
【2026年10月最新版】企業向け外国人雇用・在留資格手続きガイド|在留期間更新・資格変更・特定技能農業・税金・社会保険の注意点
外国人雇用の在留資格管理でお困りではありませんか?
「在留期間の更新申請は、いつから準備すればよいのか」
「2026年10月から在留申請の印紙代が変わったと聞いたが、いくら必要なのか」
「農業分野の特定技能外国人に、選果・出荷・加工などの業務を任せてもよいのか」
「特定技能1号の外国人を2号へ移行させたいが、どのような要件があるのか」
「退職・転職・一時帰国があった場合、企業と外国人本人は何を届け出ればよいのか」
外国人材を雇用する企業にとって、在留資格の管理は採用時だけで終わるものではありません。在留期間の更新、転職・退職時の届出、業務内容の管理、税金・社会保険の確認など、雇用を継続するうえで必要な手続きが数多くあります。
特に、2026年10月1日からは在留資格の変更・在留期間更新などに係る手数料が改定されました。また、特定技能外国人を雇用する企業では、在留資格に認められた業務範囲を理解し、適切な雇用管理を行うことが重要です。
行政書士法人塩永事務所では、外国人雇用に関する在留資格手続きや特定技能外国人の受入れに関する相談を承っています。
本記事では、企業の経営者・人事担当者・農業法人の皆様に向けて、2026年10月時点で確認しておきたい制度と実務上の注意点を解説します。
1.企業が知っておくべき在留期間更新・在留資格変更の手続き
外国人を雇用する場合、まず確認すべきなのは、本人が現在保有している在留資格と、実際に従事する業務内容が一致しているかどうかです。
在留カードに記載された在留資格や在留期間を確認するだけでは不十分です。許可された活動内容、雇用契約、実際の業務、報酬、勤務先なども確認する必要があります。
1-1.在留期間更新許可申請とは
在留期間更新許可申請は、現在の在留資格で引き続き日本に在留し、同じ資格に該当する活動を継続するための手続きです。
例えば、現在「特定技能1号」で農業法人に勤務している外国人が、引き続き同じ在留資格で勤務する場合などに検討する手続きです。
在留期間更新では、主に次の事項が審査の対象となります。
- 現在の在留資格に該当する活動を継続しているか
- 雇用契約や労働条件に問題がないか
- 報酬が適切に支払われているか
- 税金などの公的義務を履行しているか
- 社会保険や年金に関する状況に問題がないか
- 必要な届出を適切に行っているか
- 受入れ企業が在留資格ごとの基準を満たしているか
更新申請は、申請書を提出すれば必ず許可されるものではありません。外国人本人の在留状況と、受入れ企業の雇用管理の両方が重要になります。
1-2.在留期間更新の申請時期
在留期間更新許可申請は、原則として在留期間の満了日のおおむね3か月前から申請できます。ただし、在留期間が短い場合などは、個別の取扱いを確認してください。
企業では、在留カードの有効期限を一覧表などで管理し、更新時期が近づいた外国人を早めに把握することをおすすめします。
更新準備では、次の資料を確認します。
- 在留カード・パスポート
- 雇用契約書・労働条件通知書
- 給与や勤務状況に関する資料
- 住民税の課税証明書・納税証明書など
- 健康保険・年金などの加入状況を確認できる資料
- 企業の登記事項証明書、決算関係資料など、申請区分に応じて必要となる企業資料
- 特定技能の場合は、雇用・支援・届出関係の資料
必要書類は在留資格、申請人の状況、受入れ企業の区分などによって異なります。過去に提出した書類をそのまま流用するのではなく、最新の提出書類一覧に基づいて確認しましょう。
1-3.在留資格変更許可申請とは
在留資格変更許可申請は、外国人が現在の在留資格とは異なる活動を行うため、在留資格を変更する手続きです。
例えば、次のような場合が考えられます。
- 留学生が卒業後に就職する
- 技能実習を修了した外国人が特定技能1号へ移行する
- 特定技能1号の外国人が、要件を満たして特定技能2号へ移行する
- 現在の在留資格では認められない業務に就くため、別の在留資格を申請する
重要なのは、採用したい外国人の在留資格を確認するだけでなく、予定している業務が変更後の在留資格で認められるかを確認することです。
転職や配置転換を行う場合も、業務内容によっては在留資格の変更や、就労資格証明書の取得などを検討する必要があります。
1-4.申請中の就労には注意が必要
在留資格変更許可申請中であっても、申請しただけで新しい業務に従事できるわけではありません。
原則として、許可を受けるまでは、現在の在留資格で認められている活動の範囲を守る必要があります。
在留期間更新については、満了日までに申請している場合、一定の条件のもとで特例期間中の在留が認められることがあります。ただし、申請中にどのような活動が認められるかは、現在の在留資格や申請内容によって異なります。
企業は、申請受付の事実だけで判断せず、本人の在留カード、申請状況、従事させる業務を確認してください。
2.【重要】2026年10月1日から在留申請の手数料が改定されました
2026年10月1日から、在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請などの手数料が改定されました。
これまでの一律料金から、許可される在留期間に応じた料金体系へ変更されています。
外国人を複数名雇用する企業では、更新費用や変更申請費用の予算を見直す必要があります。
2-1.在留資格変更・在留期間更新の手数料
2026年10月1日以降に受け付けられた申請については、原則として次の手数料が適用されます。
| 許可される在留期間 | 窓口申請 | オンライン申請 |
|---|---|---|
| 3か月以下 | 10,000円 | 10,000円 |
| 3か月超~6か月以下 | 18,000円 | 15,000円 |
| 6か月超~1年未満 | 25,000円 | 21,000円 |
| 1年 | 33,000円 | 27,000円 |
| 1年超~3年未満 | 48,000円 | 42,000円 |
| 3年以上~5年未満 | 64,000円 | 56,000円 |
| 5年以上 | 75,000円 | 65,000円 |
※上記は在留資格変更・在留期間更新に関する基本的な手数料です。オンライン申請では別途決済手数料がかかる場合があります。実際の納付額は、出入国在留管理庁の最新案内をご確認ください。
2-2.窓口申請では、従来どおり収入印紙で納付
窓口で申請した場合、許可時の手数料は従来どおり収入印紙で納付します。
一方、2026年10月1日以降に在留申請オンラインシステムで受け付けられた申請については、原則としてコンビニ決済または銀行決済による納付に変更されています。
オンライン申請では、従来の収入印紙による納付方法ではなく、出入国在留管理庁が案内する決済手続きに従う必要があります。
また、決済案内を装った不審なメールにも注意してください。支払いを行う際は、必ず出入国在留管理庁の公式案内に記載された手順と送信元を確認しましょう。
2-3.2026年9月30日までに受け付けられた申請はどうなる?
2026年9月30日までに受け付けられた申請については、許可が10月1日以降となった場合でも、原則として改定前の手数料が適用されます。
基準となるのは、許可日ではなく申請の受付日です。
2-4.企業が見直すべきポイント
外国人を複数名雇用する企業では、次の事項を確認しておきましょう。
- 在留期間更新の対象者と申請予定時期
- 在留資格変更の予定がある従業員
- 窓口申請・オンライン申請のどちらを利用するか
- 許可時に必要となる手数料の予算
- 申請取次などを専門家に依頼する場合の報酬と実費の区別
- 誰が手数料を負担するのかという社内ルール
在留許可手数料と行政書士報酬は別の費用です。見積書や社内予算では、それぞれを分けて管理すると分かりやすくなります。
なお、手数料の負担については、雇用契約や社内規程などを確認し、外国人本人に一方的な負担を求めることのないよう適切に取り扱いましょう。
公式情報:
出入国在留管理庁「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」
https://www.moj.go.jp/isa/01_00644.html
3.農業分野で特定技能外国人に認められる業務範囲と注意事項
農業法人や農業事業者が特定技能外国人を雇用する場合、特に注意したいのが業務範囲です。
「農業の仕事だから、どのような作業でも任せられる」というわけではありません。
特定技能1号・2号の農業分野では、耕種農業全般または畜産農業全般の業務が認められていますが、実際の業務が制度上の範囲に該当している必要があります。
3-1.特定技能1号で認められる主な業務
農業分野の特定技能1号では、主に次の業務が認められています。
耕種農業全般
- 栽培管理
- 農産物の集出荷
- 選別など
畜産農業全般
- 飼養管理
- 畜産物の集出荷
- 選別など
農産物の選果・選別や出荷に関する作業も、制度上の業務範囲に該当する場合があります。
ただし、選果や出荷などの作業だけを主たる業務とすることはできません。耕種農業では栽培管理、畜産農業では飼養管理が必須業務となるため、実際の作業計画にこれらの業務が適切に組み込まれている必要があります。
3-2.農業分野で認められる関連業務
農業分野では、主たる業務に関連する作業について、一定の範囲で従事することが認められます。
例えば、制度上の要件を満たす場合には、次のような業務が関連業務に該当することがあります。
- 農畜産物の製造・加工
- 農畜産物の運搬
- 販売作業
- 農業の業務上必要な範囲で行う冬場の除雪作業
ただし、関連業務はあくまでも主たる業務に付随するものです。加工・販売・運搬などの業務ばかりを行わせ、栽培管理や飼養管理を実施させないような運用は適切ではありません。
また、関連業務に該当するかどうかは、具体的な作業内容や雇用形態、業務全体の構成によって判断する必要があります。
3-3.農業分野の特定技能2号で認められる業務
特定技能2号では、特定技能1号と同様の耕種農業全般または畜産農業全般の業務に加え、これらの業務に関する管理業務が認められています。
例えば、現場での作業に加えて、複数の従業員を指導しながら工程を管理する業務などが想定されます。
ただし、特定技能2号であれば農業に関するあらゆる管理業務が無条件に認められるわけではありません。実際の業務が農業分野の制度上の範囲に該当しているかを確認することが重要です。
3-4.農業分野では派遣形態による受入れも可能
特定技能の農業分野は、一定の要件のもとで直接雇用と派遣形態の両方が認められています。
ただし、派遣形態による受入れには、派遣事業者や派遣先事業者についての要件があります。一般的な派遣労働と同じように考えることはできません。
受入れ企業・派遣先事業者は、労働関係法令を遵守し、特定技能外国人の業務内容、勤務状況、支援体制などを適切に管理する必要があります。
3-5.農業分野で企業が注意すべきポイント
農業分野の特定技能外国人を雇用する際は、次の事項を確認しましょう。
- 実際の業務が在留資格の範囲内か
- 栽培管理・飼養管理などの必須業務を行っているか
- 関連業務の割合や実施内容が適切か
- 雇用契約書・労働条件通知書と実際の業務が一致しているか
- 農業特定技能協議会への加入など、受入れ機関に必要な手続きを行っているか
- 派遣形態の場合、派遣元・派遣先双方が要件を満たしているか
- 賃金、労働時間、休日、安全衛生などの労務管理に問題がないか
特定技能外国人に任せる業務を変更する場合は、変更後の業務が在留資格の範囲に含まれるか、事前に確認することをおすすめします。
公式情報:
出入国在留管理庁「農業分野」
https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/agriculture.html
農林水産省「農業分野における外国人材の受入れ」
https://www.maff.go.jp/j/keiei/foreigner/index.html
4.特定技能1号から2号への移行要件と申請実務
特定技能1号で勤務する外国人が、一定の技能水準と実務経験などの要件を満たした場合、特定技能2号への移行を検討できます。
特定技能2号は、熟練した技能を有する外国人材を受け入れるための在留資格です。農業分野では、技能試験に加え、所定の実務経験が求められます。
企業としては、本人の経験を把握し、必要な証明資料を早めに準備することが重要です。
4-1.特定技能2号への移行で確認すべき要件
農業分野の特定技能2号では、主に次の事項を確認します。
① 2号農業技能測定試験への合格
耕種農業全般または畜産農業全般に対応する2号農業技能測定試験への合格が必要です。
② 所定の実務経験
原則として、次のいずれかの実務経験要件を満たす必要があります。
- 農業の現場で複数の従業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者として2年以上の実務経験
- 農業の現場における3年以上の実務経験
実務経験の内容や証明方法については、試験・申請の最新の運用要領を確認してください。
4-2.実務経験を証明する資料の準備
実務経験要件を満たしていても、その事実を適切に証明できなければ、手続きが円滑に進まないことがあります。
企業では、次のような資料を整理しておくとよいでしょう。
- 雇用契約書・労働条件通知書
- 在職期間を確認できる資料
- 担当業務の内容が分かる資料
- 工程管理や従業員指導の実績を示す資料
- 実務経験証明書など、所定の様式
- 試験合格を証明する資料
特に、工程管理や従業員指導の実務経験を根拠とする場合には、単に勤続年数を示すだけでなく、どのような役割を担っていたかを具体的に整理することが重要です。
4-3.特定技能2号への変更申請の流れ
一般的には、次のような流れで準備を進めます。
- 本人の在留資格・在留期限を確認する
- 2号試験の合格状況を確認する
- 実務経験要件を確認する
- 実務経験証明書や雇用関係資料を準備する
- 受入れ企業の要件や必要書類を確認する
- 在留資格変更許可申請書などを作成する
- 出入国在留管理庁へ申請する
- 審査結果に応じて、追加資料などに対応する
必要書類は、本人の状況や受入れ機関の区分によって異なります。実務経験や試験の要件を満たしていることと、在留資格変更の許可を受けることは別です。申請前に最新の運用要領と提出書類一覧を確認しましょう。
4-4.在留期限が迫っている場合の注意点
特定技能1号の在留期限が迫っているにもかかわらず、試験の受験や必要書類の準備が間に合わない場合は、早めに対応を検討する必要があります。
特定技能2号への移行を希望する場合に利用できる特定活動の制度が設けられていますが、利用には合理的な理由や所定の要件が必要です。自動的に在留が認められる制度ではありません。
「2号へ移行する予定だから、期限が過ぎても大丈夫」と考えるのは危険です。
在留期限、試験日程、実務経験の証明、受入れ機関の手続きなどを早めに整理し、必要な申請を計画的に進めましょう。
公式情報:
出入国在留管理庁「特定技能関係の特定活動(特定技能2号への移行を希望する場合)」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/10_00001.html
5.転職・退職・一時帰国に伴う届出と手続き
外国人従業員の転職・退職・一時帰国などが発生した場合、本人と企業の双方で必要な確認や届出があります。
特に特定技能外国人については、受入れ機関側にも届出義務があるため、退職が決まった時点で必要な手続きを確認しましょう。
5-1.外国人本人による所属機関に関する届出
中長期在留者のうち、所属機関に関する届出の対象となる在留資格を持つ外国人は、所属機関の変更などがあった場合、原則として事由が生じた日から14日以内に届出を行う必要があります。
例えば、次のような場合です。
- 退職した
- 転職した
- 契約が終了した
- 新たな所属機関と契約した
- 所属機関の名称や所在地などに変更があった
ただし、必要な届出の種類は在留資格によって異なります。すべての在留資格に同じ届出が適用されるわけではないため、本人の在留資格を確認してください。
5-2.転職時は新しい勤務先での業務内容を確認する
転職先が決まった場合でも、現在の在留資格で新しい勤務先の業務に従事できるとは限りません。
例えば、専門的な業務を前提とする在留資格では、転職先で行う業務がその在留資格に該当するかを確認する必要があります。
特定技能の場合も、新しい受入れ機関との雇用契約や、受入れ機関側の要件などを確認したうえで、原則として在留資格変更許可申請などの手続きを行います。
転職先が決まったことと、新しい勤務先で就労できることは同じではありません。
許可が必要なケースでは、許可を受ける前に新しい勤務先で働き始めないよう注意してください。
5-3.特定技能外国人が退職する場合の企業側の届出
特定技能所属機関には、特定技能外国人の雇用契約が終了した場合や、受入れの継続が困難になった場合などに、所定の届出を行う義務があります。
受入れ継続が困難となった場合は、実際に退職する日まで待つのではなく、継続が困難となった時点での届出が必要となる場合があります。
また、退職や一定期間以上活動できない事由などについて、原則14日以内の届出が求められるケースがあります。
企業側では、退職届を受理した時点で、次の事項を確認しましょう。
- 雇用契約の終了日
- 特定技能関係の届出の要否と期限
- 登録支援機関への連絡
- 外国人本人への必要な案内
- 社会保険・雇用保険などの資格喪失手続き
- 未払い賃金や最終給与の精算
- 転職・帰国に伴う支援の必要性
5-4.一時帰国する場合の注意点
外国人従業員が一時帰国する場合は、在留資格・在留期間、再入国の予定、休暇期間、雇用契約の継続などを確認する必要があります。
有効な在留資格と在留期間があり、所定の条件を満たす場合は、出国時に再入国許可またはみなし再入国許可の制度を利用できることがあります。
ただし、出国時の手続きや再入国できる期限などを誤ると、予定どおりに日本へ戻れないおそれがあります。
また、長期間の帰国や休業が発生する場合は、在留資格に関する活動状況や、企業側の届出義務なども確認してください。
5-5.転職・退職・帰国時の社内管理
企業では、外国人従業員の退職・転職・帰国の情報を人事担当者だけで管理するのではなく、在留資格管理台帳などに記録し、届出漏れを防ぐ体制を整えることをおすすめします。
公式情報:
出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」
https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/nyuukokukanri10_00002
6.税金・年金・社会保険の未納は在留資格の審査に影響する?
在留期間更新や在留資格変更の審査では、外国人本人の活動状況だけでなく、納税義務や社会保険に関する状況なども考慮されます。
そのため、税金・年金・健康保険料などの未納がある場合は、早めに状況を確認し、必要な対応を行うことが重要です。
6-1.税金の未納
在留資格の変更・更新では、納税義務を履行していることが審査上の考慮要素となります。
例えば、次のような事項が確認対象となることがあります。
- 住民税の課税・納税状況
- 所得税などの納税状況
- 未納の金額や期間
- 未納となった理由
- 納付状況や今後の対応
納税義務があるにもかかわらず、高額または長期間にわたって未納となっている場合などは、審査で不利な事情として評価される可能性があります。
ただし、未納が一度でもあれば必ず不許可になるというわけではありません。未納の内容や理由、納付状況などを含め、個別の事情が総合的に判断されます。
6-2.年金・健康保険料の未納
国民年金保険料や国民健康保険料など、法令上納付義務がある保険料についても、未納の状況によっては在留審査に影響する可能性があります。
企業に雇用されている外国人については、加入要件を満たす場合に健康保険・厚生年金などへの加入が必要です。
企業は、外国人従業員についても日本人従業員と同様に、社会保険の加入要件を確認し、適切な手続きを行わなければなりません。
「外国人だから社会保険に加入しなくてもよい」という取扱いはできません。
6-3.企業側の社会保険手続きにも注意
在留資格の審査では、本人の公的義務の履行状況に加えて、受入れ企業の適正な雇用管理も重要です。
企業が社会保険の加入義務を果たしていない場合や、雇用契約・報酬の支払いに問題がある場合には、在留資格の申請に関連して確認や説明を求められる可能性があります。
そのため、企業は次の事項を定期的に確認しましょう。
- 社会保険の加入対象者を適切に加入させているか
- 給与から控除した保険料を適切に納付しているか
- 労働条件通知書と実際の勤務条件が一致しているか
- 給与や残業代を適切に支払っているか
- 税金や保険料の納付に問題がないか
6-4.未納が判明した場合の対応
税金や保険料の未納が判明した場合は、まず未納の内容、金額、対象期間、納付義務者を確認しましょう。
そのうえで、自治体、年金事務所、税務署などの関係機関に確認し、必要な納付や相談を進めることが重要です。
未納の経緯や納付状況について説明が必要な場合には、関係資料を整理し、申請内容に応じた準備を行います。
なお、納付すれば必ず在留資格が許可されるというものではありません。審査では、未納の経緯などを含む個別の事情が総合的に判断されます。
公式情報:
出入国在留管理庁「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyuukokukanri07_00058.html
7.在留資格取消し・不法就労を防ぐために企業が知っておくべきこと
外国人を雇用する企業は、在留資格の確認を怠ると、不法就労を発生させてしまうおそれがあります。
不法就労に該当する状況が生じた場合、外国人本人だけでなく、企業側も法令上の責任を問われる可能性があります。
7-1.在留資格に合わない業務に従事させない
外国人が日本で就労できる範囲は、保有する在留資格によって異なります。
例えば、専門的な知識・技術を用いる業務を前提とする在留資格では、単純に人手が足りないという理由で、資格に該当しない業務を継続的に行わせることはできません。
特定技能についても、認められた分野・業務の範囲を守る必要があります。
採用時だけでなく、配置転換、職務変更、事業内容の変更があった場合にも、在留資格との適合性を確認しましょう。
7-2.在留期間が切れた外国人を就労させない
在留カードの在留期間を確認し、期限管理を徹底してください。
更新申請を行っている場合でも、申請の受付状況や特例期間の適用条件を確認し、就労を継続できるかどうかを判断する必要があります。
単に「更新申請を出したと聞いている」というだけで判断せず、申請状況を確認することが重要です。
7-3.在留資格取消しの主なケース
在留資格取消し制度では、例えば次のようなケースが対象となることがあります。
- 偽りや不正な手段によって在留資格を取得した
- 虚偽の書類を提出して許可を受けた
- 在留資格に基づく活動を行わず、他の活動を行っている
- 正当な理由なく、在留資格に基づく活動を継続して一定期間行っていない
- 住居地の届出を行わない
- 虚偽の住居地を届け出た
就労系の在留資格では、正当な理由なく本来の活動を継続して3か月以上行っていない場合など、在留資格取消しの対象となる可能性があります。ただし、法律上の要件や正当な理由の有無などを踏まえて判断されます。
退職しただけで直ちに在留資格が取り消されるわけではありませんが、退職後の活動状況や届出を適切に管理する必要があります。
7-4.企業が整備しておきたい管理体制
不法就労や在留資格に関するトラブルを防ぐため、企業では次のような体制を整えることをおすすめします。
- 在留カードの確認手順を定める
- 在留期間の満了日を一覧表で管理する
- 更新申請の担当者と期限を明確にする
- 採用時に業務内容と在留資格の適合性を確認する
- 配置転換や職務変更時に在留資格を再確認する
- 退職・転職時の届出をチェックリスト化する
- 特定技能の場合は、受入れ機関としての届出・支援義務を管理する
- 給与、税金、社会保険などの資料を適切に保管する
公式情報:
出入国在留管理庁「在留資格の取消し」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/torikeshi_00002.html
8.2026年10月時点の制度改正と今後の留意点
外国人雇用に関する制度は、法令改正や運用の見直しが行われることがあります。企業は、過去の手続き方法をそのまま使い続けるのではなく、最新の制度を確認することが重要です。
8-1.2026年10月1日からの在留許可手数料の改定
2026年10月1日から、在留資格変更・在留期間更新などの手数料が改定されました。
在留期間に応じた料金体系となり、オンライン申請では決済方法も変更されています。
外国人従業員を複数名雇用している企業は、更新時期と費用を一覧化し、年間予算を見直しましょう。
8-2.特定技能の受入れ・届出管理を継続する
特定技能外国人の受入れでは、雇用契約、支援計画、届出、協議会への対応など、企業側に求められる事項があります。
受入れ後も、退職や雇用条件の変更、支援委託契約の変更などがあった場合には、届出の要否を確認する必要があります。
企業の担当者が交代しても管理が途切れないよう、届出の期限と担当者を明確にしておくことが大切です。
8-3.育成就労制度への移行を見据えた準備
技能実習制度に代わる育成就労制度は、2027年4月1日の施行が予定されています。
制度移行に伴い、外国人材の受入れ計画、雇用管理、転籍の取扱い、関係機関との連携などについて、企業側で確認すべき事項が生じます。
ただし、育成就労制度と特定技能制度は同じものではありません。施行前後の経過措置や個別の取扱いを含め、最新の公表資料を確認する必要があります。
現在、技能実習生や特定技能外国人を受け入れている企業は、今後の採用・育成計画を立てる際に、制度変更の影響を確認しておくとよいでしょう。
8-4.オンライン申請やデジタル手続きの確認
在留申請オンラインシステムの利用や手数料の納付方法など、手続きのデジタル化も進んでいます。
オンライン申請を利用する場合は、利用対象者、申請できる手続き、必要なアカウント、手数料の納付方法などを確認してください。
オンラインで申請できることと、すべての手続きがオンラインで完結することは同じではありません。個別の申請内容に応じて、最新の案内を確認する必要があります。
9.行政書士法人塩永事務所の外国人雇用・在留資格サポート
外国人を雇用する企業では、採用から在留期間更新、転職・退職時の届出、特定技能の受入れ管理まで、継続的な対応が必要です。
しかし、日々の事業運営と並行して、制度の変更を確認し、必要書類を整え、期限を管理することは簡単ではありません。
行政書士法人塩永事務所では、企業の外国人雇用に関する在留資格手続きについて、個別の状況に応じた相談・申請支援を行っています。
主なサポート内容
① 在留期間更新許可申請
在留期限、必要書類、雇用状況などを確認し、更新申請に必要な書類の作成・準備を支援します。
② 在留資格変更許可申請
留学生からの就職、技能実習から特定技能への移行、特定技能1号から2号への移行など、個別の状況に応じて必要な手続きを確認します。
③ 特定技能外国人の受入れに関する相談
農業分野を含め、特定技能の業務範囲、受入れ機関の要件、必要書類、届出などについて相談を承ります。
④ 転職・退職に伴う手続きの確認
外国人本人や受入れ企業に必要となる届出、在留資格の変更の要否などを確認し、手続き漏れを防ぐための整理を支援します。
⑤ 在留資格管理体制の整備
在留期間の管理、更新時期の確認、必要書類の整理など、企業内で継続的に管理するための体制づくりをサポートします。
⑥ 制度改正に関する相談
在留申請手数料の改定や特定技能制度の運用変更など、企業に影響する制度について、必要な確認事項を整理します。
※実際の支援範囲は、案件の内容や申請人・企業の状況によって異なります。申請内容によっては、他の専門家や関係機関への確認が必要となる場合があります。許可・認定などの結果を保証するものではありません。
10.外国人雇用の在留資格手続きでお困りの企業様へ
外国人雇用では、採用時の在留資格確認だけでなく、雇用を継続する間の更新申請、業務内容の管理、退職・転職時の届出など、継続的な管理が重要です。
特に、2026年10月からの在留許可手数料の改定や、特定技能制度の運用、今後の育成就労制度への移行など、企業が把握しておきたい事項は少なくありません。
次のような場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
- 在留期間の満了日が近づいている
- 更新申請に必要な書類が分からない
- 在留資格変更が必要か判断できない
- 農業分野の特定技能外国人に任せられる業務を確認したい
- 特定技能1号から2号への移行を検討している
- 転職・退職に伴う届出が分からない
- 税金・年金・社会保険の未納について不安がある
- 外国人雇用の管理体制を整えたい
行政書士法人塩永事務所では、企業の状況をお伺いし、必要な手続きと確認事項を整理したうえで、適切な申請準備をサポートします。
「どの在留資格を申請すればよいのか分からない」「更新の準備を始めたい」「特定技能の受入れについて相談したい」という段階でも、お気軽にお問い合わせください。
行政書士法人塩永事務所
認定経営革新等支援機関
所在地:〒862-0950 熊本県熊本市中央区水前寺1-9-6
電話:096-385-9002
外国人雇用・在留資格に関するご相談は、行政書士法人塩永事務所までお問い合わせください。
※本記事は2026年10月時点の公表情報をもとに作成しています。制度、申請手数料、必要書類、運用要領などは変更される場合があります。申請前には必ず出入国在留管理庁・農林水産省などの最新情報をご確認ください。
主な参考資料
- 出入国在留管理庁「在留許可手数料の改定」
https://www.moj.go.jp/isa/01_00644.html - 出入国在留管理庁「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyuukokukanri07_00058.html - 出入国在留管理庁「農業分野」
https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/agriculture.html - 農林水産省「農業分野における外国人材の受入れ」
https://www.maff.go.jp/j/keiei/foreigner/index.html - 出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」
https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/nyuukokukanri10_00002
