
婚前契約に盛り込むべき「特約」の具体例【実務でよく使われる条項集】
婚前契約書(プレナップ)では、単に「財産分与をどうするか」だけでなく、将来トラブルになりやすい事項を具体的に明文化することが重要です。
特に 民法第754条(夫婦間契約の取消権)を踏まえ、婚姻前に締結することが原則です。
以下は、実務でよく盛り込まれる代表的な特約例です。
① 財産に関する特約
■ 婚前財産の特有財産明確化条項
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結婚前に保有していた預金・不動産・株式は各自の特有財産とする
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財産目録を別紙添付する
👉 再婚や資産家の場合は必須条項
■ 共有財産の管理方法
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生活費口座を共同管理にする
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一定額以上の支出は双方合意を要する
■ 住宅ローン帰属条項
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名義人が単独で返済義務を負う
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離婚時の持分処理方法
■ 事業資産保護条項
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会社株式は分与対象外とする
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経営権に影響を与えないことを明記
👉 経営者・医師・士業などに重要
② 離婚時の取り決め
■ 財産分与割合の事前合意
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原則50%ではなく、一定割合で固定
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婚姻期間に応じて変動させる方式も可能
■ 慰謝料予定条項
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不貞行為があった場合の定額設定
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上限額の合意
※過度に高額だと無効リスクあり
■ 年金分割に関する方針
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原則按分割合を事前合意
(ただし最終的判断は年金事務所・裁判所)
③ 親権・養育費に関する条項
※最終判断は家庭裁判所優先
■ 親権者の基本方針
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協議優先
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監護実績を重視する旨
■ 養育費算定方法
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算定表準拠
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私立学校費用の分担割合
④ 不貞・モラハラ対策条項
■ 不貞時の違約金条項
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具体的金額設定
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証拠の定義を明記
■ DV・モラハラ発生時の別居合意条項
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即時別居可
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生活費支払義務の明確化
⑤ 生活ルール条項
■ 生活費負担割合
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収入比率按分
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固定額方式
■ 家事・育児分担原則
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共働き前提の役割分担明文化
■ 居住地の決定方法
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転勤時の協議義務
⑥ 秘密保持条項(重要)
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婚姻中・離婚後も守秘義務
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SNSでの誹謗中傷禁止
👉 著名人・経営者に必須
⑦ ペットの帰属条項
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飼育権者
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医療費負担
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面会可否
実務上トラブルが非常に多い分野です。
⑧ 相続・事業承継配慮条項
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親族会社株式の非分与確認
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将来取得予定財産の扱い
相続対策と連動するケースが増えています。
⑨ 国際結婚特有条項
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準拠法の明示
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紛争管轄合意
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海外資産の帰属整理
⑩ 公正証書化条項
作成場所:公証役場
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強制執行認諾文言の付与
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金銭支払条項の実効性確保
特約作成時の重要ポイント
✔ 一方的に過度に不利な内容は避ける
✔ 公序良俗違反にならない設計
✔ 現実的・具体的な金額設定
✔ 事情変更時の見直し条項を入れる
実務上おすすめの構成
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前文(契約趣旨)
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財産条項
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生活費条項
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離婚時条項
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親権・養育費
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守秘義務
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紛争解決方法
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附則(見直し規定)
まとめ
婚前契約に盛り込むべき特約は、
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財産を守るため
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感情的対立を防ぐため
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将来の紛争コストを抑えるため
に非常に重要です。
単なるテンプレートではなく、
当事者の状況に応じたオーダーメイド設計が不可欠です。
必要であれば、「経営者向け特化型」「再婚特化型」「国際結婚特化型」の条項例も詳しく解説できます。
096-385-9002
