
登録支援機関から自社支援への切り替えは可能?行政書士に委託すれば十分?―アウトソーシングできる業務と切り替え時期のポイント
特定技能外国人を受け入れている企業にとって、「登録支援機関に委託すべきか?」「それとも自社で支援すべきか?」という課題は避けて通れません。また、支援業務の一部を行政書士へアウトソーシングすることができるのか、あるいはいつ切り替えるべきかという点も、多くの企業様からご相談をいただいております。
行政書士法人塩永事務所では、こうしたお悩みに対し、法令遵守を前提に最適な支援体制をアドバイスしております。以下、企業様が知っておくべきポイントを整理してご紹介いたします。
1.登録支援機関の支援業務と行政書士の役割の違い
登録支援機関が担うのは「生活支援」
登録支援機関の支援業務とは、本来「生活の支援」に限られています。具体的には以下のような内容です。
-
空港への送迎
-
住宅の賃貸借契約サポート
-
オリエンテーションの実施
-
定期的な面談の実施 など
これらの支援業務は、企業内で内製化することも可能です。真面目な社員がいれば、実際に大きな問題なく対応できるケースも少なくありません。
行政手続きや書類作成は行政書士の専門領域
一方、特定技能外国人に関する在留資格申請や定期届出などの「行政手続き」「官公署への書類提出」は、行政書士や弁護士にしか認められていません。これは行政書士法に明確に定められており、登録支援機関が報酬を得てこれらの書類を作成することは違法となります。
2.アウトソーシングできる業務と自社支援のメリット
企業が自社支援へ切り替えることで、支援コストを大幅に削減できる可能性があります。実際に当事務所がサポートした企業では、登録支援機関に月額30万円かかっていたケースが、自社支援+行政書士への業務委託により月額5万円までコストダウンを実現した事例もあります。
アウトソーシング可能な業務
-
在留申請書類の作成・提出(行政書士が対応)
-
定期届出書類の作成(行政書士が対応)
-
法令適合性のチェック(行政書士が対応)
-
登録支援機関の変更・届出等の手続(行政書士が対応)
3.自社支援切替のタイミングと準備期間
コスト面の判断基準
一般的に、特定技能外国人を複数名受け入れる場合は、自社支援への切り替えが現実的な選択肢となります。登録支援機関へ委託する場合、一人あたり月額2〜3万円、初期費用として30〜50万円がかかるケースもあります。
-
1人目:登録支援機関で様子を見る
-
2人目以降:自社支援体制への移行を検討
準備期間と法的届出
支援体制を変更する場合、14日以内の変更届出など、適正な手続きが求められます。6か月程度前から準備に着手しておくことが望ましく、支援計画書や契約書の見直しも必要です。
4.コンプライアンス面の注意点
登録支援機関の中には、行政書士でないにもかかわらず、行政手続きを代行しているような業者も存在します。これは明確な法令違反です。
行政書士法人塩永事務所では、こうした違反リスクを回避し、適正な形で企業の支援体制を整えるお手伝いをいたします。登録支援機関に任せていたつもりでも、結果として企業が知らず知らずのうちに違法な提出をしていた、という事例も多く見られます。
5.自社支援の具体的な進め方と支援体制の整備
自社支援を行うには、以下の体制が求められます。
-
支援責任者・支援担当者の配置
-
外国人が理解できる言語で対応可能な体制
-
支援項目ごとの実施計画(支援計画書)
行政書士法人塩永事務所では、必要な体制整備についてのアドバイスや、オリエンテーション実施の同席、支援記録の作成サポートなど、実務支援も行っております。
6.まとめ:自社支援への切り替えと行政書士の活用で、安心・適正・コストダウンを実現
企業が特定技能外国人を継続的に受け入れていく場合、登録支援機関への丸投げではなく、自社での支援体制構築がコスト面・コンプライアンス面の両面からも有効です。
ただし、行政手続きに関しては、必ず行政書士に依頼する必要があります。行政書士法人塩永事務所では、特定技能外国人に関する在留資格申請、届出手続、書類作成等を包括的にサポートしております。
企業の支援体制にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。