
令和8年熊本地震営農再開支援事業とは?対象者・補助対象経費・申請時の注意点を解説
令和8年熊本地震により被災した農業者を対象として、農業用機械や農業用施設等の復旧・再建を支援する「令和8年熊本地震営農再開支援事業」が実施されています。
本事業は、被災した農業者の早期の営農再開と農業経営の継続を支援するための制度です。補助内容や申請期限は、市町村、事業区分、被害の内容によって異なるため、申請を検討する場合は、早めに市町村の農政担当窓口へ確認することが重要です。
事業の概要
熊本県は、令和8年熊本地震によって被害を受けた農業用機械・農業用施設等の復旧を支援するため、本事業を創設しています。
熊本県の公表資料では、本事業の概要は「令和8年熊本地震により被災した農業用機械・施設等の復旧に対する助成」とされています。また、令和8年度の予算額は58億2,934万5,000円とされています。[]
対象となる復旧内容の例として、次のようなものが挙げられます。
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農業用機械の修繕
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農業用機械の再取得
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農業用ハウス等の農業用施設の修繕・再建
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畜舎その他の営農施設の復旧
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農産物の生産・加工に必要な施設や機械の復旧
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被災した施設等の撤去や補強
ただし、具体的な補助率、対象経費、申請期限、対象となる被害の範囲は、市町村が実施する募集要領によって異なる場合があります。
対象となる農業者
一般的には、次の要件を満たす農業者が対象となります。
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令和8年熊本地震により農業用機械、施設、農地または農業関連設備等に被害を受けていること
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復旧後も農業経営を継続する意思があること
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農産物の生産または生産物の加工を行っていること
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出荷伝票、確定申告書、農業所得に関する資料等により、営農実態を確認できること
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市町村その他の実施主体が定める要件を満たしていること
対象者には、個人農業者のほか、農業法人、農業者団体等が含まれる場合があります。
もっとも、「農業を営んでいること」の確認方法や、対象となる農業者の範囲は自治体ごとに異なる可能性があります。農業収入が少ない場合、被災時点で休業していた場合、法人化の前後に被災した場合などは、個別の確認が必要です。
対象となる経費
本事業では、農業経営の再開・継続に必要な農業用機械や施設等の復旧費が中心となります。
農業用機械
対象となり得る経費には、次のようなものがあります。
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被災したトラクター、田植機、コンバイン等の修理費
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農産物の生産に必要な機械の再取得費
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農産物の加工に必要な機械の修繕費・再取得費
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被災した農業用機械の撤去や処分に要する費用
なお、単なる老朽化による買替えや、地震による被害との因果関係が確認できない機械の更新は、対象外となる可能性があります。
農業用施設
次のような施設の修繕・再建等が対象となる場合があります。
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農業用ハウス
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畜舎
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育苗施設
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農産物の保管施設
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農産物の選果・調製施設
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農産物の加工施設
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施設に付属する設備
自ら修繕・再建を行う場合に、必要な資材の購入費が対象となる制度もあります。ただし、作業人件費の扱いや、親族・従業員による作業の取扱いは、自治体の要領を確認する必要があります。
補助率について
公表されている制度情報では、事業費の10分の9以内を補助する内容が示されています。[]
一方で、自治体の募集情報では、対象物によって補助率が区分されている例もあります。例えば宇城市の公表情報では、農業用機械・畜舎等の修繕または再取得は9割、農業用ハウス等の修繕または再取得は7割、被災施設等の撤去は8割とされています。[]
したがって、「すべての経費が一律に9割補助になる」とは限りません。補助率は、次の事情により変わる可能性があります。
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修繕、再取得、撤去、補強のいずれに該当するか
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対象となる機械・施設の種類
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園芸施設共済等への加入状況
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保険金や共済金の受領状況
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国、県、市町村の負担区分
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自治体ごとの募集要領
補助金額の算定にあたっては、保険金や共済金、他の災害復旧制度による給付との重複調整が行われる場合があります。
ソフト事業との違い
令和8年熊本地震営農再開支援事業には、農業用機械・施設等の復旧を対象とする「ハード事業」のほか、営農再開に必要な資材や作業等を支援する「ソフト事業」があります。
ソフト事業では、自治体の制度内容に応じて、次のような取組が対象となる場合があります。
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種子・種苗等の購入
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被災した農業用機械のレンタル
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一部作業の委託
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作物転換に必要な資材の購入
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作物残さや飛散したガラス・ハウス資材の撤去
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肥料・農薬の購入
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土壌診断
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生育回復のための追加的な作業
山鹿市では、ソフト事業について、令和8年10月16日午後5時を提出期限とする要望調査が案内されています。[]
ただし、この期限は山鹿市のソフト事業に関するものであり、熊本県内のすべての市町村や、ハード事業に共通する期限ではありません。申請先が所在する市町村の最新情報を確認してください。
申請前に準備する資料
申請では、地震による被害の状況、復旧内容、営農継続の見込み、事業費などを具体的に説明する必要があります。
一般的には、次の資料を準備します。
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補助金交付申請書
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事業計画書
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被害状況が分かる写真
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被災した機械・施設の一覧表
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修理前の状態を示す写真
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修繕または再建に関する見積書
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機械・施設の所有を確認できる資料
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固定資産台帳、領収書、購入契約書等
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出荷伝票、販売記録、確定申告書等の営農実績資料
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園芸施設共済その他の保険・共済に関する資料
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保険金・共済金の支払通知書
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事業実施場所の位置図
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交付申請者の本人確認書類または法人関係書類
必要書類は、申請者の形態や復旧内容によって異なります。法人の場合は、履歴事項全部証明書、定款、直近の決算書、法人税申告書等の提出を求められることもあります。
申請時の重要な注意点
交付決定前の着工に注意
補助金では、原則として交付決定前に契約、発注、購入、工事着手を行うと、対象経費として認められないことがあります。
緊急復旧の必要がある場合でも、事前着手の承認制度や、災害復旧に関する特例の有無を必ず確認してください。自己判断で修理や購入を進めると、補助対象外となるおそれがあります。
地震被害と経費の関係を明確にする
単なる経年劣化や故障ではなく、令和8年熊本地震による被害であることを説明できなければなりません。
そのため、次の資料を残しておくことが重要です。
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被災直後の写真
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被災日時・場所・状況の記録
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修理業者による被害原因の説明
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修理前後の写真
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被災箇所を示した図面
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地震前の稼働状況を示す資料
見積書の取り方を確認する
複数者からの見積りが必要か、同一業者による一括見積りでよいか、機械本体と設置費を分ける必要があるかは、制度の運用によって異なります。
また、補助対象外となる経費が見積書に含まれている場合は、対象経費と対象外経費を明確に区分する必要があります。
他の補助金との重複に注意する
同一の機械・施設・経費について、複数の補助金を重複して受けることはできない場合があります。
農業共済、保険金、災害復旧事業、自治体独自の支援金、融資制度などを利用している場合は、申請時に必ず申告してください。
行政書士法人塩永事務所の支援
行政書士法人塩永事務所では、令和8年熊本地震により被災した農業者の皆様について、補助金申請に関する次のような支援を行っています。
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対象制度・対象事業区分の確認
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補助対象経費の整理
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必要書類の確認
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被害状況と復旧計画の整理
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事業計画書・申請書類の作成支援
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見積書・保険金・共済金等の整理
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市町村窓口への確認事項の整理
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実績報告や請求手続きに向けた書類整理
本事業は、同じ熊本県内であっても、市町村や事業区分によって申請期限、補助率、対象経費、必要書類が異なる場合があります。
「自分の被害が対象になるか分からない」「修理を先に進めてよいか不安」「保険金を受け取っている場合の補助額を確認したい」といった場合は、契約・発注・着工前にご相談ください。
まとめ
令和8年熊本地震営農再開支援事業は、被災した農業者の営農再開と経営継続を支援する重要な制度です。
主なポイントは次のとおりです。
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農業用機械・施設等の修繕、再建、再取得等が支援対象となる
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ソフト事業では、資材購入、機械レンタル、作業委託、撤去等が対象となる場合がある
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補助率は対象経費や自治体によって異なる
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交付決定前の発注・契約・着工には注意が必要
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地震被害を証明する写真や資料の保存が重要
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申請期限や募集内容は市町村ごとに確認する必要がある
制度の詳細は、熊本県および申請先となる市町村の最新の募集要領をご確認ください。公表資料上、熊本県の本事業予算は58億2,934万5,000円とされていますが、個別の農業者に対する補助額や補助率を示すものではありません。[]
