
婚前契約書(プレナップ、夫婦財産契約)に盛り込むべき特約の具体例を、2026年現在の日本法(民法改正後、民法754条削除施行済み・離婚後共同親権導入など)を踏まえ、行政書士法人塩永事務所の実務経験に基づいて詳しく解説します。
婚前契約の特約は、当事者の自由が原則ですが、以下のルールがあります:
- 有効:公序良俗に適合し、明確で現実的な内容(財産関係・生活ルールなど)。
- 無効リスクが高い:婚姻の本質を害するもの(例:離婚の自由制限)、子どもの権利を事前に固定するもの(親権・養育費の完全放棄)、過度に高額な罰則(公序良俗違反)、一方的に不利な条項。
- 推奨:努力義務や協議条項に留め、強制力より「合意の証拠」として機能させる。財産関連は婚姻前に締結・登記推奨で第三者対抗力がつく。
以下に、カテゴリ別に具体的な特約例(条項サンプル)を挙げます。実際の契約書では、行政書士が公序良俗適合性をチェックし、無効リスクを最小化します。
1. 財産関係の特約(最も重要・法的効力が高い)結婚前の資産保護や離婚時の争い防止に直結。
法定財産制(婚姻中財産は原則共有)を修正可能。
- 結婚前の財産を特有財産とする
「甲(夫)及び乙(妻)が婚姻届出前に有する一切の財産(預貯金、不動産、株式、退職金見込額、知的財産権等)は、それぞれの特有財産とし、婚姻中もその帰属・管理・処分を各自が行うものとする。」
→ 資産家・経営者カップルで必須。離婚時の財産分与対象外を明確化。 - 婚姻中の収入・取得財産の帰属
「婚姻中に各自が得た給与・賞与・事業所得は、それぞれの特有財産とする。 - ただし、生活費に充てるために毎月○万円(または収入の○%)を共有口座に入金し、共有財産とする。」
→ 共働き・収入格差カップル向け。別管理を希望する場合に有効。 - 相続・贈与財産の特有財産化
「婚姻後に甲又は乙が相続又は贈与により取得した財産は、取得者の特有財産とする。」
→ 親族からの資産が多い場合に保護。 - 住宅ローン・負債の負担
「婚姻前に甲が負担している住宅ローンは甲の単独債務とし、乙は一切の責任を負わない。婚姻後に新たに負う債務についても、相手方の書面による同意がない限り単独債務とする。」
→ 借金リスク回避。無断借金禁止も併記可。 - 離婚時の財産分与割合の修正
「離婚時の財産分与は、法定の2分の1を基準とするが、婚姻期間中の貢献度に応じて協議する。 - 特有財産は分与対象外とする。」
→ 完全固定は避け、協議ベースに。
2. 婚姻費用(生活費)・家計の特約日常トラブル防止に有効。
- 生活費分担
「婚姻費用(家賃、光熱費、食費、教育費等)は、収入割合に応じて甲○%、乙○%の負担とする - 。詳細は毎月協議の上、共有口座から支出する。」
→ 具体的な割合や金額を入れると明確。 - 小遣い・自由裁量金
「各自の収入から生活費を控除した残額は、各自の自由に使用できる特有財産とする。」
→ お小遣い制を希望する場合。 - 給与明細・財産開示義務
「甲及び乙は、相手方の求めに応じ、給与明細、預金通帳、確定申告書等を速やかに開示する。」
→ 透明性確保。
3. 家事・育児・生活ルールの特約(努力義務中心)法的強制力は弱いが、価値観共有に有効。
- 家事・育児分担
「家事及び育児は、甲乙協議の上、公平に分担するものとする。繁忙期・出産後等は家事代行サービスを家計から支出することを優先的に検討する。」
→ 強制ではなく「努める」表現が無効リスク低。 - 居住地・仕事継続
「転居又は転職は、相手方の同意を得て行うものとする。」
→ キャリア女性向け。
4. 不貞・違反時の特約(抑止力として)過度な金額は無効リスク高。現実的な範囲で。
- 不貞行為時の対応
「甲又は乙が不貞行為(性交渉を含む)を行った場合、他方に対し慰謝料として200万円を支払う。ただし、支払いは離婚時又は別居時に限る。」
→ 数百万円程度が目安。高額(例:数千万円)は公序良俗違反で無効の恐れ。 - その他の禁止行為
「甲又は乙は、ギャンブル、性風俗店利用、無断借金を行わないよう努める。違反した場合、協議の上、違約金を定める。」
→ 罰則は努力義務に留める。
5. 子に関する特約(慎重に)子の福祉優先のため、事前固定は無効。
- 基本方針
「子が生まれた場合、養育費・親権・面会交流については、子の利益を最優先に協議する。 - 離婚時は共同親権(2026年改正後)を原則とする。」
→ 具体的な金額・親権固定は避ける(無効)。
6. その他の特約
- 秘密保持・プライバシー
「婚姻中に知り得た相手方の個人情報・財産情報を第三者に開示しない。」 - 見直し条項
「本契約は、婚姻後5年経過時又は子が生まれた場合に、甲乙協議の上、見直すことができる。」
→ 柔軟性を持たせる(改正後、婚後契約も有効)。
注意点まとめ(2026年最新)
- 無効例:離婚自由の制限(「絶対離婚しない」)、過大な罰則(全財産放棄)、親権事前固定、子なし強制。
- 推奨:公正証書化で執行力強化。財産特約は法務局登記で対抗力。
- 実務Tips:内容はカップルごとにカスタム。話し合いで価値観をすり合わせる過程自体が最大のメリット。
行政書士法人塩永事務所では、これらの特約をチェックリストで網羅し、無効リスクを徹底排除した原案を作成。初回無料相談でご要望を伺い、お見積もりします。
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