
【実務ガイド】日本版DBS運用に係る規程整備に関する解説
日本版DBSの運用を開始するにあたっては、単なるシステム導入にとどまらず、関係法令との整合性を確保したうえで、複数の重要書式および内部規程を事前に整備することが求められます。本制度は、こどもの安全確保を目的とするものであり、適切な運用のためには、組織としての明確な手続規程および判断基準の策定が不可欠です。
こども家庭庁においては標準的な雛形が公表されていますが、これらは一般的な参考例であり、各施設・事業所においては、運営実態や既存の就業規則等との整合性を踏まえ、必要な修正・補正を行うことが必要です。
1. 整備が必要となる主要書式・規程
日本版DBSの適正な運用にあたり、以下の書式・規程を相互に矛盾なく整備することが求められます。
- 犯歴確認申請に係る本人同意書 犯歴照会の実施および個人情報の取扱いについて、対象者から法的に有効な同意を取得するための書式。
- 特定犯罪歴の有無を確認するための内部審査基準 配置転換等の措置を講ずる場合の判断基準を明確化し、組織としての統一的な判断を可能とするための内部基準。
- 就業規則および安全確保措置に関する規程 日本版DBSの運用を組織の正式な規程として位置付け、法的根拠を明確にするための規程。
- 性暴力等防止に向けた組織体制図 責任者の配置、報告経路、対応体制等を明示し、組織としての責任体制を可視化するための文書。
2. 公式書式の活用および修正時の留意事項
こども家庭庁準備室ページにおいて公開されている基本書式を入手し、各施設の実態に応じて適切に修正することが望ましいです
【修正時の主な留意点】
- 運営実態との整合性の確保 雛形をそのまま使用した場合、採用手続や職種区分等と齟齬が生じる可能性があります。実態と乖離した規程は、事案発生時に「規程違反」と評価されるおそれがあるため、必ず自施設の運用に即した内容とする必要があります
- 労働関係法令との整合性の確保 配置転換、内定取消し等の措置を規定する場合には、労働基準法その他の労働関係法令および関連判例に照らし、合理性・妥当性を確保することが求められます。不明確または過度に広範な規定は、法的紛争の要因となり得ます
3. 高度な運用体制を求める施設・事業所に向けた支援
日本版DBSは、こどもの安全確保に資する重要な制度である一方、運用方法を誤った場合には、職員のプライバシー権侵害や不当な人事評価等の法的問題を生じさせる可能性があります。そのため、制度の趣旨に沿った適正な運用体制の構築が不可欠です
行政書士法人塩永事務所では、以下の支援を通じ、実効性のある制度運用体制の構築を支援しています
- 既存の就業規則等との整合性確認
- 施設の特性に応じた独自規程の策定支援
- 職員向け説明資料の作成支援
雛形の修正方法が不明確な場合や、制度運用に関する専門的な検討が必要な場合には、専門家への相談が有効であり、法的根拠に基づく適切な規程整備は、施設およびこどもたちの安全確保に資する重要な基盤となります。
作成:行政書士法人塩永事務所
熊本から全国の施設・事業所に向け、法務コンプライアンスに基づく運営体制の構築を支援します。
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