
民泊事業開始の完全ガイド
行政書士法人塩永事務所
民泊事業の概要
民泊事業を始めるためには、住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業者としての届出が必要です。この制度により、既存住宅を活用した宿泊サービスの提供が可能になります。
住宅宿泊事業法の基本構造
法的枠組み
住宅宿泊事業法では、以下の3つの事業者が定められています:
- 住宅宿泊事業者 – 宿泊サービスを提供する事業者
- 住宅宿泊管理業者 – 民泊物件の管理を行う事業者
- 住宅宿泊仲介業者 – 宿泊予約の仲介を行う事業者
届出制の特徴
- 既存住宅をそのまま活用可能
- 自治体への届出により事業開始
- 年間営業日数は最大180日
届出手続きの流れ
申請方法
- 民泊制度運営システムを利用した届出書作成
- 必要書類の準備・添付
- 所管自治体への提出
- 電子申請も可能
- 行政書士委任の場合は書面提出
重要な確認事項
- 建物用途の適合性
- 消防設備の設置状況
- 届出者の欠格要件
- 関連法令の遵守状況
法人届出時の必要書類
基本書類(すべて3ヶ月以内)
- 届出書 – 民泊制度運営システムで作成
- 定款または寄付行為 – 原本照合必要
- 登記事項証明書
- 役員全員の身分証明書 – 本籍地発行
- 住宅の登記事項証明書
- 住宅図面 – 設備配置状況記載
- 誓約書 – 欠格事由非該当の証明
- 消防法令適合通知書 – 管轄消防署発行
追加書類(状況により)
- 賃貸物件の場合:大家の承諾書
- 生活利便施設証明:周辺店舗レシート等
宿泊施設開業サービス
旅館業許可申請
基本業務内容
- 事前調査:用途地域・消防法・建築基準適合性等の確認
- 建築確認不要証明取得:保健所管轄により必要
- 消防法関連申請:適合通知書取得手続き
- 水質汚濁防止法申請:特定施設設置届出
- 営業許可申請:簡易宿所・ホテル・旅館各種対応
施設規模別対応
- 小規模施設:400㎡未満
- 中規模施設:400㎡以上1,000㎡未満
- 大規模施設は別途見積対応
オプションサービス
- 図面作成:求積図・給排水経路図・各種設備図等
- 飲食店営業許可:食事提供時に必要
住宅宿泊事業届出サービス
基本料金体系
サービス内容 | 報酬額 | 詳細 |
---|---|---|
事前調査 | 55,000円~ | 法令適合性・用途確認等 |
消防法関連申請 | 55,000円~ | 適合通知書取得手続き |
家主同居型届出 | 165,000円~ | 新規申請 |
家主不在型届出 | 220,000円~ | 新規申請 |
重要な注意点
建物登記の確認
最重要ポイント:登記事項証明書の建物種類が「居宅」である必要があります。
- 実際に居住していても、登記上「事務所」等の場合は届出不受理
- 種類変更が必要な場合は登記手続きが前提
自治体による規制の違い
- 全面禁止:条例により民泊を禁止している自治体
- 営業日数制限:年間180日未満に制限する自治体
- 事前の自治体ルール確認が必須
事業系廃棄物の処理
宿泊事業による廃棄物は事業系ゴミとして処理が義務付けられています。自治体の規則に従った適切な処理が必要です。
関連法令の遵守
建築基準法による設備要件
非常用照明設備の設置が最大のハードルとなります。
設置免除条件
- 家主居住型かつ宿泊室延べ床面積50㎡未満
- 居室30㎡未満で外気開放避難通路が直近にある場合
設置が必要な場合
- 宿泊室および避難経路への設置義務
- 停電時も独立電源で点灯可能な仕様
- 有資格電気工事士による施工必要
- 別系統電源工事が一般的に必要
周辺住民との関係
- 事前説明:自治体により住民説明会が必須の場合
- 苦情対応:営業開始後のトラブル防止
- 地域理解:継続的な良好関係の構築
多言語対応の準備
外国人宿泊者を想定する場合の必須事項:
- 施設案内の多言語表記(最低英語対応)
- 避難経路図の多言語化
- 緊急連絡先の明記(警察・消防等)
- 利便性と安全確保の両立
ご相談・お問い合わせ
民泊事業に関するご不明点やご相談は、お気軽にお問い合わせください。
行政書士法人塩永事務所
代表:行政書士 塩永健太郎
電話:096-385-9002
熊本における民泊事業のスペシャリストとして、法令遵守から事業開始まで、トータルサポートいたします。