
婚前契約(プレナップ)は、法律の定型文を並べるだけでなく、「お二人の生活実態」に即した特約を盛り込むことで、その価値が最大化されます。
2026年現在の社会情勢や、よくあるご相談事例を踏まえた具体的な特約例を5つのカテゴリーでご紹介します。
1. 財産・家計に関する特約
最もトラブルになりやすく、かつ明確に決めておくべき項目です。
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特有財産の明示:
「婚姻前から各自が所有していた預貯金、株式、実家から相続した財産、および婚姻中にこれらをもとに取得した資産は、各々の『特有財産』とし、離婚時の財産分与の対象に含めない。」
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生活費(婚姻費用)の分担方法:
「月々の生活費は、各自の収入比率に応じて按分し、共通口座に毎月〇日までに送金する。賞与については、〇%を共通の貯蓄に回すものとする。」
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住宅ローンと所有権:
「共有名義で住宅を購入した場合、離婚時は売却益(または残債)を拠出額の比率(頭金+返済実績)に応じて分配する。」
2. 家事・育児・キャリアに関する特約
共働き世帯において、不公平感をなくすための現代的な条項です。
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家事分担の原則:
「家事(掃除、洗濯、料理等)は原則として折半とする。ただし、残業等により一方が多忙な場合は、他方が補完し、その負担を翌月調整する。」
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キャリアの尊重:
「転勤や転職を検討する際は、事前に協議を行う。一方のキャリアを不当に制限するような強要は行わない。」
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育児休業の取得:
「子供が誕生した場合、双方が育児休業を取得できるよう最大限努め、その間の収入減少による不利益は共通財産から補填する。」
3. 生活ルール・SNSに関する特約(2026年最新)
最近のデジタル社会ならではのトラブルを防ぐための条項です。
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SNS・プライバシーの保護:
「相手方の承諾なく、配偶者や家族の顔写真、個人のプライバシーに関わる情報をSNS等のインターネット上に公開しない。」
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ペットの飼育権(ペット・プレナップ):
「婚姻中に飼育を開始したペット(犬・猫等)は、万が一別居・離婚に至った場合、主たる世話を担っていた〇〇が優先的に飼育権を持つものとする。」
4. 誠実義務・ペナルティに関する特約
「もしも」の時のための抑止力としての条項です。
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不貞行為(浮気)の慰謝料:
「不貞行為を行った側は、相手方に対し、解決金として直ちに金〇〇万円を支払うものとする。また、その場合、離婚に際しての居住用不動産の権利を放棄する。」
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暴力・ハラスメントの禁止:
「身体的暴力のみならず、暴言や過度な束縛(モラハラ)を禁止する。これらが原因で婚姻関係が破綻した場合、有責配偶者は離婚に伴う慰謝料を支払う。」
5. 円満継続のための「見直し」特約
契約を縛り付けないための柔軟な条項です。
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定期協議の実施:
「本契約の内容が実態にそぐわなくなった場合、または子供の誕生、介護、大幅な収入変動があった場合は、速やかに協議し、内容の更新(変更契約)を行うものとする。」
行政書士法人塩永事務所からのアドバイス
特約は自由に記載できますが、「公序良俗に反する内容」(例:浮気をしたら全財産没収、一生会わない等)は、裁判で無効とされるリスクがあります。
**「この内容は法的に有効か?」「自分たちのケースでは何を書くべきか?」**など、具体的な判断は、当事務所が法的な観点から丁寧に精査いたします。
096-385-9002
