
1.はじめに:令和8年4月から始まる「一括登録」への備え
「こども性暴力防止法」(通称:日本版DBS)は、令和8年12月25日に全面施行されます。
ただし、学校設置者や保育施設など義務対象事業者による**事業者情報の一括登録(まとめ登録)**は、令和8年4月頃からスタートする見込みです。
施設の管理者(園長・理事長など)は、その前までに**「誰が犯罪事実確認の対象者となるのか」を明確にしておく必要があります。
この判定は肩書きではなく、ガイドラインに示された3つの実質的要件――「支配性」「継続性」「閉鎖性」**をすべて満たすかどうかで判断されます。
2.対象者を判断する「3つの要件」
ガイドラインでは「教育・保育等に従事する者(教員等)」を、次の3要件をすべて備えた者と定義しています。
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支配性:子どもに対して指導・教育・保育などを行う際、優越的立場にあること。
→ 保育者は通常この要件を満たすと考えられます。 -
継続性:一度きりではなく、繰り返し・継続的に子どもとかかわる関係を持つこと。
→ 週1回でも、同じ子どもに定期的に接する場合は該当します。 -
閉鎖性:他者の目が届かない状態で子どもと接する機会があること。
→ 送迎時の車内、トイレ・着替え介助、個室での指導などが典型例で、最も重視される要件です。
この3つをすべて満たす場合のみ、犯罪事実確認の対象者となります。1つでも欠ければ対象外です。
3.職種ごとの判断例(ガイドライン準拠)
以下は実際の業務実態に基づく参考例です。最終判断は各施設での具体的な状況に応じて行う必要があります。
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送迎バス運転手
対象:添乗員がおらず、園児と閉鎖的な環境で接する場合。
対象外:常に保育士などが同乗し、単独で園児と接しない場合。 -
事務職員
対象:預かり業務の補助や個別対応で園児と2人きりになる場面がある場合。
対象外:窓口対応や職員室業務のみで密室状況が生じない場合。 -
外部講師(ピアノ・スポーツなど)
対象:個室や第三者不在の状況で継続的に指導する場合。
対象外:常に担任が立ち会うなど、閉鎖性を排除している場合。 -
調理員・用務員等
原則対象外。ただし、配膳・清掃等で1対1の状況が継続して発生する場合は対象になり得ます。
4.「閉鎖性」を減らして対象者を限定する工夫
施設運営の工夫で、閉鎖的な状況をなくすことが可能です。
これにより対象従事者を限定し、事務負担やリスクを軽減できます。
例:
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外部講師の授業は必ずドアを開放、または職員が同席する。
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送迎には必ず添乗員を配置する。
重要なのは、ルールを**「形だけでなく実際に守られる体制」**にすることです。
閉鎖性を物理的・制度的に排除できるよう、職場環境を点検しましょう。
5.施設側が今すぐ取り組むべき実務対応
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業務内容の棚卸しと対象者特定
全従業員(常勤・パート・委託・ボランティア含む)の業務を洗い出し、3要件に該当するかを確認。特に「閉鎖性」の有無を重点的に点検。 -
GビズIDプライムの取得
一括登録には法人代表によるGビズIDプライムが必須。登録開始時期(令和8年4月頃)に間に合うよう、早めの取得をおすすめします。
6.まとめ:DBS対応は「安全管理体制の再構築」
日本版DBSへの対応は、単なる登録作業ではなく、園全体の安全マネジメント構築につながります。
対象者の線引きは「職種」ではなく、あくまで「業務の実態」で判断してください。
行政書士法人塩永事務所によるサポート
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対象従事者の特定支援
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GビズID取得支援
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防止措置対応の就業規則・内部規定整備
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労務・制度設計に関する専門家紹介
個別の判定・登録準備など、お気軽にご相談ください。
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✉ info@shionagaoffice.jp
よくある質問(Q&A)
Q:調理員や用務員は対象になりますか?
A:基本的には対象外ですが、園児と継続的に1対1で関わる場面がある場合は対象です。
Q:実習生やボランティアはどうなりますか?
A:雇用形態を問わず従事者に含まれる可能性があります。
ただし、担任の監督下で活動し閉鎖性がない場合は、対象外となることが一般的です。
Q:熊本市独自のルールはありますか?
A:現時点では国のガイドラインに準拠しています。
熊本市からの最新通知を必ず確認してください。
「うちの園は対象になるのか?」とお悩みの事業者様へ
施設種別や運営形態に応じた最適な準備と支援を、熊本の専門家チームがご案内します。
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※本記事は、こども家庭庁が公表した「こども性暴力防止法施行ガイドライン」を基に執筆しています。制度の概要や最新情報は、必ずこども家庭庁公式サイトでご確認ください。
※ここでは一般的な情報を紹介しています。具体的な対応や判断が必要な場合は、行政書士や弁護士など専門家にご相談ください。
