
離婚協議書作成のポイント
行政書士法人塩永事務所(熊本)
離婚協議書とは
離婚協議書とは、離婚に際して慰謝料、財産分与、子供の親権・養育費などについての夫婦間での取り決めをまとめた重要な書面です。
早く面倒な離婚手続きから解放されたい、離婚のゴタゴタから目を背けたい…そういった一心から口約束だけで慰謝料や養育費の支払いを決めてしまい、実際離婚した後に約束が守られなかったというケースがよく見受けられます。婚姻中ですら夫婦の折り合いがつかなかったのに、婚姻を解消した後に口約束だけを頼りに養育費等の支払いを請求するのは、いささかリスクが高いように思われます。
したがって、離婚時の取り決めを離婚協議書として残しておくことは非常に大きな意味があるといえますし、離婚協議書の効力をより一層強めるために公正証書として作成しておけば、協議書の約束を守らせるうえで非常に頼りになるでしょう。
離婚協議書作成の7つのポイント
1 親権
市区町村役場の窓口は、夫婦の間にいる未成年の子すべてについて親権者が指定されていれば、基本的に離婚届を受理します。したがって、父母のいずれを親権者・監護権者にするか、すべての前提として重要です。
2 養育費
養育費は毎月の定期支払いが基本です。物価が上がって養育費が不相応になった場合の事項や、子供が突然の事故や病気に遭った場合の支出についての事項も盛り込む必要があります。
【重要】養育費の終期について
2022年4月から民法改正により成年年齢が20歳から18歳に引き下げられましたが、養育費の支払終期は従来どおり原則として20歳までとされています。これは、養育費が「未成熟子」(経済的・社会的に自立していない子)を対象とするものであり、成年年齢とは直接連動しないためです。
養育費の終期を定める際は、以下のような明確な表現を用いることが重要です:
- 「子が満20歳に達する月まで」
- 「子が満20歳に達した後の最初の3月まで」(高校卒業時まで)
- 「子が大学等を卒業する月まで、ただし満22歳に達した後の最初の3月まで」(大学進学を想定する場合)
単に「成年に達するまで」という表現は避け、具体的な年齢や時期を明記することをお勧めします。
3 面会交流
子供と離れて暮らす一方の親が、もう一方の親に対して定期的に子供と会って交流することを求める条項です。何より大事なのは子供の心身の福祉ですので、それを念頭に置いて月に何回会うか、年に1回は外泊するか、普段子供と電話してよいか等を決めていきます。
4 慰謝料
相手から受けた精神的苦痛に対する損害賠償です。円満離婚の場合は慰謝料を請求しない場合も多いでしょう。また、慰謝料請求の相手方に不倫相手がいる場合は、これら二人は連帯して慰謝料を支払うことになります。
5 財産分与
婚姻中に夫婦が協力して築き上げた財産は、離婚時に財産分与として分割・清算されます。この場合の分割方法は夫婦間で自由に決められます。慰謝料が発生している場合は財産分与に含めて多めに分与額を定めることもできます。また、住宅ローンが残っている場合等は、ローンの残額をどちらが支払うかを決めておくのも重要です。
6 清算条項
離婚協議書をもって、離婚に関する話し合いはお互いにすべて解決済みとする条項です。後から五月雨式に「やっぱり慰謝料が…」「あの財産の分与は…」という事態にならないためにも、必ず入れておくべき条項といえます。
7 公正証書
裁判所で裁判手続を経ることなく、公証役場で一定の手続をするだけで、養育費等の不払いについて相手方の財産にいきなり強制執行をかけられるのが公正証書での離婚協議書です(これを「強制執行認諾文言付き公正証書」といいます)。実際に強制執行をかけなくても、「突然強制執行が来るのでは…」という心理的プレッシャーは不払いに対して大きな抑止力となります。公正証書での離婚協議書の作成を強くお勧めします。
専門家へのご相談を
離婚協議書は手書きで書いたものでも、当事者同士が定めたものでも法的には有効ですが、特に未成年の子がいる場合など養育費の支払いが長く続くことを考えた場合、専門家に作成を依頼したほうが将来にわたって安心です。
熊本で離婚協議書の作成をお考えの方は、行政書士法人塩永事務所にお任せください。
離婚協議書の相談や作成支援はもちろん、公正証書の作成サポートまで、経験豊富な行政書士が丁寧に対応いたします。
行政書士法人塩永事務所
所在地:熊本県
専門分野:離婚協議書作成、公正証書作成サポート、各種契約書作成
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※本記事の内容は2026年2月時点の法令・実務に基づいています。
