
経営事項審査の申請手続きについて
1. 経営事項審査とは
国や地方公共団体が発注する公共工事を直接請け負う場合、必ず受けなければならない審査です。民間工事のみを行う場合は、基本的に経営事項審査を受ける必要はありませんが、元請会社が経営事項審査の結果通知書の提示を求める場合もあります。
公共工事の入札参加時には、事業者の売上・財務状況・過去の実績などをもとに格付け順位が決定されます。その際に用いられるのが、経営事項審査の結果(総合評定値=P点)です。
ポイント
- 経営事項審査は、公共工事入札に必要な事前準備の手続きです。
2. 経営事項審査の手続きの流れ
手続きその1. 決算変更届の提出
- 経営事項審査の基礎となる売上高や工事実績を決算変更届(事業年度終了報告)で確認します。
- 建設業法上、毎事業年度終了後4か月以内に提出義務があります。
手続きその2. 経営状況分析の申請
- 財務諸表をもとに、財務状態を分析しY点を算出する手続きです。
- 民間の分析機関に依頼する必要があります。
- 経営状況分析結果通知書がなければ経営事項審査は受けられません。
手続きその3. 経営事項審査の予約
- 予約制であり、スケジュール管理が重要です。
手続きその4. 経営事項審査の受審
- 書類を「手引きに記載されている順番」に整理し、提出します。
- 書類不備があると再提出や再来の可能性があります。
- 1業種あたり11,000円の手数料が発生します。
手続きその5. 結果通知書の受領
- 熊本県では、審査終了後22日(閉庁日を含まない)程度で結果通知書(経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書)が送付されます。
手続きその6. 入札参加資格申請
- 結果通知書を受領後、希望する建設業者は入札参加資格申請を行います。
- 入札予定がない場合は申請不要です。
ポイント
- 「決算変更届の提出」と「経営状況分析の申請」の完了後でないと経営事項審査は受けられません。
3. 初めて経営事項審査を受ける際の注意点
- 決算変更届の提出を忘れない
- 経営状況分析の申請を確実に行う
- 財務諸表・工事経歴書を税抜きで作成する
- 工事経歴書の記載順に注意する
- 未許可期間の工事を全件記載する
ポイント
- 初めて経営事項審査を受ける際には、「税抜き財務諸表」「経審ルールに準じた工事経歴書作成」が重要です。
4. 経営事項審査に必要な書類
提出書類
- 経営事項審査確認書
- 経営規模等評価申請書・総合評定値請求書
- 工事種別完成工事高・工事種別元請完成工事高
- その他の審査項目(社会性等)
- 技術職員名簿+資格検定合格書の写し
- 経営状況分析結果通知書
- 継続雇用の適用を受けている技術職員名簿(該当者のみ)
- 建設機械の保有状況一覧表(該当者のみ)
- 工事経歴書
- 経理状況の適正を確認した旨の書類(該当者のみ)
裏付け資料
- 建設業許可通知書または許可証明書
- 建設業許可申請書
- 前回の経営事項審査申請書類(前回受審者のみ)
- 変更届出書(副本)
- 決算変更届(副本)
- 技術職員の常勤性及び恒常的雇用関係の書類
- 雇用保険関連書類
- 健康保険関連書類
- 厚生年金保険関連書類
- 建設業退職金共済制度の加入証明書(該当者のみ)
- 退職金制度または企業年金制度の証明書(該当者のみ)
- 法定外労働災害補償制度の加入証明書(該当者のみ)
- 防災協定書(該当者のみ)
- 監査の受審状況(該当者のみ)
ポイント
- 必要書類は多岐にわたるため、事前に準備を進めましょう。
行政書士法人塩永事務所によるサポート
経営事項審査の申請手続きは複雑で時間がかかるため、専門家のサポートを受けることでスムーズな申請が可能です。
お問い合わせ 行政書士法人塩永事務所 経営事項審査サポート窓口
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