
補助金・融資・採用に役立つ認定・宣言制度7選|手続き・難易度・取得メリットを熊本の認定経営革新等支援機関が解説
行政書士法人塩永事務所|熊本市中央区水前寺
はじめに|認定・宣言制度を経営戦略に活用する
「補助金申請で加点につながる認定を取得したい」
「金融機関からの評価を高め、資金調達を有利に進めたい」
「新規取引先の開拓や採用活動に役立つ制度を活用したい」
「自社に適した認定制度が分からず、何から始めればよいか迷っている」
熊本県内の中小企業・小規模事業者の皆様から、このようなご相談をいただくことがあります。
国や関係機関が実施する認定・宣言制度には、企業の経営基盤を強化し、補助金、融資、販路開拓、人材確保、取引先との信頼関係構築などに役立つものがあります。
ただし、制度によって目的、対象事業者、申請要件、審査方法、取得後の優遇措置は異なります。
また、認定を取得すれば必ず補助金が採択される、融資が受けられる、採用が有利になるというものではありません。各制度の効果を正しく理解し、自社の経営課題に合わせて活用することが重要です。
行政書士法人塩永事務所は、熊本市中央区水前寺を拠点とする国の認定経営革新等支援機関です。
認定経営革新等支援機関としての経営支援の知見と、行政書士としての許認可・官公署提出書類作成の実務経験を活かし、熊本県内の中小企業・小規模事業者の皆様に対して、制度の選定、経営分析、事業計画策定、申請書類作成、取得後の活用まで支援しています。
本記事では、企業の成長や経営基盤の強化に役立つ7つの制度について、制度の仕組み、具体的な手続き、難易度、取得メリット、申請時の注意点を詳しく解説します。
1.まずは比較|企業に役立つ認定・宣言制度7選
今回取り上げる制度は、次の7つです。
| 制度名 | 難易度の目安 | 主な活用目的 |
|---|---|---|
| パートナーシップ構築宣言 | ★★☆☆☆ | 取引先との信頼関係・補助金の加点 |
| 成長加速マッチングサービス | ★★☆☆☆ | 資金調達・販路開拓・経営支援 |
| 事業継続力強化計画 | ★★★☆☆ | 防災対策・補助金・金融支援 |
| 経営革新計画 | ★★★★☆ | 新規事業・融資・経営力強化 |
| 健康経営優良法人 | ★★★★☆ | 採用・人材定着・企業イメージ |
| DX認定 | ★★★★☆ | デジタル経営・企業価値向上 |
| 連携事業継続力強化計画 | ★★★★★ | 企業間連携・地域防災・供給体制強化 |
※難易度は法律上の等級や公式の審査区分ではありません。申請準備の量、社内体制の整備、計画策定の専門性、関係者との調整などを踏まえた当事務所の実務上の目安です。
取得を検討する際の重要なポイント
この7制度は、すべてが同じ意味での「認定制度」ではありません。
- パートナーシップ構築宣言:企業による自主的な宣言・登録・公表
- 成長加速マッチングサービス:中小企業と支援者をつなぐ登録型サービス
- 事業継続力強化計画:経済産業大臣による認定
- 経営革新計画:都道府県知事等による承認
- 健康経営優良法人:日本健康会議による認定
- DX認定:経済産業大臣による認定
- 連携事業継続力強化計画:経済産業大臣による認定
この違いを理解したうえで、自社に必要な制度を選択することが大切です。
2.熊本の認定経営革新等支援機関に相談するメリット
認定経営革新等支援機関とは
認定経営革新等支援機関(認定支援機関)とは、中小企業等経営強化法に基づき、税務、金融、企業財務、経営などに関する専門的な知識や実務経験について、国の認定を受けた支援機関です。
中小企業・小規模事業者が抱える経営課題について、専門的な立場から経営改善や事業計画策定などを支援します。
特に、次のような業務で専門性を活かすことができます。
- 経営状況の分析
- 財務状況の把握
- 経営課題の抽出
- 新規事業の検討
- 事業計画・数値計画の策定
- 資金調達に向けた計画の整理
- 補助金申請に必要な事業計画の策定
- 経営改善計画の策定支援
認定支援機関は、単なる申請書類の作成代行ではなく、企業の経営課題を把握し、実行可能な計画を作り上げることが重要な役割です。
認定支援機関に相談する5つのメリット
① 自社に適した制度を選定できる
補助金を活用したい企業と、採用力を高めたい企業では、優先すべき制度が異なります。
また、設備投資を予定している企業、新規事業を始める企業、取引先を増やしたい企業でも、取り組むべき制度は変わります。
当事務所では、企業の現状、事業内容、財務状況、今後の経営方針を確認し、制度を取得する目的と優先順位を整理します。
② 審査基準を踏まえた事業計画を作成できる
経営革新計画や事業継続力強化計画、DX認定などでは、制度の趣旨に沿った具体的な計画が必要です。
自社の強みや課題を整理し、数値目標、実施内容、実行スケジュールなどに根拠を持たせることが重要です。
③ 補助金・融資の活用を見据えた準備ができる
認定や承認を受けた後に、どのような支援策を利用できるかを事前に検討できます。
補助金の加点要件、融資制度の利用条件、設備投資の時期などを踏まえ、無駄のない準備を進められます。
④ 申請書類の正確性と手続きの確実性を高められる
制度ごとに提出先、申請様式、添付資料、電子申請方法が異なります。
行政書士としての実務経験を活かし、官公署等に提出する申請書類の作成や提出手続きを支援します。
⑤ 取得後の経営改善・事業展開まで見据えられる
認定や宣言は、取得すること自体が最終目的ではありません。
取得後に補助金を活用する、新規事業を展開する、金融機関に事業計画を説明する、取引先や求職者に自社の取り組みを伝えるなど、具体的な経営成果につなげることが大切です。
行政書士法人塩永事務所の支援体制
当事務所は、熊本の認定経営革新等支援機関として、制度の選定から計画策定、申請書類作成、電子申請、取得後の活用まで、企業の状況に応じた支援を行っています。
税務申告・税務判断は税理士、労務管理・社会保険手続きは社会保険労務士、専門的なITシステム構築はIT事業者など、それぞれの専門領域を踏まえた連携も重要と考えています。
3.パートナーシップ構築宣言
難易度:★★☆☆☆|取引先との信頼関係・適正な価格転嫁・補助金活用
(1)制度の概要
パートナーシップ構築宣言は、企業の代表者が、サプライチェーン全体の共存共栄や取引条件の適正化に向けた方針を宣言し、公式ポータルサイトで公表する制度です。
中小企業だけでなく、大企業も含めて参加できる仕組みです。
主な目的は、発注側企業と受注側企業が対等な立場で協力し、持続可能な取引関係を構築することです。
2026年1月版の宣言ひな形では、受託中小企業振興法に基づく振興基準の遵守などを踏まえた内容となっているため、申請時には必ず最新のひな形を使用する必要があります。
(2)宣言する主な内容
主に次の2つの柱で構成されます。
① サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を超えた新たな連携
- 企業間連携
- IT実装支援
- 専門人材の活用
- グリーン化への取り組み
- 健康経営に関する取り組み
- BCP・事業継続への取り組み
② 発注方法の改善・取引条件の適正化
- 価格協議への適切な対応
- 原材料費・労務費・エネルギー費の上昇を踏まえた価格転嫁
- 支払条件の適正化
- 取引上の不合理な負担の見直し
- 関係法令や振興基準の遵守
宣言文は、自社の実態に即した内容にすることが大切です。実施していない取り組みを、実施済みであるかのように記載することは避けなければなりません。
(3)登録手続きの具体的な流れ
第1段階:自社の取引方針を整理する
まず、仕入先、外注先、協力会社などとの取引状況を確認します。
価格協議の方法、支払条件、発注内容の決定方法、取引先との情報共有などを整理します。
第2段階:最新の宣言ひな形を取得する
パートナーシップ構築宣言ポータルサイトから、最新の記載要領とひな形をダウンロードします。
2026年11月現在は、2026年1月版のひな形を使用する必要があります。旧ひな形による登録は受け付けられないため注意が必要です。
第3段階:宣言文を作成する
自社の方針に合わせて必要事項を記載します。
宣言は代表権を有する者の氏名で行います。会社名、役職、代表者名、宣言日などを所定の方法で記載し、社内で内容を確認します。
第4段階:PDF化してオンライン登録する
宣言文をPDF形式にし、公式ポータルサイトの登録フォームから企業情報などを入力したうえでアップロードします。
第5段階:事務局確認・公表
登録内容に修正依頼がなければ、通常、登録日から約10日後に公式ポータルサイトの登録企業一覧に掲載されます。
補助金申請の直前は登録が集中する場合があるため、余裕を持った手続きが必要です。
(4)取得・登録するメリット
① 一部の補助金で加点措置を受けられる場合がある
補助金の公募によっては、パートナーシップ構築宣言の登録・公表が加点項目として設定される場合があります。
ただし、すべての補助金に共通する加点ではありません。申請する補助金の公募要領で、宣言の公表時期や必要な確認方法を確認する必要があります。
② 取引先に対して経営姿勢を明確にできる
適正な取引、価格協議、共存共栄を重視する企業であることを対外的に示せます。
新規取引先の開拓や既存取引先との関係強化に役立つ可能性があります。
③ 企業イメージの向上につながる
公式ポータルサイトで宣言企業として公表され、所定のロゴマークを活用できます。
④ サプライチェーン全体の経営改善につながる
取引条件や情報共有の方法を見直す機会となり、取引先と継続的に成長するための基盤づくりに役立ちます。
(5)申請時につまずきやすいポイント
- 最新版ではないひな形を使用する
- 代表者の役職や氏名の記載が不適切
- 自社の実態と宣言内容が一致していない
- 補助金申請の直前になって登録を始める
- 宣言後の実際の取引改善が伴っていない
(6)認定支援機関に相談するメリット
当事務所では、単に登録フォームを入力するだけでなく、自社の取引実態を確認し、宣言内容の整理、補助金の加点要件との照合、登録書類の確認などを支援します。
4.成長加速マッチングサービス
難易度:★★☆☆☆|資金調達・販路開拓・新規事業・専門家との連携
(1)制度の概要
成長加速マッチングサービスは、中小企業庁が運営する、中小企業と支援機関をつなぐオンラインのマッチングプラットフォームです。
2025年3月24日にサービスが開始されました。
新規事業、事業拡大、資金調達、販路開拓、事業承継などに取り組みたい中小企業が、自社の課題や支援ニーズを登録することで、関心を持った金融機関、投資機関、認定経営革新等支援機関などからコンタクトを受けられる仕組みです。
一般的な企業情報を掲載するだけの広告サイトではなく、企業の具体的な挑戦課題と支援者を結び付けることを目的としています。
(2)どのような企業に向いているか
- 新規事業を始めるための資金調達を検討している企業
- 新たな販売先・取引先を開拓したい企業
- 事業承継に関する専門的な支援を必要とする企業
- 投資機関との連携を検討している企業
- 経営改善や事業拡大に向けた専門家を探している企業
- 熊本県外の金融機関や専門家との接点を作りたい企業
(3)登録手続きの具体的な流れ
第1段階:GビズIDプライムを取得する
事業者として登録するには、GビズIDプライムが必要です。
GビズIDエントリーでは登録できないため、事前にアカウントの種類を確認します。
第2段階:公式サイトから会員登録する
成長加速マッチングサービスの事業者向けページにアクセスし、GビズIDを利用して登録します。
第3段階:企業情報を登録する
会社概要、事業内容、財務情報など、システムで求められる基本情報を入力します。
第4段階:挑戦課題・支援ニーズを登録する
自社が今後取り組みたい課題や必要とする支援内容を具体的に記載します。
例えば、次のような内容です。
- 新規事業の立ち上げ
- 新たな販路の開拓
- 設備投資に必要な資金調達
- 生産性向上に向けた業務改善
- 事業承継に向けた準備
- 新商品・新サービスの開発
第5段階:支援者からのコンタクトを受ける
登録内容に関心を持った支援者から連絡が届く場合があります。
事業者がコンタクトを承諾すると、連絡先が開示され、個別の面談や商談へ進みます。
なお、登録しただけで必ず支援者から連絡が来るわけではありません。
(4)登録するメリット
① 金融機関や投資機関との接点を作れる
資金調達を検討している企業にとって、金融機関や投資機関との新たな接点を作る機会になります。
② 販路開拓・事業提携につながる可能性がある
自社の技術、製品、サービス、事業課題を発信することで、新しい取引先や連携先との出会いが期待できます。
③ 全国の支援機関とつながることができる
熊本県内だけでなく、全国の金融機関や専門家などから支援を受ける機会を得られます。
④ 登録・利用料が無料
サービス自体の利用料は無料です。ただし、マッチング後に個別の支援サービスを利用する場合は、別途費用が発生することがあります。
⑤ 一部の補助金で加点対象となる場合がある
例えば、2026年度のデジタル化・AI導入補助金などでは、成長加速マッチングサービスへの会員登録だけでなく、所定の挑戦課題が登録され、申請締切時点で掲載中であることなどが加点要件に関係する場合があります。
補助金ごとに条件が異なるため、単に会員登録しただけで加点されると考えてはいけません。
(5)登録時につまずきやすいポイント
- GビズIDプライムを取得していない
- 自社の強みや課題が整理できていない
- 挑戦課題が抽象的で、支援者に伝わらない
- 資金調達の目的や必要額が明確でない
- 登録後の連絡や商談への対応体制がない
(6)認定支援機関に相談するメリット
当事務所では、企業の経営課題を整理し、支援者に伝わりやすい挑戦課題や事業内容の作成を支援します。
特に、資金調達や新規事業を目的とする場合には、事業計画や収益見通しを整理してから登録することが重要です。
5.事業継続力強化計画
難易度:★★★☆☆|防災・減災・補助金・金融支援・事業継続
(1)制度の概要
事業継続力強化計画は、中小企業等が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を、経済産業大臣が認定する制度です。
中小企業向けの取り組みやすいBCP(事業継続計画)として位置づけられています。
大規模な災害や感染症、その他の事業継続上のリスクに備え、被害を最小限に抑え、重要な事業を継続・早期復旧できる体制を整えることが目的です。
熊本県は、2016年の熊本地震や令和2年7月豪雨など、大きな自然災害を経験しています。
熊本市、益城町、御船町、八代市、人吉市、球磨地域など、地域によって災害リスクは異なります。
そのため、全国共通のひな形をそのまま利用するのではなく、所在地や事業内容に応じた対策を検討することが重要です。
(2)計画に盛り込む主な内容
① 自然災害等のリスク確認
- 地震
- 洪水・浸水
- 土砂災害
- 台風・暴風
- 大雪など地域に応じた自然災害
ハザードマップや自治体の防災情報などを確認します。
② 災害による事業への影響の想定
- 建物・工場・店舗の損壊
- 機械設備の故障
- 従業員の出勤困難
- 電気・水道・通信の停止
- 物流・仕入れの停止
- 顧客・取引先との連絡途絶
③ 初動対応体制の整備
- 従業員の安否確認
- 避難・安全確保
- 緊急連絡網
- 被害状況の確認
- 代表者や責任者への報告
④ 事業継続のための事前対策
- データのバックアップ
- 非常用電源の確保
- 重要設備の固定・保護
- 代替仕入先の確保
- 代替生産・代替拠点の検討
- 運転資金の確保
⑤ 平時の取り組み
- 防災訓練
- 従業員への教育
- 計画内容の見直し
- 取引先との情報共有
(3)申請手続きの具体的な流れ
第1段階:自社の災害リスクを把握する
事業所、工場、倉庫、営業所などの所在地を確認し、ハザードマップ等で災害リスクを把握します。
複数拠点がある企業では、それぞれの拠点について確認することが重要です。
第2段階:重要業務と復旧の優先順位を決める
災害発生後、何を優先して復旧する必要があるのかを整理します。
製造業であれば主要製品の生産、運送業であれば運行管理や配送機能、建設業であれば緊急対応や現場管理など、業種によって優先業務は異なります。
第3段階:具体的な防災・減災対策を策定する
被害を軽減するための設備対策、従業員の安全確保、情報管理、資金確保、代替手段などを検討します。
第4段階:計画書を作成する
中小企業庁の最新の策定の手引きと申請要件に従って計画を作成します。
計画の実施期間は、原則として1年から3年の範囲で設定します。
第5段階:電子申請する
事業継続力強化計画の電子申請システムを利用します。
申請にはGビズIDプライムまたはGビズIDメンバーが必要です。GビズIDの取得には時間がかかる場合があるため、早めに準備します。
第6段階:審査・認定
所管の経済産業局等による審査が行われ、要件を満たす場合に経済産業大臣の認定を受けます。
標準処理期間は約45日とされていますが、申請内容の不備や修正対応などによって変わります。
(4)認定を受けるメリット
① 一部の補助金で加点措置を受けられる
事業継続力強化計画の認定は、ものづくり補助金など、一部の補助金で加点対象となる場合があります。
加点の対象となる認定時期や提出書類は、公募ごとに確認が必要です。
② 税制上の優遇措置を利用できる場合がある
認定計画に基づいて一定の防災・減災設備を取得する場合、中小企業防災・減災投資促進税制の対象となる可能性があります。
ただし、対象設備、取得時期、計画への記載、税務上の要件などを満たす必要があり、認定を受けただけで税制優遇が適用されるわけではありません。
③ 金融支援を受けられる場合がある
日本政策金融公庫の融資制度や信用保証に関する支援措置などを利用できる場合があります。
利用には金融機関等による別途審査が必要です。
④ 損害保険料の割引につながる場合がある
認定事業者を対象とした保険会社独自の優遇制度が設けられている場合があります。
保険商品、保険会社、契約条件によって異なるため、加入先への確認が必要です。
⑤ 取引先や金融機関からの信用向上につながる
災害時の事業継続体制を整備していることを示すことで、取引先や金融機関に対して経営の継続性を説明しやすくなります。
⑥ 災害時の事業停止リスクを軽減できる
従業員の安全確保、データ保全、設備対策、代替手段などを事前に整理できるため、実際の災害時に迅速な対応を行いやすくなります。
(5)申請時につまずきやすいポイント
- ハザードマップを確認しただけで、具体的な対策がない
- 自社の重要業務が明確になっていない
- 緊急時の責任者や連絡体制が不明確
- データバックアップの方法が具体化されていない
- 計画と実際の事業所・設備の状況が一致していない
- GビズIDの準備が遅れている
(6)認定支援機関に相談するメリット
当事務所では、熊本県内の地域特性や企業の事業内容を踏まえ、災害リスクの整理、重要業務の選定、防災対策の具体化、計画書作成、電子申請を支援します。
また、認定後に防災設備の導入や補助金申請を検討する場合も、計画内容との整合性を確認しながら支援します。
6.経営革新計画
難易度:★★★★☆|新規事業・事業拡大・融資・経営力強化
(1)制度の概要
経営革新計画は、中小企業等経営強化法に基づき、中小企業者等が新たな事業活動に取り組み、経営の相当程度の向上を目指すための計画を作成し、都道府県知事等の承認を受ける制度です。
今回紹介する7制度の中でも、企業の成長戦略や事業計画と密接に関係する制度です。
例えば、次のような取り組みが対象となる可能性があります。
- 新商品の開発・生産
- 新サービスの開発・提供
- 商品の新たな生産方式・販売方式の導入
- サービスの新たな提供方式の導入
- 技術に関する研究開発とその成果の利用
- その他の新たな事業活動
重要なのは、単なる既存業務の継続ではなく、自社にとって新たな取り組みであり、経営の向上につながる計画であることです。
他社が既に実施している取り組みでも、自社にとって新しい取り組みであれば対象となる可能性があります。ただし、同業他社や地域における普及状況などによって判断されます。
(2)熊本県で承認を受ける場合の計画要件
熊本県内の事業者が熊本県知事の承認を受ける場合、熊本県の公表する要件を確認する必要があります。
計画期間は、原則として3年、4年、5年から選択します。研究開発を実施する場合には、所定の条件のもと3年から8年の計画期間が認められることがあります。
熊本県では、計画期間終了時点において、次の2つの指標が基準以上に向上する計画であることが求められます。
① 付加価値額または一人当たりの付加価値額
年率3%以上の伸び率を目標とします。
付加価値額は、次の算式で計算します。
付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費
一人当たりの付加価値額は、付加価値額を従業員数で除して算出します。
② 給与支給総額
年率1.5%以上の伸び率を目標とします。
給与支給総額には、役員および従業員に支払う給料、賃金、賞与、給与所得とされる各種手当などが含まれます。
これらの数値は熊本県の現行の公表要件に基づくものです。申請時には最新の県の手引きと計算方法を確認する必要があります。
(3)申請手続きの具体的な流れ
第1段階:新規事業・新たな取り組みを整理する
最初に、自社がこれから取り組もうとしている新事業活動を明確にします。
例えば、熊本県内の企業であれば、次のような事業が考えられます。
- 半導体関連企業向けの新たな部品・サービスの開発
- 建設業における新たな施工管理サービス
- 農産物の加工・高付加価値化
- 既存技術を活用した新製品の開発
- 新たな顧客層を対象としたサービスの提供
- 既存商品の新しい販売方式の導入
ただし、業種や地域における普及状況、自社にとっての新規性などを確認する必要があります。
第2段階:熊本県へ事前相談する
熊本県では、経営革新計画の申請前に事前相談を行うことが案内されています。
事前相談書などを準備し、熊本県商工労働部産業支援課の案内に従って相談を進めます。
申請書を作成してから初めて相談するのではなく、事業構想の段階で対象要件や計画の方向性を確認することが重要です。
第3段階:市場分析・競争環境を整理する
新規事業が必要とされる理由、市場の規模や動向、競合企業、自社の優位性などを整理します。
「新商品を作りたい」という希望だけでなく、誰に、何を、どのように販売し、どのような収益を生み出すのかを具体化します。
第4段階:数値計画を作成する
計画期間に応じて、売上高、営業利益、付加価値額、給与支給総額などの目標を設定します。
売上予測については、販売数量、販売単価、受注見込み、顧客数、稼働率などの根拠を整理します。
第5段階:申請書類を作成・提出する
熊本県の最新の申請様式や添付資料の案内に従って、経営革新計画を作成します。
申請内容、提出方法、必要資料について事前相談で確認し、所定の窓口へ提出します。
第6段階:審査・承認
熊本県による審査を経て、要件を満たす場合には熊本県知事の承認を受けます。
承認後も、計画の実施状況を把握し、必要に応じて進捗確認や計画の見直しを行います。
(4)承認を受けるメリット
① 信用保証・融資に関する支援措置を検討できる
経営革新計画の承認を受けた企業は、信用保証の特例や日本政策金融公庫の融資制度など、計画実行に関連する支援措置を利用できる場合があります。
ただし、計画承認だけで融資が決定するものではありません。金融機関や保証機関による審査が別途必要です。
② 補助金や支援制度の活用につながる場合がある
経営革新計画の承認が、特定の補助金や支援制度の対象要件・加点項目となる場合があります。
ただし、すべての補助金に共通する優遇措置ではありません。
③ 新規事業の実現可能性を高められる
市場分析、収益計画、資金計画、実施スケジュールを整理することで、新規事業の課題や必要な投資を事前に把握できます。
④ 金融機関や取引先への説明材料になる
県の承認を受けた経営計画として、新規事業の方向性や成長戦略を説明する際に活用できます。
⑤ 社内の経営目標を明確にできる
売上や利益だけでなく、付加価値額や給与支給総額などの目標を設定することで、経営者と従業員が共通の目標を持ちやすくなります。
(5)申請時につまずきやすいポイント
- 新規性の説明が不十分
- 自社の既存事業との違いが明確でない
- 市場調査や競合分析が不足している
- 売上予測に客観的な根拠がない
- 数値目標の達成可能性が低い
- 事業実施に必要な人員・設備・資金が整理されていない
- 熊本県への事前相談が不十分
特に重要なのは、計画に記載した売上や利益の目標が、どのような取り組みによって実現するのかを説明できることです。
(6)認定経営革新等支援機関に相談するメリット
経営革新計画は、認定経営革新等支援機関の専門性を活かしやすい制度です。
当事務所では、次の業務を支援します。
- 新規事業の対象要件確認
- 事業構想の整理
- 市場・競合分析
- 経営課題の把握
- 売上・利益計画の作成
- 付加価値額・給与支給総額の試算
- 事業実施スケジュールの策定
- 申請書類の作成
- 熊本県への事前相談に向けた準備
- 承認後の補助金・融資等の活用検討
新規事業の構想段階からご相談いただくことで、計画の方向性を早期に整理できます。
7.健康経営優良法人
難易度:★★★★☆|採用力・人材定着・企業イメージ・職場環境改善
(1)制度の概要
健康経営優良法人認定制度は、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、健康増進に向けた取り組みを実践している法人を、日本健康会議が認定する制度です。
経済産業省が制度の普及・推進を行っています。
従業員の健康管理を単なる福利厚生として捉えるのではなく、企業の生産性や組織の活性化、人材確保につながる経営課題として位置づける点に特徴があります。
認定部門は、主に次の2つです。
- 大規模法人部門
- 中小規模法人部門
熊本県内の一般的な中小企業が目指すのは、中小規模法人部門です。
(2)主な認定要件・取り組み
健康経営優良法人の認定では、健康診断を実施しているだけでは十分ではありません。
経営者の方針、健康管理の実施体制、具体的な健康増進施策、評価・改善などが総合的に確認されます。
主な取り組みは次のとおりです。
① 健康経営の方針・推進体制
- 経営者による健康経営方針の表明
- 健康経営担当者の設置
- 健康課題の把握
- 健康経営の目標設定
② 従業員の健康管理
- 定期健康診断の受診促進
- 健康診断結果の活用
- 保健指導の機会の確保
- 健康相談体制の整備
- 長時間労働の把握と対策
③ 職場環境の改善
- メンタルヘルス対策
- 適切な労働時間管理
- 受動喫煙対策
- 運動機会の提供
- 食生活改善の支援
- 育児・介護と仕事の両立支援
④ 取り組みの評価と改善
- 実施状況の記録
- 従業員の参加状況の把握
- 健康課題の分析
- 次年度に向けた改善
これらは代表的な取り組み例です。実際の認定では年度ごとの認定基準に沿って評価されます。
(3)申請手続きの具体的な流れ
第1段階:自社の健康管理状況を確認する
健康診断の受診率、労働時間管理、健康相談、メンタルヘルス対策、職場環境などを確認します。
第2段階:健康宣言等に取り組む
中小規模法人部門では、加入する健康保険者等が実施する健康宣言事業への参加が求められます。
熊本県内の企業で協会けんぽに加入している場合は、全国健康保険協会熊本支部の健康宣言制度について確認します。
健康保険組合などに加入している場合は、加入先の制度と最新の申請要件を確認します。
第3段階:健康経営の推進体制を整備する
経営者の方針を明確にし、担当者を決め、社内で取り組みを進める体制を作ります。
第4段階:認定基準に沿った取り組みを実施する
健康診断の受診促進、健康づくり、長時間労働対策、メンタルヘルス対策などを進めます。
実施記録や裏付け資料を保管しておくことが重要です。
第5段階:申請書を提出する
年度ごとの申請要領に従い、所定の申請システムから申請します。
中小規模法人部門では、認定申請書の作成・提出と、所定の申請料の支払いが必要です。
第6段階:審査・認定
提出された内容を審査し、要件を満たした法人が健康経営優良法人として認定・公表されます。
(4)2027年度認定の申請スケジュールに関する注意
2026年11月1日現在、健康経営優良法人2027の中小規模法人部門の申請受付は、2026年10月16日17時をもって終了しています。
2027年度認定の申請を予定していたものの、まだ申請していない企業は、原則として今回の受付には間に合いません。
次回の健康経営優良法人2028に向けて、健康宣言、社内体制、健康診断の受診状況、各種取り組みの実績などを早めに整備することをおすすめします。
(5)認定を受けるメリット
① 採用活動で企業の魅力を伝えられる
従業員の健康を大切にする企業として、求職者に自社の経営姿勢をアピールできます。
人材確保が課題となっている熊本県内の中小企業にとって、採用活動における差別化の材料となります。
② 従業員の定着・職場環境の改善につながる
健康管理や働きやすい職場づくりを進めることで、従業員の満足度向上や離職防止につながる可能性があります。
③ 生産性の向上を目指せる
従業員の健康課題を把握し、適切な対策を行うことで、欠勤や体調不良による業務への影響を軽減することが期待できます。
④ 取引先や金融機関へのアピールになる
健康経営に積極的に取り組む企業として公表され、企業イメージや対外的な信頼性の向上に役立ちます。
⑤ 金融機関や自治体の優遇措置につながる場合がある
金融機関や自治体によっては、健康経営優良法人を対象とした金利優遇や独自の支援策を設けている場合があります。
(6)申請時につまずきやすいポイント
- 健康宣言の手続きが遅れている
- 健康経営の担当者が決まっていない
- 健康診断の実施状況を把握できていない
- 取り組みの実施記録が残っていない
- 労務管理と健康経営の取り組みが連動していない
- 申請年度の基準を確認していない
健康経営は、申請直前に書類だけを整えればよい制度ではありません。日常的な取り組みと記録の積み重ねが重要です。
(7)認定支援機関に相談するメリット
当事務所では、認定基準と企業の現状を照合し、健康経営の方針や取り組み内容の整理、申請書の作成支援などを行います。
就業規則、労働時間制度、労務管理などの専門的な整備については、社会保険労務士との連携が重要です。
8.DX認定制度
難易度:★★★★☆|デジタル経営・業務改革・企業価値向上
(1)制度の概要
DX認定制度は、情報処理の促進に関する法律に基づき、企業のデジタル経営改革に向けた取り組みについて、国が定める認定基準を満たす事業者を認定する制度です。
経済産業大臣が認定し、申請窓口は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)です。
DXとは、単に会計ソフトやクラウドサービスを導入することではありません。
データやデジタル技術を活用し、製品・サービス、業務プロセス、組織、ビジネスモデルなどを変革し、企業の競争力を高めることを目指します。
(2)認定に向けて整備する主な事項
① 経営ビジョンの明確化
デジタル技術による市場環境や競争環境の変化を踏まえ、自社が目指す将来像を明確にします。
② DX戦略の策定
経営ビジョンを実現するため、データやデジタル技術をどのように活用するのかを整理します。
③ DX推進体制の整備
経営者の関与、責任者、担当者、人材育成、社内の役割分担などを明確にします。
④ ITシステム・データ活用の方針
DX戦略を実行するために必要なITシステムやデータの活用方針を整理します。
⑤ サイバーセキュリティ対策
情報漏えいや不正アクセス、システム障害などに備えた管理体制を整えます。
⑥ 経営者による情報発信
DX推進の方針や戦略などについて、所定の方法で対外的に公表します。
(3)申請手続きの具体的な流れ
第1段階:自社のデジタル化の状況を確認する
会計、販売、顧客管理、勤怠管理、情報共有、データ管理など、現在のIT環境を確認します。
第2段階:経営課題とDXの目的を整理する
単にシステムを導入することではなく、何を改善し、どのような経営成果を目指すのかを明確にします。
例えば、熊本県内の建設業であれば、施工管理や原価管理、現場情報の共有をデジタル化し、生産性向上を目指すことが考えられます。
運送業であれば、配車管理、運行情報、荷主との情報共有などを効率化する取り組みが考えられます。
第3段階:DX戦略と推進体制を整備する
経営者の方針、責任者、必要な人材、システム整備、セキュリティ対策などを具体化します。
第4段階:必要な情報を公表する
経営者のDX推進方針やDX戦略などを、自社ホームページ等で公表します。
第5段階:DX推進ポータルから申請する
IPAの最新の申請要項を確認し、DX推進ポータルのウェブフォームから申請します。
2025年8月27日以降、従来のWord・Excel書類をアップロードする方式から、ウェブフォームに直接入力する方式へ変更されています。
第6段階:審査・認定
申請内容について審査が行われ、要件を満たす場合は経済産業大臣による認定を受けます。
標準処理期間は60営業日です。不備や追加確認がある場合には、さらに期間が必要になります。
第7段階:認定の維持・更新
DX認定の有効期間は2年間です。
認定の更新を希望する場合は、有効期間の満了前に所定の更新申請を行う必要があります。更新申請の期限や必要事項は最新のIPAの案内に従ってください。
(4)認定を受けるメリット
① 国のDX認定事業者として公表される
国が定める認定基準を満たした事業者として公表され、DX推進に取り組む企業であることを対外的に示せます。
② 取引先や金融機関への説明材料になる
経営戦略とデジタル技術の活用方針を整理することで、企業の将来性や経営改革への取り組みを説明しやすくなります。
③ DX関連の支援策を検討しやすくなる
DX認定を通じて、自社のデジタル経営方針や推進体制を整理できます。
ただし、DX認定を取得すれば、すべてのIT関連補助金で加点されるわけではありません。個別の公募要領を確認する必要があります。
④ DXセレクションへの応募につながる
所定の条件を満たす中堅・中小企業等は、DXセレクションへの自薦応募が可能になります。
⑤ 業務効率化と生産性向上を経営戦略として進められる
DX認定の取得準備を通じて、社内の非効率な業務、情報管理上の問題、デジタル投資の優先順位などを整理できます。
(5)申請時につまずきやすいポイント
- ITツールを導入しているだけでDXが進んでいると考えている
- 経営ビジョンが抽象的
- DX戦略と実際の事業内容が結び付いていない
- 経営者の関与が不明確
- 推進責任者や社内体制が整っていない
- サイバーセキュリティ対策が不十分
- 必要な情報の公表ができていない
(6)認定支援機関に相談するメリット
当事務所では、経営課題の整理、DX戦略の言語化、経営方針と事業計画の整合、申請内容の整理、申請手続きなどを支援します。
システムの構築や技術的なセキュリティ診断などは、IT専門事業者と連携して進めることが重要です。
9.連携事業継続力強化計画
難易度:★★★★★|企業間連携・地域防災・サプライチェーン強化
(1)制度の概要
連携事業継続力強化計画は、複数の中小企業等が連携して防災・減災対策に取り組む計画を策定し、経済産業大臣の認定を受ける制度です。
単独の事業継続力強化計画が自社の防災・減災対策を中心とするのに対し、連携型では、複数企業が協力して災害時の事業継続力を高めることを目的としています。
(2)連携の具体例
- 製造業と原材料供給業者による代替供給体制
- 建設会社と資材販売会社による資材の相互融通
- 運送会社と倉庫業者による物流機能の相互支援
- 地域企業同士による共同防災訓練
- 災害時の人員・設備・資材の相互支援
- 災害情報や復旧状況の共有
熊本県内では、半導体関連産業、建設業、運送業、農業、食品製造業など、サプライチェーンを形成する事業者間の連携が重要です。
(3)申請手続きの具体的な流れ
第1段階:連携する事業者を選定する
取引先、仕入先、協力会社、地域企業などから、災害時に協力できる事業者を選びます。
第2段階:連携する目的を明確にする
災害時に何を相互に支援するのか、連携することでどのような効果が得られるのかを整理します。
第3段階:参加企業の役割分担を決める
- 緊急連絡体制
- 情報共有方法
- 人員や設備の支援方法
- 代替生産・代替供給
- 共同訓練
- 災害時の意思決定
などを具体的に定めます。
第4段階:連携計画を作成する
中小企業庁の最新の連携事業継続力強化計画策定の手引きと電子申請用様式に従って作成します。
参加企業の合意や同意書など、必要な資料を準備します。
第5段階:電子申請する
事業継続力強化計画の電子申請システムから申請します。
連携型についても電子申請が可能であり、GビズIDプライムまたはGビズIDメンバーを利用します。
第6段階:審査・認定
所管の経済産業局等による審査を経て、経済産業大臣の認定を受けます。
標準処理期間は約45日ですが、計画の内容や修正の有無などによって異なります。
(4)認定を受けるメリット
① 企業単独では難しい防災体制を構築できる
設備、人員、資材、物流などを企業間で補完することで、災害時の対応能力を高められます。
② 取引先への供給責任を果たしやすくなる
代替供給や相互支援の体制を整えることで、災害による供給停止のリスクを軽減できます。
③ サプライチェーンの強化につながる
仕入先、販売先、協力会社との連携を通じて、地域全体の事業継続力を高められます。
④ 企業間の協力関係を強化できる
共同訓練や情報共有を通じて、平時から企業同士の連携を深められます。
⑤ 所定の補助金・税制・金融支援の活用を検討できる
認定計画に関連する支援措置について、制度ごとの要件を満たす場合に活用できる可能性があります。
ただし、連携型の認定を受けたことだけで、すべての参加企業に一律の優遇措置が適用されるわけではありません。対象設備の所有関係、計画の内容、各支援制度の条件を個別に確認する必要があります。
(5)申請時につまずきやすいポイント
- 参加企業の合意形成に時間がかかる
- 連携の目的が抽象的
- 各社の役割分担が不明確
- 災害時の情報共有方法が決まっていない
- 相互支援の実現可能性が検証されていない
- 各社の事業継続計画との整合が取れていない
(6)認定支援機関に相談するメリット
当事務所では、参加企業の事業内容や災害リスクを整理し、連携の目的、役割分担、実施体制、計画書の作成、申請手続きを支援します。
単独型から取り組むべきか、最初から連携型を目指すべきかについても、企業の状況を踏まえて検討します。
10.熊本の中小企業におすすめする制度活用の進め方
7つの制度は、それぞれ独立した仕組みですが、相互に関連させることで、より効果的な経営支援につなげることができます。
第1段階:比較的取り組みやすい制度から始める
- パートナーシップ構築宣言
- 成長加速マッチングサービス
取引先との関係を見直し、自社の強みや課題を整理します。
特に、補助金の申請を予定している企業は、公募要領を確認し、必要な登録や公表を早めに進めることが重要です。
第2段階:経営基盤を強化する
- 事業継続力強化計画
- 健康経営優良法人
災害への備えや従業員の健康管理など、企業経営の土台となる部分を整備します。
第3段階:成長戦略を具体化する
- 経営革新計画
- DX認定
新規事業、設備投資、業務改革、デジタル化などを経営戦略として具体化します。
特に、新たな事業展開や設備投資を予定している企業には、経営革新計画の策定を検討することをおすすめします。
第4段階:企業間連携へ発展させる
- 連携事業継続力強化計画
自社の事業継続体制を整えたうえで、取引先や地域企業との連携を進めます。
ただし、この順番は一律の取得順序ではありません。
例えば、新規事業を直ちに開始する企業なら経営革新計画を先に検討する方が適切ですし、取引先との連携が既に整っている企業なら連携型の計画から検討することもできます。
重要なのは、自社の経営課題と制度の目的を一致させることです。
11.補助金・融資・採用に活用する際の注意点
認定・宣言制度を取得する際には、優遇措置の内容を正確に把握することが大切です。
(1)補助金の加点は公募ごとに異なる
認定や宣言によって、すべての補助金で加点を受けられるわけではありません。
例えば、事業継続力強化計画の認定やパートナーシップ構築宣言などは、一部の補助金で加点対象となる場合があります。
また、成長加速マッチングサービスについても、単なる会員登録ではなく、挑戦課題の登録や掲載状態などが条件になる場合があります。
補助金の申請を予定している場合は、次の事項を確認してください。
- 加点対象となる制度
- 認定・登録の期限
- 申請締切時点で必要な状態
- 提出する証明資料
- 加点の配点や審査上の取り扱い
(2)融資の優遇は金融機関等の審査が必要
経営革新計画や事業継続力強化計画などには、融資や信用保証に関する支援措置が設けられている場合があります。
ただし、認定や承認を受けただけで融資が実行されるわけではありません。
金融機関や信用保証協会などによる審査、資金使途、返済可能性、事業計画などの確認が必要です。
(3)採用への効果は企業の実際の取り組みと一体で考える
健康経営優良法人やDX認定などは、採用活動で自社の取り組みを説明する材料になります。
しかし、認定取得だけで応募者が増える、離職率が下がるという保証はありません。
認定を取得した後も、働きやすい職場づくりやデジタル技術を活用した業務改善などを継続することが重要です。
12.行政書士法人塩永事務所が選ばれる理由
熊本の認定経営革新等支援機関としての専門性
行政書士法人塩永事務所は、熊本市中央区水前寺を拠点に、中小企業・小規模事業者の経営支援と行政手続きのサポートを行っています。
国の認定を受けた認定経営革新等支援機関として、経営計画や事業計画の策定支援に取り組んでいます。
当事務所の特徴は、認定取得だけでなく、その後の事業展開まで見据えた支援を行うことです。
主な支援内容
① 制度選定・事前相談
企業の事業内容、経営課題、今後の投資計画などを確認し、適切な制度を選定します。
② 経営分析・事業計画策定
自社の強み、経営課題、市場環境、収益見通しなどを整理し、実行可能な事業計画を策定します。
③ 申請書類の作成
制度ごとの最新の申請要領に従い、必要な書類や添付資料を整えます。
④ 電子申請・提出手続き
GビズIDの準備状況や申請システムの利用方法を確認し、電子申請を支援します。
⑤ 認定・承認後の活用支援
補助金申請、融資に向けた事業計画の説明、設備投資、事業拡大など、取得後の活用を支援します。
熊本県内の幅広い業種に対応
当事務所では、熊本県内の次のような事業者様からのご相談に対応しています。
- 建設業・建築業
- 製造業
- 運送業・物流業
- 農業・食品加工業
- 介護・福祉事業
- 小売業・サービス業
- 外国人材を受け入れる事業者
- 新規事業・会社設立を検討する事業者
熊本市を中心に、合志市、菊陽町、大津町、益城町、宇土市、八代市など、熊本県内の事業者様からのご相談に対応しています。
また、事業計画策定や補助金申請などについては、全国からのオンライン相談にも対応しています。
13.よくある質問
Q1.認定経営革新等支援機関に依頼しなければ申請できませんか?
いいえ。制度によっては、事業者自身で申請できます。
ただし、経営革新計画や補助金申請など、事業内容や数値計画の整理が重要となる手続きでは、認定経営革新等支援機関の専門的な支援を受けることが有効です。
なお、特定の補助金や支援制度では、認定支援機関による確認や関与が申請要件となる場合があります。
Q2.赤字企業でも認定・承認を受けられますか?
制度によって異なります。
赤字であることだけで一律に申請できなくなるわけではありません。
ただし、経営革新計画などでは、将来の数値目標や実行可能性を説明する必要があります。
現状の財務状況を確認し、実現可能な計画を策定することが重要です。
Q3.創業したばかりの会社でも申請できますか?
制度によって対象要件が異なります。
創業間もない企業でも対象となる制度はありますが、経営革新計画などでは、事業の実績や計画の根拠などを確認する必要があります。
Q4.認定を取得すれば必ず補助金が採択されますか?
いいえ。
認定や宣言が加点対象となる場合でも、補助金の採択が保証されるものではありません。
事業計画の内容、必要性、実現可能性、費用対効果、審査基準などを総合的に評価されます。
Q5.複数の制度を同時に取得できますか?
制度ごとの要件を満たせば、複数の制度を並行して進めることは可能です。
例えば、経営革新計画と事業継続力強化計画を並行して策定することも考えられます。
ただし、申請時期や社内の準備状況を踏まえ、無理のないスケジュールを組むことが重要です。
Q6.申請から認定・承認までどのくらいかかりますか?
制度によって異なります。
事業継続力強化計画や連携事業継続力強化計画は標準処理期間が約45日、DX認定は60営業日とされています。
経営革新計画は熊本県への事前相談や審査日程によって異なります。
健康経営優良法人は年度ごとに申請期間が設定されます。
書類作成や社内体制整備の期間も必要となるため、希望する取得時期から逆算して準備を始めることをおすすめします。
Q7.相談する際に何を準備すればよいですか?
最初の相談では、必ずしもすべての書類を揃えていただく必要はありません。
可能であれば、次の資料をご準備ください。
- 会社概要・事業内容
- 直近の決算書
- 現在の経営課題
- 今後の事業計画
- 設備投資や新規事業の予定
- 申請を検討している補助金の公募要領
これらの情報をもとに、適した制度や今後の手続きを整理します。
14.まとめ|認定・宣言制度を熊本の企業の成長につなげる
今回紹介した7つの制度は、企業の成長、資金調達、販路開拓、採用、取引先との信頼関係、防災・減災、デジタル経営など、さまざまな経営課題に対応するための仕組みです。
しかし、重要なのは制度を取得すること自体ではありません。
自社の現状を正確に把握し、何を改善したいのか、どのような事業展開を目指すのかを明確にしたうえで、適切な制度を活用することです。
特に、経営革新計画や事業継続力強化計画は、申請のための書類であると同時に、企業の将来を考えるための重要な経営資料にもなります。
行政書士法人塩永事務所は、熊本の認定経営革新等支援機関として、制度の選定から経営分析、計画策定、申請書類の作成、電子申請、取得後の補助金・融資等への活用まで、企業の状況に応じて支援しています。
「補助金の申請に向けて、どの認定を取得すべきか相談したい」
「新規事業を始めるために経営革新計画を策定したい」
「金融機関への説明に使える事業計画を整備したい」
「自社の経営基盤を強化するために認定制度を活用したい」
このようなご相談は、ぜひ当事務所にお任せください。
熊本県内の中小企業・小規模事業者の皆様の経営課題を把握し、実際の事業に役立つ制度活用をご提案いたします。
行政書士法人塩永事務所
熊本の認定経営革新等支援機関
所在地:〒862-0950 熊本市中央区水前寺1-9-6
代表:行政書士法人塩永事務所 代表社員 塩永健太郎
電話:096-385-9002
公式サイト:https://shionagaoffice.jp/
補助金・融資・経営革新計画・事業継続力強化計画・各種認定申請について、お気軽にご相談ください。
参考・公式情報
各制度の申請要件や優遇措置は変更されることがあります。申請前には、必ず最新の公式情報をご確認ください。
- パートナーシップ構築宣言ポータルサイト
https://www.biz-partnership.jp/ - 中小企業庁・成長加速マッチングサービス
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/network/2025/250324.html - 中小企業庁・事業継続力強化計画
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/bousai/keizokuryoku.html - 熊本県・経営革新計画
https://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/65/2681.html - 健康経営優良法人認定制度
https://kenko-keiei.jp/ - IPA・DX認定制度
https://www.ipa.go.jp/digital/dx-nintei/ - 中小企業庁・認定経営革新等支援機関
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/nintei/
※本記事は2026年11月1日時点の制度情報に基づく一般的な解説です。制度の対象要件、申請期間、審査基準、補助金の加点措置、融資・税制上の優遇措置などは変更される場合があります。実際の申請に際しては、各制度の最新の公募要領・公式資料をご確認ください。
