
【実務ガイド】日本版DBS運用における規程整備のポイント解説
日本版DBSの運用を開始するにあたっては、単にシステムを導入するだけでは足りず、事前に「複数の重要書式および内部規程」を、法令との整合性を確保したうえで整備しておくことが求められます。
こども家庭庁の公式サイトでは標準的な雛形が公開されていますが、これらはあくまで「一般的な参考例」にとどまります。各施設・事業所においては、自社の運営実態や既存の就業規則との関係を踏まえ、次のステップに沿って修正・カスタマイズを行う必要があります。
1. 整備が必要となる主な書式・規程
日本版DBSの適切な運用にあたっては、以下の書類・規程が相互に矛盾なく連動していることが重要です。
- 犯歴確認申請に係る本人同意書 犯歴照会を行うことについて、個人情報の取扱いおよび照会実施に関する法的な同意を取得するための書式。
- 特定犯罪歴の有無を確認するための内部審査基準 「どのような場合に配置転換を行うか」など、人事上の取扱いに関する判断基準を明確化するための内部ルール。
- 就業規則および安全確保措置に関する規程 日本版DBSの運用を組織としての正式なルールとして位置付け、法的根拠を持たせるための規程。
- 性暴力等防止に向けた組織体制図 責任者の設置、報告・連絡ルート、対応フローなどを可視化し、組織としての責任体制を明確にするための体制図。
2. 公式書式の活用とカスタマイズの留意点
まずは、こども家庭庁の準備室ページから必要な基本書式をダウンロードしてください。
こども家庭庁公式:日本版DBS施行準備ページ https://www.cfa.go.jp/councils/koseibo-jumbi/8598f845
【修正・カスタマイズ時の主な注意点】
- 実態との乖離を防ぐこと 雛形をそのまま用いると、実際の採用フローや職種区分、組織体制と整合しない部分が生じるおそれがあります。その結果、トラブル発生時に「自ら定めた規程に違反している」と評価されるリスクも否定できません。
- 労働法規との整合性の確保 配置転換、内定取消し、業務制限などの措置は、労働基準法その他の労働関係法令や、関連する裁判例に照らして妥当と認められる内容である必要があります。過度に広範な制限や不明確な基準は、法的紛争の火種となり得ます。
3. 「より高い安心水準」を求める施設・事業所の皆さまへ
日本版DBSは、こどもの安全を確保するうえで極めて重要な制度である一方、その運用を誤ると、職員のプライバシー権の侵害や、不当な人事評価・差別的取扱いといった法的トラブルを招くおそれもある、慎重な設計が必要な仕組みです。
行政書士法人塩永事務所では、単なる書式の作成代行にとどまらず、「実効性と法的安定性を兼ね備えた運用体制の構築」を重視した支援を行っています。
- 既存の就業規則との整合性チェック 既存の就業規則・服務規律・懲戒規程などとの矛盾や重複を確認し、必要な改定案を提示します。
- 施設特有の事情を踏まえたオリジナル規程の策定 対象となる職種、雇用形態、事業内容、組織規模などを踏まえ、実態に即した規程案を構築します。
- 職員向け説明会資料の作成支援 制度の趣旨、運用方法、職員への影響範囲などをわかりやすく説明するための資料作成をサポートします。
「雛形はダウンロードしたものの、自社の実情に合わせてどのように修正すべきか判断がつかない」という場合は、早めに専門家へ相談されることをおすすめします。法的根拠に基づいた正確な規程整備こそが、施設とこどもたちの未来を守る、最も強固な防御策となります。
作成:行政書士法人塩永事務所 熊本から全国の施設・事業所の皆さまへ。 高度な法務コンプライアンスに基づき、日本版DBSを含む安心・安全な運営体制の構築をサポートいたします。096-385-9002 info@shionagaoffice.jp
