
こんにちは。行政書士法人塩永事務所です。
1. 栽培地・施設の「防犯実効性」に関する論点
図面上の対策だけでなく、**「物理的に持ち出しが可能か否か」**が徹底的に問われます。
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境界の明示と侵入防止:
栽培エリアが単にロープで囲われているだけでは不十分とされるケースが増えています。「第三者が容易に立ち入れない構造(フェンス、施錠可能なゲート)」の有無が厳しく問われます。
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保管庫の固定:
「鍵付きの金庫を用意した」だけでは、金庫ごと盗難に遭うリスクを指摘されます。床面へのボルト固定や、容易に搬出できない重量物であることの立証が求められます。
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死角の有無:
監視カメラの設置図面において、栽培エリア全体および保管庫への動線に「死角」がないか、夜間の照度は確保されているかが精査されます。
2. 種子の「同一性・非依存性」の証明
第一種において最も補正指示が出やすいのが、種子のTHC濃度証明です。
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ロットごとの証明:
「以前この品種で通った」という実績は通用しません。今回使用する種子のロット(生産単位)ごとに、0.3%以下である分析試験成績書(Certificate of Analysis: CoA)との紐付けが厳格に求められます。
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輸入時の検疫・真正性:
海外から種子を調達する場合、輸出国の公的機関による証明書や、国内検疫をパスした際の書類との整合性が確認されます。
3. 事業計画の「出口(供給先)」の具体性
単に「栽培したい」という意欲だけでは免許は下りません。
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供給先合意の信憑性:
収穫した大麻草(繊維・種子・原料)を誰が買い取るのか、具体的な企業名や契約締結の見込み(意向表明書等)を求められることがあります。
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歩留まりの妥当性:
作付面積に対して算出された収穫予定量が、一般的な収量データと乖離しすぎていないか。過大報告は「不正流出」を疑われる要因となります。
4. 廃棄管理プロセスの詳細
「栽培」と同じくらい厳しく見られるのが「廃棄」のプロセスです。
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不可逆的な廃棄方法:
「焼却」や「裁断・堆肥化」など、薬物としての再利用が不可能な状態にする手順をマニュアル化できているか。
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立会・記録体制:
廃棄の際に誰が立ち会い、どのように写真等で記録を残し、帳簿と照合するのか。このフローが曖昧だと「管理能力不足」と判定されます。
5. 欠格事由の「実質的」判断(法人の場合)
書類上は問題なくても、実質的な支配力が問われます。
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役員以外の影響力:
形式上の役員だけでなく、実質的に経営を支配する者に欠格事由(薬物前科等)がないか、反社会的勢力との関わりがないか、バックグラウンドチェックに近い審査が行われる場合があります。
💡 塩永事務所からの実務アドバイス
審査官は**「大麻草が1グラムたりとも不明な状態で流出すること」**を最大のリスクと考えています。申請書類を作成する際は、以下の視点を持つことが免許取得への近道です。
「善意の栽培者」としてではなく、**「悪意のある第三者が盗みに来た場合に、物理的・組織的にどう阻止するか」**というディフェンスの視点で計画書を構築する。
いつでもお声掛けください。096-385-9002
