
太陽光発電システムの名義変更手続き完全ガイド
― FIT・FIP制度対応の正確な手続き解説(2026年最新版)―
はじめに:名義変更を怠ると売電停止になる
太陽光発電システムの所有者が変わる場合、再エネ特措法(再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法)に基づく名義変更(事業者変更)は法的義務です。
FIT(固定価格買取制度)・FIP(フィード・イン・プレミアム制度)のいずれも、以下の2つを完了させなければ売電収入が停止・拒否されるリスクが生じます。
- 経済産業省(資源エネルギー庁)への変更認定申請または届出
- 電力会社との売電契約(受給契約)の名義変更
さらに、2024年度の再エネ特措法改正により、10kW以上の設備(屋根設置価格適用を除く)で相続以外の事業者変更を行う場合、申請前に地域住民への説明会または事前周知措置が義務化されました。手続きはより複雑になっています。
本ガイドでは、行政書士法人塩永事務所が資源エネルギー庁の最新ガイドラインに基づき、正確に解説します。
名義変更が必要になる主なケース
以下のいずれかに該当する場合、必ず名義変更手続きが必要です。怠るとFIT・FIP認定の失効や売電収入の喪失につながります。
| ケース | 具体例 |
|---|---|
| 不動産売買 | 太陽光付き住宅・土地の売買、中古設備の取得(競売含む) |
| 相続 | 発電事業者の死亡による承継、遺産分割協議による取得 |
| 贈与 | 生前贈与(親族間・第三者間)、個人⇔法人間の資産移転 |
| 事業承継・M&A | 事業譲渡、合併・会社分割による承継 |
| 法人・事業形態変更 | 個人事業主から法人化、商号変更(一部除く)、離婚に伴う氏名変更 |
注意: 変更前の事業者の協力が不可欠です。協力が得られない場合、手続きが長期化します。
名義変更に必要な3つの手続き
名義変更は以下の3つを並行または順序立てて進める必要があります。経済産業省の手続きが完了しないと電力会社の手続きが進まないため、順序管理が重要です。
① 経済産業省(資源エネルギー庁)への事業者変更手続き
再生可能エネルギー電子申請システム(FIT・FIPポータル: https://www.fit-portal.go.jp/)での電子申請が原則です(24時間対応・紙申請は原則不可)。
設備規模による区分(2026年最新)
| 規模 | 手続き区分 |
|---|---|
| 10kW未満(低圧) | 変更届出(事後届出可・審査なし) |
| 10kW以上50kW未満 | 変更届出または変更認定申請(ケースにより審査あり) |
| 50kW以上(高圧・特別高圧) | 変更認定申請(審査あり・詳細な事業計画が必要) |
⚠️ 2024年改正の重要ポイント 10kW以上の設備で相続以外の変更を行う場合、申請前に地域住民向け説明会(オンライン可)または事前周知措置(掲示・配布)の実施が必須です。証明書類を添付しないと申請却下のリスクがあります。
申請のポイント
- 名義変更によってFIT買取価格・調達期間は原則変更されません(FIP移行済みはプレミアム額を確認)
- 設備ID(10桁の英数字)・事業者ID・登録者IDの確認が必須(不明時はFITポータルのコールセンター 0570-057-333 へ)
- 認定状態が「認定中(調達期間終了)」の場合、事後変更届出が可能で添付書類不要(理由記載のみ)
② 電力会社との売電契約名義変更
発電電力の売電に使う受給契約(売電契約)も名義変更が必要です。各地域の一般送配電事業者(例:東京電力パワーグリッド)や小売電気事業者(例:東京電力エナジーパートナー)と個別に手続きします。
- 電力会社ごとに書式・提出方法(オンライン・郵送・窓口)が異なります
- 経済産業省の変更認定完了証明(認定通知書)の添付を求められることが多く、順序を誤ると手続きが保留されます
- 卒FIT設備(調達期間終了後)の余剰売電契約も同様に名義変更が必要です
③ 設備保証・保守契約の名義変更(見落とし注意)
名義変更を怠るとメーカー保証の失効や保守契約の継続不可が発生し、設備故障リスクが高まります。
対象となる主な契約
- 太陽光パネル保証(通常10〜25年)
- パワーコンディショナ保証(通常10年)
- 定期点検・O&M(運用・保守)契約
- モニタリングシステム契約
手続き方法:メーカー(シャープ・京セラ等)や保守業者に直接連絡し、譲渡証明書・新所有者の身分証明書を提出。
変更事由別・主な必要書類
必要書類は設備規模・契約内容・変更事由により異なります。詳細は資源エネルギー庁ウェブサイトの「変更内容ごとの変更手続きの整理表」で確認してください。申請時はPDF・ZIP形式でFITポータルにアップロードします。
売買・譲渡の場合
- 譲渡契約書または譲渡証明書(売主・買主の署名捺印)
- 印鑑証明書(売主・買主、各3ヶ月以内発行)
- 住民票または法人登記事項証明書(買主)
- 設備IDが記載された認定通知書のコピー
相続の場合
- 被相続人の戸籍謄本(死亡記載あり)
- 相続人全員の戸籍謄本一式(相続関係図)
- 遺産分割協議書(相続人全員の署名捺印・印鑑証明添付)
- 相続人代表の住民票
贈与の場合
- 贈与契約書(贈与者・受贈者の署名捺印)
- 印鑑証明書(贈与者・受贈者、各3ヶ月以内発行)
- 住民票または法人登記事項証明書(受贈者)
10kW以上設備の場合に追加で必要な書類
- 説明会実施証明(議事録・参加者リスト・写真)
- 事前周知措置証明(掲示物コピー・配布記録)
- 委任する場合は委任状と印鑑証明
税務面の注意: 譲渡所得税・贈与税の申告を忘れずに行ってください。
手続き期間の目安
| 手続き | 期間の目安 |
|---|---|
| 経済産業省手続き | 約2〜4週間(審査なしは1週間程度、審査ありは1ヶ月以上) |
| 電力会社手続き | 約2〜4週間(書類確認次第) |
| 全体 | 1〜2ヶ月程度(説明会実施が必要な場合はプラス1ヶ月) |
書類不備・年度末の繁忙期・審査混雑により3ヶ月以上かかる場合もあります。早めの着手が不可欠です。
よくあるトラブルと注意点
片手落ちのリスク 経済産業省と電力会社の両方を完了させないと売電停止になります。順序を誤ると再申請が必要になる場合があります。
区分誤り 設備規模や変更事由を誤認すると申請却下になります。事前にFITポータルで認定状態を確認してください。
前所有者の協力不足 書類入手が困難な場合、行政書士の介入で解決できるケースがあります。
相続未了による売電停止 遺産分割が完了しないまま放置して売電停止となる事例が多発しています。死亡後は速やかに手続きを開始してください。
2024年改正対応漏れ 10kW以上の設備で説明会を未実施の場合、申請不受理となります。
ID管理の不備 設備ID・事業者IDが不明で手続きが中断するケースがあります。認定通知書は必ず保管してください。
賃貸物件特有の問題 オーナーからの書類入手が困難な場合、管理会社経由で対応することをお勧めします。
FIT・FIP制度の補足
FIT制度は固定価格での買取、FIPは市場価格にプレミアムを上乗せする仕組みです。名義変更自体で制度が自動移行するわけではなく、変更後も元の制度が継続します。
名義変更手続きはFIT・FIP共通ですが、変更後の収益構造(買取価格 vs. プレミアム額)を必ず確認してください。卒FIT設備は事後届出の手続きが簡易です。
詳細は**資源エネルギー庁ガイドブック(2025年版)**を参照してください。
行政書士法人塩永事務所が選ばれる理由
- 太陽光発電事業の名義変更・事業承継で数百件以上の実績
- 経済産業省・電力会社・メーカー対応を一括サポート(電子申請代行含む)
- 10kW未満の住宅用から産業用(MW級)まで幅広く対応
- 売買・相続・贈与・M&Aすべて対応、説明会開催支援も可能
- 初回相談無料でリスク診断を実施
まとめ
太陽光発電システムの名義変更は、「経済産業省」「電力会社」「設備保証・保守契約」のすべてを正しく行う専門的な手続きです。一つでも漏れると売電停止・収益喪失・契約トラブル・制度失効という深刻な問題が発生します。
2024年改正以降の厳格化により、個人での対応はますます困難になっています。早めの専門家への相談が不可欠です。
太陽光発電の名義変更はお任せください
行政書士法人塩永事務所
📞 096-385-9002
【初回相談無料】 複雑な名義変更手続きを、正確・迅速・確実にサポートいたします。
