
第一種大麻草採取栽培者免許とは
第一種大麻草採取栽培者免許は、大麻草から繊維や種子など、産業用製品の原材料を採取する目的で大麻草を栽培する方に必要な免許です。
この免許は、趣味・嗜好目的の栽培では一切認められず、産業利用を前提とした事業としての栽培であることが大前提となります。
第一種大麻草採取栽培者免許の申請先は、栽培地を管轄する都道府県知事です。
具体的には、栽培地所在地を所管する「薬務主管課」や「保健所」が窓口となり、事前相談のうえで申請を行うのが実務上の標準的な流れです。
申請手続きの概要
申請先
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栽培地を管轄する都道府県知事
(窓口:薬務主管課または保健所等)
手続きのポイント
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事前相談が必須レベル
第一種大麻草採取栽培者免許は、一般的な営業許可に比べても審査のハードルが高く、各都道府県が独自の運用・判断基準を持っていることが多い分野です。
図面や事業計画などの素案を用意したうえで、申請前に担当部署に相談し、「そもそも成り立つ計画かどうか」「どこまで具体化が必要か」を確認しながら進めることが重要です。 -
栽培目的は「産業利用」に限定
例:-
伝統的な麻繊維製品の原材料としての利用
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食品用の麻の実、健康食品原料としての利用
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神事・伝統行事に用いる繊維やしめ縄等の原材料としての利用
などが想定されます。
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実現可能性の高い事業計画が必須
「作って終わり」ではなく、-
誰に
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どのような形で
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どの程度の数量を
継続的に供給していくのかまでを見据えた計画であることが求められます。
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第一種大麻草採取栽培者免許 申請書類一覧
ここでは、第一種に絞って、典型的に求められる書類項目を整理します。
※実際には、各都道府県の様式・ローカルルールにより名称や必要書類が増減するため、「この一覧+都道府県の案内」を前提にご確認ください。
1. 基本書類
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第一種大麻草採取栽培者免許申請書
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都道府県所定の様式を使用します。
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申請者情報、栽培地情報、栽培目的・取扱数量の概要等を記載します。
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手数料の納付書類
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収入証紙の貼付や、納付書の添付など。
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金額は法令・都道府県条例で定められています。
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2. 申請者に関する書類(個人)
個人として申請する場合、一般的に次のような書類が求められます。
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略歴を記載した書類
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学歴・職歴・これまでの農業・栽培・事業経験などを記載します。
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住民票の写し
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本籍の記載の有無、発行日から何か月以内など、指定がある場合があります。
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公的機関発行の顔写真付き身分証明書または資格証明書の写し
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運転免許証、マイナンバーカード、パスポート、医師・薬剤師などの資格証明書 等。
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診断書
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一般に「申請日から1か月以内に作成されたもの」が求められます。
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精神疾患、薬物依存の有無などを確認するため、様式指定されることもあります。
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欠格事項に該当しない旨の宣誓書
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大麻草に関する刑罰歴、麻薬・向精神薬等に関する違反歴、禁錮以上の刑の有無などについて、「該当しない」ことを自署・押印で宣誓する書類です。
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3. 法人申請の場合の追加書類
法人として申請する場合、上記に加えて、次のような書類が求められるのが一般的です。
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定款
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登記事項証明書(登記簿謄本)
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役員名簿・役員の略歴書
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役員全員の住民票の写し
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役員全員分の顔写真付き身分証明書の写し
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役員全員分の診断書
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役員全員分の欠格事項非該当宣誓書
※「実際に業務に従事する役員」に限定される場合もあり、どこまでの範囲の役員が対象となるかは事前相談で確認が必要です。
4. 栽培地・施設に関する書類
第一種大麻草採取栽培者免許では、「どこで・どのような形態で」栽培・保管・管理するかが審査の重要ポイントになります。
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栽培地の登記事項証明書
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土地の権利関係を確認するためのものです。
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栽培地の区域を示す図面
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栽培地全体がわかる図面(公図・土地利用図・測量図など)
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その中に、大麻草を栽培する区域を網掛け・色付け等で明示します。
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栽培区域の面積はアール単位で算出し、図面上にも記載するのが一般的です。
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栽培地が自己所有でない場合
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土地所有者の同意書
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賃貸借契約書の写し、使用貸借契約書の写しなど「使用権限」を証明する書類。
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大麻を取り扱う事務所の位置・構造を示す図面と写真
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事務所・倉庫・加工場など、実際に大麻草や製品を保管・取り扱う場所の平面図。
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出入口、施錠設備、保管設備等がわかる形で図示します。
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大麻草、種子、繊維等を保管する設備の概要図
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保管庫の位置・構造
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施錠状況、出入り管理方法
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監視カメラの有無 等
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これらにより、「盗難や流出の防止」「第三者が容易に立ち入れない構造になっているか」などが審査されます。
5. 事業計画・管理体制に関する書類
第一種大麻草採取栽培者免許の審査では、「計画の実現性」と「適正な管理能力」が特に問われます。
事業計画書
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栽培目的
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どのような製品の原料とするのか
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需要見込み、販売先や取引先の想定など
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栽培方法
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栽培品種、栽植密度、栽培期間、栽培方法(露地・ハウス等)
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収穫量の見込み
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年間の想定収穫量(重量・数量等)
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製品の製造・供給プロセス
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収穫後の乾燥・加工の流れ
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自社加工か、外部事業者への委託か
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出荷形態、供給先との関係性(契約の有無 等)
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THC濃度に関する書類
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使用する大麻草のΔ9-THC濃度が基準値を超えないことを証明する書類
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2025年の法改正により、政令で定める基準(現行では0.3%)を超えるΔ9-THC含有大麻草は、第一種の対象外とされています。
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種子の供給元が発行する証明書や、分析機関による分析結果などが求められる想定です。
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種子の入手方法に関する書類
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栽培に使用する種子の入手元(販売業者、研究機関など)
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種子供給に関する契約書や見積書、パンフレット等
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入手する品種ごとのΔ9-THC含有量の情報が分かる資料
6. 盗難・紛失防止、管理体制に関する書類
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大麻の盗難・紛失防止措置を記載した書類
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フェンス・施錠設備・監視カメラ等の具体的な設置計画
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夜間・休日の管理方法
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従業員や関係者の立入り制限・鍵管理方法 等
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事故発生時の連絡体制
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盗難・紛失が発生した場合の通報先(警察・都道府県等)
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社内の責任者・担当者の連絡体制
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栽培・保管に関与する従事者に関する書類
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従事者名簿、業務内容
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雇用契約書の写しなど(法人の場合)
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法令上の主なポイント(第一種に関して押さえるべき部分)
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栽培可能な大麻草の範囲
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Δ9-THC含有量が政令基準(現行0.3%)を超えない大麻草に限られます。
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基準を超える品種の栽培は、第一種ではなく、より厳格な枠組み(第二種や研究栽培など)の対象となります。
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加工に関する許可
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第一種大麻草採取栽培者免許は、「栽培して原材料を採取するための免許」です。
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大麻草を医薬品原料等に加工する場合には、別途、地方厚生局長等の許可が必要となる場合があります。
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旧免許との関係
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2025年3月1日施行の改正大麻草関連法により、従来の「大麻草栽培者」等は、
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第一種大麻草採取栽培者(産業用)
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第二種大麻草採取栽培者(医薬品原料用)
に区分されました。
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既存免許からの切替え・経過措置については、個別事案ごとに確認が必要です。
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行政書士法人塩永事務所にご相談ください
第一種大麻草採取栽培者免許は、制度自体が新しく、審査基準も今後運用のなかで具体化されていく分野です。
「そもそも自分の事業アイデアで免許取得が見込めるのか」「どの程度の資料・計画があれば事前相談に臨めるのか」が最大のハードルになります。
行政書士法人塩永事務所では、
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初期段階での実現可能性の検討
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事前相談用の資料(事業計画・図面等)の作成・整理
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申請書一式・添付書類の作成サポート
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申請後の補正対応・行政とのやり取りのサポート
などを通じて、第一種大麻草採取栽培者免許の取得をトータルにご支援いたします。
「大麻栽培免許の取得を検討しているが、何から手を付けて良いかわからない」といった段階でも構いません。
まずはお気軽にお問い合わせください。
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お電話:096-385-9002
