
2026年(令和8年)7月建設業法改正による経審への影響|W点の大幅見直しとP点シミュレーション
2026年(令和8年)7月1日以降の申請から、経営事項審査(経審)の「W点(社会性等評点)」の評価基準が大幅に改正されました。 主な変更点は、(1)社会保険未加入による減点項目の削除、(2)「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」の新設(+5点)、(3)CCUS(建設キャリアアップシステム)関連の配点見直しの3点です。 本記事では、改正内容の詳細、P点への影響試算、実務上の注意点を行政書士法人塩永事務所の視点で解説します。
改正の背景と目的
今回の改正は、国土交通省の審議会資料に基づき、「担い手の育成・確保」「災害対応力の強化」「建設業許可要件の改正への対応」を3つの柱として実施されました。 特に、2025年(令和7年)10月1日以降に建設業許可を更新する業者には社会保険加入が必須要件となっているため、経審での重複確認が不要となったことが、社会保険項目削除の直接的な理由です。
改正の3つの主要変更点
変更点1:社会保険未加入による減点項目の削除(最大▲120点の減点廃止)
改正前: 雇用保険・健康保険・厚生年金保険のいずれかに未加入の場合、各マイナス40点(最大マイナス120点)が減点されていました。
改正後(2026年7月1日以降): 社会保険加入に関する評価項目(旧W1-1〜W1-3)が審査対象から完全に削除され、未加入による減点は発生しなくなりました。
影響: W点の素点合計の下限が、改正前の▲210点から改正後の▲90点へと120点引き上がりました。 これにより、これまで社会保険未加入で大幅な減点を受けていた建設業者のP点が、制度改正によって底上げされる形となりました。
変更点2:「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」の新設(+5点加点)
新設項目: 「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」(通称:職人いきいき宣言)への宣言の有無が、W点の加点項目として新設されました。
加点条件: 宣言を行い、誓約書を提出することで**+5点**(素点)が加点されます。
宣言の内容(概要):
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建設技能者の適正な処遇(賃金・労働環境の改善)
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安全衛生管理体制の強化
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技能継承・人材育成への取り組み
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福祉共済への加入促進 などを誓約
申請方法: 国土交通省の専用ポータルサイト(https://www.mlit.go.jp/gyokai/kenchiku/jishusengen/)からオンラインで宣言し、誓約書をダウンロード・保存します。 経審申請時に、この宣言済みを証明する書類(プリントアウト等)を添付します。
注意点: この5点は、後述するCCUS関連の配点引き下げ(▲5点)と実質的に「振り替え」の構造になっているため、宣言をしないと従来と同じ取り組みを続けてもP点が約6.6点純減します。 つまり、「宣言しないと実質マイナス」の改正と言えます。
変更点3:CCUS(建設キャリアアップシステム)関連の配点見直し
改正前: CCUSの就業履歴蓄積措置(W1-⑦)は、最大15点(素点)の加点対象でした。
改正後: 同項目の配点が最大10点(素点)に引き下げられました(▲5点)。
理由: 上述の自主宣言制度(+5点)とのバランス調整のため、CCUSの5点が自主宣言に振り替えられた構造です。
その他のCCUS関連改正:
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建設機械の加点対象拡大: 不整地運搬車、アスファルト・フィニッシャが追加
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就業履歴蓄積の配点内訳見直し: 現場ごとのカードリーダー設置要件などが一部緩和
W点の配点構造の新旧比較
換算点の計算: W点の素点は、100点満点に換算された後、P点計算式(0.15のウェイト)に組み込まれます。 素点5点は、W点換算で約43.75点、P点で約6.56点に相当します。
P点への影響試算(具体例)
事例1:社会保険未加入で従来▲120点減点されていた会社
改正前のW点: 素点▲210点 → 換算点▲1,995点 → P点への寄与: ▲299点(0.15倍)
改正後のW点: 素点▲90点 → 換算点▲788点 → P点への寄与: ▲118点
P点アップ効果: 約181点のプラス効果(社会保険項目削除のみで)
事例2:CCUS導入済みで従来+15点(素点)を取得していた会社
改正前: CCUSで+15点(素点) → W点換算+131点 → P点寄与: +20点
改正後(自主宣言なし): CCUSで+10点(素点) → W点換算+87点 → P点寄与: +13点
P点ダウン効果: 約7点のマイナス(自主宣言をしないと)
改正後(自主宣言あり): CCUS+10点 + 自主宣言+5点 = +15点(素点) → 従来と同水準を維持可能
事例3:社会保険完備・CCUS導入・自主宣言済みの優良企業
改正前: 社会保険完備(減点なし)+ CCUS+15点 → W点素点+15点
改正後: 社会保険項目削除 + CCUS+10点 + 自主宣言+5点 → W点素点+15点
P点への影響: ほぼ横ばい(制度改正による増減なし)
改正後の実務対応と注意点
1. 自主宣言は「審査基準日(決算日)まで」に完了が必要
自主宣言制度の+5点は、審査基準日(事業年度終了日の翌日)までに宣言を完了していることが要件です。 例:令和8年6月30日決算の場合、審査基準日は令和8年7月1日。この日までに宣言済んでいないと、加点対象外となります。
対策: 決算月の前月中には宣言手続きを完了し、誓約書を保存しておきましょう。
2. 社会保険未加入でも減点なし(ただし建設業許可要件は別)
経審での社会保険減点は廃止されましたが、建設業許可の更新要件(2025年10月1日以降)として社会保険加入は必須です。 経審の減点がなくなったからといって、社会保険未加入で良いわけではありません。
3. CCUSの配点引き下げは「宣言しないと実質マイナス」
CCUSの配点が▲5点され、その5点が自主宣言に振り替えられました。 従来CCUSで加点していた会社は、宣言をしないとP点が約6.6点純減するため、必ず宣言手続きを行いましょう。
4. 建設機械の加点対象拡大を活用
不整地運搬車、アスファルト・フィニッシャがW点の加点対象に追加されました。 該当機械を保有する会社は、保有証明書を準備し、加点漏れを防ぎましょう。
改正スケジュールと適用時期
注意点: 2026年6月30日までに申請した経審は、改正前の基準が適用されます。
行政書士法人塩永事務所のご支援
行政書士法人塩永事務所(熊本・認定経営革新等支援機関)では、2026年7月改正に対応した経審支援を実施しています。
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P点シミュレーション: 改正前後のW点変動を試算し、貴社のP点アップ戦略を明確化
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自主宣言手続き代行: 宣言ポータルサイトへの登録、誓約書作成・保存サポート
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CCUS加点対策: 就業履歴蓄積要件の再確認、加点漏れ防止チェック
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経審申請書類作成: 改正後の様式・要件に完全対応した申請代行
「改正で点数がどう変わるか分からない」「自主宣言の手続きが面倒」という建設業者様は、ぜひ行政書士法人塩永事務所までご相談ください。初回相談30分無料(要予約)で、貴社のP点アップ戦略を具体的にご提案いたします。
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