制度に関するご相談
※外部監査人への就任は、**申請をお受けする監理支援機関との独立性(密接な関係の有無)**を前提に、個別にご相談ください。
ご相談:行政書士法人塩永事務所 TEL 096-385-9002 info@shionagaoffice.jp
