
【2026年最新版】永住許可申請完全ガイド|要件・必要書類・審査基準・2027年制度改正を行政書士が徹底解説
熊本で永住許可申請をお考えなら、行政書士法人塩永事務所へ
熊本の永住許可申請・在留資格手続き・外国人雇用支援
行政書士法人塩永事務所
はじめに|2026年は永住許可制度の重要な転換期です
「日本に10年以上住んでいるけれど、永住申請できる?」
「税金や年金を少し遅れて支払ったことがあるけれど大丈夫?」
「現在の在留資格が3年でも永住申請できる?」
「技術・人文知識・国際業務から永住者になりたい」
「日本人と結婚している場合、10年住んでいなくても申請できる?」
「高度専門職のポイントを利用して、早く永住許可を取得したい」
「永住許可と帰化のどちらを選ぶべき?」
日本で長期間生活している外国人の方や、そのご家族、外国人を雇用する企業から、このようなご相談が寄せられています。
永住許可は、日本での生活や仕事、家族関係を長期的に安定させるための重要な在留手続きです。
永住者の在留資格を取得すると、原則として就労活動や在留期間に制限がなくなり、転職・起業・事業経営など、将来の生活設計の自由度が大きくなります。
しかし、永住許可は、日本に長く住んでいるという理由だけで自動的に認められるものではありません。
在留歴、現在の在留資格、収入、納税状況、公的年金、健康保険、家族構成、出国歴、法令遵守状況など、多くの事情を総合的に審査されます。
特に2026年は、永住許可に関する審査基準の見直しが進んでいる重要な年です。
出入国在留管理庁は、2026年2月24日に永住許可ガイドラインを改訂し、さらに2026年10月1日には新たなガイドラインを正式に公表しました。
今回の改定では、収入や年金の考え方、日本語能力、日本の制度・ルールへの理解、海外滞在期間、家族単位での生活状況などが、より具体的に示されています。
また、2027年4月1日からは、新ガイドラインの全面適用に加え、改正入管法による永住許可要件の明確化や永住者の在留資格取消制度の運用開始も予定されています。
そのため、これから永住申請を検討する方は、現在の基準だけでなく、2027年以降の制度変更も踏まえて申請時期を判断する必要があります。
本記事では、熊本市の行政書士法人塩永事務所が、2026年10月30日時点の法令・出入国在留管理庁の公表資料に基づき、永住許可の要件、在留年数の特例、必要書類、審査のポイント、制度改正の内容を詳しく解説します。
1.永住者とは?永住許可を取得するメリット
永住者とは、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」といいます。)に定められた在留資格の一つです。
永住許可は、現在の在留資格を有する外国人が、在留資格「永住者」への変更を希望する場合などに、法務大臣が許可する制度です。
永住者の在留資格には、他の多くの在留資格とは異なる特徴があります。
永住許可を取得する主なメリット
① 就労活動の制限がなくなる
「技術・人文知識・国際業務」「技能」「経営・管理」などの就労資格では、原則として認められた在留資格の範囲内で活動する必要があります。
一方、永住者には、就労活動の内容による在留資格上の制限がありません。
例えば、次のような活動が可能になります。
- 会社員として勤務する
- 転職する
- 個人事業を始める
- 会社を設立する
- 飲食店を経営する
- 不動産事業を営む
- 複数の事業を行う
ただし、事業に必要な営業許可や資格などは別途必要です。
② 在留期間の更新が不要になる
永住者には、他の就労資格のような1年・3年・5年といった在留期間が設定されません。
そのため、通常の在留期間更新許可申請は不要になります。
ただし、在留カード自体には有効期間があり、所定の更新手続きが必要です。
③ 転職・独立・起業がしやすくなる
勤務先や仕事内容の変更によって、在留資格の変更許可を受ける必要がなくなります。
会社員から経営者になる場合や、勤務先を変更する場合なども、在留資格の活動範囲を理由とする変更許可は原則不要です。
④ 住宅ローンなどの審査で有利になる場合がある
永住者は在留期間の制限がないため、金融機関によっては住宅ローンや事業融資の審査で評価される場合があります。
ただし、永住許可を取得したからといって、融資が保証されるわけではありません。
⑤ 家族と長期的な生活設計を立てやすくなる
日本での居住基盤を安定させ、子どもの教育、住宅取得、事業承継、老後の生活などを長期的に計画しやすくなります。
永住者になっても必要な手続き
永住許可を取得しても、すべての在留管理上の義務がなくなるわけではありません。
- 在留カードの有効期間更新
- 住所変更等の届出
- 在留カードの携帯・提示義務
- 再入国許可またはみなし再入国許可に関する手続き
- 税金・社会保険料等の公的義務の履行
これらは引き続き必要です。
また、一定の法令違反等がある場合には、永住者であっても在留資格取消し等の対象となる可能性があります。
2.2026年の永住許可制度で最も重要な改正ポイント
2026年は、永住許可制度について、2段階のガイドライン変更が行われた年です。
① 2026年2月24日改訂
2026年2月24日のガイドライン改訂では、次の点が重要になりました。
- 税金の納付状況
- 公的年金の納付状況
- 公的医療保険料の納付状況
- 入管法上の届出義務の履行
- 最長の在留期間に関する取扱い
- 素行や法令遵守状況
特に注意したいのが、公的義務の履行状況です。
税金や社会保険料について、申請時点で完納していれば必ず問題がない、というわけではありません。
当初の納付期限を過ぎて支払った履歴がある場合には、期限内に履行していなかった事情として、原則として消極的に評価される可能性があります。
例えば、次のようなケースです。
- 住民税を納期限後に納付した
- 国民年金保険料を期限後にまとめて納付した
- 国民健康保険料の納付が遅れた
- 転職時に社会保険の切替えが遅れた
- 会社が従業員の社会保険料を適切に処理していなかった
現在未納がなくても、過去の履行状況を確認することが重要です。
② 2026年10月1日改訂
2026年10月1日、出入国在留管理庁は「永住許可に関するガイドライン」を正式に改訂しました。
今回の改訂では、従来の審査項目をさらに具体化し、次のような事項を考慮する方針が示されています。
- 世帯人数に応じた収入水準
- 将来の年金受給見込額
- 公共の負担となるおそれ
- 日本語能力
- 日本の制度・ルールへの理解
- 学齢期の子どもの就学状況
- 海外滞在期間
- 家族単位での生活の安定性
特に、2027年4月1日以降の申請では、これらの新しい考慮事項を踏まえた審査が原則となります。
③ いつから新ガイドラインが適用されるのか
ここは非常に重要です。
| 申請時期 | 適用される基準 |
|---|---|
| 2026年3月31日まで | 2026年2月24日改訂前の基準 |
| 2026年4月1日~2027年3月31日 | 原則として2026年2月24日改訂版。ただし収入・公共の負担に関する部分は10月1日改訂版を適用 |
| 2027年4月1日以降 | 2026年10月1日改訂版を全面適用 |
2026年10月1日改訂版の適用時期について、収入に関する部分と公共の負担に関する部分は、2026年4月1日以降の申請で、改定日時点において審査中の案件にも適用されます。
したがって、2026年10月30日現在、すでに永住申請をしている方も、申請日や審査状況によって適用される基準を確認する必要があります。
3.永住許可の法律上の3つの基本要件
永住許可の基本的な法律上の要件は、入管法第22条第2項に定められています。
原則として、次の3つの要件を満たす必要があります。
① 素行が善良であること(素行善良要件)
日本の法律を遵守し、日常生活において社会的に非難されることのない生活を送っていることが必要です。
審査で問題となる可能性がある事項は、次のとおりです。
- 犯罪歴
- 罰金刑・拘禁刑
- 重大な交通違反
- 交通違反の繰り返し
- 不法就労
- 資格外活動違反
- 不法残留
- 入管法上の届出義務違反
- その他の違法行為や迷惑行為
特に、2026年10月改訂ガイドラインでは、過去に拘禁刑や罰金刑を受けた場合などについて、原則として消極的に評価することが明示されています。
ただし、個別の事情によって判断が異なるため、違反の内容、時期、回数、処分の内容、改善状況などを確認する必要があります。
交通違反についても、軽微な違反が1回あっただけで必ず不許可になるわけではありません。
② 独立して安定した生活を営むことができること(独立生計要件)
申請者が、日本で公共の負担とならず、将来にわたって安定した生活を営むことができると認められる必要があります。
主な審査対象は次のとおりです。
- 年収
- 勤務先
- 雇用形態
- 勤続年数
- 職業の安定性
- 事業の継続性
- 扶養家族の人数
- 世帯全体の収入
- 預貯金や資産
- 将来の収入見込み
会社員の場合は、給与収入、雇用の安定性、勤務状況などが確認されます。
会社経営者や個人事業主の場合は、事業の売上だけではなく、所得、利益、納税状況、事業の継続性などが重要です。
なお、日本人、永住者、特別永住者の配偶者または子については、入管法第22条第2項ただし書により、素行善良要件と独立生計要件の適合が法律上免除されています。
ただし、これらの方についても国益要件は原則として必要であり、収入や生活状況が一切審査されないという意味ではありません。
③ その者の永住が日本国の利益に合すると認められること(国益要件)
永住許可の審査において、特に重要な要件です。
主な考慮事項は次のとおりです。
- 原則として10年以上継続して日本に在留していること
- このうち5年以上、対象となる就労資格または居住資格で在留していること
- 公的義務を適切に履行していること
- 現在の在留資格について最長の在留期間を有していること
- 犯罪歴等の問題がないこと
- 公衆衛生上の問題がないこと
- 日本での生活基盤が安定していること
なお、就労資格の5年間には、原則として「技能実習」と「特定技能1号」の在留期間は算入されません。
2027年4月1日以降は、在留資格「育成就労」についても、就労資格の5年間に含まれない取扱いとなるため、在留歴の計算には注意が必要です。
4.永住許可の在留年数要件|原則10年と特例
永住許可を取得するためには、原則として引き続き10年以上日本に在留していることが必要です。
ただし、すべての方に10年間の在留が必要というわけではありません。
一定の条件を満たす場合には、在留期間が短縮されます。
原則10年の在留要件
一般的な就労資格から永住申請する場合、次の条件が基本となります。
- 引き続き10年以上日本に在留していること
- このうち5年以上、対象となる就労資格または居住資格で継続して在留していること
- 現在の在留資格に関する最長の在留期間要件を満たすこと
- その他の永住許可要件を満たすこと
例えば、留学で来日し、その後、技術・人文知識・国際業務に変更した場合は、留学期間だけで10年を満たしても、就労資格等による5年以上の在留要件を別途確認する必要があります。
10年未満でも申請できる主な特例
① 日本人・永住者・特別永住者の配偶者
2026年10月30日現在、原則として次の条件です。
- 実体を伴った婚姻生活が3年以上継続していること
- 引き続き1年以上日本に在留していること
単に婚姻届を提出しているだけでは足りず、夫婦として共同生活を営んでいる実態が重要です。
別居、海外赴任、婚姻生活の実態、家族関係などについて確認される場合があります。
2027年4月1日以降の改正
新ガイドラインでは、原則として次の基準に変更されます。
- 実体を伴った婚姻生活が5年以上継続していること
- 引き続き3年以上日本に在留していること
したがって、2026年度中に申請を検討している日本人配偶者等は、現行基準と改正後の基準の違いを正確に把握する必要があります。
② 日本人・永住者・特別永住者の実子等
2026年10月30日現在、原則として引き続き1年以上日本に在留している場合に、10年在留の特例が適用されます。
2027年4月1日以降は、原則として3年以上の継続在留が基準となります。
なお、実子等の範囲や具体的な身分関係については、個別に確認する必要があります。
③ 定住者
「定住者」の在留資格で5年以上継続して日本に在留している場合、10年在留の特例に該当する可能性があります。
④ 難民認定者・補完的保護対象者
難民認定または補完的保護対象者の認定を受けた方については、認定後5年以上継続して日本に在留している場合に特例が適用されます。
⑤ 高度専門職ポイント制
高度人材ポイント制を利用する場合、次のような在留期間短縮の特例があります。
| ポイント | 必要な在留期間 |
|---|---|
| 80点以上 | 原則1年以上 |
| 70点以上 | 原則3年以上 |
重要なのは、申請時点だけではなく、申請時点から遡った一定期間において必要なポイントを維持していたことを証明する必要がある点です。
具体的な確認対象は、ポイント計算の基準日、過去の在留状況、職歴、学歴、年収、資格、日本語能力などです。
⑥ 特別高度人材(J-Skip)
特別高度人材制度に該当する方についても、通常の高度人材ポイント制とは異なる永住許可の特例が設けられています。
高度専門職1号・2号への移行状況や、特別高度人材としての認定状況などを確認する必要があります。
5.在留期間が3年でも永住申請できる?
これは2026年から2027年にかけて、特に重要な問題です。
永住許可では、現在有している在留資格について、原則として最長の在留期間をもって在留していることが求められます。
例えば、技術・人文知識・国際業務の場合、在留期間は1年・3年・5年などがあります。
従来は、一定の経過措置により、3年の在留期間でも最長の在留期間を有しているものとして取り扱われていました。
2026年2月24日改訂ガイドラインでも、この経過措置が引き継がれています。
2027年3月31日までの取扱い
2027年3月31日までに申請した場合は、在留期間が3年であっても、最長の在留期間を有しているものとして取り扱われます。
2027年4月1日以降の取扱い
原則として、各在留資格について定められた最長の在留期間が必要になります。
ただし、経過措置があります。
2027年3月31日時点で在留期間3年を有している方については、次の条件を満たす場合、初回の永住許可申請に限り、3年を最長の在留期間として取り扱います。
- 2027年3月31日時点で在留期間3年を有していること
- 2027年4月1日以降に行う初回の永住許可申請であること
- その永住申請について、2027年4月1日から当該3年の在留期限までに処分を受けること
したがって、在留期間3年の方は、申請時期だけでなく、在留期限と審査期間も考慮して計画する必要があります。
なお、在留期間1年の場合は、原則として最長の在留期間要件を満たさないため、慎重な判断が必要です。
6.2027年4月1日以降の新しい永住審査|収入・年金・日本語能力
2026年10月1日改訂ガイドラインでは、これまで以上に具体的な審査上の考慮事項が示されています。
ここでは、特に重要なポイントを解説します。
① 年収は世帯人数に応じた水準で判断
従来から、永住許可では独立生計要件が審査されていました。
インターネット上では「年収300万円以上」「扶養家族1人につき70万円以上」といった説明を見かけることがあります。
しかし、これらの金額は法律上の一律の許可基準ではありません。
2026年10月改訂ガイドラインでは、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準に継続して達しているかが、収入の考慮要素として明確化されています。
そのため、次のような事情を総合的に確認する必要があります。
- 申請者本人の年収
- 配偶者の年収
- 世帯全体の収入
- 扶養家族の人数
- 勤続年数
- 雇用形態
- 事業所得
- 預貯金・資産
- 将来の収入見込み
単年度の年収だけで判断することは適切ではありません。
また、配偶者特例など独立生計要件の適用を受けない方についても、公共の負担に関する審査が別途行われます。
② 将来の年金受給見込額も考慮
新ガイドラインでは、申請者の年齢、年金加入歴、働き方、平均年収、将来の年金受給見込額なども考慮事項とされています。
例えば、次のような事情が確認されることがあります。
- 国民年金への加入期間
- 厚生年金への加入期間
- 自営業・会社員としての就労歴
- 年金保険料の納付状況
- 将来の年金受給見込額
現在の収入だけでなく、将来の生活の安定性も重要になっていきます。
③ 日本語能力はCEFR B1相当が考慮要素
新ガイドラインでは、日本語能力について「日本語教育の参照枠」におけるB1相当以上の能力を考慮要素としています。
B1は、日常生活や社会生活において、身近な話題について理解し、自分の考えをある程度説明できる水準です。
ただし、全申請者に一律に特定の日本語試験の合格証明書を要求するという意味ではありません。
高度人材本人やその家族、日本の学校教育を累計6年以上受けた方など、本人の日本語能力を考慮する必要性・相当性がないとされる場合には、考慮対象としない例外もあります。
④ 日本の制度・ルールへの理解
新ガイドラインでは、日本の制度やルールに関する理解も考慮要素とされています。
具体的には、出入国在留管理庁長官が指定する方法により、「生活・就労ガイドブック」に記載されている事項を中心に、制度・ルールへの理解を確認する方針が示されています。
税金、社会保険、医療、教育、労働、日常生活上のルールなど、日本社会で生活する上で必要な知識が重要になります。
⑤ 子どもの就学状況
学齢期の子どもを養育している申請者については、子どもが小学校または中学校に通学しているかも考慮要素となります。
子どもの教育環境や家庭の生活基盤についても、適切に確認しておく必要があります。
7.海外への出国が多い場合は注意
永住許可では、日本に継続して生活の本拠を置いていることが重要です。
2026年10月改訂ガイドラインでは、申請時点から過去10年間について、海外滞在期間に関する考慮事項が明確化されています。
合理的な理由なく、次のいずれかに該当する場合は、原則として消極的に評価されます。
- 1回の出国で半年以上日本を不在にした場合
- 過去10年間の出国期間が通算2年6か月以上となる場合
ただし、海外赴任、家族の看護、業務上の必要性など、合理的な事情がある場合には、個別事情を踏まえた判断が必要です。
単純に出国日数だけを確認するのではなく、出国の目的、期間、頻度、日本での生活基盤、家族の居住状況などを整理しておくことが重要です。
8.税金・年金・健康保険の未納や納付遅延は不許可につながる?
永住許可の審査で、非常に重要な項目です。
税金や社会保険料については、申請時点で未納がないことだけでなく、過去の納付状況も確認されます。
確認される主な公的義務
税金
- 住民税
- 所得税
- 法人税
- 消費税
- その他、該当する税金
年金
- 国民年金
- 厚生年金
健康保険
- 国民健康保険
- 健康保険
- その他、該当する公的医療保険
特に注意が必要なケース
- 住民税を納期限後に支払った
- 国民年金に未納期間がある
- 国民健康保険料の支払いが遅れた
- 転職時に社会保険の加入手続きが遅れた
- 会社が社会保険料を適切に納付していなかった
- 税金の滞納処分を受けたことがある
2026年2月24日改訂ガイドラインでは、公的義務について、期限内に適切に履行しているかが重要な判断要素となっています。
2026年10月改訂ガイドラインでも、公租公課の支払状況が引き続き重視されています。
なお、2027年4月1日からは、これまでガイドライン上で考慮されていた公的義務の遵守や公租公課の支払等が、改正入管法第22条第2項の条文上にも明記されます。
過去に遅れて支払った場合はどうする?
過去に納付遅延があった場合でも、すべてのケースで永住許可が不可能になるわけではありません。
重要なのは、次の事項を正確に把握することです。
- 何の税金・保険料が遅れたのか
- いつの分が遅れたのか
- 当初の納期限はいつだったのか
- 実際に納付した日はいつか
- 遅延の原因は何か
- 現在も未納が残っているか
- 同様の遅延を繰り返していないか
納付遅延の履歴がある場合には、申請時期や説明資料について慎重に検討することをおすすめします。
9.永住許可申請の必要書類
永住許可申請の必要書類は、現在の在留資格、申請者の身分関係、勤務状況、世帯構成などによって異なります。
以下は一般的な必要書類の例です。
基本的な申請書類
- 永住許可申請書
- 写真
- パスポート
- 在留カード
- 住民票
- 身分関係を証明する資料
- 永住許可を希望する理由を説明する資料(必要に応じて)
収入・勤務関係書類
- 在職証明書
- 源泉徴収票
- 課税証明書
- 納税証明書
- 確定申告書の控え(該当者)
- 預貯金残高証明書(必要に応じて)
- 会社の登記事項証明書(会社経営者等)
- 決算書(会社経営者等)
年金関係書類
- 年金記録に関する資料
- ねんきん定期便
- ねんきんネットの年金記録
- 国民年金保険料の納付状況に関する資料
- 厚生年金加入状況に関する資料
健康保険関係書類
- 健康保険資格確認書等
- 健康保険の加入状況に関する資料
- 国民健康保険料の納付証明書等
身元保証関係書類
- 身元保証書
- 身元保証人の身分関係資料
- 身元保証人の住民票等、該当する資料
家族関係に応じた書類
- 戸籍謄本(日本人配偶者等の場合)
- 婚姻証明書
- 出生証明書
- 家族の住民票
- 配偶者の収入証明書
- その他、身分関係を証明する資料
これらは一律にすべて提出するものではありません。
申請する在留資格や身分関係によって、出入国在留管理庁が指定する必要書類を確認することが重要です。
10.永住許可申請で理由書は必要?
永住許可申請では、申請者の状況に応じて、永住を希望する理由や日本での生活状況を説明する資料を提出することがあります。
理由書は、単に「日本が好きだから」「日本で長く生活したいから」という内容だけでは十分とはいえません。
次のような事項を整理することが重要です。
- 来日した時期と目的
- これまでの在留資格の変遷
- 現在の仕事内容
- 勤務先や事業の状況
- 収入と生活基盤
- 家族関係
- 税金や社会保険の履行状況
- 日本での地域社会との関わり
- 今後の日本での生活設計
- 永住を希望する具体的な理由
過去に納付遅延や転職、長期出国などがある場合には、その事情を適切に説明することも重要です。
ただし、理由書の提出だけで審査上の問題が解消されるわけではありません。
申請書類全体の整合性と客観的な証拠資料が重要です。
11.永住許可申請の流れ
永住許可申請は、次のような流れで進めます。
STEP 1 事前診断・要件確認
最初に、次の事項を確認します。
- 在留年数
- 過去の在留資格
- 現在の在留資格
- 在留期間
- 職歴・勤務先
- 年収
- 扶養家族
- 税金の納付状況
- 年金の加入・納付状況
- 健康保険の加入・納付状況
- 交通違反・犯罪歴
- 出国歴
- 入管への届出状況
STEP 2 必要書類の収集
申請者の状況に合わせて必要書類を整理し、役所、勤務先、年金事務所などから資料を取得します。
STEP 3 申請書類の作成
永住許可申請書、理由書、説明資料、その他の補足資料を作成します。
STEP 4 入管への申請
原則として、申請人の住所地を管轄する地方出入国在留管理官署に申請します。
熊本県に居住している方は、福岡出入国在留管理局の管轄となり、熊本出張所で在留関係の申請を取り扱っています。
STEP 5 審査・追加資料への対応
申請後、入管による審査が行われます。
必要に応じて追加資料の提出を求められることがあります。
追加資料の要求があった場合には、指定された期限と内容を確認し、適切に対応することが重要です。
STEP 6 許可・不許可の結果
許可された場合は、所定の手続きを経て永住者の在留カードが交付されます。
不許可となった場合には、不許可理由を確認し、再申請の可能性や改善すべき点を検討します。
申請中に在留期限が到来する場合
永住許可申請をしていても、現在の在留期間が自動的に延長されるわけではありません。
永住許可申請の審査中に在留期限が到来する場合は、別途、現在の在留資格について在留期間更新許可申請を行う必要があります。
この点は非常に重要です。
12.永住許可の審査期間
出入国在留管理庁が公表している永住許可申請の標準処理期間は、4か月~6か月です。
ただし、これは標準的な処理期間であり、必ずこの期間内に結果が出るという意味ではありません。
次のような事情がある場合には、審査に時間がかかる可能性があります。
- 過去の在留歴が複雑
- 転職回数が多い
- 税金・年金・保険料の納付状況に問題がある
- 収入の安定性に疑問がある
- 扶養家族が多い
- 海外滞在期間が長い
- 追加資料が必要
- 家族関係の確認が必要
申請を予定している方は、余裕を持って準備することをおすすめします。
13.永住許可と帰化の違い
永住許可と帰化は、どちらも日本で長く生活したい外国人の方が検討する制度ですが、法的な性質が異なります。
| 比較項目 | 永住許可 | 帰化 |
|---|---|---|
| 結果 | 永住者の在留資格を取得 | 日本国籍を取得 |
| 国籍 | 原則として現在の国籍を維持 | 原則として従来の国籍を離脱 |
| 申請先 | 地方出入国在留管理局 | 法務局 |
| 在留資格 | 永住者 | 日本国民となるため不要 |
| 就労制限 | なし | なし |
| 在留期間更新 | 不要 | 不要 |
| 選挙権 | 日本の国政選挙権なし | 日本国民として取得 |
| パスポート | 原則として本国のパスポート | 日本のパスポートを取得可能 |
| 審査根拠 | 入管法 | 国籍法 |
| 在留年数 | 原則10年以上(特例あり) | 原則5年以上の住所要件など |
帰化は日本国籍を取得する手続きであり、永住許可は外国籍を維持したまま日本で安定して生活するための制度です。
帰化については、国籍法上の住所・能力・素行・生計等の要件があり、さらに原則として重国籍防止に関する要件なども確認されます。
どちらが適しているかは、本人の国籍、家族関係、本国とのつながり、将来の生活設計などによって異なります。
14.永住者の在留資格取消制度にも注意|2027年4月1日運用開始
2026年10月1日には、永住許可ガイドラインの改訂とともに、「永住者の在留資格の取消しに関するガイドライン」も公表されました。
これは、2024年の入管法改正によって追加された永住者の在留資格取消事由について、具体的な運用方針を示すものです。
2027年4月1日から運用が開始されます。
改正法では、一定の悪質な場合について、永住者の在留資格を取り消すことができる仕組みが設けられています。
例えば、次のような場合が関係します。
- 故意に公租公課の支払をしない場合
- 入管法上の一定の義務違反がある場合
- 不正な手段によって永住許可を受けた場合
- 重大な犯罪等に関係する場合
ただし、税金を一度納付し忘れただけで直ちに永住資格が取り消されるという制度ではありません。
取消しの対象となる行為や悪質性、経緯、個別事情などを踏まえて判断されます。
また、取消事由に該当する場合であっても、直ちに退去強制となるわけではなく、一定の場合には他の在留資格への変更が検討される仕組みも設けられています。
永住許可を取得した後も、税金、社会保険、在留カード、届出などの義務を適切に履行することが大切です。
15.永住許可申請で専門家への相談をおすすめするケース
次のような事情がある方は、申請前に在留歴や公的義務の履行状況を確認することをおすすめします。
- 税金を過去に遅れて支払ったことがある
- 年金の未納期間がある
- 健康保険料の未納・納付遅延がある
- 転職回数が多い
- 会社を退職した期間がある
- 交通違反が複数回ある
- 過去に罰金刑を受けたことがある
- 在留期間が3年である
- 海外滞在期間が長い
- 扶養家族が多い
- 配偶者や子どもの在留資格に問題がある
- 会社経営者・個人事業主である
- 高度専門職ポイント制を利用したい
- 日本人と結婚している
- 永住と帰化のどちらがよいか迷っている
永住許可は、申請書類を提出すればよいという単純な手続きではありません。
申請前に問題点を把握し、必要な資料を準備し、申請時期を検討することが重要です。
16.行政書士法人塩永事務所の永住許可申請サポート
行政書士法人塩永事務所では、熊本市を拠点として、永住許可申請に関する事前相談、要件確認、書類作成、申請取次などをサポートしています。
熊本県内の外国人の方はもちろん、全国の外国人本人、外国人を雇用する企業、外国人のご家族からのご相談にも対応しています。
主なサポート内容
① 永住許可の可能性に関する事前診断
在留歴、現在の在留資格、在留期間、収入、税金、年金、健康保険、家族関係などを確認します。
② 在留年数・特例の確認
一般的な10年在留要件だけでなく、日本人配偶者、永住者配偶者、定住者、高度専門職、J-Skipなどの特例について確認します。
③ 公的義務の履行状況の確認
税金、年金、健康保険料について、未納・納付遅延の有無や過去の履行状況を整理します。
④ 必要書類のリストアップ
申請者ごとの必要書類を整理し、取得先や取得方法をご案内します。
⑤ 永住理由書・説明資料の作成
申請者の職歴、生活状況、家族関係、在留歴などを踏まえ、申請内容と整合性のある説明資料を作成します。
⑥ 永住許可申請書類の作成
申請書、理由書、補足資料など、申請に必要な書類を作成・確認します。
⑦ 入管への申請取次
申請取次行政書士として、適切な範囲で申請手続きをサポートします。
⑧ 追加資料提出への対応
入管から追加資料の提出を求められた場合の内容確認や資料作成を支援します。
⑨ 不許可後の再申請相談
不許可となった場合には、その理由や改善点を確認し、再申請の可能性を検討します。
⑩ 永住許可と帰化の比較相談
外国籍を維持したい方、日本国籍を取得したい方など、それぞれの状況に応じた手続きの違いをご説明します。
外国人を雇用する企業様からのご相談にも対応
外国人社員の永住許可取得は、本人だけでなく、雇用する企業にとっても重要な問題です。
当事務所では、外国人を雇用する企業様からのご相談にも対応し、次のような事項を確認します。
- 外国人社員の在留資格・在留期間
- 勤務実態と雇用契約
- 社会保険加入状況
- 源泉徴収・住民税の状況
- 転職・退職歴
- 永住申請に向けた必要書類
- 企業側で準備する証明資料
外国人社員の長期雇用や定着を検討している企業様も、お気軽にご相談ください。
17.熊本で永住許可申請をお考えなら行政書士法人塩永事務所へ
永住許可は、日本での生活を安定させるための大切な手続きです。
しかし、2026年から2027年にかけて、永住許可の審査基準や関連制度が大きく変わります。
特に、次の点は申請前に確認することをおすすめします。
- 現在の在留資格で永住申請できるか
- 10年在留要件または特例に該当するか
- 就労資格等による5年以上の在留要件を満たすか
- 在留期間3年の経過措置を利用できるか
- 税金・年金・健康保険の納付状況に問題がないか
- 世帯収入や将来の生活基盤は安定しているか
- 海外滞在期間が審査に影響しないか
- 2027年4月以降の新基準が適用されるか
行政書士法人塩永事務所では、熊本を拠点に、永住許可申請・在留資格変更・在留期間更新・特定技能・就労ビザ・経営管理ビザ・帰化申請など、外国人の在留手続きを幅広くサポートしています。
複雑な在留歴や家族関係、税金・年金の納付状況など、個別事情を踏まえて申請方針を検討いたします。
「自分は永住申請できるのか」という段階からご相談いただけます。
お問い合わせ
行政書士法人塩永事務所
所在地:熊本県熊本市中央区水前寺1-9-6
電話:096-385-9002
メール:info@shionagaoffice.jp
営業時間:平日9:00~18:00
相談方法:来所・電話・オンライン相談
対応地域:熊本県内・全国対応
初回相談無料(事前予約制)。
永住許可申請について、現在の在留資格や在留年数、収入、納税状況などを確認したい方は、お気軽にお問い合わせください。
行政書士法人塩永事務所は、熊本から全国の外国人の皆様の安定した日本での生活をサポートします。
※永住許可は法務大臣の裁量による審査であり、申請要件を満たしている場合でも許可が保証されるものではありません。個別の事情により審査結果は異なります。
