
【2026年最新】くまもと事業者再出発支援補助金|補助率3/4・最大15億円・多重被災事業者の定額補助を行政書士が解説
令和8年熊本地震で被災した事業者の「再建・再出発」を支援する大型補助金
令和8年(2026年)7月28日に発生した熊本地震により、店舗、事務所、工場、倉庫、機械設備、事業用車両などに被害を受けた事業者を対象として、**「くまもと事業者再出発支援補助金」**の申請受付が始まりました。
本補助金は、令和8年熊本地震によって被災した事業用の施設・設備の復旧に要する経費の一部を、国と熊本県が支援する制度です。
単なる新規設備投資を支援する補助金ではなく、被災した事業用施設・設備等を復旧し、事業の再建を図ることが制度の中心となっています。
通常の中小企業者等は、補助率3/4・1事業者あたり補助上限3億円、中堅企業等は補助率1/2・補助上限3億円です。
さらに、一定の要件を満たす**「多重被災事業者」**については、5億円まで定額補助(10/10)が適用され、補助上限額は15億円となります。
一方、一定の要件を満たす**「特定被災事業者」**についても補助上限額は15億円となりますが、定額補助ではありません。
行政書士法人塩永事務所は、認定経営革新等支援機関として、被災状況の整理、補助対象経費の確認、多重被災事業者等への該当性の検討、企業再建計画、申請書類の整理などを総合的にサポートします。
※本記事は、熊本県が2026年10月1日に作成した「くまもと事業者再出発支援補助金手引き」および2026年10月5日更新の県公式情報を基にしています。制度の詳細や申請時点の最新情報については、必ず熊本県の最新資料をご確認ください。
1.くまもと事業者再出発支援補助金とは?
「くまもと事業者再出発支援補助金」は、令和8年熊本地震によって被災した事業用の施設・設備の復旧に要する経費の一部を国と熊本県が支援し、事業の再建を後押しするとともに、被災地域の速やかな復興を目指す制度です。
熊本県の手引きでは、事業用に使用していた施設・設備を、その所有者が復旧するための補助金とされています。
したがって、通常の「新しい設備を導入したい」「店舗をリニューアルしたい」という目的の補助金とは性質が異なります。
基本となる考え方は、
「令和8年熊本地震によって被災した事業用資産を、事業再開・事業継続のために復旧する」
というものです。
主な対象となるのは、
- 店舗
- 事務所
- 工場
- 倉庫
- 機械・設備
- 事業用車両
などです。
熊本県では、原則として施設は登記、設備・車両は資産計上されているものが対象とされていますが、一定の客観資料によって被災前の所有・事業使用を証明できる場合には、未登記・未資産計上の施設や設備が対象となる場合もあります。
2.補助率・補助上限額
本補助金では、事業者の区分によって補助率・補助上限額が異なります。
| 区分 | 対象事業者 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|---|
| 中小企業者等 | 小規模事業者・個人事業主を含む | 3/4 | 3億円 |
| 中堅企業等 | 中堅企業・みなし中堅企業 | 1/2 | 3億円 |
| 多重被災事業者 | 所定の多重被災要件を満たす事業者 | 5億円まで定額補助(10/10) | 15億円 |
| 特定被災事業者 | 所定の特定被災要件を満たす事業者 | 中小・中堅等の通常補助率に準ずる | 15億円 |
通常の中小企業者等の場合、補助率は3/4です。
例えば、補助対象経費が4億円と認められた場合、単純計算では3億円が補助額となります。
ただし、実際の補助額は、補助対象経費、保険金・共済金等の控除、補助上限額その他の制度要件によって決定されます。
熊本県の手引きでは、補助金額は原則として、
補助対象経費 × 補助率
により算定され、千円未満は切り捨てるとされています。
3.「最大15億円」の意味には注意が必要
本補助金について、
「最大15億円補助される」
という情報だけを見ると、すべての事業者が15億円まで申請できるように誤解する可能性があります。
しかし、実際には15億円の補助上限が適用されるためには、多重被災事業者または特定被災事業者として所定の要件を満たす必要があります。
また、
「15億円=10/10補助」ではありません。
多重被災事業者の場合は、
- 5億円まで:定額補助(10/10)
- 5億円を超える部分:通常の補助率に準ずる
- 補助上限:15億円
という仕組みです。
一方、特定被災事業者は補助上限15億円ですが、定額補助ではありません。
この違いは、申請前に必ず確認しておく必要があります。
4.対象となる事業者
熊本県の手引きでは、基本的に熊本県内に事業所を有する事業者で、所定の中小企業者等または中堅企業等に該当することが必要です。
対象となり得るのは、
- 中小企業者
- 小規模事業者
- 個人事業主
- 中堅企業
- みなし中堅企業
- 所定の要件を満たす多重被災事業者
- 所定の要件を満たす特定被災事業者
などです。
なお、熊本県の手引きでは、士業法人を含む中小企業者の定義が示されています。
一方、
- みなし大企業
- 一次産業を営む農林水産事業者
- 一般財団法人・公益財団法人
- 一般社団法人・公益社団法人
- 医療法人
- 特定非営利活動法人
- 社会福祉法人
- 学校法人
- 信用金庫
- 任意団体
- 宗教法人
- 地方自治体
- 熊本県税に未納がある者
- 暴力団、暴力団員等、暴力団密接関係者
などは、原則として補助対象外とされています。
ただし、農林水産業を営む事業者であっても、加工業・販売業に使用する施設・設備の復旧については対象となる場合があります。
5.中小企業者の判定にも注意
「中小企業だから3/4」と単純に判断するのではなく、熊本県の手引きに定められた中小企業者の定義に該当するかを確認する必要があります。
業種によって、
- 資本金・出資額
- 常時使用する従業員数
の基準が異なります。
さらに、大企業による出資や役員兼務などによって「みなし大企業」に該当する場合には、補助対象外となることがあります。
補助金申請前に、会社規模だけでなく資本関係・役員構成まで確認することが重要です。
6.補助対象となる施設
主な対象施設は、
- 店舗
- 事務所
- 工場
- 倉庫
- その他の事業用建物
などです。
施設については、原則として登記されていることが必要です。
ただし、熊本県の手引きでは、登記されていない施設についても、
- 固定資産課税台帳証明書
- 名寄帳の写し
などによって、被災前から所有していたこと、事業用として使用していたことを客観的に証明できれば、補助対象となる場合があるとされています。
したがって、
「未登記だから絶対に対象外」
とは限りません。
個別の資料を確認したうえで判断する必要があります。
7.建物の修繕・建替え
施設については、修繕による復旧が原則です。
ただし、一定の場合には建替えが認められます。
熊本県の手引きでは、
- 「全壊」と判定された場合
- 「大規模半壊」と判定された場合
- 見積書を比較した結果、修繕費より建替費の方が安価と認められる場合
などには、建替えによる復旧が可能とされています。
つまり、
「地震で壊れたので新しい建物を建てればよい」
という単純な制度ではありません。
被災前の建物、被害状況、修繕可能性、修繕費と建替費の比較などを整理する必要があります。
8.規模拡張・高性能化も可能だが、補助対象額には上限がある
本補助金では、従前よりも規模を拡張した施設への建替えや、高機能・高性能な設備への入替自体が一律に禁止されているわけではありません。
ただし、重要な制限があります。
補助対象となるのは、原状回復のために必要な経費相当額までです。
例えば、
- 被災前と同規模の工場への復旧費:6,000万円
- 実際に建て替える大型工場:1億円
の場合、1億円全額が補助対象となるわけではありません。
原状回復に必要な費用相当額である6,000万円が補助対象経費の上限となる考え方です。
そのため、規模拡張や高性能化を行う場合には、
「原状回復部分」と「グレードアップ部分」
を明確に区分しておくことが非常に重要です。
熊本県の手引きでは、このような場合に原状回復に係る見積書も提出するよう求めています。
9.機械・設備の修理・入替
事業用の機械・設備についても、令和8年熊本地震による被害から復旧するための修理費・入替費が対象となります。
原則として、
修理・修繕による復旧
が基本です。
ただし、
- 修理不能と認められる場合
- 見積書を比較して、修理費より入替費の方が安価と認められる場合
には、設備の入替による復旧が可能です。
「せっかくなら最新型にしたい」というだけでは補助対象になりません。
高性能設備へ入れ替える場合には、被災前と同等の設備へ復旧する場合の費用を把握することが重要です。
10.未資産計上の設備でも対象になる場合がある
設備についても、原則として資産計上されていることが求められます。
しかし、熊本県の手引きでは、資産計上されていない設備であっても、
- 売買契約書
- 購入業者による証明
- メンテナンス業者による証明
- 型番・型式が確認できる資料
- 購入日・メンテナンス日が分かる資料
などにより、被災前から所有し、事業用として使用していたことを客観的に証明できれば、補助対象となる場合があります。
そのため、資産台帳に載っていない設備についても、資料を確認したうえで個別判断することが重要です。
11.事業用車両の復旧・入替
事業用車両についても、被災前に所有していた車両を復旧するための修理費・入替費が対象となる場合があります。
ただし、車両は事業用と私用の区別が重要です。
熊本県の手引きでは、車両について、
- 被災時に申請者が所有していたこと
- 事業用のみに使用していたこと
- 資産計上されていること
- 事業内容に適した車種であること
などが確認されます。
具体的には、
- 車体への企業名・屋号等の表示
- 運行日誌・業務日報
- 自動車保管場所
- 任意保険の使用目的
- その他の事業使用を証明する資料
などが確認資料となります。
したがって、
社長の私用車、従業員の通勤にも使用する車両などは対象外となる可能性が高く、慎重な確認が必要です。
12.車両を入れ替える場合は「永久抹消」に注意
被災車両を新しい車両に入れ替える場合には、被災車両を廃車し、永久抹消することが必要とされています。
また、熊本県の手引きでは、中古市場に出回る車両については修理可能と判断されるため、修理不能申告書を提出したとしても入替による復旧が認められない場合があるとされています。
車両の入替を予定している場合には、先に処分・売却してしまうのではなく、補助制度上必要となる証明関係を確認してから手続きを進めることが重要です。
13.補助対象となる経費
主な補助対象経費は、
施設
- 店舗の修繕
- 事務所の修繕
- 工場の修繕
- 倉庫の修繕
- 建替えに要する費用
など。
設備
- 機械装置の修理
- 被災設備の入替
- 復旧に必要な据付等
など。
車両
- 被災した事業用車両の修理
- 被災車両の入替
などです。
さらに、施設・設備の復旧に付随して必要となる、
- 撤去費
- 処分費
- 据付費
- 運搬費
- 地盤・土壌改良費
などが対象となる場合があります。
ただし、単独で行われる費用は対象外となる場合があります。
14.対象外となる経費
本補助金は、事業に関する費用なら何でも対象になる制度ではありません。
熊本県の手引きでは、例えば、
- 商品
- 在庫
- 仕掛品
- 原材料
- 消耗品
- 汎用性のある備品
- 什器
- ソフトウェア等の無形資産
- 賃貸目的の設備
- 租税公課
- 保険料
- 保守費用
- 地震に係る清掃・消毒費
- 官公庁への各種申請・許認可等の手数料
- 申請代行に係る費用
- 自社で復旧する場合の人件費
などが対象外とされています。
特に重要なのが、
行政書士等への申請代行費用は補助対象経費ではない
という点です。
そのため、専門家への依頼費用については、補助金とは別に自己資金等を準備しておく必要があります。
15.保険金・共済金を受け取った場合
令和8年熊本地震によって被災した施設・設備について、保険金や共済金を受け取っている場合には注意が必要です。
熊本県の手引きでは、
復旧に要する費用から保険金・共済金等を控除した金額
が補助対象経費となります。
例えば、
- 復旧費:1億円
- 保険金:3,000万円
であれば、単純に1億円全額を補助対象経費として計算することはできません。
保険金等の受領状況を確認し、所定の計算を行う必要があります。
申請時には、保険金・共済金の受領を証する書類も準備する必要があります。
16.被害を証明する資料が重要
本補助金では、令和8年熊本地震によって被害を受けたことを客観的に確認できる資料が重要です。
主な資料として、
- 被災・罹災証明書
- 被害状況が分かる写真
- 建物の登記事項証明書
- 固定資産台帳
- 償却資産台帳
- 修理・復旧の見積書
- 設備の仕様書・カタログ
- 車検証
- 保険金・共済金関係資料
- 発注書・契約書
- 請求書
- 領収書等
があります。
特に重要なのが、被害状況の写真です。
建物全体だけではなく、
- 破損箇所
- 建物内部
- 機械設備
- 型番・型式
- 車両の被害状況
など、後から被害状況を確認できる写真を整理しておくことが重要です。
17.100万円以上の工事・購入は原則2者以上の見積書
1件当たりの工事費、修繕費、購入費等が100万円(税込)以上となる場合、原則として2者以上から見積書を取得する必要があります。
ただし、すでに復旧を終えている場合など、やむを得ない理由により複数の見積書を取得することが難しい場合には、**「見積書が不足している理由書」**を提出することで、1者見積もりが認められる場合があります。
大型工事や高額設備の購入を予定している場合には、
「とりあえず1社に発注してしまう」
のではなく、補助金の見積要件を確認してから進めることが重要です。
18.交付決定前に復旧した場合も対象となる特例
本補助金では、原則として交付決定日以降に発生した経費が対象となります。
しかし、今回の制度には重要な特例があります。
熊本県の手引きでは、発災日である令和8年7月28日以降であれば、交付決定前に復旧した経費についても、写真や書類等により被害状況を確認できる場合には補助対象となるとされています。
したがって、
「すでに緊急修理をしてしまったから、もう申請できない」
とは限りません。
ただし、重要なのは、
- 被害写真
- 見積書
- 発注書
- 契約書
- 請求書
- 領収書
- 支払記録
などの証拠資料です。
すでに復旧を行った事業者は、資料を廃棄せず、できるだけ早く整理することをおすすめします。
19.「多重被災事業者」は5億円まで10/10・上限15億円
本補助金の大きな特徴の一つが、多重被災事業者に対する定額補助です。
多重被災事業者に該当すると、
5億円まで定額補助(10/10)
が適用されます。
さらに、5億円を超える部分については通常の補助率に準じる形となり、1事業者あたりの補助上限額は15億円です。
ただし、多重被災事業者となるには、複数の要件をすべて確認する必要があります。
20.多重被災事業者の主な要件
熊本県の手引きでは、以下の要件をすべて満たす事業者が多重被災事業者とされています。
① 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者であること
② 過去10か年度以内に発生した激甚指定災害による被害を受けていること
さらに、その災害について、
- 事業用資産への被災が証明できること
- 当該災害からの復旧・復興に向けて国等が実施した支援を活用したこと
が必要です。
③ 次のいずれかに該当すること
- 過去の災害発生日以降、売上高が20%以上減少している復興途上の事業者
- 令和8年熊本地震発生時に厳しい債務状況にあり、交付申請時に経営再建等に取り組み、かつ認定経営革新等支援機関による事業計画等の確認を受けている事業者
④ 過去の災害からの復旧・復興に向けた事業活動に要した債務を現在も抱えていること
⑤ 令和8年熊本地震によって施設または設備が被災し、その復旧・復興を行おうとしていること
このように、単に、
「以前も災害に遭った」
だけでは多重被災事業者には該当しません。
複数の要件を資料によって確認する必要があります。
21.ここで重要になる「認定経営革新等支援機関」
多重被災事業者の要件の一つとして、
厳しい債務状況にあり、経営再建等に取り組み、認定経営革新等支援機関による事業計画等の確認を受けていること
が定められています。
熊本県は、多重被災事業者の定額補助申請について、
- 企業再建計画
- 認定経営革新等支援機関による確認書
- 金融機関による確認書
- 過去10か年度以内に発生した災害に係る債務を有していることの申請書
などの様式を用意しています。
つまり、認定経営革新等支援機関は、この特定の申請場面で制度上明確な役割を持っています。
22.行政書士法人塩永事務所は「認定経営革新等支援機関」です
行政書士法人塩永事務所は、認定経営革新等支援機関として、補助金申請だけでなく、企業の経営改善・事業再建・資金繰り等を含めた支援を行っています。
くまもと事業者再出発支援補助金についても、単純に申請書を作成するだけではなく、
- 被災資産の整理
- 被害状況の確認
- 補助対象経費の仕分け
- 保険金・共済金の確認
- 修繕・入替・建替えの検討
- 多重被災事業者への該当性の確認
- 特定被災事業者への該当可能性の検討
- 企業再建計画の整理
- 事業計画の確認
- 必要書類の整理
- 申請書類全体の整合性確認
などを総合的にサポートします。
特に、過去の災害による債務を抱えている事業者については、現在の財務状況と過去の災害復旧・復興の経緯を整理することが重要です。
23.「認定経営革新等支援機関に依頼すれば補助金がもらえる」という意味ではありません
ここは誤解のないように注意が必要です。
認定経営革新等支援機関による確認を受けたからといって、補助金の交付が保証されるわけではありません。
また、
「認定支援機関だから採択される」
という制度でもありません。
本補助金では、制度上必要となる場合に、認定経営革新等支援機関による事業計画等の確認が求められます。
したがって、行政書士法人塩永事務所では、
「認定支援機関だから大丈夫」ではなく、「制度要件を満たしているか」「資料によって説明できるか」「復旧計画と事業再建計画に整合性があるか」
を重視しています。
24.「特定被災事業者」と「多重被災事業者」の違い
両者は非常に混同されやすいため、注意が必要です。
| 項目 | 多重被災事業者 | 特定被災事業者 |
|---|---|---|
| 補助上限 | 15億円 | 15億円 |
| 10/10定額補助 | 5億円まであり | なし |
| 5億円超の部分 | 通常の補助率に準ずる | 通常の補助率に準ずる |
| 主な趣旨 | 過去の災害等による復旧・復興の負担を抱え、今回も被災した事業者 | 大規模な被災等により補助申請額が3億円を超える事業者等 |
| 認定・承認 | 所定の要件確認が必要 | 所定の要件を満たし承認が必要 |
特に重要なのは、
特定被災事業者になったから10/10になるわけではない
ということです。
熊本県の手引きでも、特定被災事業者については「定額補助はありません」と明記されています。
25.特定被災事業者は「補助申請額3億円超」がポイント
特定被災事業者については、元原稿のように単純に、
「被害額が3億円を超えた事業者」
と説明するのは正確ではありません。
熊本県の手引きでは、補助額が3億円を超える事業者を想定しており、例えば中小企業者で補助対象経費が4億円を超えるケースが例示されています。
特定被災事業者として承認された場合には、補助上限額が15億円となります。
一方で、定額補助はありません。
したがって、大規模な工場、店舗、倉庫、設備等が被災し、復旧費用が数億円規模になる事業者は、早い段階で特定被災事業者に該当する可能性を確認することが重要です。
26.特定被災事業者にはBCP・保険加入の要件があります
特定被災事業者として申請する場合には、将来の災害への備えも重要になります。
熊本県の手引きでは、
事業継続計画(BCP)の策定
が必要とされています。
BCPについては、
- 熊本県版事業継続計画(BCP)シート
- 事業者独自のBCP
- 国が認定する事業継続力強化計画
などが認められています。
また、自然災害への備えとして、対象となる施設・設備について、
- 中小企業者等:付保割合30%以上
- 中堅企業:付保割合40%以上
の自然災害による損害を補償する保険・共済への加入が要件とされています。
なお、小規模事業者については保険・共済への加入が推奨されています。
27.申請回数は原則1回
本補助金の申請回数は、原則として1事業者1回です。
ただし、施設と設備を分けて申請するなど、分割して申請する場合には、原則として上限2回とされています。
そのため、
「まず店舗だけ申請して、後から機械を追加しよう」
という考え方は慎重に検討する必要があります。
被災した施設、設備、車両等について、できるだけ早い段階で復旧全体を洗い出すことが重要です。
28.申請受付は2026年10月1日から開始
熊本県では、2026年10月1日から第一次申請の受付を開始しています。
今後も毎月、期間を区切って申請を受け付ける予定とされています。
ただし、各回の具体的な申請期間については熊本県のホームページで確認する必要があります。
申請方法は、「くまもと事業者再出発支援補助金受付センター」への郵送または持参です。
申請書類は2部用意し、1部を提出、もう1部を申請者自身の控えとして保管するよう熊本県から案内されています。
29.申請から補助金受領までの流れ
基本的な流れは次のとおりです。
STEP1 被害状況を確認
令和8年熊本地震によって、どの施設・設備・車両が被災したのかを整理します。
↓
STEP2 被災を証明する資料を準備
被災・罹災証明書、写真、資産関係資料等を確認します。
↓
STEP3 復旧方法を検討
修繕、設備入替、建替え等の方法を検討します。
↓
STEP4 見積書を取得
100万円(税込)以上の工事・購入等については、原則2者以上から見積書を取得します。
↓
STEP5 補助対象経費を算定
保険金・共済金等を確認し、対象経費を整理します。
↓
STEP6 必要に応じて企業再建計画等を作成
多重被災事業者の場合には、企業再建計画等を整理します。
↓
STEP7 交付申請
熊本県へ必要書類を提出します。
↓
STEP8 熊本県による審査・交付決定
申請内容を県が審査します。
↓
STEP9 復旧事業の実施
修繕、建替え、設備入替等を行います。
※今回の制度では、令和8年7月28日以降の復旧について、一定の条件を満たせば交付決定前の復旧も対象となり得ます。
↓
STEP10 実績報告
補助事業完了後、15日以内に実績報告を行います。
↓
STEP11 書類確認・現地確認
熊本県が書類審査や必要に応じて現地確認を行います。
↓
STEP12 補助金額の確定
適正と認められた場合に補助金額が確定します。
↓
STEP13 請求・支払い
額の確定後、補助金を請求します。
30.補助金は原則「精算払い」
本補助金は、原則として、
復旧事業の完了 → 実績報告 → 額の確定 → 補助金支払い
という精算払いです。
そのため、事業者側では、復旧費用を一時的に支払うための資金繰りが必要となる場合があります。
ただし、熊本県の手引きでは、一定の要件を満たす場合、交付決定日から実績報告提出日までの間に1回限り概算払いを請求できる制度も設けられています。
概算払いには、施設・設備の復旧と支払いが完了し、供用開始できる状態であることなど、所定の要件があります。
大規模な復旧事業では、補助金だけでなく、自己資金・融資・つなぎ資金を含めた資金繰り計画が重要です。
31.交付決定後の変更にも注意
交付決定を受けた後に、補助事業の内容を変更する場合には注意が必要です。
熊本県の手引きでは、変更内容によっては変更申請等の手続きが必要となります。
例えば、補助対象経費全体の減少額が30%を超える場合などが示されています。
また、交付決定額については、一度決定した額の増額は認められないとされています。
「交付決定を受けた後に工事内容を大きく変える」
といった場合には、自己判断で進めず、事前に確認することが重要です。
32.他の補助金との重複にも注意
同一の施設・設備の復旧について、本補助金と他の国・県等の補助金を重複して利用することはできません。
他の補助制度を利用している場合や、これから申請しようとしている場合には、
「どの資産について、どの補助金を使うのか」
を事前に整理する必要があります。
補助金を組み合わせる場合には、対象経費の重複がないかを慎重に確認することが重要です。
33.補助金受領後も10年間の書類保存が必要
補助金を受け取った後も、事業者には管理義務があります。
補助事業の収支に関する、
- 帳簿
- 契約書
- 請求書
- 領収書
- その他の証拠書類
について、補助事業を完了した年度の終了後10年間保存する必要があります。
また、補助金を利用して復旧した施設・設備については、適切に管理する義務があります。
国による会計検査等が行われる場合もあるため、
「補助金が振り込まれたら終わり」ではありません。
34.補助金で復旧した財産には処分制限があります
本補助金によって復旧した施設・設備は、一定の場合に処分制限財産となります。
一定期間内に、
- 譲渡
- 売却
- 貸付
- 取壊し
- 廃棄
- 担保権の設定
- 事業中止
などを行う場合には、事前に熊本県の承認が必要となることがあります。
処分内容によっては、補助金相当額の返還が必要となる場合もあります。
なお、設備については、取得価格または効用の増加額が50万円以上の場合が処分制限の対象とされています。
35.このような事業者は早めの相談がおすすめです
次のようなケースでは、申請準備を早めに始めることをおすすめします。
- 店舗が地震で被災した
- 工場が被災した
- 倉庫が被災した
- 機械設備が壊れた
- 事業用車両が被災した
- 復旧費用が数千万円規模になる
- 復旧費用が数億円規模になる
- 建物の建替えを検討している
- 機械設備の入替を検討している
- 過去の災害でも被災した
- 熊本地震や豪雨災害に関する既往債務が残っている
- すでに修理・復旧を始めている
- 保険金を受け取っている
- 100万円以上の工事を予定している
- 1社しか見積書が取れない
- 未登記建物を使用している
- 資産台帳に載っていない設備がある
- 多重被災事業者に該当する可能性がある
- 特定被災事業者に該当する可能性がある
- BCPの策定について相談したい
- どの補助対象経費になるのか分からない
36.「自社が対象になるか分からない」という段階からご相談ください
「罹災証明書がまだない」
「すでに修理してしまった」
「設備が固定資産台帳に載っていない」
「建物が未登記」
「保険金を受け取っている」
「見積書が1社しかない」
「過去の災害の借入が残っている」
「多重被災事業者に該当するか分からない」
「復旧費用が3億円を超えそう」
という場合でも、最初から申請を諦める必要はありません。
本補助金は、被災状況、資産の所有関係、復旧方法、保険金、企業規模、過去の災害、債務状況などによって判断が変わります。
だからこそ、申請書を作り始める前の制度判定と資料整理が重要です。
37.行政書士法人塩永事務所のサポート
行政書士法人塩永事務所は、熊本市中央区水前寺を拠点とする行政書士法人です。
認定経営革新等支援機関として、補助金申請だけではなく、事業再建や経営改善を含めた総合的な支援を行っています。
くまもと事業者再出発支援補助金については、次のようなサポートを行います。
① 被災状況の整理
どの施設・設備・車両が令和8年熊本地震によって被災したのかを整理します。
② 補助対象経費の確認
修繕費、設備入替費、建替費、車両復旧費、復旧に付随する費用などについて確認します。
③ 保険金・共済金の確認
受領した保険金・共済金等を確認し、補助対象経費との関係を整理します。
④ 多重被災事業者の要件確認
過去の災害、復旧・復興支援、既往債務、売上減少、経営再建状況などを確認します。
⑤ 特定被災事業者の該当可能性確認
補助申請額が3億円を超えるような大規模案件について、特定被災事業者の要件を確認します。
⑥ 企業再建計画・事業計画の整理
多重被災事業者としての申請を検討する場合、企業再建計画等を整理します。
⑦ 認定経営革新等支援機関としての確認
制度上必要となる場合、認定経営革新等支援機関として事業計画等を確認します。
⑧ 申請書類の整理・申請サポート
被災証明、写真、見積書、資産関係資料、保険関係資料等を含め、申請書類全体を確認します。
38.認定経営革新等支援機関だからこそ、事業再建まで見据える
大型の被災事業者支援では、単に「補助金をいくら受け取れるか」だけを考えるのでは十分ではありません。
重要なのは、
復旧後に事業を継続できるか
という点です。
例えば、
- 復旧工事費
- 設備投資
- 保険金
- 既存借入
- 災害関連債務
- 運転資金
- つなぎ資金
- 復旧後の売上
- 人員確保
- BCP
- 今後の災害への備え
などを総合的に考える必要があります。
行政書士法人塩永事務所では、認定経営革新等支援機関として、補助金申請だけに終わらない事業再建支援を重視しています。
39.熊本で「再出発」を目指す事業者の皆様へ
令和8年熊本地震によって、熊本県内の多くの事業者が施設・設備等の被害を受けています。
店舗、工場、倉庫、機械、設備、車両などの復旧には、多額の費用が必要になる場合があります。
今回の「くまもと事業者再出発支援補助金」は、通常の中小企業者等についても補助率3/4・上限3億円という大きな支援制度です。
さらに、
多重被災事業者なら5億円まで10/10の定額補助・上限15億円
という非常に大きな支援制度が用意されています。
ただし、15億円の上限や10/10の定額補助には厳格な要件があります。
「以前も災害に遭ったから対象」
「被害額が3億円を超えれば15億円」
「認定支援機関に頼めば補助金がもらえる」
という単純な制度ではありません。
制度区分、被災状況、補助対象経費、過去の災害、債務、保険金、事業再建計画などを一つずつ確認する必要があります。
40.くまもと事業者再出発支援補助金のご相談は行政書士法人塩永事務所へ
認定経営革新等支援機関
行政書士法人塩永事務所は、熊本市中央区水前寺を拠点に、熊本県内の企業・個人事業主の補助金申請、事業再建、許認可、経営支援等をサポートしています。
「自社は対象になるのか」
「3/4補助なのか、10/10定額補助なのか」
「多重被災事業者に該当するのか」
「特定被災事業者として15億円の上限を利用できる可能性があるのか」
「すでに修理してしまったが対象になるのか」
「保険金を受け取っているが、どのように計算するのか」
「未登記の建物・未資産計上の設備はどうすればよいのか」
「企業再建計画をどのように作ればよいのか」
このような疑問がある場合は、早めにご相談ください。
行政書士法人塩永事務所
認定経営革新等支援機関
〒862-0950
熊本県熊本市中央区水前寺1-9-6
JR新水前寺駅より徒歩約3分
TEL:096-385-9002
E-mail:info@shionagaoffice.jp
熊本県全域対応|オンライン相談対応|初回相談無料
令和8年熊本地震で被災された事業者の皆様の「再出発」を、制度要件を確認しながらサポートします。
