
【2026年10月時点】第二種旅行業登録の手続きガイド|要件・基準資産額・営業保証金・必要書類を熊本の行政書士が解説
熊本で第二種旅行業登録をお考えなら、認定経営革新等支援機関の行政書士法人塩永事務所へ
国内ツアーの企画・販売や、訪日外国人向けの国内旅行サービスを事業にするには、旅行業法に基づく登録が必要です。第二種旅行業は、国内の募集型企画旅行を自社で企画・販売できる登録区分です。一方で、財産的基礎、旅行業務取扱管理者の選任、営業所の確保、旅行者保護のための保証制度など、複数の要件があります。
熊本市中央区水前寺の行政書士法人塩永事務所は、認定経営革新等支援機関です。登録申請の手続きに加え、法人設立、資金計画、事業計画の整理まで支援します。本記事では、要件、手続き、必要書類、費用、登録後の義務を解説します。
1. 第二種旅行業とは
第二種旅行業は、旅行業法に基づく登録区分の一つです。主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けます。熊本県内に主たる営業所を置く場合は、熊本県知事の登録となります。
取り扱える業務
- 国内の募集型企画旅行(パッケージツアー)
- 国内・海外の受注型企画旅行
- 国内・海外の手配旅行
- 他社が実施する募集型企画旅行の代売
取り扱えない業務:海外の募集型企画旅行。これを自社で企画・実施する場合は、第一種旅行業の登録が必要です。
| 登録区分 | 募集型企画旅行 | 登録行政庁 | 基準資産額 |
|---|---|---|---|
| 第一種 | 国内・海外 | 観光庁長官 | 3,000万円以上 |
| 第二種 | 国内のみ | 都道府県知事 | 700万円以上 |
| 第三種 | 営業所の所在する市町村、隣接市町村など、限定された区域内 | 都道府県知事 | 300万円以上 |
| 地域限定 | 限定された区域内 | 都道府県知事 | 100万円以上 |
※受注型企画旅行・手配旅行は、第三種・地域限定では取り扱える範囲が限定されます。
2. 第二種旅行業が向いている事業
報酬を得て旅行業務を事業として行う場合は、原則として登録が必要です(無登録営業は罰則の対象です)。
- 国内ツアーの企画・販売:熊本発の日帰り観光ツアー、阿蘇・天草などの周遊ツアー、温泉地を巡る宿泊旅行、地域の祭りや文化体験を組み合わせた旅行商品
- 企業・団体向けの旅行企画:社員研修旅行、視察旅行、学校・団体の旅行、インセンティブ旅行
- 訪日外国人向けの国内旅行:日本国内の宿泊、交通、体験を組み合わせた商品の企画・販売
インバウンドで注意する点
海外の旅行会社から依頼を受け、国内の宿泊や運送を手配する「ランドオペレーター業務」は、旅行サービス手配業の登録対象になる場合があります。旅行業の登録を受けている事業者は、この手配業の登録が不要となる扱いです。ただし、業務の実態によって取り扱いが異なるため、事前に確認してください。
ハイヤー事業との組み合わせ
旅行業登録だけでは、自社車両による有償の旅客運送はできません。自社で運送を行うなら、道路運送法の許可(一般乗用旅客自動車運送事業など)が別に必要です。運送を外部の許可事業者に委託する場合は、契約内容を整理する必要があります。
3. 登録の主な要件
旅行業法第6条に基づく登録拒否事由に当たらないことが、登録の条件です。主な要件は次のとおりです。
3-1. 基準資産額700万円以上
財産的基礎として、基準資産額が700万円以上であることが必要です(旅行業法施行規則第3条・第4条)。
基準資産額は、貸借対照表を基にした次の算式で算定します。
基準資産額 = 資産の額 − 繰延資産・営業権の額 − 負債の額
銀行口座に700万円があれば足りる、という意味ではありません。資本金700万円で設立しても、設立費用などが繰延資産に計上されたり、負債が生じたりすれば、基準資産額は下回ります。設立時に余裕を持った資本金を設定し、申請時の貸借対照表で確認する必要があります。
3-2. 営業保証金または弁済業務保証金分担金
旅行者保護のため、旅行業者は営業保証金の供託が必要です。ただし、旅行業協会(JATAまたはANTA)の保証社員になれば、営業保証金の供託は不要となり、弁済業務保証金分担金の納付で足ります。
| 区分 | 最低額(目安) |
|---|---|
| 営業保証金 | 1,100万円 |
| 弁済業務保証金分担金 | 220万円 |
実際の額は、前年度の旅行業務の取扱額に応じて決まります。協会には、分担金のほかに入会金や年会費もかかります。
3-3. 旅行業務取扱管理者の選任
- 第二種旅行業では、総合旅行業務取扱管理者または国内旅行業務取扱管理者を選任します。地域限定の資格は、地域限定旅行業向けです。
- 営業所ごとに1名以上を選任し、常勤の専任者であることが必要です。
- 営業所の従業員数に応じて、複数の選任が必要になる場合があります。
- 資格者の確保には、採用や試験の準備が必要です。スケジュールに最も影響しやすい要件です。
3-4. 営業所の確保
- 営業所としての使用権原(賃貸借契約書など)が必要です。
- 旅行者への対応や契約管理ができる、実態のある事務所であることが求められます。
- バーチャルオフィスなどは、営業実態を踏まえて登録可否が判断されます。事前に確認してください。
3-5. 欠格事由に該当しないこと
申請者(法人の場合は役員を含む)が、次のような事由に該当しないことが必要です。
- 旅行業等の登録を取り消されて5年を経過しない者
- 禁錮以上の刑、または旅行業法違反による罰金刑を受けて5年を経過しない者
- 暴力団員等に該当する者
- 営業所に旅行業務取扱管理者を確実に選任すると認められない者 など
4. 申請先(熊本県)
主たる営業所が熊本県内にある場合の窓口は、熊本県観光文化部観光振興課です(所在地:熊本市中央区水前寺6丁目18番1号)。申請書と添付書類を郵送または持参で提出します。
様式、手数料、審査期間などは、申請時点の県の案内で必ず確認してください。
5. 主な必要書類
新設法人か既存法人かで異なります。一般的には、次のような書類を準備します。
- 法人関係:登録申請書、定款、登記事項証明書、役員の履歴書、欠格事由に該当しない旨の誓約書
- 財産関係:貸借対照表(新設法人は開始貸借対照表)、基準資産額を示す書類、営業保証金・分担金に関する書類
- 営業所・管理体制関係:営業所の使用権原を示す書類、旅行業務取扱管理者の選任を示す書類(資格証明書、雇用関係を示す書類など)、事業計画書、旅行業約款、取扱料金表
最終的な書類一覧は、熊本県の案内に従ってください。
6. 手続きの流れ
- 事業計画の整理:商品の種類、営業範囲、顧客層、営業所を決めます。
- 財産要件・資金計画の確認:基準資産額と保証金(または分担金)を含む資金を確認します。
- 営業所・管理者の確保
- (新設法人の場合)法人設立:定款の事業目的に旅行業を記載します。
- 書類作成と登録申請:熊本県へ提出します。補正が求められる場合があります。
- 登録通知
- 保証措置の履行:営業保証金を供託して届け出るか、旅行業協会に入会して分担金を納付します。法令で期限が定められているため、通知後すぐに対応してください。
- 営業開始:登録票を掲示し、旅行業約款と取扱料金表を整え、保証措置の手続き完了後に開始します。
登録通知を受けただけでは、営業を開始できません。
登録後の義務
- 登録の有効期間は5年です。更新申請は、有効期間満了日の2か月前までに提出します。
- 事業年度ごとの取扱額の報告や、登録事項の変更届出などが必要です。
7. 費用の整理
| 費用項目 | 内容 |
|---|---|
| 登録手数料 | 県に納付(新規の額は要確認) |
| 営業保証金/分担金 | 取扱額により異なる(最低 1,100万円/220万円) |
| 旅行業協会の費用 | 入会金、年会費など。協会により異なる |
| 法人設立費用 | 登録免許税、定款認証費用など |
| 行政書士報酬 | 書類作成、要件確認、申請支援 |
基準資産額は財産的基礎の条件で、手数料や報酬とは別の概念です。お見積もりの際は、法定費用、協会関係費用、設立費用、報酬を区分して確認しましょう。
8. 認定経営革新等支援機関である当事務所の強み
認定経営革新等支援機関は、中小企業等経営強化法に基づいて国が認定する経営支援の専門家です。
- 登録申請と計画づくりを一体で支援:基準資産額の確保、保証金、開業後の運転資金を含めた資金計画を整理します。
- 法人設立から登録までを設計:定款の事業目的、資本金、設立時期、登録申請の順序を整えます。
- 関連許認可の整理:ハイヤー事業、宿泊施設運営などを組み合わせる場合に、必要な許認可を整理します。
- 補助金・融資の相談:制度の要件に沿って活用を検討します。
なお、認定経営革新等支援機関であることで、登録の可否や補助金の採択が保証されるものではありません。登録の可否は、法令上の要件と行政庁の審査で決まります。
9. よくある質問
Q1. 基準資産額はいくら必要ですか?
700万円以上です。資本金の額ではなく、貸借対照表を基に、繰延資産や営業権を除いて算定します。
Q2. 新設法人でも登録できますか?
できます。法人設立の手続きに加え、基準資産額、営業所、旅行業務取扱管理者、保証措置の要件を満たす必要があります。
Q3. 保証金はいくら必要ですか?
営業保証金は最低1,100万円、旅行業協会の保証社員になる場合の分担金は最低220万円です。実際の額は、取扱額に応じて決まります。
Q4. 認定経営革新等支援機関に依頼するメリットは?
許認可申請に加えて、事業計画や資金計画、創業準備まで相談できる点です。
Q5. ハイヤー事業と同時に進められますか?
並行して準備できますが、旅行業登録と運送事業の許可は別の手続きです。要件、審査期間、必要資金を整理して計画してください。
10. お問い合わせ
行政書士法人塩永事務所
所在地:熊本市中央区水前寺
電話:096-385-9002
受付時間:9:00~19:00(月~金)/土日祝休み
メールの返信は、土日祝を除き24時間以内を目安としています。
参考情報
- 観光庁「旅行業法」:https://www.mlit.go.jp/kankocho/seisaku_seido/ryokogyoho/index.html
- 観光庁「旅行業法概要」:https://www.mlit.go.jp/kankocho/seisaku_seido/ryokogyoho/ryokogyohogaiyo.html
- e-Gov法令検索「旅行業法施行規則」:https://laws.e-gov.go.jp/law/346M50000800061
※本記事は一般的な制度解説です。申請にあたっては、最新の法令、熊本県の案内、旅行業協会の制度を確認してください。
