
外国法人による建設業許可申請について
外国法人であっても、法令で定められた要件を満たせば日本国内で建設業許可を取得することが可能です。弊所では、これまで多数の外国法人に対して許可取得を支援してきた実績をもとに、申請手続きの流れと要件をわかりやすくご案内します。
1. 日本での拠点形態を決定する
外国法人が日本で事業を行うには、次のいずれかの形態による拠点設置が必要です。
① 日本法人の設立
② 日本支店の設置
③ 駐在事務所の設置
| 事業形態 | 営業活動 | 資本金 | 登記 | 銀行口座開設 | 代表者ビザ | 従業員雇用 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 日本法人 | 可能 | 必要 | 必要 | 可能 | 経営管理ビザ | 可能 |
| 日本支店 | 可能 | 不要 | 必要 | 可能 | 企業内転勤ビザ | 可能 |
| 駐在事務所 | 不可 | 不要 | 不要 | 不可 | 企業内転勤ビザ | 不可 |
駐在事務所は営業活動が認められないため、建設業を営む場合は「日本法人」または「日本支店」を設置する必要があります。
2. 許可取得に必要な要件の整備
外国法人であっても、日本法人と同様の許可要件を満たさなければなりません。ただし、外国法人特有の書類や手続が加わる点に注意が必要です。
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常勤役員等(経営業務の管理責任者)
建設業経営に関する実務経験を有する常勤役員の配置が求められます。海外での経験を用いる場合は、国土交通大臣の「大臣認定(個別認定)」を受ける必要があります。工事契約書や組織図などを通じて実態審査が行われます。 -
営業所の専任技術者
各営業所には国家資格保持者または一定の実務経験を有する専任技術者を配置する必要があります。海外での実務経験を証明する場合も大臣認定が必要です。営業所の実態が審査対象となるため、バーチャルオフィスや登記のみの住所は認められません。 -
社会保険等への加入
原則として、健康保険・厚生年金保険・雇用保険への加入が求められます。 -
財産的基礎
一般建設業の場合、500万円以上の自己資本または同等の資金調達能力が必要です。特定建設業ではさらに厳格な基準が設けられています。日本法人か日本支店かによって要件が異なるため、事前に所轄官庁への確認を推奨します。 -
誠実性・欠格要件の非該当
過去に重大な法令違反や破産等の欠格事由がないことが審査されます。
3. 大臣認定や事前相談(必要な場合)
経営経験または技術者資格について大臣認定が必要となる場合は、必ず事前に管轄行政庁への相談を行うことが重要です。認定申請では、実態を示す証拠資料(契約書・組織図・工事記録など)が不可欠であり、形式的書類のみでは認められません。
4. 建設業許可の申請
必要書類や認定手続をすべて整えた後、建設業許可申請を提出します。審査期間は準備状況によって異なり、不備があれば再提出が求められます。スムーズな許可取得のためには、要件確認と事前準備が何より重要です。
5. 専門家によるサポート
外国法人による建設業許可申請は、要件整理や資料作成など多岐にわたる作業が必要です。弊所では、経営業務管理責任者の個別認定を含む各種手続きを一括でサポートしています。新規申請、更新、業種追加まで、建設業専門チームが確実な許可取得をサポートいたします。どうぞ安心してご相談ください。
お問い合わせ先
行政書士法人塩永事務所
電話:096-385-9002
メール:info@shionagaoffice.jp
