
中古・野立て太陽光発電所を買う前に確認したい「分割案件」とは?
太陽光発電所の売買は「名義変更だけ」ではありません
中古の野立て太陽光発電所を購入すると、
「売買契約を結んで、名義を変更すれば終わり」
と考えてしまう方も少なくありません。
しかし、実際にはそう簡単ではありません。
太陽光発電所を購入する場合には、
- 太陽光発電設備
- 土地
- 電力会社との接続
- FIT・FIPの認定
- 発電事業者
- 過去の変更履歴
- 周辺の太陽光発電所
などを確認する必要があります。
その中でも特に注意したいのが、**「分割案件」**です。
中古太陽光発電所を購入した後に、名義変更や変更認定などができない、あるいは想定していた条件で事業を続けられないといった問題を避けるためにも、契約前の確認が重要です。
「分割案件」とは?
簡単にいうと、分割案件とは、
本来は一つの大きな太陽光発電所として扱うべき土地や設備を、いくつかの小さな発電所に分けて設置すること
です。
例えば、
大きな太陽光発電所を造る予定だった土地に、49.5kWの発電所を2つ作る
というケースがあります。
ただし、
「49.5kWが2つあるから、必ず分割案件になる」わけではありません。
土地の状況、発電事業者、土地の権利関係、設備の配置、設置時期など、様々な事情を総合的に確認する必要があります。
そのため、
「49.5kWだから大丈夫」
「別会社名義だから大丈夫」
「土地を分筆したから大丈夫」
という判断は危険です。
なぜ「分割案件」が問題になるの?
太陽光発電所を小さく分けることが問題になるのには理由があります。
例えば、本来は大規模な発電所として扱われる設備を、小さな設備に分けることで、
- 電気事業法上の規制を避ける
- 電力会社側の設備負担を不適切に軽減する
- 電柱やメーターなどの設備を余分に必要とする
- 出力制御などのルールを避ける
- その他の制度上の要件を避ける
といったことにつながる可能性があります。
そのため、FIT制度では、実質的に一つの発電所を意図的に分けたと判断される案件について、認定上の問題になることがあります。
「土地を分ければ大丈夫」ではありません
ここは非常に重要です。
例えば、
「土地を2つに分けた」
「登記上の地番を別にした」
「フェンスを別々にした」
「会社を別会社にした」
「太陽光発電所の名前を変えた」
というだけで、分割案件ではなくなるとは限りません。
行政機関や関係機関は、書類上の形だけではなく、実際には一つの発電所として計画・設置されているのではないかという点も確認します。
したがって、中古太陽光発電所を購入するときには、現在の状態だけでなく、どのような経緯でその発電所が作られたのかを確認することが大切です。
隣に太陽光発電所があるだけで「分割」になるの?
これも誤解されやすいポイントです。
例えば、
- 隣の土地に別の太陽光発電所がある
- 近くに別の発電所がある
- 同じ会社が近くで別の発電所を運営している
というだけで、直ちに分割案件になるわけではありません。
一方で、
- 土地が実質的につながっている
- 同じ事業者が設置している
- 土地の権利関係が同じ
- 同じ時期に一体的に工事している
- 設備や管理方法が一体となっている
などの事情がある場合には、慎重な確認が必要です。
つまり、
「隣だからアウト」でも、「別の土地だからセーフ」でもありません。
実際の土地・設備・事業者・権利関係などを確認する必要があります。
中古太陽光発電所は「昔からFIT認定されているから安心」とは限りません
中古の太陽光発電所について、
「昔からFIT認定されている発電所だから問題ない」
と考える方もいます。
しかし、これも注意が必要です。
現在の発電所について、事業者変更や変更認定などの手続きを行う場合には、現在の設備や土地の状況だけでなく、これまでの経緯を確認することが重要です。
また、電力会社への接続関係についても、場合によっては分割設置に該当するか確認されることがあります。
そのため、
「昔から存在している発電所だから、何も確認しなくてよい」
とは考えない方が安全です。
中古太陽光発電所を買う前に確認すること
購入を検討している場合、最低限、次のような事項を確認しましょう。
① 土地を確認する
まず、太陽光発電所が設置されている土地を確認します。
- 所在地
- 地番
- 土地の所有者
- 借地の場合は賃貸借契約
- 周辺の土地
- 隣接する土地
- 過去の分筆・合筆
- 土地の利用状況
などを確認します。
特に重要なのが、
太陽光発電所の土地だけを見て判断しないこと
です。
周辺の土地との関係も確認する必要があります。
② 太陽光発電設備を確認する
次に設備を確認します。
例えば、
- 太陽光パネルの枚数
- パネルの出力
- 発電所全体の出力
- パワーコンディショナー
- キュービクル・変圧設備
- 設備の所有者
- 設置場所
- 周辺設備との関係
- 設備の設置時期
などです。
特に、複数の設備が実質的に一つの発電所として設置されていないかを確認します。
③ FIT・FIPの内容を確認する
FIT・FIP制度を利用している発電所の場合、
- 認定日
- 認定出力
- 発電事業者
- 認定設備の所在地
- 過去の変更内容
- 事業者変更の履歴
- 変更認定・変更届出の履歴
などを確認します。
「売電できる」と聞いて購入するのではなく、実際の認定内容を確認することが重要です。
④ 電力会社との接続関係を確認する
太陽光発電所は、電力会社の送配電設備と接続されています。
そのため、
- 系統連系の状況
- 接続契約
- 接続に関する書類
- 受電設備
- 過去の変更
- 周辺設備との関係
なども確認します。
中古発電所では、売主から渡される資料だけでなく、必要に応じて関係資料を確認することが重要です。
⑤ 売主から「過去の資料」をできるだけ受け取る
中古案件では、現在の書類だけでなく、過去の資料が非常に重要です。
例えば、
- FIT認定関係書類
- 変更認定関係書類
- 電力会社との契約書類
- 土地関係書類
- 設備関係書類
- 工事関係資料
- 保守点検資料
- 売電関係資料
- 過去の事業者変更関係書類
などです。
資料がほとんど残っていない場合は、購入前に慎重な調査が必要です。
「契約してから調べる」のは危険です
中古太陽光発電所の購入で避けたいのが、
①売買契約
↓
②代金を支払う
↓
③その後に名義変更を申請する
という進め方です。
もし購入後に問題が発覚すると、
「思っていた条件で名義変更できない」
「変更手続きに時間がかかる」
「追加資料が大量に必要になる」
「そもそも予定していた事業ができない」
といった問題につながる可能性があります。
そのため、基本的には、
契約前に調査する
ことをおすすめします。
特に注意したい中古太陽光発電所
次のような案件は、特に慎重に確認しましょう。
49.5kW前後の発電所が複数ある
例えば、
49.5kW+49.5kW
のような案件です。
ただし、これだけで分割案件と決まるわけではありません。
土地や事業者、設備、設置時期などを確認する必要があります。
隣接地に複数の発電所がある
同じ事業者や関係会社が、隣接・近接する土地で複数の発電所を設置している場合は、経緯を確認することが重要です。
土地を分筆している
土地が複数の地番になっていても、それだけで問題がないとは判断できません。
別会社になっている
発電所ごとに別会社が所有している場合でも、実際の計画や土地・設備の関係を確認する必要があります。
過去に何度も変更されている
発電事業者や土地、設備などについて変更履歴が多い案件は、過去の資料を確認することをおすすめします。
中古太陽光発電所の購入前チェックリスト
購入前には、次の項目をチェックしましょう。
| 確認項目 | チェック内容 |
|---|---|
| 土地 | 所在地・地番・所有者・賃貸借 |
| 周辺土地 | 隣接地・近接地の発電所 |
| 土地履歴 | 分筆・合筆など |
| 設備 | パネル・PCS・変圧設備等 |
| 出力 | 認定出力・設備出力 |
| FIT/FIP | 認定内容・認定日 |
| 発電事業者 | 現在の事業者・過去の変更 |
| 系統 | 電力会社との接続関係 |
| 過去の手続 | 変更認定・届出等 |
| 売買関係 | 設備所有権・土地利用権 |
| 契約 | 売買契約・土地賃貸借契約等 |
| 分割リスク | 周辺案件との関係 |
太陽光発電所の売買は「買う前の調査」が重要です
中古太陽光発電所は、見た目だけでは問題が分かりません。
同じ49.5kWの発電所でも、
土地や設備、事業者、過去の経緯が違えば、確認すべきポイントも変わります。
特に「分割案件」は、
「土地が別だから大丈夫」
「会社が別だから大丈夫」
「49.5kWだから大丈夫」
という単純な判断ではありません。
土地・設備・FIT/FIP・電力会社との接続・過去の経緯をまとめて確認すること
が重要です。
熊本の行政書士法人塩永事務所が中古太陽光発電所の手続きをサポート
行政書士法人塩永事務所では、中古・野立て太陽光発電所について、購入前の確認から、必要な行政手続きまでサポートしています。
例えば、
- FIT・FIP関係手続
- 発電事業者の変更
- 事業計画変更認定
- 各種変更・届出
- 太陽光発電設備の名義変更に関する手続
- 土地・設備関係書類の確認
- 電力会社関係資料の確認
- 中古太陽光発電所の売買前チェック
- 分割案件のリスク確認
- 売買に伴う行政手続きの整理
などについてご相談いただけます。
契約前のご相談をおすすめします
中古太陽光発電所は、購入してから問題を発見するより、購入前に確認する方が安全です。
「この太陽光発電所を買って大丈夫なのか?」
「49.5kWが2基あるけれど問題ないのか?」
「隣の発電所との関係は大丈夫なのか?」
「名義変更できるのか?」
「FIT認定をそのまま引き継げるのか?」
このような場合は、売買契約を進める前にご相談ください。
熊本市中央区水前寺の行政書士法人塩永事務所が、案件の資料を確認し、必要な手続きと確認事項を整理します。
全国オンライン対応・郵送・メールでの手続にも対応しています。
行政書士法人塩永事務所
熊本市中央区水前寺1-9-6
JR新水前寺駅徒歩3分
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E-mail:info@shionagaoffice.jp
中古太陽光発電所の購入・売却・名義変更をご検討の方は、まずはお気軽にご相談ください。
