
建設業の経営事項審査(経審)とP点の仕組み|行政書士法人塩永事務所
経営事項審査(通称「経審」)は、建設業者が公共工事の入札に参加するために必須となる審査制度で、会社の経営規模・財務状況・技術力・社会性などを総合的に点数化し、「P点(総合評定値)」として評価するものです。 本記事では、経審の全体像からP点の計算式、各評価項目(X1・X2・Y・Z・W)の詳細、W点の加点項目、申請の流れ、費用・有効期間、さらに2026年改正の最新動向まで、行政書士法人塩永事務所が実務視点で分かりやすく解説します。
経営事項審査(経審)とは
経審は、建設業法に基づき国土交通大臣または都道府県知事が、建設業者の経営状況を審査し、その結果を「総合評定値(P点)」として公表する制度です。 公共工事の入札では、このP点が入札参加資格や落札可能性に直結するため、元請として公共工事を受注したい建設業者には必須の手続きとなります。
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審査対象: 建設業許可を受けた法人・個人事業主
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審査頻度: 原則として毎事業年度終了後(決算変更届提出後)に受審
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有効期間: 審査基準日から1年7か月(例:令和7年6月30日決算→令和8年7月14日までの有効)
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法定手数料: 1業種につき11,000円(電子申請の場合)
P点(総合評定値)の計算式
経審の最終評価であるP点は、5つの評価項目を以下の計算式で算出します。
各項目のウェイト(係数)を見ると、X1(完成工事高)とZ(技術力)がそれぞれ25%と最も大きく、次いでY(経営状況)が20%、X2(自己資本・利益)とW(社会性)が15%となっています。 つまり、売上規模と技術職員・元請実績をいかに高めるかがP点アップの鍵となります。
5つの評価項目の詳細
X1:完成工事高評点(ウェイト0.25)
審査対象業種ごとに、直近1年または2年平均の「完成工事高(売上)」を点数化します。 1,000万円未満から1,000億円以上まで42区分のテーブルがあり、売上規模が大きいほど高得点となります。
ポイント: 売上を安定的に伸ばし、特に元請工事の比率を高めることがX1アップの近道です。
X2:経営規模評点(ウェイト0.15)
自己資本額と「利払前税引前償却前利益(EBITDA相当)」の平均額を評価します。 財務基盤の厚みや収益力を示す指標です。
ポイント: 内部留保の蓄積と黒字体質の維持が重要です。
Y:経営状況評点(ウェイト0.20)
登録経営状況分析機関が、財務諸表をもとに8つの財務指標(流動比率、自己資本比率、売上総利益率など)を分析し、点数化します。
ポイント: 借入依存度を下げ、自己資本比率や利益率を改善することでY点は向上します。
Z:技術力評点(ウェイト0.25)
「技術職員の人数」と「元請完成工事高」の2要素で構成されます。 技術職員は、建設業法上の専任技術者要件を満たす資格保有者(1級・2級施工管理技士、建築士等)が対象です。
ポイント: 有資格者の採用・育成と、元請工事の実績積み上げがZ点アップの核心です。
W:社会性等評点(ウェイト0.15)
労働福祉、法令遵守、地域貢献、環境配慮など、企業の社会的取り組みを評価します。 マイナス加点(減点)もあり、社会保険未加入や法令違反があると大幅に減点されるため注意が必要です。
主な加点項目(2026年現在):
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CCUS(建設キャリアアップシステム)導入: 全現場にカードリーダー設置で+15点(民間含む)、公共工事のみで+10点
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えるぼし認定: 女性活躍推進の認定で加点
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若年・女性技術者の雇用: 一定条件で加点
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建設機械保有: 自社工事の機械化率で加点
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自主宣言(防災協定等): 5点加点(2026年7月改正で新設)
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社会保険加入: 未加入は大幅減点(必須要件)
2026年7月改正のポイント: 社会保険関連の審査項目が削除され、代わりに「自主宣言」で5点加点可能となりました。 また、CCUSの加点条件が一部見直されています。
経審の申請流れと必要書類
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決算変更届の提出: 事業年度終了後2か月以内に、建設業許可庁へ決算変更届を提出
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経営状況分析の申請: 登録分析機関(例:公益財団法人建設業振興基金等)へ財務分析を依頼
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経審申請書の提出: 分析結果をもとに、建設業許可庁へ経審申請(電子申請推奨)
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審査・結果通知: 審査後、P点通知書が交付(約2〜4週間)
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P点の公表: 国土交通省の「経営事項審査結果公表システム」で閲覧可能に
必要書類の例:
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決算変更届(写)
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経営状況分析結果通知書
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技術職員名簿・資格証明書
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完成工事高内訳書
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社会保険加入証明書
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CCUS導入証明書(W点加点用)など
費用と有効期間
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法定手数料: 1業種11,000円(電子申請)、窓口申請は16,500円
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経営状況分析費用: 分析機関により異なる(目安3〜5万円)
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有効期間: 審査基準日(決算日の翌日)から1年7か月
注意点: 有効期間を切らさないよう、毎事業年度終了後に継続して受審する必要があります。
P点を上げるための実務対策(優先順位)
行政書士法人塩永事務所が推奨する、費用対効果の高いP点アップ対策は以下の通りです。
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元請工事の比率向上: X1・Z点に直結し、最もウェイトが高い
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技術職員の増員・資格取得支援: Z点アップの即効性が高い
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CCUSの全現場導入: W点+15点は比較的容易に獲得可能
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社会保険の完全加入: 減点リスクの完全排除
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内部留保の蓄積: X2・Y点の基盤強化
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えるぼし認定等の取得: W点の追加加点
行政書士法人塩永事務所のご支援
行政書士法人塩永事務所では、建設業許可・経審申請のワンストップ支援を実施しています。
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経審シミュレーション: 決算数値からP点を事前試算し、加点ポイントを明確化
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W点加点コンサルティング: CCUS導入、えるぼし認定、自主宣言等の実務支援
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決算変更届・経審申請書類の作成代行: 誤記入・不備による差戻しを防止
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全国対応: 熊本を拠点に、Web相談・オンライン面談で全国のお客様をサポート
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