
🛡️【熊本の行政書士が解説】
日本版DBS(こども性暴力防止法)における「犯罪事実確認の期限」と「いとま特例」
行政書士法人塩永事務所では、**日本版DBS制度(こども性暴力防止法)に関する事業者の実務対応を総合的にサポートしています。
制度の運用においては、「犯罪事実確認の期限」および「いとま特例」**の正確な理解と適用が非常に重要です。
1. 日本版DBS制度の概要と「犯罪事実確認」とは
日本版DBS(正式名称:特定性犯罪者の子どもに関する職への就業の禁止等に関する法律)は、2024年に制定された法律です。
この制度では、子どもと接する職員について、特定性犯罪歴の有無を事業者が公的に確認することを義務化しています。
制度の対象区分
| 区分 | 対象事業者 | 犯罪事実確認 |
|---|---|---|
| 義務対象 | 学校・保育所・認定こども園・放課後児童クラブなど | 義務(実施必須) |
| 任意対象 | 学習塾・スポーツクラブ・ベビーシッターなど | 任意(こども家庭庁の認定により実施可能) |
犯罪事実確認の手続きの流れ
犯罪事実確認とは、対象職員に性犯罪歴があるか否かを確認する行政手続です。
| 手続過程 | 根拠条文 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 申請 | 法第33条 | 事業者が「犯罪事実確認書」の交付を申請 |
| 照会 | 法第34条 | こども家庭庁が法務省に照会 |
| 通知・交付 | 法第35条 | 結果に基づき「確認書」を事業者へ交付 |
2. 犯罪事実確認の期限(義務対象事業者)
義務対象事業者(学校・保育所等)は、新規採用者・現職者いずれに対しても確認期限が定められています。
📅 新規採用・配置転換時
-
業務開始前に必ず確認を完了しなければなりません。
期限を過ぎた場合、職務への従事はできません。
⏳ 現職者の確認期限
| 区分 | 対象者 | 初回確認期限 | 再確認期間 |
|---|---|---|---|
| 施行時現職者 | 法施行時にすでに勤務している職員 | 施行日から3年以内 | 原則5年ごと |
| 認定時現職者(任意対象) | 認定取得時点で勤務する職員 | 認定日から1年以内 | 原則5年ごと |
扱う情報は極めて機微性が高く、事務的な誤りも法令違反に直結するため、厳格な管理体制が求められます。
3. 緊急対応措置:「いとま特例」(法第4条第2項)
「いとま特例」とは、業務開始前に犯罪事実確認を完了できないやむを得ない事情がある場合に限り、
一時的に従事を認める暫定措置を定めた制度です。
※確認義務そのものを免除する制度ではありません。
🚨 適用が認められる典型例
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職員の急な退職による緊急補充
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直前の人事異動・配置転換
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災害・システム障害などによる申請の遅延
⏱️ 特例適用期間の目安
| 区分 | 期間 | 補足 |
|---|---|---|
| 通常の猶予 | 原則3か月以内 | 通常の手続き遅延等の場合 |
| 特別の事情 | 最大6か月以内 | 災害や行政手続の遅延など特別な事由に限定 |
🚫 特例期間中に求められる安全措置
いとま特例のもと勤務を認める場合、当該職員を性犯罪該当者として扱う前提のリスク管理が必要です。
事業者には以下の安全確保措置が義務付けられます。
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子どもとの一対一の状況を避ける勤務体制
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管理職による巡回・監視体制の強化
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一対一となった場合の詳細な記録・報告義務
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視認性・防犯性の高い場所への配置
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私用端末による児童・保護者との個別連絡の禁止
✅ 「いとま特例」はあくまで例外措置であり、事業者の安全管理義務はむしろ厳格化される点に注意が必要です。
4. 日本版DBS制度導入における事業者の実務対応
制度の運用には、以下の要素が欠かせません。
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法制度・対象範囲の正確な理解
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犯罪事実確認の期限管理体制の構築
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個人情報(特定個人情報を含む)の厳格な取扱い
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「いとま特例」適用時の社内フロー設計
制度の不適切運用は、事業者責任の問題にも発展しかねません。
専門家による法的監修・運用設計がリスク回避の鍵となります。
👨💼 教育・保育事業者の皆さまへ
行政書士法人塩永事務所が日本版DBSへの対応をトータルサポート
当事務所では、以下の実務支援を行っています。
-
日本版DBS義務内容の正確な説明と導入コンサルティング
-
犯罪事実確認書の申請手続き代行・必要書類整理
-
「いとま特例」適用時のリスク管理体制の構築
-
社内マニュアル・運用フロー・個人情報管理規程の策定支援
「制度運用の仕組みをどう整えるべきか分からない」
「確認期限を過ぎないようどう管理すべきか不安」
そんな場合でも、全国どこからでも柔軟にご相談いただけます。
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