
事業継続力強化計画認定制度の全貌:行政書士法人塩永事務所が解説
事業継続力強化計画認定制度とは?
「事業継続力強化計画認定制度」 は、中小企業が自然災害や感染症などの緊急事態に備え、事業の継続や早期復旧を図るための事前対策をまとめた「事業継続力強化計画」を国(経済産業大臣)が認定する制度です。2019年7月に施行された「中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律(通称:中小企業強靭化法)」に基づいています。
この制度の目的は、中小企業が自ら事業継続計画(BCP)を策定し、その実行を通じて、災害に強い企業体質を築くことを支援することにあります。これにより、個々の企業のBCP対策を促進するだけでなく、地域全体のサプライチェーンの強靭化や経済活動の維持にも貢献することを目指しています。
認定の対象となる中小企業等
「中小企業等経営強化法」に定める中小企業および小規模事業者が対象となります。具体的には、以下の要件を満たす法人または個人事業主です。
- 製造業、建設業、運輸業、その他(下記以外):
- 資本金の額または出資の総額が3億円以下の会社
- 常時使用する従業員の数が300人以下の会社および個人
- 卸売業:
- 資本金の額または出資の総額が1億円以下の会社
- 常時使用する従業員の数が100人以下の会社および個人
- サービス業:
- 資本金の額または出資の総額が5千万円以下の会社
- 常時使用する従業員の数が100人以下の会社および個人
- 小売業:
- 資本金の額または出資の総額が5千万円以下の会社
- 常時使用する従業員の数が50人以下の会社および個人
認定制度の具体的なメリット
事業継続力強化計画の認定を受けることで、中小企業は以下のような具体的なメリットを享受できます。
- 税制優遇措置(BCP税制):
- 認定を受けた事業継続力強化計画に基づき、防災・減災設備等を取得した場合、取得価格の20%の特別償却が適用されます。
- 対象となる設備は、自家発電設備、耐震設備、衛星電話、非常用通信機器、水害対策設備(止水板、排水ポンプ等)、代替生産設備、データバックアップ設備など、幅広い防災・減災設備が含まれます。これにより、BCP対策への投資コストを抑え、企業の防災力を高めることができます。
- 金融支援措置:
- 日本政策金融公庫の災害対策融資:計画に基づき実施する事業継続対策に必要な設備資金や運転資金について、基準金利よりも低利な金利で融資を受けることが可能です。
- 信用保証協会による保証枠の拡大:通常の保証限度額とは別枠で追加の保証(例えば、普通保証とは別枠2億円など)を受けることができます。これにより、金融機関からの融資が受けやすくなり、災害対策の資金調達が円滑に進みます。
- その他、地域金融機関との連携強化:認定された計画は、金融機関からの評価も高まり、融資を受けやすくなる可能性があります。
- 補助金における加点措置:
- 「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」など、国や自治体が実施する一部の補助金・助成金の公募において、事業継続力強化計画の認定を受けていることが審査上の加点対象となります。これにより、補助金採択の可能性を高め、新たな事業展開や設備投資を後押しします。
- サプライチェーン強靭化への貢献と信頼性向上:
- 取引先や顧客、金融機関、従業員に対して、災害時でも事業を継続する体制が整っていることを客観的に示すことができます。特に大企業からサプライヤーにBCP対策を求める動きが加速しており、認定を受けることで、取引継続の信頼性が向上し、競争力強化に繋がります。
- 災害発生時における事業停止リスクを低減することで、顧客離れを防ぎ、企業イメージの向上にも貢献します。
- ハザードマップ等の防災情報の提供:
- 中小企業庁のウェブサイト等で、地域のハザードマップや災害リスクに関する情報が提供されており、計画策定の参考にすることができます。
認定のプロセス
事業継続力強化計画の認定プロセスは以下のようになります。
- 計画の策定:
- 自社の事業内容、想定される災害リスク(自然災害、感染症等)、これらのリスクが事業に与える影響を分析します。
- 中核事業を特定し、目標復旧時間(RTO)を設定します。
- 目標達成のための具体的な事前対策(人命安全、物的被害軽減、ライフライン対策、情報保全、サプライチェーン対策、資金対策、訓練等)を立案します。
- これらの内容を所定の様式(事業継続力強化計画)に記載します。
- 申請書の提出:
- 作成した計画書を、中小企業庁の事業継続力強化計画の申請窓口(電子申請または郵送)に提出します。
- 審査:
- 提出された計画書は、記載内容の網羅性、具体性、実現可能性、目標の適切性などが審査されます。
- 認定:
- 審査を通過すれば、経済産業大臣から認定書が交付されます。
行政書士法人塩永事務所が選ばれる理由
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- 申請手続きの完全代行: 煩雑な書類作成や行政機関とのやり取りは全てお任せください。
- 認定後の継続的なサポート: 計画の定期的な見直しや訓練に関するアドバイスなど、認定後も貴社のBCP体制を継続的に支援します。
- 補助金申請等、他制度との連携支援: 認定を受けた計画を最大限に活用し、他の優遇措置も併用できるようサポートします。
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